〈別名〉「曼珠沙華」「レッドスパイダーリリー 」「キツネノカミソリ」
「彼岸花・死人花(しびとばな)」「天蓋花(てんがいばな)」
「幽霊花(ゆうれいばな)」「捨て花(すてごばな)」「狐花(きつねばな)」
「三昧花(さんまいばな)」「相思華(そうしばな)相思花」

〈花言葉〉「悲しい思い出」「想うはあなた一人」
「また会う日を楽しみに」
「情熱」「独立」「再会」「あきらめ」
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ヒガンバナ科 ヒガンバナ属 多年草 球根植物
開花期・・・・9月~11月
原産地・・・・日本 中国(揚子江の中・下流域)
花色・・・・・・赤 黄 白
葉の形状・・広針状、狭剣状
花持ち・・・3日~5日
草丈・・・30~50センチ
花期・・・9~10月
花色・・・赤、白
学名・・・Lycoris radiata)
クロンキスト体系ではユリ科
別名・・・リコリス
曼珠沙華(マンジュシャゲ、またはマンジュシャカ
サンスクリット語 manjusaka の音写)とも呼ばれる。
学名の種小名 radiata は「放射状」の意味。
特徴
全草有毒な多年生の球根性植物。
散形花序で6枚の花弁が放射状につきます。
道端などに群生し、9月中旬に赤い花をつけますが
稀に白いものもあります。
その姿は独特で、夏の終わりから秋の初めにかけて、
高さ30 - 50cmの枝も葉も節もない花茎が地上に突出し、
その先端に包に包まれた花序が一つだけ付きます。
包が破れると5 - 7個前後の花が顔を出します。
花は短い柄があって横を向いて開き、全体としてはすべての花が
輪生状に外向きに並ぶ。
花弁は長さ40mm、幅約5mmと細長く、大きく反り返る。
開花終了の後、晩秋に長さ30 - 50cmの線形の細い葉をロゼット状に
出します。
葉は深緑でつやがあります。
葉は冬中は姿が見られますが、翌春になると枯れてしまい、
秋が近づくまで地表には何も生えてきません。
つまり開花期には葉がなく、葉があるときは花がない。
日本での分布
日本には北海道から琉球列島まで見られますが、自生ではなく、
中国から帰化したものと考えられております。
その経緯については、稲作の伝来時に土と共に鱗茎が混入してきて
広まったといわれておりますが、土に穴を掘る小動物を避けるために
有毒な鱗茎をあえて持ち込み、畦や土手に植えたとも
考えられております。また鱗茎は薬になり、救荒食です。
そのような有用植物としての働きを熟知しての運搬の可能性も
無視できません。
人里に生育するもので、田畑の周辺や堤防、墓地などに
見られることが多い。特に田畑の縁に沿って列をなすときには花時に
見事な景観をなします。
湿った場所を好み、時に水で洗われて球根が露出するのを見かけます。
なお、山間部森林内でも見られる場合もありますが、これはむしろ
そのような場所がかつては人里であったことを示すと見るべきです。
また、日本に存在するヒガンバナは全て遺伝的に同一であり、
三倍体です。故に、種子で増えることができません。
中国から伝わった1株の球根から日本各地に株分けの形で広まったと
考えられます。
有毒性
全草有毒で、特に鱗茎にアルカロイド(リコリン、ガランタミン、
セキサニン、ホモリコリンなど)を多く含む有毒植物です。
誤食した場合は吐き気や下痢、ひどい場合には中枢神経の麻痺を
起こして死にいたることもあります。
水田の畦や墓地に多く見られますが、以下のような目的の為に
人為的に植えられたためと考えられております。
前者の場合ネズミ、モグラ、虫など田を荒らす動物がその鱗茎の毒を
嫌って避ける(忌避)ように、
後者の場合は虫除け及び土葬後、死体が動物によって掘り荒されるのを
防ぐため、ただしモグラは肉食のため、ヒガンバナに無縁という
見解もありますが、エサのミミズがヒガンバナを嫌って土中に住まない。
そのためにこの草の近くにはモグラが来ないともいわれております。
有毒なので「農産物ではない」つまり年貢の対象外とされたため、
救荒作物として田畑や墓の草取りのついでに栽培されました。
鱗茎はデンプンに富む。有毒成分であるリコリンは水溶性であるため、
長時間水に曝せば無害化が可能であるため、救飢植物として
第二次世界大戦中などの戦時や非常時において食用とされた事もある。
また、花が終わった秋から春先にかけては葉だけになり、
その姿が食用のノビルやアサツキに似ているため、
誤食してしまうケースもある。
鱗茎は石蒜(せきさん)という生薬名であり、利尿や去痰作用があるが、
有毒であるため素人が民間療法として利用するのは危険です。
ちなみに、毒成分の一つであるガランタミンは
アルツハイマー病の治療薬として利用されております。
名前の由来
彼岸花の名は秋の彼岸ごろから開花することに由来します。
別の説には、これを食べた後は「彼岸(死)」しかない、
というものもあります。
上記の飢餓植物としての面から一考する価値はあると思われます。
別名の曼珠沙華は、法華経などの仏典に由来します。
またマンジュシャゲ(曼珠沙華)とも呼ばれ梵語「赤い花・天上の花」の
意味でおめでたい兆しとされています。
相反するものがある(仏教の経典より)。
