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🌸🌸扉の向こうに🌸🌸

扉の向こうにあるものは・・・

彼岸花

2012年09月19日 14時09分06秒 | 花の神話と伝説

〈別名〉「曼珠沙華」「レッドスパイダーリリー 」「キツネノカミソリ」
 
「彼岸花・死人花(しびとばな)」「天蓋花(てんがいばな)」
「幽霊花(ゆうれいばな)」「捨て花(すてごばな)」「狐花(きつねばな)」
「三昧花(さんまいばな)」「相思華(そうしばな)相思花」



花言葉〉「悲しい思い出」「想うはあなた一人」
     「また会う日を楽しみに」
     「情熱」「独立」「再会」「あきらめ」


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ヒガンバナ科 ヒガンバナ属 多年草 球根植物

開花期・・・・9月~11月
原産地・・・・日本 中国(揚子江の中・下流域)
花色・・・・・・赤 黄 白
葉の形状・・広針状、狭剣状 
花持ち・・・3日~5日
草丈・・・30~50センチ
花期・・・9~10月
花色・・・赤、白
学名・・・Lycoris radiata)
クロンキスト体系ではユリ科
別名・・・リコリス
     曼珠沙華(マンジュシャゲ、またはマンジュシャカ
     サンスクリット語 manjusaka の音写)とも呼ばれる。
学名の種小名 radiata は「放射状」の意味。

特徴
全草有毒な多年生の球根性植物。
散形花序で6枚の花弁が放射状につきます。
道端などに群生し、9月中旬に赤い花をつけますが
稀に白いものもあります。
その姿は独特で、夏の終わりから秋の初めにかけて、
高さ30 - 50cmの枝も葉も節もない花茎が地上に突出し、
その先端に包に包まれた花序が一つだけ付きます。
包が破れると5 - 7個前後の花が顔を出します。
花は短い柄があって横を向いて開き、全体としてはすべての花が
輪生状に外向きに並ぶ。
花弁は長さ40mm、幅約5mmと細長く、大きく反り返る。

開花終了の後、晩秋に長さ30 - 50cmの線形の細い葉をロゼット状に
出します。
葉は深緑でつやがあります。
葉は冬中は姿が見られますが、翌春になると枯れてしまい、
秋が近づくまで地表には何も生えてきません。
つまり開花期には葉がなく、葉があるときは花がない。

日本での分布
日本には北海道から琉球列島まで見られますが、自生ではなく、
中国から帰化したものと考えられております。
その経緯については、稲作の伝来時に土と共に鱗茎が混入してきて
広まったといわれておりますが、土に穴を掘る小動物を避けるために
有毒な鱗茎をあえて持ち込み、畦や土手に植えたとも
考えられております。また鱗茎は薬になり、救荒食です。
そのような有用植物としての働きを熟知しての運搬の可能性も
無視できません。

人里に生育するもので、田畑の周辺や堤防、墓地などに
見られることが多い。特に田畑の縁に沿って列をなすときには花時に
見事な景観をなします。
湿った場所を好み、時に水で洗われて球根が露出するのを見かけます。
なお、山間部森林内でも見られる場合もありますが、これはむしろ
そのような場所がかつては人里であったことを示すと見るべきです。

また、日本に存在するヒガンバナは全て遺伝的に同一であり、
三倍体です。故に、種子で増えることができません。
中国から伝わった1株の球根から日本各地に株分けの形で広まったと
考えられます。

有毒性
全草有毒で、特に鱗茎にアルカロイド(リコリン、ガランタミン、
セキサニン、ホモリコリンなど)を多く含む有毒植物です。
誤食した場合は吐き気や下痢、ひどい場合には中枢神経の麻痺を
起こして死にいたることもあります。

