goo blog サービス終了のお知らせ 

🌸🌸扉の向こうに🌸🌸

扉の向こうにあるものは・・・

曙草 (アケボノソウ)

2012年08月26日 20時14分43秒 | 花の神話と伝説
〈別名〉キツネノササゲ



〈花言葉〉「今日も元気で」「初恋」

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
・8月中旬~9月上旬
・科 リンドウ科
・属 センブリ属
・形態 2年草
・学名 Swertia bimaculata
Swertia : センブリ属
bimaculata : 二斑点のある
Swertia(スウェルティア)は 16世紀の
オランダの植物学者「Swert さん」の
名前にちなんでおります。

・夏から秋にかけて咲きます。
 (花期は9-10月)

生態
湿地や林床などの、比較的湿った場所に生えます。
2年草で、発芽後1年目はロゼットのまま過ごします。
2年目に抽苔し、高さ80cm程度まで茎を伸ばします。
茎の断面は四角形で、葉は10cm程度の卵状で互生します。
ロゼットの根生葉は柄がありますが、
茎生葉は柄がないことが特徴的です。
分枝した茎の先端に径2cm程度の白い花をつけます。
花は5弁で星型。
花弁には紫色の点と、黄緑色の特徴的な丸い模様がついております。

名前の由来
・白い花びらを明け方の空に、
花びらにある斑点を夜明けの星に
見立てて名づけられました。

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
情報がとても少なく、加筆あります。


熨斗蘭 (のしらん)

2012年08月26日 13時08分34秒 | 花の神話と伝説



〈花言葉〉「ひっそり」
*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

・百合(ゆり)科(蘭科ではありません)
・学名 Ophiopogon jaburan
Ophiopogon : ジャノヒゲ属
jaburan : ヤブラン(日本名)
(ほんとはヤブランは別の花です)
日本名「ジャノヒゲ」の直訳から。
(ご参考)ジャノヒゲ
・ジャノヒゲ属に属している多年草
・属名の「Ophiopogon(オフィオポゴン)」は、
 ギリシャ語の「ophio(蛇)とpogon(髭)」が語源
・日本名の「ジャノヒゲ(蛇の髭)」の直訳からきております。
・種名の「jaburan」は日本名のヤブラン(藪蘭)を意味しております。
 (本当はヤブラン)
・アジアが原産で、日本では東海地方以西の本州、四国、九州、
 琉球列島に 広く分布し、海岸近くの林の中に生えております。
 庭先や公園の花壇などの縁取りなどに利用されることが多い。
 土留めとしても便利です。
 (本種に似た「ヤブラン(藪蘭)」は別の属で花は淡紫色です。)
・海外では、韓国の済州島にも分布しております。

・根は丈夫で太く茎の下部から出て、繁殖用の枝で地表や地中に
 延びて、先端に出芽、発根をさせる走出枝はありません。
 花の茎は斜め上に上がり、扁平で狭い種子についた薄くて風を
 受けて飛ぶのに役立つ部分の翼があり、長さ30~60cmになります。
・葉は根元で生えで叢生し、濃緑色で細長く両縁がほぼ平行で平たい帯状
 の形をした線形で厚く光沢があり、先端が少し垂れ下がっております。
 長さ30~80cm、幅1~1.5cm。
 縦の脈が多数走る全面無毛である。
 ヤブラン(藪蘭)」ともよく似ておりますが、 全体に「ノシラン(熨斗蘭)」の
 方が大きめです。
・花は30~50㎝の花茎の先に8~15㎝ほどの総状で各節に
 5個ほどつけ、全体として多数つけます。
 花被片は扁平の白色または淡紫色の花をつけ、
 花は下の方から垂れて咲いていきます。
 花被片の長さは6mm、雄蕊は6本あります。
 総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)をなし白ないし薄紫色の
 小花をつけます。
・花の後にできる液果状の実(種子)は濃い青色に熟します。。
 花が咲いた後に、胚珠が発達して種子になります。
 種子は径約7mmの卵状をした球形で、
 晩秋から初冬にかけて、緑色から青色と徐々に変化して、
 光沢のある瑠璃色(コバルトブルー)に熟していきます。
 朔果の茎は花が咲いている時よりも倒れていきます。
・秋から冬にかけて実(タネ)がなる順序は
最初は緑色で、緑 → 青 → 紺 と 徐々に変化します。


「実」ではなく「タネ」です。【龍の髭】とも申します。
 夏の季語になります。
〈花言葉〉 変わらぬ想い 
 今は秋の季語を掲載しておりますので、詳しい内容は
 省くことに致します。

熨斗蘭 (のしらん)の名前の由来
・葉の葉脈が筋張っていて、進物や縁起物に添える「熨斗(のし)」に、
 花がラン、(蘭)に似ていることと、
 花の茎がきし麺のように扁平で「麺棒でのしたような形」から
 名付けたともいわれております。
・茎も葉も火熨斗(ひのし)で伸ばしたように
 平べったいことからもきております。
 (火熨斗(ひのし)とは昔のアイロン)

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

熨斗蘭 (のしらん)としての情報は少なく「龍の髭」「蛇の髭」
としての青い実(種)の情報が多いようです。
熨斗蘭 (のしらん)は加筆・訂正の可能性がございます。

尾花

2012年08月24日 22時46分30秒 | 花の神話と伝説
〈別名〉 ススキ・茅(かや)・ミスカンサス



〈花言葉〉「勢力」「生命力」「心が通じる」「幻想」「隠退」
     「悔いなき青春」「活力」

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

植物界 Plantae
被子植物門 Magnoliophyta
単子葉植物綱 Liliopsida
イネ目 Poales
イネ科 Poaceae
ススキ属 Miscanthus
ススキ M. sinensis
・学名 Miscanthus sinensis(ススキ)
Miscanthus : ススキ属
sinensis : 中国の
Miscanthus(ミスカンサス)はギリシャ語の
「mischos(小花の柄)+ anthos(花)」
が語源


イネ科の多年草で、日当たりの良い草地など、
山野のいたるところに普通に生えます。

名前の由来
・和名は「すくすく立つ草」の意と言われています。
 「すすき」は「芒」とも書きます。
・ススキの「スス」は、葉がまっすぐにすくすく立つことを表し
「キ」は芽が萌え出でる意味の「萌(キ)」だと言われております。
(諸説あり)

・尾花の由来は動物の尾に似ているからといわれています
・「茅(かや)」
民家の茅葺き屋根(かやぶきやね)は、
この薄などの茎や葉を用いて
葺(ふ)いた屋根。
・屋根材のほかにも、炭俵用、家畜の飼料用
などとしてもよく利用されます。

神話と伝説
・秋の月見のおそなえとして欠かせないもの。
【中秋の名月】には収穫物と一緒に供えられますが
収穫物を悪霊から守り、翌年の豊作を祈願する意味があります。
(【中秋の名月】は下記参照)

・箱根の仙石原や、奈良の若草山で行われる「山焼き」は
ススキを野焼きすることです。
春先に行い。この野焼きをしないと、ススキの草原には
 次第に樹木が侵入し、ススキの原として維持することができなく
なるので、一年に一度全部焼き払ってススキ草原を
 残すようにしております。
・「常磐(ときわ)すすき」という種類は
「すすき」に比べて開花が早いため、
真夏の頃から穂を楽しめる。

【中秋の名月】(ちゅうしゅうのめいげつ) とは・・・
(または、中秋の満月)
旧暦(1872(明治5)年まで使用された暦)での
「秋」は、7月=初秋、 8月=中秋、9月=晩秋 を指しております。

また、毎月一律、 1日=新月、15日=満月 と呼んでおりました。
よって、8月15日
=【中秋の満月、中秋の名月】となりました。

新暦では「9月10日頃 ~ 10月10日頃 の間の満月」を
指すようになりました。
(日にちは年によっても少しずつずれる)

特徴
高さは1から2m。地下には短いがしっかりした地下茎があります。
そこから多数の花茎を立てます。
葉は細長く、根出葉と稈からの葉が多数つきます。
また、堅く、縁は鋭い鉤状になっているため、
皮膚が傷つくことがあります。

夏から秋にかけて茎の先端に長さ20から30cm程度の
十数本に分かれた花穂をつけます。
花穂は赤っぽい色をしておりますが、
種子(正しくは穎果・えいか)には白い毛が生えて、
穂全体が白っぽくなります。
種子は風によって飛ぶことができます。

日本には全国に分布し、日当たりの良い山野に生息します。
夏緑性で、地上部は冬には枯れるのが普通ですが、
沖縄などでは常緑になり、高さは5mに達します。その形ゆえに、
たまにサトウキビと勘違いする観光客がおります。

国外では朝鮮半島・中国・台湾に分布するほか、
北米では侵略的外来種として猛威をふるっている
(日本にセイタカアワダチソウが侵入したのと逆の経路で伝播)。

遷移上の位置づけ
植物遷移の上から見れば、ススキ草原は草原としてはほぼ最後の
段階に当たります。
ススキは株が大きくなるには時間がかかるので、
初期の草原では姿が見られないが、次第に背が高くなり、
全体を覆うようになれのす。
ススキ草原を放置すれば、アカマツなどの先駆者(パイオニア)的な
樹木が侵入して、次第に森林へと変化していきます。
後述の茅場の場合、草刈りや火入れを定期的に行うことで、
ススキ草原の状態を維持していたものです。

分類
本州南部以南の海岸線には、葉の幅が広く、
ざらつきの少ないものがあり、
これをハチジョウススキ(M. condensatus Hack.)といい、
変種と見なす立場もある。
同属の別種もいくつかある。やや華奢な植物で、水辺に生えて、
綿毛が純白のものにオギ(M. sacchariforus (Maxim.) Benth.)が
あります。
ススキよりさらに大きく、堤防などに大きな株を作るものに
トキワススキ(M. floridulus (Labill.) Warb.)がある。
他にもカリヤス、カリヤスモドキなど数種が知られるが
多くありません。

ススキはイネ科の代表のひとつと見なされておりますので、
ススキの名を持つ植物は多く、たとえば以下のようなものは
さほどススキに似ておらず、分類上も近くはないが
その名を持っております。
アブラススキ・コメススキ・ヒメアブラススキ
・ススキメヒシバなど