仏教でいう曼珠沙華は「白くやわらかな花」であり、
ヒガンバナの外観とは似ても似つかぬものである
(近縁種ナツズイセンの花は白い)。
『万葉集』にみえる"いちしの花"を彼岸花とする説もあります。
「路のべの壱師の花の灼然く人皆知りぬ我が恋妻は」(11・2480)
また、毒を抜いて非常食としている事もありますので、
悲願の花と言う意味もあるが一般的には危険です。
異名が多く、死人花(しびとばな)、地獄花(じごくばな)、
幽霊花(ゆうれいばな)、剃刀花(かみそりばな)、
狐花(きつねばな)、捨子花(すてごばな)、はっかけばばあと
呼んで、日本では不吉であると忌み嫌われることもありますが、
反対に「赤い花・天上の花」の意味で、めでたい兆しとされることも
あります。
欧米では園芸品種が多く開発されている。
園芸品種には赤のほか白、黄色の花弁をもつものがある。
日本での別名・方言は千以上が知られております。
また、韓国ではナツズイセン(夏水仙)のことを花と葉が
同時に出ることはないから「葉は花を思い、花は葉を思う」という
意味で「相思華」と呼ばれておりますが、
彼岸花も同じく花と葉が同時に出ることはないので
彼岸花も相思花と呼ぶことが多い。
韓国では生命力旺盛で道端や土手 墓などに生え一夜にして
真っ赤な花を咲かせ冬には、見慣れない葉だけ茂げます
この事から花は葉を思い、葉は花を思うと言われ
「サンチョ(相思華)」の異名あります
血のような花のイメージから墓に植えられ
花言葉「悲しい思い出」が生まれたのでしょう
また特殊な美しさから
「想うはあなた一人」「また会う日を楽しみに」の花言葉あります
強い生命力の彼岸花は、痩せた土地でも育ち大きな球根を作ります
毒が含まれていますが良く水洗いすれば消えるそうです
日本では上記の「花と葉が同時に出ることはない」という理由から
「葉見ず花見ず」とも言われております。
学名のLycoris(リコリス)とは
ギリシャ神話の女神、海の精:ネレイドの一人、
Lycoriasの名前からとられたものです。
中国のある地方の伝説
彼岸花は、毒があると信じていた昔
日照りが続き作物が収穫されず人々は飢饉で苦しんでいました
植物の研究をしていた殿様の蔵には、沢山の彼岸花の球根があり
お陰で飢えを凌ぐ事が出来ました。
迷信 花の形が燃え盛る炎のように見えることから、
家に持って帰ると火事になると言われている。
その他、方言として地域色豊かな別名が各地にあり、
その数1000とも言われる。
日本への渡来は古く、史前帰化植物であろうと推察されている。
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彼岸という言葉は、サンスクリット語「波羅蜜多」の
漢訳「到彼岸」の略といわれ、先祖の霊を敬い墓参りをする
仏教行事です。
春分(秋分)の日の前3日と後3日の
7日間(春・秋分の日も含む)を彼岸といい、春と秋の彼岸があります。
煩悩や迷いや悩みの多いこの世をこちら側の岸「此岸(しがん)」
と言うのに対して、極楽浄土のあの世のことを、向う側の岸「彼岸」と。
あの世(彼岸)にいる先祖を供養する仏教行事に発展したようです。
彼岸が春分・秋分の日を中心としているのは、
極楽浄土が西方十万億土の彼方にあるから。
太陽が真西に沈む彼岸は極楽浄土の方角がはっきりわかるから
「彼岸」に法要が営まれるようになったのです。
ところが「彼岸」は日本独特の行事で、他の仏教国にはないとのこと。
「暑さ寒さも彼岸まで」との言葉があるように、
過ごしやすい気候を迎え「自然の恵みに感謝し、先祖を敬い、供養する」
行事が日本に定着したようです。
彼岸花の別名
シビトバナ、キツネバナ、キツネノタイマツ、キツネノシリヌグイ、
ステゴグサ、シタマガリ、シタコジケ、テクサリバナ、ユウレイバナ、
ハヌケグサ、ヤクビョウバナなどいやな名もあるが、ハミズハナミズ、
ノダイマツ、カエンソウなど雅な名もある。
学名を「Lycoris radiata Herb」といい、ヒガンバナ科に属します。
(以上、牧野富太郎著「植物の知識」講談社文庫より)
「radiata」とは放射状の意で、それはその花が花茎の頂に放射状、
すなわち車輪状をなして咲いているからである。
(一昨日、本屋を覗いていたら見つけた本で、100ページ程の文庫本ですが、
身近な花18種、果実4種について、解りやすく記述してあります)
また「radiata」は英語のradiate(放射状に広がる)で、
ヒガンバナの花が放射線状に開いている形状からのようです。
リコリスとは
海の精(ニンフ)
地中海に住んでいる50人のニンフで、彼女らは、
ネレイド、もしくは、ネレイスと呼ばれ、
そのうちのひとり、Lycorias(リコリアス)は、
金色の髪を持つニンフでした。
学名Lycorisは、Lycoriasから変化したようです。
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ウィキ その他より
日本への渡来は古く、史前帰化植物であろうと推察されている。
とありますように、古さゆえに伝説なども多く残っていると思われます、
まだまだ調査をしてみたいお花です。