水田の畦や墓地に多く見られますが、以下のような目的の為に
人為的に植えられたためと考えられております。
前者の場合ネズミ、モグラ、虫など田を荒らす動物がその鱗茎の毒を
嫌って避ける(忌避)ように、
後者の場合は虫除け及び土葬後、死体が動物によって掘り荒されるのを
防ぐため、ただしモグラは肉食のため、ヒガンバナに無縁という
見解もありますが、エサのミミズがヒガンバナを嫌って土中に住まない。
そのためにこの草の近くにはモグラが来ないともいわれております。

有毒なので「農産物ではない」つまり年貢の対象外とされたため、
救荒作物として田畑や墓の草取りのついでに栽培されました。

鱗茎はデンプンに富む。有毒成分であるリコリンは水溶性であるため、
長時間水に曝せば無害化が可能であるため、救飢植物として
第二次世界大戦中などの戦時や非常時において食用とされた事もある。
また、花が終わった秋から春先にかけては葉だけになり、
その姿が食用のノビルやアサツキに似ているため、
誤食してしまうケースもある。

鱗茎は石蒜(せきさん)という生薬名であり、利尿や去痰作用があるが、
有毒であるため素人が民間療法として利用するのは危険です。
ちなみに、毒成分の一つであるガランタミンは
アルツハイマー病の治療薬として利用されております。

名前の由来
彼岸花の名は秋の彼岸ごろから開花することに由来します。

別の説には、これを食べた後は「彼岸(死)」しかない、
というものもあります。
上記の飢餓植物としての面から一考する価値はあると思われます。

別名の曼珠沙華は、法華経などの仏典に由来します。
またマンジュシャゲ(曼珠沙華)とも呼ばれ梵語「赤い花・天上の花」の
意味でおめでたい兆しとされています。
相反するものがある(仏教の経典より)。
仏教でいう曼珠沙華は「白くやわらかな花」であり、
ヒガンバナの外観とは似ても似つかぬものである
(近縁種ナツズイセンの花は白い)。

『万葉集』にみえる"いちしの花"を彼岸花とする説もあります。
「路のべの壱師の花の灼然く人皆知りぬ我が恋妻は」(11・2480)
また、毒を抜いて非常食としている事もありますので、
悲願の花と言う意味もあるが一般的には危険です。

異名が多く、死人花(しびとばな)、地獄花(じごくばな)、
幽霊花(ゆうれいばな)、剃刀花(かみそりばな)、
狐花(きつねばな)、捨子花(すてごばな)、はっかけばばあと
呼んで、日本では不吉であると忌み嫌われることもありますが、

反対に「赤い花・天上の花」の意味で、めでたい兆しとされることも
あります。

欧米では園芸品種が多く開発されている。
園芸品種には赤のほか白、黄色の花弁をもつものがある。
日本での別名・方言は千以上が知られております。

また、韓国ではナツズイセン(夏水仙)のことを花と葉が
同時に出ることはないから「葉は花を思い、花は葉を思う」という
意味で「相思華」と呼ばれておりますが、
彼岸花も同じく花と葉が同時に出ることはないので
彼岸花も相思花と呼ぶことが多い。

韓国では生命力旺盛で道端や土手 墓などに生え一夜にして
真っ赤な花を咲かせ冬には、見慣れない葉だけ茂げます
この事から花は葉を思い、葉は花を思うと言われ 
「サンチョ(相思華)」の異名あります

血のような花のイメージから墓に植えられ
花言葉「悲しい思い出」が生まれたのでしょう
また特殊な美しさから
「想うはあなた一人」「また会う日を楽しみに」の花言葉あります

強い生命力の彼岸花は、痩せた土地でも育ち大きな球根を作ります
毒が含まれていますが良く水洗いすれば消えるそうです


日本では上記の「花と葉が同時に出ることはない」という理由から
「葉見ず花見ず」とも言われております。

学名のLycoris(リコリス)とは
ギリシャ神話の女神、海の精:ネレイドの一人、
Lycoriasの名前からとられたものです。

中国のある地方の伝説
彼岸花は、毒があると信じていた昔 
日照りが続き作物が収穫されず人々は飢饉で苦しんでいました
植物の研究をしていた殿様の蔵には、沢山の彼岸花の球根があり
お陰で飢えを凌ぐ事が出来ました。