利用
かつては農家で茅葺(かやぶき)屋根の材料に用いたり、
家畜の餌として利用することが多かった。
そのため集落の近くに定期的に刈り入れをする
ススキ草原があり、これを茅場(かやば)と呼んでおりました。
現在では、そのような利用がされないので、
その多くは遷移が進んで、雑木林となっている。
そのため、ススキ草原に生育していた植物には、
かつて普通種であったが、現在は稀少になっているものがあります。
また、カヤネズミなども同様に見かけにくくなっている。
また、未成熟の穂を食用とする地域もある。

東京・雑司ヶ谷鬼子母神では、ススキの穂をミミズクの姿に作った
民芸品が有名です。

日本文化とススキ
鮮やかとは言えないススキに趣を見出すのは日本人ならではの感覚です。

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

ウィキペディアより

カンナ

2012年08月23日 11時35分44秒 | 花の神話と伝説
〈別名〉「ハナカンナ」「檀特の花(だんとく)」
〈花言葉〉「堅実な未来」「永続」「情熱」「熱い思い」
「若い恋人同士のように」「快活」「尊敬」「堅実な生き方」「妄想」
「雄大な美」「堅実な未来」「若い恋人同士のように快活」「疑い」
赤・・・「堅実な末路」「堅実な最後」
黄・・・「永続き」「永遠」
季 語  三秋

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
カンナ科の多年草。 高いものは二メートルほどにもなり、葉も花も遠くから目に付くほど大振り。 花期は長く、夏から初冬の間を咲き続けます。
カンナは、カンナ科カンナ属(Canna)の植物の一群。
多様な種類、園芸品種があります。
春に球根を植えると夏~秋に独特の形をした花を咲かせます。
葉は、緑色のものと赤銅色のものがあります。
球根で殖やしますが、暖かい地方では掘りあげる必要が無く、
宿根草として扱うことができます。

(英canna)カンナ科の多年草(球根植物)
別名・・・・・ ハナカンナ
季節は、6~11月。
開花期・・・・7月~10月
原産地・・・・中南米 熱帯アジア
花色・・・・・・白・桃・紅・赤・黄色または絞り
葉の形状・・長さ30cm~40cm
草丈・・・・1m~2m
花持ち・・・4日~7日
明治末に渡来
前世紀のカンナは、今より小さい
現在のカンナは、人工交配で作り出された園芸種です。

名前の由来
・古代ケルト語の「杖・脚」に由来 花茎の形からとも言われております。
・「カンナ」とは、茎が葦のように管状になっていることから
 ギリシャ語で「葦」が語源とされてそのまま呼び名になったものと
 されております。
・ミャンマーでは、ブッダの足から流れた血のあとに生えてきた花と
 いわれております。

神話と伝説
ブッダ(仏陀)は、強い霊力があり 
それを妬んだ悪魔が大きな岩を投げます
岩は、ブッタの体に当たらず粉々になりますが一片だけが
足の指に当たりました
流れたブッタの血は、大地に染み込み紅いカンナを咲かせました
悪魔は、大地の怒りに触れ血の裂け目に飲み込まれしまいました。

・広島記念資料館より
焦土に咲いたカンナの花
5年間は草木も生えないといわれた広島で、その年の秋、
新しい生命が芽吹きました。
生命の気配すら失われた大地に、緑がよみがえったのです。
新しい生命から人びとがとりもどしたのは生きる勇気と希望でした。

戦後70年は草木も生えないと言われた広島に、
いち早く咲いて人々の心を勇気づけたカンナの花。
*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

よくどこの校庭でも「カンナの花」を見かけましたが、
不思議でしたけれど、その理由が解るような気が致しました。


松虫草

2012年08月23日 11時02分01秒 | 花の神話と伝説
〈別名〉スカビオサ(西洋松虫草をさすことが多い)、
りんぽうぎく。



花言葉〉 「未亡人」「恵まれぬ心」「私はすべてを失った」「喪失」「再起」
      「不幸な愛情」「不幸な結合(英)」「あなたは私を見捨てる(仏)」
      「風情」「感じやすい」「魅力」「恵まれぬ恋」「朝の花嫁」
      「 悲しみの花嫁」「失恋」「私は、全てを失った」「不幸な愛情」

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

マツムシソウ(松虫草、Scabiosa japonica)
マツムシソウ科マツムシソウ属の越年草。
北海道、本州、四国、九州に分布する日本の固有種で、
山地の草原に生育します。
特徴
草丈はおよそ60-90 cmで、葉は対生し、羽状に裂けます。
夏から秋にかけて紫色の花をつけます。
花は頭状花序で、花の大きさは径4 cmほどである。
開花時期は、8~10月。
日本の31の各都道府県で減少傾向にあり、
各々のレッドリストに指定されております。
薬草として皮膚病などに用いられることもあります。

属名の「スカビオサ」という名前で園芸品種として栽培されるのは、
近縁種のセイヨウマツムシソウ(Scabiosa atropurpurea)であることが多い。

名前の由来
マツムシ(スズムシ)が鳴くころに咲くことが和名の由来であると
言われております。
神話と伝説
マツムシソウは、秋草の中でも美しく小花を沢山集合させて咲きます
開花後、実を付け無数の実は、
針刺しの針坊主のような面白い形になります
その姿は、昔、諸国を巡業する巡礼が持っていたマツムシと言う
小さな鐘に似てたということから来ているのかもしれません。

紫色は、日本では、高貴な色とされておりますが、
ヨーロッパでは、悲しみの色の象徴とされております。
そのため花言葉は、「失恋 私は、全てを失った 不幸な愛情」
生まれたのでしょうけれど、
悲しい花言葉が集合しているような気さえ致します。
疑問を感じます。何故なかのと・・・

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
ウィキペディア 他より掲載しております。

秋の草原に薄紫の花が揺れている姿はさぞかし美しいことでしょう。


2012年08月19日 12時09分32秒 | 花の神話と伝説
〈別名〉裏見草(うらみぐさ) 



〈花言葉〉「活力」「芯の強さ」「治癒」「恋の溜息」
*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
マメ科 多年生つる植物
原産地 日本、中国
草丈 数メートル
花期 7~9月
花色 紅紫色

学名 Pueraria lobata
Pueraria : クズ属
lobata : 浅裂した
Pueraria(プエラリア)は、19世紀のスイスの
植物学者「Puerari さん」の名前にちなみます。

根を用いて食品の葛粉や漢方薬が作られます。
万葉の昔から秋の七草の一つに数えらております。
特徴
葉は三出複葉、小葉は草質で幅広く、とても大きい。
葉の裏面は白い毛を密生して白色を帯びております。
地面を這うつるは他のものに巻きついて10メートル以上にも伸び、
全体に褐色の細かい毛が生えております。
根もとは木質化し、地下では肥大した長芋状の塊根となり、
長さは1.5メートル、径は20センチにも達します。

・花は8-9月の秋に咲き、穂状花序が立ち上がり、
 濃紺紫色の甘い芳香を発する花を咲かせます。
 花後に剛毛に被われた枝豆に似ている扁平な果実を結ぶ。
 花色には変異がみられ、白いものをシロバナクズ、
 淡桃色のものをトキイロクズと呼ばれております。
・まわりの木々をつるでおおってしまう程の
生命力。ひと夏で10mぐらい生長します。
・花は下の方から咲いていきます。
・つるの繊維部分は「葛布(くずふ)」の原料。
(静岡県掛川市特産)
・根には多量のでんぷんを含んでいて、
「葛根(かっこん、解熱の漢方薬)」になります。
葛粉(くずこ)もとれる。 → 葛餅(くずもち)

名前の由来
・和名は、かつて大和国(現:奈良県)の国栖(くず)が
 葛粉の産地であったことに由来します。
・別名 「裏見草(うらみぐさ)」。とは・・・
葉が風にひるがえると裏の白さが
目立つことから。平安時代には「裏見」を
「恨み」に掛けた和歌も多く詠まれた。

分布と生育環境
温帯および暖帯に分布し、北海道から九州までの日本各地のほか、
中国からフィリピン、インドネシア、ニューギニアに分布します。
荒れ地に多く、人手の入った薮によく繁茂します。

近似種
沖縄には同属のタイワンクズ (P. montana (Lour.) Merr.) があります。
全体にクズに似るが葉の形や花の姿などに若干の差があり、
なお、沖縄ではほぼ同様な姿で
ナタマメ属 (Canavalia) のタカナタマメ (C. cathartica Thouars) も
路傍によく出現します。

生態系
様々な昆虫のつく植物でもあります。
たとえば黒と白のはっきりした模様のオジロアシナガゾウムシ、
まん丸の形が可愛いマルカメムシはよくクズで見かけます。
また、クズの葉に細かい虫食いがある場合、
クズノチビタマムシであることが多い。

利害
よく繁茂する蔓草としての利害と、食品その他の利用があります。

雑草としては、これほどやっかいなものはありません。
蔓性で草地を這い回り、あちこちで根を下ろし、
地上部の蔓を刈り取っても、地下に栄養を蓄えた太い根が残り、
すぐに蔓が再生しますで、駆除するのはほとんど不可能に近い。
世界の侵略的外来種ワースト100 (IUCN, 2000)
選定種の一つになっております。

他方で、その蔓は有用でもあります。
かつての農村では、田畑周辺の薮に育つクズのつるを作業に用いました。
そのため、クズは定期的に切り取られ、それほど繁茂しませんでした。
しかし、刈り取りを行わない場合、クズの生長はすさまじいものがあり、
ちょっとした低木林ならば、その上を覆い尽くします。
木から新しい枝が上に伸びると、それに巻き付いてねじ曲げて
しまうこともあります。そのため、人工林に於いては、
若木の生長を妨げる有害植物と見なされております。

クズは根茎により増殖するため根絶やしにすることが困難です。
抜本的に除去する方法として、除草剤のイマザピルを使う手法があります。
除草剤は、薬剤を染みこませた楊枝状の製品であり、
根株に打ち込むことにより効果を発揮します。

2008年に宮崎大学により、クズ属植物からバイオマスエタノールを抽出する
技術が開発されました。

海外における拡散
北アメリカでは1876年にフィラデルフィアの独立百年祭博覧会の際に
日本から運ばれて飼料作物および庭園装飾用として展示されたのが
きっかけとして、東屋やポーチの飾りとして使われるようになりました。
さらに緑化・土壌流失防止用として政府によって推奨され、
20世紀前半は持てはやされたが、原産地の中国や日本以上に
北アメリカの南部は生育に適していたためか、
あるいは天敵の欠如から想像以上の繁茂・拡散をとげました。
そのため有害植物及びに侵略的外来種として指定されましたが、
駆除ははかどっておらず、
現在ではクズの成育する面積は3万km2と推定されております。

近年ではアメリカ南部の象徴的存在にまでなっております。
クズの英語名は日本語から
kudzu(「クズー」あるいは「カァズー」と発音される)と
呼ばれております。

この強健な成長ぶりから中国奥地の乾燥地の緑化のために
種子が運ばれたことがありますが、うまく行かなかったようです。

有用植物としてのクズ
食用
古来から大きく肥大した塊根に含まれる澱粉をとり、
「葛粉」として利用されてきました。。
秋から冬にかけて掘り起こしたものを砕いて洗い、精製します。

漢方薬
クズの根を干したものを生薬名葛根(かっこん)と呼びます。。
日本薬局方に収録されている生薬でもあります。
発汗作用・鎮痛作用があるとされ、漢方方剤の葛根湯、
参蘇飲(じんそいん)などの原料になっております。
これを題材にした落語に『葛根湯医者』があります。

つる(蔓)
クズのつるは長いことから、切り取ったつるが乾燥して固くなる前に
編むことで、かごなどの生活用品を作ることができます。

また、つるを煮てから発酵させ、
取りだした繊維で編んだ布は葛布(くずふ)と呼ばれます。

平安時代ごろから作られていたとされます。
江戸時代には『和漢三才図会』でも紹介されました。
かつては衣服・壁紙などに幅広く使われましたが、
現在では生活雑貨や土産物として、数少ない専門店によって
小規模ながら生産が続けられております。
遠州、現在の静岡県掛川市の特産品になっております。

飼料
現在はあまり利用されることはありませんが、
かつては飼料としても重宝されておりました。
ウマノオコワ、ウマノボタモチといった地方名がありますが、
馬だけではなく牛、ヤギ、ウサギなど多くの草食動物が喜んで食べます。

食品としての“葛”
食品の葛粉(くずこ)はクズの根から取れるデンプンを
精製することによって作られ、葛切りや葛餅などの原料となっております。
貝原益軒の菜譜や大蔵永常の製葛録に記されている通り、
もともとは救荒食糧として認知されておりました。
葛粉は良質のデンプンであり、効率よく栄養を摂取するには
最適の食材です。
伝説から
室町時代、山中で猪が葛根をしきりに掘り出そうとしているのを見た人が
「食べ物ではないか」と思ったという伝説があり、
それに従えば食糧として認知された始まりは室町時代であると推測されます。
一方、飛鳥時代の庶民の住居跡から葛根や葛餅様食品が出土しているため、
かなり古来から食された可能性があります。

葛粉は、葛根を潰してデンプンを取り出し、
水にさらす作業を何度も繰り返してアクと不純物を取り除く。
最後に塊を自然乾燥させて完成となる。
したがって、良質の葛粉を作るためには、
水は清く冷たく空気は乾燥していなければならない。
良質の水と冬の寒さが厳しい奈良県の吉野葛、石川県の宝達葛、
静岡県の掛川葛、三重県の伊勢葛、福井県の若狭葛、
福岡県の秋月葛などはこの条件を満たしているといえます。

葛粉を湯で溶かしたものを葛湯(くずゆ)と言い、
熱を加えて溶かしたものは固まると透明もしくは半透明になることから
和菓子材料や料理のとろみ付けに古くから用いられております。

薬効
葛根
葛粉は薬効を持ち、体を温め血行をよくする為、
風邪引き(葛根湯)や胃腸不良の時の民間治療薬として
古くから珍重されてきました。
近年は健康志向の高まりも手伝って、
自然食品や健康食品としてますます注目をあびております。
また、更年期障害や骨粗鬆症、糖尿病、乳癌、
子宮癌や男性の前立腺癌の治療もしくは
改善に効果があるとされるイソフラボンが含まれている事も
追い風になっております。

本葛
混じり気のない葛粉100%のものを本葛(ほんくず)と呼び、
なめらかで口当たりが良いが、本来多少の苦味を伴います。
この苦味が薄いと薬効が落ちるとも言われております。

本葛は生産量が少なく高価であるため流通量が少なく、
葛粉と称して一般に売られているものの多くは
馬鈴薯澱粉が混ざっております。
現在「本葛」として市販されている物でさえジャガイモ、
サツマイモ(甘藷澱粉)、コーンスターチ(トウモロコシの澱粉)や
などのデンプンを混入した物が多い。

業界では、業務用並葛とは、甘藷澱粉100%の物を言います。

西日本、特に産地の多い近畿や九州では本葛粉が比較的手に入りやすい。

生産の現状
国内産本葛の大生産地は鹿児島です。

クズの根を掘り出す人の高齢化と天然資源の減少によって、
現在、国内で出回る本葛にしめる中国製の割合が高まっておます。
中国製については、中国から寒根葛(葛)の根を輸入し
国内で製造した物を国産本葛と表示しているケースや
国産本葛と中国産葛を混ぜ合わせて国産本葛としている事が
多々見受けられます。
中国産の寒根葛(葛)の根のポストハーベストまたは残留農薬の
危険性が問題になっております。

※ 台湾産のクズはタイワンクズ (Pueraria montana) であり、
日本産の葛根ヤマトクズとは同種ではありません。
中国産のクズについても、シナノクズ (P. lobata var. chinensis) として
区別する 薬用面からは同じとみなしてよい
(ただし、中国では、畑での葛根の栽培が盛んな為、天然物とは区別が必要)

現在、本葛について明確な表示基準がないため、消費者にとっては、
大変わかりにくくなっております。
たとえば、本葛とは本来、寒根葛の根から取ったデンプン100%の
ものを言いますが、他のデンプンを混ぜ本葛が50-70%入れば本葛と
表示しているケースが多いようです。
また原料原産地名の表示義務がないため、原料を外国から輸入しても
日本で生産すれば国産としたり、国産が半分以上は入っていれば国産と表示
したりすることがあります。

多分にもれず、本葛も低価格競争に入りサツマイモのデンプン(甘藷デンプン)、
ジャガイモのデンプン、とうもろこしのデンプン(コーンスターチ)など
との混合が目立ちます。
また、増粘多糖類等の食品添加物の混入も多くなってきており、
なかには、本葛がまったく入らなくても葛粉として販売されているケースも
目にします。
(例:内容表示 名称 葛粉 原材料名 甘藷澱粉)

文化
酒井抱一『月に秋草図屏風』(部分)。
葛(クズ)が主役となって画面いっぱいに描かれております。
万葉集から・・・
・「ま葛原 なびく秋風 吹くごとに
阿太(あた)の大野の 萩が花散る」
万葉集 作者不詳

「梨棗(なつめ) 黍(きび)に
粟(あは)つぎ 延(は)ふ葛の
後も逢はむと 葵花咲く」
万葉集 作者不詳

「葛の風 吹き返したる 裏葉かな」
高浜虚子

家紋
クズ固有の小さな葉を意匠的に図案化した家紋が数多く存在します。

秋の象徴
クズは古来より秋の七草のひとつに数えられるとともに、
秋の季語として多くの俳句に詠われております。

参考文献
浅井康宏 『緑の侵入者たち 帰化植物の話』 朝日新聞社

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

植物を調べておりますと文化から医療・食料までと広がります。
上記はウィキペディアからの掲載がほとんどですが、個人的に
調べる必要を感じております。
ウィキにも同様に参考文献の無い事なども含め再編集と記されている
ものも多く存在いたしますが、一つの足がかりになりますね。




2012年08月18日 16時48分03秒 | 花の神話と伝説

〈別名〉 芽子・生芽(ハギ)・にわみかさ




〈花言葉〉「過去の思い出」「思案」「前向きな恋」「想い」「内気」
     「物思い」「柔軟な精神」

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

ハギ(萩)とは、マメ科ハギ属の総称。
落葉低木。秋の七草のひとつで、花期は7月から10月。
分布は種類にもよるが、日本のほぼ全域。

マメ科 ハギ属 落葉低木
高さ 1m.から2m前後
開花期 7月から9月

・秋の七草の一つです。
・ 花色 紅紫、白
原産地 
 日本、朝鮮半島、中国 

特徴
・数種ありますが、いずれも比較的よく似た外見。

・背の低い落葉低木ですが、木本とは言い難い面もあります。

・茎は木質化して固くなり、年々太くなって伸びるようなことはなく
 根本から新しい芽が毎年出します。
 直立せず、先端はややしだれます。

・葉は3出複葉、秋に枝の先端から多数の花枝を出し赤紫の花の房を
 つけます。果実は種子を1つだけ含み、楕円形で扁平。

・荒れ地に生えるパイオニア植物で、
 放牧地や山火事跡などに一面に生えることがある。

・緑化資材
 ハギは、マメ科植物特有の根粒菌との共生のおかげで、
 痩せた土地でも良く育つ特性があります。
 この特徴を買われ、古くから道路斜面、治山、砂防など現場で
 緑化資材として活用されております。
 現在では、ヤマハギ、メドハギの種子が、斜面緑化のための
 吹付資材として用いられております。

神話と伝説
・古くから日本人に親しまれ、『万葉集』で最もよく詠まれる花です。
 秋ハギと牡鹿のペアの歌が多い。
・秋の七草の一つで昔から野山に自生しています
 荻は、秋の字を持ち人々に秋を知らせる愛らしい花です

・万葉の時代、男女とも髪に萩の花を飾り恋文を荻の花の小枝に結び
 贈りあっていたそうです

秋の風物詩 
・十五夜に果物や団子 萩やススキをお供えしておりました
・中国では、萩の新芽を摘んでお茶にして飲まれているそうです
・タヌキが化ける昔話がありますがタヌキの頭に乗せるは、
 荻の小枝だそうです。←調査の必要有りです。

宮城県の県花(宮城の萩)