迷信 花の形が燃え盛る炎のように見えることから、
家に持って帰ると火事になると言われている。

その他、方言として地域色豊かな別名が各地にあり、
その数1000とも言われる。

日本への渡来は古く、史前帰化植物であろうと推察されている。
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 彼岸という言葉は、サンスクリット語「波羅蜜多」の
漢訳「到彼岸」の略といわれ、先祖の霊を敬い墓参りをする
仏教行事です。
春分(秋分)の日の前3日と後3日の
7日間(春・秋分の日も含む)を彼岸といい、春と秋の彼岸があります。

煩悩や迷いや悩みの多いこの世をこちら側の岸「此岸(しがん)」
と言うのに対して、極楽浄土のあの世のことを、向う側の岸「彼岸」と。
あの世(彼岸)にいる先祖を供養する仏教行事に発展したようです。

 彼岸が春分・秋分の日を中心としているのは、
極楽浄土が西方十万億土の彼方にあるから。
太陽が真西に沈む彼岸は極楽浄土の方角がはっきりわかるから
「彼岸」に法要が営まれるようになったのです。
ところが「彼岸」は日本独特の行事で、他の仏教国にはないとのこと。
「暑さ寒さも彼岸まで」との言葉があるように、
過ごしやすい気候を迎え「自然の恵みに感謝し、先祖を敬い、供養する」
行事が日本に定着したようです。

彼岸花の別名
シビトバナ、キツネバナ、キツネノタイマツ、キツネノシリヌグイ、
ステゴグサ、シタマガリ、シタコジケ、テクサリバナ、ユウレイバナ、
ハヌケグサ、ヤクビョウバナなどいやな名もあるが、ハミズハナミズ、
ノダイマツ、カエンソウなど雅な名もある。
学名を「Lycoris radiata Herb」といい、ヒガンバナ科に属します。
(以上、牧野富太郎著「植物の知識」講談社文庫より)

 「radiata」とは放射状の意で、それはその花が花茎の頂に放射状、
すなわち車輪状をなして咲いているからである。
(一昨日、本屋を覗いていたら見つけた本で、100ページ程の文庫本ですが、
身近な花18種、果実4種について、解りやすく記述してあります) 
また「radiata」は英語のradiate(放射状に広がる)で、
ヒガンバナの花が放射線状に開いている形状からのようです。

リコリスとは
海の精(ニンフ)
地中海に住んでいる50人のニンフで、彼女らは、
ネレイド、もしくは、ネレイスと呼ばれ、
そのうちのひとり、Lycorias(リコリアス)は、
金色の髪を持つニンフでした。
学名Lycorisは、Lycoriasから変化したようです。

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ウィキ その他より
日本への渡来は古く、史前帰化植物であろうと推察されている。
とありますように、古さゆえに伝説なども多く残っていると思われます、
まだまだ調査をしてみたいお花です。

無花果

2012年09月14日 22時37分56秒 | 花の神話と伝説
〈別名〉 「底珍樹」「天仙果」



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植物界 Plantae
被子植物門 Magnoliophyta
双子葉植物綱 Magnoliopsida
イラクサ目 Urticales
クワ科 Moraceae
イチジク属 Ficus

イチジク(無花果、映日果)は、クワ科イチジク属の落葉高木。
また、その果実のこと。原産地はアラビア南部。
不老長寿の果物とも呼ばれております。

名称
「無花果」の字は、花を咲かせずに実をつけるように見えることに由来
する漢語で、日本語ではこれに「イチジク」という熟字訓を与えました。

「映日果」は、中世ペルシア語「アンジール」(anj?r)を
当時の中国語で音写した「映日」に「果」を補足したものです。
通説として、日本語名「イチジク」はこれの音読「エイジツカ」の
転訛としております。
中国の古語では他に「阿?[5]」「阿驛」などとも音写され、
「底珍樹」「天仙果」などの別名もあります。