「秋の七草」の一つとなっておりますが、
「草」ではなく「木」に分類されております。

日本の秋の野山を代表する植物として、古くより親しまれております。

細い茎に赤い小さな花をたくさんつける姿は、控えめながら逞しさも
持ち合わせており、日本人の心を捉えてきました。

・ 万葉集の中でハギを詠み込んだ歌は142首で、最大数。

民俗
月見:中秋の名月に萩・薄を月見団子と共に月に供える風習がある。
萩も薄も、昔の日本では山野に自生する身近な植物であった。
文芸
萩の名所である歌枕として宮城野がある。
山上憶良の歌
「萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花(万葉集・巻八 1538)」
音楽
『萩の露』(地歌・箏曲) 幾山検校作曲。
幕末に京都で活躍した盲人音楽家幾山検校の代表曲。
恋に破れ涙に暮れる自分を露の萩にたとえ、
秋の風物を詠み込んだ「手事もの」曲。 『萩桔梗』(端唄)

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
ウィキペディア・他より掲載
疑問符が多いのも事実ですね。もっと調べなくてはと思っております。

桔梗

2012年08月17日 15時35分00秒 | 花の神話と伝説
別名〉 「桔梗」(きちこう)



〈花言葉〉 やさしい愛情・誠実・従順・変わらぬ愛・変わらぬ心
      ・清楚・気品・正義 

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

キキョウ(桔梗、Platycodon grandiflorus)は
キキョウ科の多年性草本植物。
山野の日当たりの良い所に育ちます。
日本全土、朝鮮半島、中国、東シベリアに分布します。

万葉集のなかで秋の七草と歌われている「朝貌の花」は本種であると
言われております。
絶滅危惧種す。
・開花時期は、 6/10頃~ 8/10頃。
・漢名の「桔梗」を音読みしたら「ききょう」。

星型の花の形をしたキキョウは秋の七草の1つです。
(ちなみに秋の七草は・・・萩・すすき・桔梗・撫子・くず・藤袴・女郎花)。

形態
・根は太く、黄白色。高さは40-100cm程度。葉は互生で長卵形、
 ふちには鋸歯があり、下面はやや白みがかっております。

・つぼみの状態では花びら同士が風船のようにぴたりと
 つながっております。
 そのため "balloon flower" という英名を持ちます。

・つぼみが徐々に緑から青紫にかわり裂けて6-9月に星型の花を
 咲かせます。
 雌雄同花だが雄性先熟で、雄しべから花粉が出ているが
 雌しべの柱頭が閉じた雄花期、花粉が失活して柱頭が開き
 他の花の花粉を待ち受ける雌花期があります。
 花冠は広鐘形で五裂、径4-5cm、雄しべ・雌しべ・
 花びらはそれぞれ5本です。

・花の色は、赤、ピンク、青紫、紫、白。
・紫または白の、美しい花。

なお、園芸品種には白や桃色の花をつけるものや、
鉢植え向きの草丈が低いもの、二重咲きになる品種や
つぼみの状態のままほとんど開かないものなどがあります。

生薬
キキョウの根
キキョウの根はサポニンを多く含むことから生薬(桔梗根という)
として利用されております。
生薬としては、根が太く、内部が充実し、
えぐ味の強いものが良品とされおります。
去痰、鎮咳、鎮痛、鎮静、解熱作用があるとされ、
消炎排膿薬、鎮咳去痰薬などに使われます。

主な産地は韓国、北朝鮮、中国です。
桔梗湯(キキョウ+カンゾウ)や十味敗毒湯、防風通聖散、排膿散などの
漢方方剤に使われております。

文化
花の形から「桔梗紋」が生まれております。
桔梗’は木へんを消すと「‘更’に‘吉’」となり縁起がよいため、
家紋として用いられております。
明智光秀、大田道潅、加藤清正などが桔梗紋を用いており
多くは土岐一族であるといわれております。

美濃の山県氏、土岐氏一族は桔梗紋を紋所にしていた事で
知られております。
明智光秀も土岐氏一族であり、桔梗紋を用いておりました。

安倍晴明が使用した五芒星を桔梗印と呼び、
現在の晴明神社では神紋とされております。
一説には桔梗と吉凶の発音が似ているためとも言われるが、
昔は桔梗の花を神仏に捧げて吉凶を占ったとされ、
清楚な中にも神神しいさを感じさせる花である。

漢方
桔梗駅(北海道函館市桔梗町)
- 周囲にキキョウが咲いていたことからの命名。
龍ケ崎市 - 市の花。
伊勢原市 - 市の花。
塩尻市 - 市の花。
一宮市 - 市の花。
掛川市 - 市の花。
多治見市 - 市の花。
ききょうバス - 多治見市のコミュニティバス。

土岐市 - 市の花。
名張市 - 市の花。
鎌ケ谷市 - 市の花。
山県市 - 市の花。
桔梗が丘駅(三重県名張市桔梗が丘) - 近鉄大阪線

言われ
・漢方では太い根を干してせきやのどの薬にします。
また、この薬用成分のサポニンというものは昆虫には有毒なため
昆虫からの食害から自らを守っているのです。
(キキョウサポニンと呼ばれております。)

・昔から武士に好まれたようで、家紋に取り入れ
られたり、江戸城には「ききょうの間」や「桔梗門」の名前があります。

・開花直前の丸くふくらんだ状態がおもしろい。
開花前には花びらが互いのふちでくっついたまま膨れていくために
 つぼみのときは風船のようにふっくらして見えます。
プチュッとつまむと水がはじけ出します。

・万葉集に出てくる「あさがお」は、この桔梗のことと言われております。

・平安時代の辞書には
「阿利乃比布岐(ありのひふき)」として掲載されております。
→ 「蟻(アリ)の火吹き」の意味。
蟻が桔梗の花びらをかむと、蟻の口から
蟻酸(ぎさん)というのが出て、桔梗の花の
色素アントシアンというのを変色させるために、
  紫の花の色が赤く変わります。
(蟻が火を吹いたように見える)
・ 季語 初秋

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
ウィキ他より掲載させて頂いております。

花の色等からみても 調査の必要を感じます。
が、【桔梗】は風情のある日本らしいお花ですね。

藤袴

2012年08月14日 18時15分47秒 | 花の神話と伝説
〈別 名〉 香草(漢名)、蘭草(漢名)、香蘭、王者香

〈花言葉〉 「ためらい」「遅延」「躊躇」「あの日を思い出す」「優しい思い出」
      「思い出」「延期」「遅れ」
〈季 語〉 初秋


*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

フジバカマ(藤袴、Eupatorium japonicum)とは
キク科ヒヨドリバナ属の多年生植物。
秋の七草の1つ。

特徴
本州・四国・九州、朝鮮、中国に分布しております。
原産は中国ともいわれますが、
万葉の昔から日本人に親しまれてきました。
8-10月、散房状に淡い紫紅色の小さな花をつけます。

・粒状のピンク色の花を泡立つように咲かせます。

また、生草のままでは無香のフジバカマですが、
乾燥するとその茎や葉に含有されている、
クマリン配糖体が加水分解されて、オルト・クマリン酸が
生じるため、桜餅の葉のような芳香を放します。

中国名:蘭草、香草
英名:Joe-Pye weed;Thoroughwort;Boneset;Agueweed
(ヒヨドリバナ属の花)

かつては日本各地の河原などに群生しておりましたが、
今は数を減らし、環境省のレッドリストでは
準絶滅危惧(NT)種に指定されております。

また「フジバカマ」と称する植物が、観賞用として園芸店で
入手でき庭にも好んで植えられております。
しかし、ほとんどの場合は本種でなく、
同属他種または本種との雑種なのです。

文学の中の藤袴
・万葉集:
秋の七草:「萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 女郎花 また藤袴
     朝貌の花」
(万葉集・巻八 1538)

・ 源氏物語:夕霧は玉鬘に藤袴を差し出して
「おなじ野の露にやつるゝ藤袴あはれはかけよかことばかりも」と
  詠いかける。
「むらさきのふぢばかまをば見よと言ふ
         二人泣きたきここち覚えて 晶子」
(与謝野晶子の『源氏物語』訳)

・意匠 満州国の紋章

・全体に桜餅のような香りがします。
・平安時代の女性は、これを干した茎や葉っぱをミスにつけて
髪を洗ったようです。
また、防虫剤、芳香剤、お茶などにも 利用されました。

・葉が3深裂するのが特徴です。
 ほとんど別の葉っぱのように見えて、元は一つの葉っぱです。

・開花時期は、10/ 1頃~11/25頃。

・小さいピンク色の花がたくさん咲きます。

名前の由来
・花の色が藤(ふじ)色で、花弁の形が
袴(はかま)のようであることから
この名前で呼ばれるようになりました。

・渡来時は「蘭(ラン・ラニ)」という名前だったが、程なく「ふじばかま」の名前で呼ばれ るようになりました。

・花の色が藤色で、花弁の形が 袴(はかま)のよう。花の中の筒状花を引き抜いて、逆さにすると、藤色の袴と二本の足に見えるとも言われております。

万葉集では山上憶良などによって詠まれるなど
古くから日本人に親しまれた来た花の一つです。

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

藤袴の魅力はなんといってもその名のごとく、藤色です。
私はこの花に 
大人の女性の慎ましさと逞しさと憂いを感じでなりません。


女郎花

2012年08月13日 20時45分13秒 | 花の神話と伝説
別名〉 「粟花」(あわばな)「 思い草」(おもいぐさ)                「チメグサ」「敗醤(はいしょう)」



花言葉〉 「親切」「美人」「はかない恋」「永久」「忍耐」「心づくし」
 「美しさ」「佳人」「約束を守る」

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

オミナエシ(女郎花 Patrinia scabiosifolia)は、
合弁花類オミナエシ科オミナエシ属 の多年生植物。

オミナエシ科 多年草
原産地 日本 中国
草丈 60センチ~1メートル前後
花期 8~10月

・秋の七草の一つ。
・開花時期は、 7/ 5頃~10/10頃。
・黄色い清楚な5弁花。山野に生えます。

名前の由来
・異説有り。へしは(圧し)であり美女を圧倒するという説、
 へしは飯であり花が粟粒に見えるのが女の飯であるという説、など。
 一回り大きく、白い花を咲かせる種は「オトコエシ」。

・「おみな」は「女」の意、「えし」は古語の「へし(圧)」で、
美女を圧倒する美しさから名づけられました。

・ 別名 栗花(アワバナ)小さな黄色い小花を粟粒に見立てました。

・女郎花 昔、女性の食べ物は、粟飯で黄色い小花が粟飯に似ているから
 また粟飯が転じて
 「おみなえし」になったとも言われています。

また、もち米でたくごはん(おこわ)のことを 「男飯」といったのに対し、
 「粟(あわ)ごはん」 のことを「女飯」といっていたが、
花が粟つぶのように黄色くつぶつぶしていることから
「女飯」→「おみなめし」→「おみなえし」となった、
との説もあります。

・漢字で「女郎花」と書くようになったのは
平安時代のなかば頃から、と言われております。

・根は漢方薬になる。

・「男郎花(おとこえし)」という花もあり、こちらは白い花。
形はそっくりですが 女郎花より「力強く」見えると
 言われております。

特徴
・ 漢方では「敗醤(はいしょう)」の名前の生薬。
  醤油が腐ったような匂いがすることから。

・沖縄をのぞく日本全土および中国から東シベリアにかけて
 分布しております。

・夏までは根出葉だけを伸ばし、その後花茎を立てる。
 葉はやや固くてしわがある。
 草の丈は60-100 cm程度で、8-10月に黄色い花を咲かせます。

・日当たりの良い草地に生えます。
 手入れの行き届いたため池の土手などは好適な生育地であったが、
 現在では放棄された場所が多く、そのために自生地は非常に
 減少しております。
 日本では万葉の昔から愛されて、前栽、切花などに用いられてきました。

オトコエシ(男郎花 Patrinia villosa)
オミナエシより全体的に大きく、8-9月に白い花をつけます。
乾燥させた根を煎じたものには解毒効果があるとされております。
若い苗は食用にもなります。

生薬
全草を乾燥させて煎じたもの(敗醤)には、解熱・解毒作用があります。
また、花のみを集めたものを黄屈花(おうくつか)という。
これらは生薬として単味で利用されることが多く、
あまり漢方薬(漢方方剤)としては使われない
(漢方薬としてはヨク苡仁、附子と共に調合したヨク苡附子敗醤散が
知られる)。

文学
・万葉集:秋の七草:「萩の花尾花 葛花 瞿麦の花 女郎花 また
 藤袴 朝貌の花(万葉集・巻八 1538)
・源氏物語では歌の言葉、前栽の花や襲色目の名として何箇所にも
 出てきます。
「女郎花しほるゝ野辺をいづことて一夜ばかりの宿を借りけむ」(夕霧の巻)
「霧ふかきあしたの原のをみなへし心をよせて見る人ぞ見る」(総角の巻)
「ほど近き法の御山をたのみたる女郎花かと見ゆるなりけれ 晶子」
(与謝野晶子の『源氏物語』訳「手習」より)

・ 能の演目「女郎花」:読みは「おみなめし」。
小野頼風とその妻の話。
頼風に捨てられたと誤解した妻が法生川に飛び込んで自殺。
妻を墓に埋めると、そこから一輪の女郎花が生える。
頼風がその女郎花に近づくと、まるで頼風を拒絶するかのように女郎花が
風で逃げ、頼風が離れるとまた元に戻った。
それを見た頼風は死んだ妻が自分を拒絶しているのだと思い、
妻と同じ川に飛び込んで自殺する。

秋の七草の一つ万葉の時代から愛でられ
万葉集 (藤原時平の歌)
「女郎花 秋の風に うちなびき
心ひとつを たれによすらん」

神話と伝説
秋、京都に近い放生川の岸に住む若者が娘に恋をし
「春になったら結婚しよう」・・・求婚します。
娘は、幸せを噛み締めながら春を待っていました
しかし春が来て夏になり木枯らしが吹く冬になっても
若者は、姿を見せません
娘は、嘆き放生川へ身を投げてしまいます
墓の周りに咲いたのがオミナエシです
黄色い花は、恋のはかなさに悲しんだ娘のようです

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

ウィキ その他より抜粋掲載させて頂いております。
あまり派手とはいえない【女郎花】じょろうばな・・・
とは読みませんから・・・

撫子

2012年08月11日 12時40分44秒 | 花の神話と伝説
〈別名〉


〈花言葉〉純愛・無邪気・純粋な愛・いつも愛して・思慕・貞節・お見舞
     ・女性の美・才能・大胆・快活
(美女撫子) 「長く続く愛情」
(河原撫子) (ヤマトナデシコ)(カワラナデシコ)の
     花言葉は、可憐・貞節

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

・ナデシコ(なでしこ、撫子、瞿麦)はナデシコ科ナデシコ属の植物、
カワラナデシコ(学名:Dianthus superbus L. var. longicalycinus)の異名。
またナデシコ属の植物の総称。蘧麦(きょばく)。
秋の七草の一つである。

・学名 Dianthus superbus var. longicalycinus
(河原撫子)
Dianthus : ナデシコ属
superbus : 気高い、堂々とした
  Dianthus(ダイアンサス)は、ギリシャ語の
「Dios(ギリシャ神話の神、ジュピター)+ anthos(花)」が語源で、
     【ジュピターの花】の意味です。

歌などで、「撫でし子」を掛詞にすることが多い

ナデシコ属 (Dianthus) はナデシコ科 (Caryophyllaceae) に属し、
北半球の温帯域を中心に約300種が分布します。
このうち、ヒメハマナデシコとシナノナデシコは
日本固有種(日本にのみ自生)であり、他に日本にはカワラナデシコと
ハマナデシコが分布します。
それらの特徴は次のようなものです。
カワラナデシコ (D. superbus L. var. longicalycinus (Maxim.) Williams)
カワラナデシコには、ナデシコ、ヤマトナデシコの異名もあります。
これはセキチク (D. chinensis L.) を古くは唐撫子(カラナデシコ)といった
ことに対する。ナデシコは古くは常夏(とこなつ)とも云われました。
これは花期が夏から秋に渡ることにちなんでおります。
6月頃から8月頃にかけて開花します。

名前の由来
・ピンク色の可憐な花。
縁がこまかく切れ込んでいる。
我が子を撫(な)でるようにかわいい花で
あるところからこの名前に。

・早咲きと遅咲きがあります。
・よく見られるのは
「河原撫子(かわらなでしこ)」河原に生えるとも限りません。
野、山、高原どこででも見かけることが出来ます。
どちらかというと日当たりのよい草原等。

・この撫子を代表とするダイアンサスの花には
英名で「ピンク pink」の名前があり、「輝く目」の意味があります。

ピンクという色の語源はこの花にあると言われておりますが・・・

・中国から平安時代に渡来した、 唐撫子(からなでしこ:石竹)に対して、
在来種を大和撫子(やまとなでしこ)と呼びます。
日本女性の美称によく使われております。

歴史及び文化
「撫でし子」と語意が通じることから、しばしば子どもや女性にたとえられ、
和歌などに多く参照されます。
古く『万葉集』から詠まれる。季の景物としては秋に取り扱われます。
『枕草子』では、「草の花はなでしこ、唐のはさらなり やまともめでたし」
とあり、当時の貴族に愛玩されたことがうかがえる。
また異名である常夏は『源氏物語』の巻名のひとつとなっており、
前栽に色とりどりのトコナツを彩りよく植えていた様子が描かれている。

ナデシコ属は古くから園芸品種として栽培され、
また種間交雑による園芸種が多く作られている。
中国では早くからセキチクが園芸化され、平安時代の日本に渡来し、
四季咲きの性格を持つことから「常夏」と呼ばれました。

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
ウィキペディア他・・・
加筆・訂正等ございます。
子供の頃から慣れ親しんでまいりました【撫子】の花がこんなにも
日本で愛されてきたのだと思いました。
私にとりましては、撫子を見て育ちましたので、
いつも見ておりますと、懐かしい・・・それだけなのです。

風船葛

2012年08月10日 21時55分30秒 | 花の神話と伝説
〈別名〉 バルーバイン・ハート ピー・ハート シード

花言葉〉 あなたと飛び立ちたい・多忙・期待・魅力ある性格・自由な心
*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

フウセンカズラ(風船葛、学名:Cardiospermum halicacabum)とは
ムクロジ科の植物の一種。
花を観賞するためよりむしろ、
風船状の果実を観て楽しむために栽培される。
北米原産。

科・属名 ムクロジ科・カルディオスペルマム
(フウセンカズラ)属
原産地 東南アジア・中南米原産
状態 一年草

つる性の植物で一年草。
葉は三出複葉、小葉は草質で柔らかく、あらい鋸歯がある。
7月~9月頃に白い5mmくらいの花を咲かせる。
花は葉腋からでる長い柄の先に数個付き、巻きヒゲを共につける。
果実は風船状に大きく膨らみ、緑色。
後に茶色く枯れる。
種子は球形で大粒、なめらかな黒でハート形の白い部分がある。
ちょうど栃の実を小さくした姿に見える。

よく茂ったときは非常に涼しげで、家庭の壁面緑化にも使われる。
種子は、白っぽいハート形の部分をサルの顔に見立てて遊ぶこともある。

属名は「ハートの種」の意。
ムクロジ科フウセンカズラ属の蔓性多年草。
一年草として栽培さ
れることもある。
葉は互生し、蔓は二から三メートルほどに伸びる。
夏に白い小花を咲かせ。
秋に風船に似た三、四センチほどの
緑色の果実をつける。

茎は細く巻きひげで他物に絡みながら、高さが3mほどにもなり、
夏に花径3~5㎜の淡緑白色の花を咲かせます。
花はごく地味で小さいのですが、その後にできるホオズキのように
膨らんだ可愛い草姿が目を楽しませてくれます。
実が熟すと、白のハート型の模様が入った黒いタネができます。

実とつるのグリーンが涼しげで、夏の日除けとしてフェンスなどに
絡ませたり、鉢植えや切り花としても人気があります。
またワイヤーなどに絡ませてトピアリーを作るのもおもしろい
仕立て方です。