伝来当時の日本では「蓬莱柿(ほうらいし)」「南蛮柿(なんばんがき)」
「唐柿(とうがき)」などと呼ばれた。
いずれも“異国の果物”といった含みを当時の言葉で表現したものである。

属名 Ficus (ficus)はイチジクを意味するラテン語。
イタリア語: fico, フランス語: figue, スペイン語: higo, 英語: fig,
ドイツ語: Feige など、ヨーロッパの多くの言語の「イチジク」は
この語に由来するものです。

形態・生態
葉は三裂または五裂掌状で互生する。
日本では、浅く三裂するものは江戸時代に日本に移入された品種で、
深く五裂して裂片の先端が丸みを帯びるものは明治以降に渡来したものである。
葉の裏には荒い毛が密生する。葉や茎を切ると乳汁が出る。

初夏、花軸が肥大化した花嚢の内面に無数の花(小果)をつける。
このような花のつき方を隠頭花序(いんとうかじょ)という。
雌雄異花であるが同一の花嚢に両方の花をつける。
栽培品種には雄花がないものもある。
自然では花嚢内部にはイチジクコバチが生息し、受粉を媒介する。
日本で栽培されているイチジクはほとんどが果実肥大に
イチジクコバチによる受粉を必要としない単為結果性品種である。

果実は秋に熟すと濃い紫色になる。
食用とする部分は果肉ではなく小果(しょうか)と花托(かたく)である。

歴史
原産地に近いメソポタミアでは6千年以上前から栽培されていた
ことが知られている。
地中海世界でも古くから知られ、
古代ローマでは最もありふれたフルーツのひとつであり、
甘味源としても重要であった。
最近の研究では、ヨルダン渓谷に位置する新石器時代の遺跡から、
1万1千年以上前の炭化した実が出土し、
イチジクが世界最古の栽培品種化された植物であった可能性が
示唆されている。
日本には江戸時代初期、ペルシャから中国を経て、
長崎に伝来しました。
当初は薬樹としてもたらされたといわれておりますが、
やがて果実を生食して甘味を楽しむようになり、
挿し木で容易にふやせることも手伝って、
手間のかからない果樹として家庭の庭などにもひろく植えられるに
至っております。

食利用
乾燥イチジク
果実は生食するほかに乾燥イチジクとして多く流通する。
生果・乾燥品ともに、パン、ケーキ、ビスケットなどに練りこんだり、
ジャムにしたり、スープやソースの材料として、
またワインや酢の醸造用など、さまざまな用途をもつ。
ほかにペースト、濃縮果汁、パウダー、冷凍品などの中間製品も
流通している。
日本国内では甘露煮にする地方もある。
果実には果糖、ブドウ糖、蛋白質、ビタミン類、カリウム、カルシウム、
ペクチンなどが含まれている。
クエン酸が少量含まれるが、糖分の方が多いので、甘い味がする。
食物繊維は、不溶性と水溶性の両方が豊富に含まれている。

その他の利用
熟した果実、葉を乾燥したものは、それぞれ無花果(ムカカ)、
無花果葉(ムカカヨウ)といい生薬として用いられる。
果実を干したものは緩下剤に使われた。
また果肉や葉から出る乳液にはゴムに近い樹脂分が含まれるが、
民間薬として、痔や疣(いぼ)に塗布したり、駆虫薬として内服した。
またイチジクの樹液にはフィシンという酵素が含まれており、
日本の既存添加物名簿に収載され、食品添加物の原料として
使用が認められている。
ほかにイチジク葉抽出物は製造用剤などの用途でかつて同名簿に
掲載されていたが、近年販売実績がないため、2005年に削除された
特産地
国際連合食糧農業機関によれば、2007年のイチジク生産量のトップ3は
エジプト、トルコ、イラン。
ほか地中海沿岸から南アジアにかけての比較的乾燥した気候の国々が
名を連ねる中、6位に米国が、9位にブラジルが見えている。
上位の国々は乾燥イチジクの輸出量も多く、とくにトルコ産、
イラン産のものは有名である。
日本は上記統計ではエジプトの約16分の1=16,500トン(推定)を生産し、
14位にランクインしている。

神話と伝説
ギリシャにカルカースと言う、1人の預言者がいました。
彼は、預言者の実力は自分が1番上だと自慢していました。
ある時カルカースは、モプソスと言う預言者と予言勝負をしました。
まずカルカースは、モプソスにたくさん実ったイチジクの実の数を
答えるように言いました。
するとモプソスは正確に答えました。
次にモプソスが妊娠している牝豚を指差し、この牝豚のお腹の中に
何匹いるかと言う問題を出しました。
カルカースは8匹、モプソスは9匹と予言し、
その牝豚は翌朝に出産しました。
生まれてきた子豚は9匹で、予言がはずれてしまったカルカースは
落胆のあまり死んでしまったと言う事です。

イチジクの歴史
イチジクの原産地は現在のイエメン辺りと言われ、その歴史は長く、
有史以前から栽培が始まっていたと考えられています。
やがて、コーカサスや小アジア(トルコ)に伝えられたあと、
クレタ文明やフェニキア人の交易活動に乗って、
4000年前には古代エジプトに、
3400年前には古代ギリシアに伝わっております。
ギリシアにおけるイチジクに関する最も古い記述は
紀元前8世紀のものです。
イチジクはその生命力から、
しばしばミイラを入れる棺の材料として使われました。
また、沙漠を放浪する部族民は、しばしばイチジクの木の下に
キャンプを設営してきました。
いまでも、放浪する人々にとって、
イチジクはなくてはならない生命の木です。
ヨーロッパ一帯へは中世に伝わり、17世紀にはアメリカ大陸へ
渡っております。
一方で東には、インドを通じて8~9世紀ごろに中国へ伝えられ、
日本には17世紀ごろに伝播しています。
当初は「南蛮柿」「唐柿(カラガキ)」と称されていたようです。

イチジクの伝承
イチジクはその古さゆえ、多くの伝承を生んできました。
最も有名なものは、旧約聖書のアダムとイブが楽園を追放された
ことでしょう。
彼らは蛇にそそのかされ、「知恵の実」を口にすると同時に、
裸でいることが恥ずかしくなり、近くにあったイチジクの葉で
大事な箇所を覆います。
この記述から、しばしば「知恵の実」はイチジクだとされてきました。
なお、この「知恵の実」については諸説ございまして、特に中世以降は
イチジクではなくリンゴであるという説が一般的になりました。
また、聖母マリアが幼児のイエスを抱いてエジプトへ逃れようとした時、
ヘロデ王の軍隊に追われたので、イチジクの木の下に隠れたところ、
枝がにょきにょきと伸びてきて、見事マリアたちは逃げ切ることに
成功したという伝承もあります。
新約聖書の「マルコ伝」には、イエス・キリストがイチジクの木に
呪いをかけるシーンが出てきます。
とあるイチジクの木のそばを通りがかった時、
イチジクの実をもいで食べようとしたところ、
季節違いで実がなってなかったので、キリストは怒って
「今後永久にお前の実を食べるものがないように」と言いました。
次の日、彼が弟子とともにその木のそばを通ると、
木は根元から枯れていたそうです。
呪術師がその木の下でまじないを行ったことから、
イチジクの木には悪魔や小鬼が棲んでいるとされ、
しばしばこの木は攻撃の対象になりました。
イエス・キリストを裏切ったユダが首を吊ったのも、
イチジクの木であると言われています。
伝承によれば、その時ユダは野バラからナツメヤシまで、
首を吊る木をさんざんに探し回り、森を荒らしたので、
その後森には小鬼が棲むようになったということです。
聖ジェローム(ヒエロニムス)はこの小鬼を「不潔な化け物」と
呼びましたが、聖オーガスティン(アウグスティヌス)は、
別の物語を伝えています。
すなわち、ユダが聖典の記述について深刻に悩んだ時、
イチジクの木陰に腰を下ろすと、
子供の声で「その部分をもう一度読み直しなさい」と
アドバイスして、見事悩みが解決されたというのです。