属名のカルディオスペルマムは、ギリシャ語の「cardia(心臓)」と
「sperma(種子)」に由来し、
種子にハート形の模様があることによります。
和名は、花後に緑の風船のような実がなることから
「フウセンカズラ(風船葛)」とつきました。

英名も風船のように膨らむつる植物という意味の、
「balloon vine(バルーン・バイン)」。またハート形の種子から
「heart pea(ハート ピー)、または heart seed(ハート シード)」
とも呼ばれます。

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
ウィキより
取りあえずの掲載です。

芙蓉

2012年08月10日 21時12分39秒 | 花の神話と伝説

〈花言葉〉 「繊細な美」「しとやか」「微妙な美しさ」「しとやかな恋人」
        

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*

フヨウ(芙蓉、Hibiscus mutabilis)はアオイ科フヨウ属の落葉低木。
種小名 mutabilisは「変化しやすい」(英語のmutable)の意。
「芙蓉」はハスの美称でもあることから、とくに区別する際には
「木芙蓉」(もくふよう)とも呼ばれております。
概要
原産地は中国で、台湾、日本の沖縄、九州・四国に自生します。
日本では関東地方以南で観賞用に栽培されております。
幹は高さ1.5~3m。寒地では冬に地上部は枯れ、
春に新たな芽を生やします。

葉は互生し、表面に白色の短毛を有し掌状に浅く3~7裂しております。

7~10月始めにかけてピンクや白で直径10~15cm程度の花をつけます。
朝咲いて夕方にはしぼむ1日花で、長期間にわたって毎日次々と
開花します。
花は他のフヨウ属と同様な形態で、花弁は5枚で回旋し椀状に広がり、
先端で円筒状に散開するおしべは根元では筒状に癒合しており、
その中心部からめしべが延び、おしべの先よりもさらに突き出して
5裂します。

果実はさく果で、毛に覆われて多数の種子をつけます。

同属のムクゲと同時期に良く似た花をつけますが、
直線的な枝を上方に伸ばすムクゲの樹形に対し、
本種は多く枝分かれして
横にこんもりと広がること、葉がムクゲより大きいこと、
めしべの先端が曲がっていること、で容易に区別できます。

変種・近縁種
スイフヨウ(酔芙蓉、Hibiscus mutabilis cv. Versicolor)
朝咲き始めた花弁は白いが、時間がたつにつれてピンクに変色する
八重咲きの変種であり、色が変わるさまを酔って赤くなることに
例えたもの。
なお、「水芙蓉」はハスのことである。混同しないように注意のこと。
アメリカフヨウ(草芙蓉(くさふよう)、
Hibiscus moscheutos、英: rose mallow) 米国アラバマ州の原産で、
7~9月頃に直径20cmにもなる大きな花をつけます。
草丈は1mくらいになります。
葉は裂け目の少ない卵形で花弁は浅い皿状に広がって
互いに重なるため円形に見えます。
この種は多数の種の交配種からなる園芸品種で、
いろいろな形態が栽培されております。
なかには花弁の重なりが少なくフヨウやタチアオイと似た形状の花を
つけるものもあります。

神話&伝説
フヨウの花のように美しいしとやかな顔立ちの事を
「フヨウの顔」と言います
昔から美しい女性のたとえにもちいられ 
花言葉も「しとやかな恋人」です

中国、後蜀(ごしょく)の後主昶(こうしゅちょう)は、
居城のある成都に、160Kmもの長さにわたり芙蓉を植え
数千人の美女たちと艶やかさを褒めたたえたと言われています

中国では、芙蓉は、ハスの花をさし花木の芙蓉は、
木芙蓉の字をあてています
観賞用に植えられ親しまれ
絵画や陶磁器 服 建物の模様に好んで描かれています

一重咲き 八重咲きがあります
八重咲きは、朝 咲き始めは、白 昼は、ピンク 
夜は、紅に花色が変化します

まるでお酒を飲んで紅くなっていくようなので
「酔芙蓉」の名前が付けられました

名前由来
漢名の一つ「芙蓉」が和音読みからきております。

酔 芙 蓉
 遠く平安の頃から観賞され、人々に愛されてきた芙蓉の花。
古くから栽培されているにもかかわらず、
ムクゲと違って変異が出にくく、品種はあまり多くありません。
その数少ない園芸品種の一つが酔芙蓉です。
 芙蓉は中国ではもともと「蓮の花」のこと。
水の中に咲くものを水芙蓉、木に咲くものを木芙蓉と呼んでいました。
 日本では、蓮を芙蓉という習慣がないので、
芙蓉といえば木芙蓉のことを指します。
朝に咲き、夕方には萎んでしまう一日花で、
早朝に開花したときには本来の淡紅色、夕方になるにしたがって、
その色は次第に濃くなり、そして萎んでいきます。
 一方、酔芙蓉は、朝のうちは純白、午後には淡い紅色、
夕方から夜にかけては紅色になります。
酒を飲むと顔色がだんだんと赤みを帯びるのに似ていることから
この名がついたといわれています。
 芙蓉は、全国各地の庭先や公園など、
どこででも目にすることができますが、群生している名所となると
本寺のように寺の境内が多いです。
 酔芙蓉となるとなかなか群生しているところは少なく、
千本以上あるところは珍しいようです。
 芙蓉の花が短命で、一日花のはかなさに諸行無常の教えを悟り、
蓮の花に仏教の縁を重ねるのかもしれません。
【名前の由来】
花色の変化を、酒に酔っていく様にたとえて名づけられました。
【学名】   Hibiscus mutabilis f. versicolor
【分類】   アオイ科フヨウ属の落葉低木。
【分布】   原産地は中国、日本。
【花の特徴】 樹形、葉形はフヨウとほぼ同様だが、
       一重咲きが基本のフヨウに対し、花は八重咲き。
       時間が経つにつれて変色していくのが大きな特徴であ
       る。
【花期】   9~10月
【特性】   日当たりのよい場所に、地植えするのがよい。
       フヨウと同じく肥えた土地を好み、防寒、
       防湿の必要はとくにない。

酔芙蓉こぼれ話(法華宗 大乗寺)

★芙蓉・酔芙蓉の花言葉は「繊細な美」「しとやかな恋人」「富貴」
「微妙な美しさ」などがあります。

★その他に「芙蓉の貌」「芙蓉の顔(かんばせ)」という言い方が
 ありますが、いずれも「美しい、しとやかな顔立ち」を指し、
  美人の例えに使われています。

★中国では酔芙蓉を酒に酔って頬を染める楊貴妃の美しさにたとえたり
 しています。

★また、「芙蓉峰」という富士山の美しい姿をあらわしている言葉も
 あります。

★芙蓉は大輪で美しい花姿から、さまざまな陶磁器や色々な模様に
 描かれています。

★芙蓉・酔芙蓉の花言葉は「繊細な美」「しとやかな恋人」「富貴」
「微妙な美しさ」などがあります。

★その他に「芙蓉の貌」「芙蓉の顔(かんばせ)」という言い方がありますが、
 いずれも「美しい、しとやかな顔立ち」を指し、
  美人の例えに使われています。

★中国では酔芙蓉を酒に酔って頬を染める楊貴妃の美しさに
 たとえたりしています。

★また、「芙蓉峰」という富士山の美しい姿をあらわしている言葉も
 あります。

★芙蓉は大輪で美しい花姿から、さまざまな陶磁器や色々な模様に描かれて
 います。

★芙蓉の開花時期は7月~8月頃で、酔芙蓉はやや遅く9月~10月頃まで
 見られます。

★酔芙蓉には一重のものと八重のものがあります。
★酔芙蓉の変種で 一つの花に、白と赤が入り混じって咲くものを「獅子頭」
 と呼ぶそうです。
★枯れてからの姿も印象的で「枯れ芙蓉」として鑑賞されるものもあります。
★芙蓉とハイビスカスは同じ仲間、「繊細な美」「しとやかな恋人」が
 花言葉である芙蓉と、情熱的な南国のイメージを持ち「新しい恋」が
 花言葉のハイビスカスが親戚だなんて対照的で面白いですね。
★芙蓉は一日花なので生花として用いられることはあまりありませんが、
 昔から茶花として使われてきたそうです。
★芙蓉は樹皮が強く製紙の原料や下駄の緒に、
 また花や葉の粉末は腫れ物の特効薬として用いられてきたそうです。

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
ウィキ& 京都 山科 酔芙蓉の寺 法華宗 大乗寺より掲載させて頂きました。




木槿

2012年08月07日 22時31分39秒 | 花の神話と伝説

〈花言葉〉 「尊敬」「柔和」「信念」「デリケートな美」
 「新しい美」「繊細美」

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
樹皮・花は漢方の生薬として利用されとおります。
樹皮は「木槿皮(もくきんぴ)」。抗菌作用があり、
水虫薬に配合されたり致します。
花は、乾燥させて「木槿花(もくきんか)」という生薬になります。
消化器系に効くとされ、胃腸炎の改善や下痢止め等に
用いられております。

花は、1日でしぼむが、次々に咲き変わる。

日本には平安時代に渡来したとされ、
万葉集に出てくる「あさがほ」は、この花ではないかという説もあります。

フヨウに比べてやや花が小ぶりで、樹型も縦に伸びております。

韓国の国花

アオイ科 落葉低木
原産地 中国
高さ 3~4メートル前後
花期 6~10月
花色 ピンク、白、紅紫、花の底部が紅色(紅底)など

・開花時期は、 6/25頃~10/15頃。
・中国原産。平安時代に渡来。
・中国名を「木槿(ムージン)」と呼ぶ。
漢字はこの字があてられている。
漢名の「木槿」の音読み「もくきん」が
変化して「むくげ」となったとも、
韓国の呼び方「無窮花(ムグンファ)」または
「ムキュウゲ」が変化して「むくげ」となったともい
 われております。
・朝方3時頃に開花した花は夕方にはしぼんで
しまう「一日花」で、
「槿花一朝(きんかいっちょう)の夢」
(人の世ははかない、の意)に例えられておりますが、
次々に別の花が咲くため長く咲くように見えます。
韓国では「無窮花(ムグンファ)」といい、
国の繁栄を意味する花として国花になっております。
・強い木で、枝を切って地面に刺しておくと
いつの間にか根づきます。
「木あさがお」とも呼ばれ朝鮮から渡来したといわれております。