古代ギリシア・ローマのイチジク
ギリシア神話では、イチジクはティターン神族のひとりだった
リュケウスが、神々の母レアによって姿を変えられたものです。
古代ローマでは、酒神バッカスが、イチジクの木にたくさん実をならせる
栽培法を考案したので、多産のシンボルとされ、
バッカス祭の時には、女たちがその実を数珠つなぎにした
首飾りをかけて踊り、男たちはその木を刻んで作った男性のシンボルを
持ち運んで行進したということです。
ローマの創始者ロムルスと、双子の兄弟レムスがつり下げられていたのも
イチジクの木と言われております。

イチジクの花言葉について・・・
イチジクの花言葉は「証明」(イギリス)です。
呪いをかけられたイチジクの木が、キリストの言葉通りに枯れたからと
言われておりますが、よく分かっておりません。
この他に、前述した「多産」(イギリス)や、
「謙遜」「感謝」「よいもてなし、庇護」(フランス)といった
寓意もあります。

文化とエピソード
エデンの園で禁断の果実を食べたアダムとエバは、
自分たちが裸であることに気づいて、いちじくの葉で作った腰ミノを
身につけたと、旧約聖書の創世記には記されている。
ルカによる福音書には実のならないイチジクの木のたとえ話が
記されております。
実がならないイチジクの木を切り倒すのではなく、
実が実るようにキリストは世話をし、肥料を与え、育てたという。
聖書ではイスラエル、また再臨・終末のたとえと関連して
しばしば登場致します。

古代ローマの政治家大カトは、
第一次・第二次ポエニ戦争を戦った敵です。
カルタゴを滅ぼす必要性を説くため、演説の中でカルタゴ産の
イチジクの実を用いたと伝えらております。
イチジクの流通は乾燥品が中心であった当時において、
カルタゴから運ばれたイチジクが生食できるほど新鮮であることを示し、
カルタゴの脅威が身近にあることをアピールしたのだという。


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幻想万象資料館 ウィキ 他

歴史が古く興味深いですね。

藪蘭(やぶらん)

2012年09月13日 17時40分57秒 | 花の神話と伝説
〈別名〉 「リリオペ」「サマームスカリ」「山菅(ヤマスゲ)」



〈花言葉〉 「隠された心」「忍耐」「謙遜」

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藪蘭(やぶらん) Liriope platyphylla Wang et Tang
ユリ科ヤブラン属
ヤブラン(藪蘭、学名:Liriope muscari)
スズラン亜科ヤブラン属に属する多年草。
学名:Liriope(リリオペ) lantyphylla(=L. muscari)
別名:リリオペ(Liriope)、ノシメラン、サマームスカリ。
分類名:植物界被子植物門単子葉植物綱ユリ亜綱ユリ目
    ユリ科ヤブラン属
原産地:東アジア
草丈:25~50cm 開花期:6~10月
葉幅:1cm 葉長:30~50cm

開花期は夏から秋。
・花は紫色の小さいもので、穂状に咲く。
 葉は細長く、先は垂れる。
 山地の樹陰などに自生するが、庭や公園に植えられる園芸種も
あります。
 根元から伸びる、剣状の細長い
 葉は、五十センチにもなります。
 葉の色は濃緑色であるが園芸種には斑が入っております。
・初秋、葉の間から花茎を伸ばし、淡紫色の花を総状につけます。

・ヤブラン(藪蘭) は、初夏~秋、藪の中などで、
 細い花茎先端に穂状花序で多数の薄紫色の小花を咲かせる
 花姿は、まるで小さな葡萄の房を逆さにしたように見えます。

・花茎の周りには、光沢のある細長い葉が地際から立ち上がって
茂ります。
 葉は、通常は緑色ですが、緑色地に縦状の細長い黄色いスジ(条斑)が
 入る園芸種はフイリヤブラン(斑入り藪蘭)と呼ばれます。
 ヤブランの根の肥大した部分は、民間療法では、滋養強壮や鎮咳、
 去痰、強心利尿などの薬効があるとされます

・園芸品種には葉に斑入りのものがあり、庭の木陰で栽培され、
 花期以外にも鑑賞されます。

・昔から、庭園の地面を覆う下草などとして利用されるヤブラン(藪蘭)

名前の由来
・和名は、藪に生え、葉の形がランの葉に似ているところから
 名付けられました。
・属名は、ギリシャ神話のニンフのリリオペにちなみます。
 Liriope(リリオーペ)」は、ギリシャ神話の女神の名前に由来し、
 種名の「platyphylla」は「幅広の葉をもつ」を意味しております。

 ヤブランのギリシャ語名をリリオーペといい、
 ギリシャ神話に出てくるニンフから名付けられました。
 (Liriope) リリオーペは ギリシャ神話の美しい水の女神です。
 リリオーペは川の神ケーピーソスとの間に
 ナルキッソス (Narcissus) という息子を儲けました。
 水面に映る自分の姿に恋をしたそのイケメン息子が
 ナルシスト(narcissist) という言葉の由来になったそうです
 ナルシストの由来になったナルキッソスの母で、
 母子そろって花の名前になりました。

・この他日本では、リュウノヒゲ、ボンバナとも呼ばれます。

原産地
・原産地は日本(北海道南部以南)や朝鮮半島南部、中国、台湾、
フィリピンなどに広く分布し、日本全国の山地や浜の林の下などの日陰に
自生しているおり、また、庭先や公園、庭園の木々の根元などに
アクセントとして植えられことが多い。
日本全土の日当たりの良い野原などに自生しているのは、
同じ仲間のヒメヤブラン(姫藪蘭)です。

・別名をヤマスゲ(山菅)と呼んで、ヤマスゲ(山菅)を詠んだ歌は、
万葉集には14首(スゲ(菅)を詠んだ歌を含んで)あります。

ヤマスゲ(山菅)が何かということについてはいろいろな説があります。
ヤマスゲ(山菅)を詠んだ万葉集の和歌
「山菅の 実ならぬことを 我れに寄せ 言はれし君は 誰れとか寝らむ」564
「ぬばたまの 黒髪山の 山菅に 小雨降りしき しくしく思ほゆ」 2456
「山菅の 乱れ恋の みせしめつつ 逢はぬ妹かも 年は経につつ」2474
「あしひきの 山菅の根の ねもころに 我れはぞ恋ふる 君が姿を」3051
「あしひきの 山菅の根の ねもころに やまず思はば 妹に逢はむかも」3053
「咲く花は 移ろふ時あり あしひきの 山菅の根し 長くはありけり」4484
ウィキ他より抜粋
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加筆等 ございます。

竜胆 (りんどう)

2012年09月11日 10時06分51秒 | 花の神話と伝説
〈別名〉 「疫病草、瘧草(はえやみぐさ)」「トウリンドウ」



花言葉〉 「あなたの悲しみに寄りそう」「誠実」「正義」「正義感」
      「悲しんでいるときのあなたが好き」「貞節」「淋しい愛情」
      「正義と共に、勝利を確信する」「的確 」「貞淑」「強い正義感」
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リンドウ(竜胆)とは、
リンドウ科リンドウ属の多年生植物
1変種 Gentiana scabra var. buergeri をさすことが多いですが、
近縁の他品種や他種を含む総称名のこともあります。