底紅の花は、千宗旦が好んだゆえに宗旦槿(そうたんむくげ)と呼ばれて
白地に花芯がほの赤く美しい。

伝説
利休居士がそだてて咲いた朝顔(むくげ?)を秀吉に、ぜひ見たいと
所望され、実現したのがあの有名な「朝顔の茶会」。
朝顔とは、槿(むくげ)の花だという説があります。

※「朝顔の茶会」
利休の庭に、朝顔の花が一面に咲く様子が大変美しいという噂を聞いた
秀吉は、利休に「明朝、朝顔を見に行くから」と言いつけた。
翌朝、秀吉が利休の屋敷へ行ってみると、朝顔の花などどこにも
咲いていない。
あの噂は偽りだったのかとがっかりし、腹を立てながらも、
躙口(にじりぐち)を開けて茶室を覗いてみると、
床に一輪の朝顔が生けてあった。
それを見た秀吉は、庭一面に咲いている朝顔とは違う、
独特の美しさに深く感動したという。
利休は前日に庭にある朝顔を全部摘み取ってしまい、
一輪だけ残しておいてそれを活けたのでした。

金ぴかの黄金の茶室を、得意そうに見せびらかしている秀吉に対する
一輪の花が持つわびた美を示した利休の無言の戒めだったのでしょうか。
あるいは本当の茶人の「もてなしの心」のあらわれだったのでしょうか。

千宗旦が好んだゆえに宗旦槿(そうたんむくげ)と呼ばれる
槿の花は美しい。
これを籠に「矢はずすすき」と共にすずしげに活けると
茶室は一気に夏が来ます。

茶会を催すと必ず、「茶会記」「会記」なるものを書き表す習いです。
それには茶会で扱ったお道具(釜、茶碗、お茶器、茶杓など)、
掛け軸、茶花、お菓子などすべてを書き表します。

その会記を読むとその茶会に行かずとも亭主(茶会を催した席主)の
もてなしの心を読み取ることができ、茶会の様子などがうかがい知る
ことができ、大変趣のあるものです。

会記にある道具の取り合わせはその席主の「もてなしの心」が
百の言葉であらわさずとも読み取ることができます。

『神屋宗湛の残した日記』 井伏鱒二著は、
日記と云うが会記に近いものなのだろうと私は推測する。
茶の道をかじるものにとって「会記」を読むことは非常な楽しみであり、
あれやこれやと茶会の席を想像する手がかりとなるものである。

先にあげた「朝顔の茶会」の後、
秀吉は利休の茶の心に感嘆の声をあげたと共に内心、
また「やられた!」とも思ったのではなかろうか。
仕返しに似たことをやってのけた秀吉だった。

※ある日、水のいっぱい入った大きな金色の鉢を用意させた秀吉、
そばには紅梅一枝を置かせました。
利休を呼ぶと「大鉢に、この紅梅を活けよ」と命じた。
普通に活けたのでは、紅梅の枝は鉢の中に全部沈んでしまう。
さて、どうなることかと内心懐手をしながらにやにやする秀吉。
利休は澄ました顔で「かしこまりました」と言うと、
やおら紅梅を手にしたかと思うと逆手に持ち替え、片手でそれをしごき、
紅梅の花びらや蕾を水面に浮かべた。
金色の鉢に映える紅梅の花びらを見た秀吉は、あまりの美しさに
声をあげて驚いた。
同時に一瞬のうちに「美」を見抜くことができ、利休の臨機応変さに、
頭を下げる思いになったという。

「秀吉と茶」。
「会記」から読む茶席。
井伏鱒二が読む『神屋宗湛の残した日記』。

美しい日本に茶の道があり、花がその美しさに「花を添える」。
利休が丹精こめた朝顔の全てを摘んでしまって
ただ一輪活けた床の間の花。
そこに「侘び」の美を見出す茶の心。
素敵ですね。
 ※
中国、インド原産。学名に「Hibiscus syriacus」とあるように、
中近東にまで自生しているとされるが、原産国がシリアと
されているわけでありません。
日本には奈良時代に中国から渡来したもので、
中国名を木槿(もくきん)といい、
「和名抄」に「木波知須(キハチス)」とあるように昔は
木波知須(キハチス)と呼ばれましたが、
単に波知須(ハチス)ともいわれました。

ウィキ
ムクゲ(木槿、別名:ハチス、Hibiscus syriacus; 英語: rose of Sharon)
はアオイ科の落葉低木。
庭木として広く植栽されるほか、
夏の茶花としても欠かせない花です。

原産地・特徴・栽培
インドや中国が原産で、中近東にも自生しております。
日本へは奈良時代に中国から渡来し、
和歌山県や山口県に野生のムクゲがあったとされております。
夏から秋にかけて白、紫、赤などの美しい花をつけます。
薬用のほか、鑑賞用に多くの品種があります。
俳句では秋の季語

根が横に広がらないため、比較的狭い場所に植えることができます。
刈り込みにもよく耐え、新しい枝が次々と分岐します。
そのため、庭の垣根に利用されることもある。
自然樹形は箒を逆さにしたようになります。
栽培されているものはよく剪定されてしまうため、
高さは3-4mくらいのものが多く、
灌木であると誤解されますが、放置すると10m以上の樹高になり、
桜の木よりすこし小さいくらいの大きさになります。

花期は7-10月。花の大きさは10-18cmほど。
花芽はその年の春から秋にかけて伸長した枝に次々と形成されます。

白居易(白楽天)の詩の誤訳から一日花との誤解がありますが、
朝花が開き、夕方にはしぼんで、また翌朝開き、一重のもので2-3日。
八重の長く咲くもので2週間くらい、一輪の花を楽しめます。


「万葉集」では秋の七草のひとつとして登場する朝貌(あさがお)が
ムクゲのことを指しているという説もあるが、定かではない。

英語の慣用名称のrose of Sharonはヘブライ語で書かれた
旧約聖書の雅歌にある
「シャロンのばら」に相当する英語から取られている。

園芸品種
ムクゲには多数の園芸品種が存在します。
以下は比較的知られた品種名です。
日本国外で作出された園芸品種も数多く存在します。
宗旦(そうたん) - 茶花として良く利用され、花は白地に赤。
日の丸(ひのまる) - 白地に底赤で、一重の大輪。
これは宗旦に含められることもあります。

ほかにも以下のような品種があります。
白一重(しろひとえ)
大徳寺一重(だいとくじひとえ)
大徳寺花笠(だいとくじはながさ)
赤花笠(あかはながさ)
白花笠(しろはながさ)
角倉花笠(すみのくらはながさ)

光花笠(ひかりはながさ)
きじばと
赤祇園守(あかぎおんのまもり)
白祇園守(しろぎおんのまもり)
紫盃(しはい)
大紫盃(だいしはい)

夏空(なつぞら)
シングルレッド
ブルーバード
レインボー
ピンク・デライト
レッド・ハート

有用植物としてのムクゲ
日本では夏の御茶事の生け花として飾られたり、
庭木としても広く利用されております。
生薬
樹皮を乾燥したものは木槿皮(もくきんぴ)、槿皮(チンピ)という
生薬です。
抗菌作用があり胃腸薬や水虫など皮膚炎の薬に配合されます。
花を乾燥したものは木槿花(もくきんか)、槿花(チンファ)という
生薬です。
皮膚炎、胃腸炎、下痢止め等に用います。

文化の中のムクゲ
早朝に開花し夕方には萎んでしまう「一日花」で、
人の世の短い栄華喩え「槿花(きんか)一朝の夢」と表現されており
その儚さ故、華道では余り好まれておりません。

俳諧師の松尾芭蕉は貞享元年(1684年)『野ざらし紀行の旅』で、
「道のべの 木槿(もくきん)は馬に くはれけり」という句を
詠んでおり、
栃木県下都賀郡野木町友沼にある法音寺に芭蕉の句碑として
残されております。
同じく俳諧師の小林一茶も、「それがしも 其(そ)の日暮らしぞ花木槿」
という句を詠んでおります。

江戸時代後期の歌人、香川景樹は『桂園一枝』にて
「生垣の 小杉が中の 槿の花 これのみを 昔はいひし 朝がほの花」
と詠んでおり、「槿」は「あさがほ」と読ませました。

明治から大正にかけて、アララギを代表した斎藤茂吉は
第二歌集『あらたま(歌集)』で、
「雨はれて心すがしくなりにけり窓より見ゆる白木槿(しろむくげ)のはな」
という歌を詠んでおります。

八坂神社の粽(ちまき)の代用とされる白祇園守は内弁があり、
半八重咲と称する。
この品種は、御茶事の花、生け花として、もとは源氏の武士の間で広く
栽培されておりました。

白楽天の詩の一節は「槿花一日自成栄」
(槿花は一日で自から栄を成す; 仏法があっというまにひろがった
ことを指す)であって、「槿花一日の栄」ではありません。

韓国の国花[2]で、国章にも意匠化されており、
ホテルの格付けなどの星の代わりにも使用されている。
古くは崔致遠「謝不許北国居上表」に、9世紀末の新羅が自らを
「槿花郷」(=むくげの国)と呼んでいたことが見えます。

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*



朝顔

2012年08月07日 21時45分52秒 | 花の神話と伝説
〈別名〉牽牛花



〈花言葉〉 「明日もさわやかに」「はかない恋」「貴方に私は絡みつく」
「愛情」「平静」「愛情のきずな」「愛着」「固い約束」
「結束」「短い愛」

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
朝顔はヒルガオ科のつる性1年草。
原産地は熱帯アジア、熱帯アメリカ。
季節は6~9月。花の色は、白、紫、紅、藍、茶、縞、絞り。
原種の花色は、薄い青色とされております。
つる性。
葉は広三尖形で細毛を有する。
花は大きく開いた円錐形で、真夏に開花する。
1つの花は,外側からがく5、花弁5、おしべ5、めしべ1を有します。
5枚の漏斗状の花弁は融合しております。
子房は3つの子房室からなり、各子房室には2つの胚珠がつくられます
昼間が短くなるにつれて花芽をつける「短日植物」。
夏休みの間に数多く花を咲かせたい場合は、
「夜きちんと暗くなる場所」に置くことがポイントです。
アサガオ(朝顔、牽牛花、蕣、学名: Ipomoea nil[1]、英: morning glory)は、
ヒルガオ科サツマイモ属の一年性植物。

日本で最も発達した園芸植物。古典園芸植物のひとつでもある。

日本へは、奈良時代もしくは平安時代に、薬用として渡来したとされ、
現在も、漢方薬として使われております。
(奈良時代末期に遣唐使がその種子を薬として
持ち帰ったものが初めとされております。)
なお、遣唐使が初めてその種を持ち帰ったのは、奈良時代末期ではなく、
平安時代であるとする説もあります。

万葉集にも「朝顔」の記述が見られますが、
キキョウかムクゲではないかという説もあります。
(渡来が平安時代だとすると、時制が一致しないため)

江戸時代にブームが起こり、品種改良・交配が進んで、
多種多様な品種が作り出されました。

東京・入谷の鬼子母神(真源寺)で行われる「朝顔市」は、
夏の風物詩として有名な行事です。
明治時代にはじまり、大正~戦中の中断を経て、1948年に復活。
現在は、七夕の前後3日間(7月6・7・8日)に開催され、
大勢の人出でにぎわいを見せております。

アサガオの種の芽になる部分には下剤の作用がある成分が
たくさん含まれており、漢名では「牽牛子(けんごし)」と
呼ばれ、奈良時代、平安時代には薬用植物として扱われておりました。
和漢三才図絵には4品種が紹介されております。

種子は「牽牛子」(けんごし)と呼ばれる生薬で、
日本薬局方にも収録されております。
名前の由来
中国の古医書『名医別録』では、牛を牽いて行き交換の謝礼したことが
名前の由来とされております。

粉末にして下剤や利尿剤として薬用にします。
煎液にしても効かない[要出典]。
種子は煮ても焼いても炒っても効能がありますが、毒性が強く、
素人判断による服用は薦められません。
品種改良
世界的に見ても、これほど形態が多種多様に変化した園芸植物は
他にありません。
ほとんどの変異は江戸時代に生まれたものです。
変異の著しいものには種子を作る事ができないものもあります。

アサガオは一年草であるが「出物」と呼ばれる変化は種子が
できませんが非常に結実しにくいため系統の維持ができず、
変化が発現しなかった株により遺伝的に伝えて行くしかありません。
したがってたくさんの種をまき、小苗の内に葉の特徴から変化を
有している株を選び出す必要があります。

そのため江戸時代の人々は経験的にメンデルの法則を知っていた
とも言われます。
多様な遺伝子変異を持つアサガオは、早くから遺伝学研究の対象となり、
遺伝子配列が知られておりました。
現在も遺伝学の研究材料として用いられております。
品種改良の歴史
江戸時代の2度の朝顔ブームを機に品種改良が大きく進んで
観賞用植物となり、木版の図譜類も多数出版されております。
この時代には八重咲きや花弁が細かく切れたり、
反り返ったりして本来の花型から様々に変化したものが生まれ、
世間の注目を浴びました。
これを現在では「変化朝顔」と呼び、江戸、上方を問わず非常な
流行となりました。
特に珍しく美しいものは、オモトや菊などと同様、
非常な高値で取り引きされました。
「大輪朝顔」も「正木」と呼ばれる結実する変化朝顔の一種です。

上記とは別に、熊本藩では武士たちによる園芸が盛んで、
朝顔も花菖蒲や菊、芍薬、椿、山茶花などと共に愛好されており、
盛んに育種されて独自の系統が生まれました。
この花は変化朝顔とは違い、本来の朝顔の花型を保ち、大輪であり、
「肥後朝顔」と呼ばれる。これが後世の大輪朝顔の祖先の一つ
になりました。
これら熊本の六種類の園芸植物は現在「肥後六花」と総称され、
熊本に伝えられております。
明治時代以降も変化朝顔は発展して、「東京朝顔会」などの
愛好会が生まれ、もてはやされました。
この頃にはあまりな多様性よりも花型の洗練が追求され、
対象となる花型が絞られました。
当時の名花は石版画や写真として残されております。

やがて花型の変化ではなく、花径の大きさを追求し、
「大輪朝顔」が発展し始めます。
通常の朝顔の花は曜と呼ばれる花弁が互いに融合した漏斗状の形を
しており曜の数は5枚ですが、「大輪朝顔」では曜の数が6~9枚程度に
増える「州浜性」という肥後朝顔にもみられる変化の現れた品種が
導入され、選別や他の系統との交配により次第に発展し、
「青蝉葉系」と「黄蝉葉系」が生まれました。
前者は成長が早いため「行灯(あんどん)作り」、
後者は「盆養(切り込み)作り」「数咲き作り」という
仕立て方で咲かせるのが本式です。
行灯作りとは、支柱三個に輪が三つついている支柱、
あるいは、らせん状にまいた針金を竹に取り付けたものに蔓を絡めていき
仕立てをする方法です。
切り込み作りは、茎を切り込んで脇芽を出し、背丈の低い引き締めた形、
まるで盆栽のように作る方法です。
名古屋式が有名であるがそれを、容易な栽培方法にした切り込み作りも
良く見られます。
数咲き作りは同じように切り込んでいきますが、
一辺に多くの花を咲かせる仕立て方で京都式が有名です。
戦後は大輪朝顔が主流を占めるようになり、
直径20cm以上にもなる花を咲かせることのできる品種も現れました。
もちろんそのためには高度な栽培技術が確立されたことも重要です。
変化朝顔は維持が難しいためごく一部でのみ栽培されておりますが、
最近再び注目されつつあります。

現在は、江戸時代に作られたとされる「黄色の朝顔」と
「黒色の朝顔」の再現が度々試みられておりますが、
完璧な再現に至っておりません。
このため「黄色の朝顔」は「黒色の朝顔」と並び、
「幻の朝顔」と呼ばれております。
(ただし、昭和40年代に再現が試みられ成功し、NHKのニュース番組でも報道された
[要出典]が、その後は絶えた模様です。
ただし、黒や黄色に近い品種は存在します。
黒色に最も近いといわれるものとして「黒王」という品種があり、
黄色を求める試行の後に出来上がった品種の代表として
最も有名なものに「右近」がある。)
おおよそは、江戸時代に突然変異により作られて品種をベースに
近代では交配を重ねて新しい品種がつくられております。
それを育種と呼びます。

最近のその大きい成果の一つの中に曜白朝顔があります。
作出は静岡大学名誉教授の米田芳秋による。
米田は以前より試みられてきたマルバアサガオとアサガオとの
種間雑種の作出に、一度縁種のアフリカ系アサガオと
マルバアサガオを交配させ、そののちに日本の朝顔と
交配させることで成功しました。
その過程で花弁の曜の部分が白くなる系統が発見され、
曜白朝顔作成に繋がりました。
後に大手種苗会社から発売されたことにより一般に普及しました。

かつては偶然の突然変異により新種が作られておりました。
現代は主に交配により研究者、種苗会社、また競技花として
優良なものを作ろうとしている民間栽培家が
新しいものを作出しております。

朝顔の売買と朝顔市
朝顔は別名「牽牛」といい、これは中華文化圏での名称でもありますが、
朝顔の種が薬として非常に高価で珍重された事から、
贈答された者は牛を引いて御礼をしたという謂れである。
平安時代に日本にも伝わり、百薬の長として珍重された。

その後、江戸時代には七夕の頃に咲く事と、
牽牛にちなみ朝顔の花を「牽牛花」と以前から
呼んでいたことから、織姫を指し、
転じて朝顔の花を「朝顔姫」と呼ぶようになり、
花が咲いた朝顔は「彦星」と「織姫星」が年に一度出会えた事の
具現化として縁起の良いものとされました。
これらの事により、夏の風物詩としてそのさわやかな花色が
広く好まれ、鉢植えの朝顔が牛が牽く荷車に積載されて
売り歩かれるようになりました。

また珍奇な品種は愛好家たちが門外不出として秘蔵していたが、
普通の品種は植木市や天秤棒を担いだ朝顔売りから
購入することができました。
こういった一般販売用の朝顔は、江戸では御家人などが内職として
栽培しておりました。
これが発展して、明治時代初期から入谷朝顔市が始まりました。

栽培がし易く種を採りやすい品種については広く色々なものが市販されている。
一般に市販されていない朝顔として、変化朝顔もしくは、
各地の朝顔会でつくられる大輪朝顔がある。

出物変化朝顔については、劣性遺伝子がホモに組み合わさった時のみ
その形態が出るため、大量に種をまく必要があります。
またその特殊な変化を残していくには、劣性遺伝子がヘテロで残っている
親木を使うことになりますが、それには、試し蒔きをしたり、
独自の選別知識が必要になります。

大輪朝顔については各種販売されておりますが、各地の朝顔会で
作られる品種の多くは市販されておりません。
これらの種は朝顔会に入会するか、各地で催される朝顔展示会での販売など
で入手することができます。
日本以外の品種改良
高温を好む植物で短日性のため、イギリス等の高緯度地域での栽培は難しく、
欧米ではあまり品種もありませんが、庭園用の多花性品種として、
鮮紅色中輪の「スカーレット・オハラ」などが作出されております。
なお近縁種のマルバアサガオは比較的早くから欧米で栽培され、
花色の変異も色々見られます。

さらに「ヘブンリー・ブルー」などのソライロアサガオは近縁の別種です。
ソライロアサガオやマルバアサガオはまとめて「西洋朝顔」と
呼ばれることもあります。

朝顔に纏わる文化・・・
俳句 「朝顔」は夏ではなく秋の季語です。
慣用句 朝顔の花一時(あさがおのはないっとき)
その他 複数の自治体がアサガオを市区町村の花としております。
- 東京都台東区、武蔵野市、横浜市旭区 など。
小学生低学年での観察実験の教材としてよく使われております。
伝説
朝顔の茶会…千利休は満開のアサガオを一輪を残して全て摘み取り、
見物に来た豊臣秀吉を迎えました。
秀吉はいぶかしんだが、茶席に生けられた一輪の朝顔に感動したと
伝えられております。
利休が茶の心を示した故事である。

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
ウィキよりの抜粋も含まれますが、薬事については最小限に致しました。
朝顔が如何に愛されてきたのか知ることができました。
加筆等随時あります。