・竜胆(りんどう)科。
・学名 Gentiana scabra var. buergeri
Gentiana : リンドウ属
scabra : 凸凹のある、ざらついた
buergeri : 採集家「ブュルゲル」さんの
Gentiana(ゲンティアナ)は、紀元前の頃の
イリリア王「Gentius さん」の名前にちなんでおります。
・リンドウ科 リンドウ属 多年草
・原産地 日本
草丈 15センチ~1メートルほど
花期 9~11月
花色 青紫、濃紫、白・ピンク(園芸種)
別名・・・・・ トウリンドウ
開花期・・・・9月~11月
原産地・・・・日本 
花色・・・・・・紫紅色 白
葉の形状・・卵形または、波針形で対生 互生
花持ち・・・5日~10日

・長野県・熊本県の県花

・秋の代表花(山道でよく見かけます)。
ラッパ形で筒形。5裂する。
紫や青色のものが多いが、白やピンク色のものもあります。
・花は日光を受けると開き、夜は閉じる。
雨や曇りの日は閉じたまま。
(種類によってはずっと開かないものもある)。
・根が薬用になり、苦味健胃剤として広く使われております。
・各国で薬草として昔から重用されてきた。
・漢名の「龍胆」の音読み「りゅうたん」が
いつの間にか「りんどう」になったらしい。
この草の根が胆汁のように苦く、その苦みが
特別強いので、最上級を表す龍の字を冠して
名づけられたとも言われております。
ただ単に龍の胆のように苦いから、との説もある。

・切花としてよく見かけるのは
「蝦夷竜胆(えぞりんどう)」や
「御山竜胆(おやまりんどう)」を
園芸品種化したもの。
・9月13日、10月23日、11月25日の誕生花

特徴
本州から四国・九州の湿った野山に自生する。
花期は秋。
花は晴天の時だけ開き、釣り鐘型のきれいな紫色で、
茎の先に上向きにいくつも咲かせる。
高さは50cmほど。葉は細長く、対生につく。

かつては水田周辺の草地やため池の堤防などに
リンドウやアキノキリンソウなどの草花がたくさん自生していたが、
それは農業との関係で定期的に草刈りがなされ、
草丈が低い状態に保たれていたためだった。
近年、そのような手入れのはいる場所が少なくなったため、
リンドウをはじめこれらの植物は見る機会が少なくなってしまい、
リンドウを探すことも難しくなってしまっている

利用
園芸植物として、または野草としてよく栽培されるが、
園芸店でよく売られているのは別種のエゾリンドウの
栽培品種のことが多いようです。

生薬のリュウタン(竜胆)の原料の1種です

神話&伝説

リンドウは、日本古来から愛され清少納言は、「枕草子」で
「リンドウは、枝ざしなどもむつかしいけど、
こと花どものみ霜枯れたるにいとはなやかなる色あひにてさし出たる」と
記しております。

群生せず一本ずつ咲く姿と紫のイメージから
「悲しんでいるあなたを愛する」の花言葉が生まれたのでしょう

名前の由来
・中国名の音読み 根が胆汁のように苦い事から由来しております。
・根が、「熊の胆(い)」よりも苦いことから、
 「竜の胆(最上級に苦い)」の 意味で、この名前になったとされました。
その苦い根は、健胃・消炎・鎮静の薬として用いられる。

竜胆の花言葉の伝説
リンドウのそんな花言葉を思い起こさせる古代ヨーロッパのお話です。

古代ギリシャやローマの時代、
イタリアの西側に、イシュリアという国が栄えていました。

ゲンティウスという王様が、領民の間に大流行したペストを抑えようと、
山に分け入り、神に祈りを捧げて矢を放つと、
その矢はリンドウの根を貫いたのです。

王はこれを神の啓示と信じ、リンドウを人々に与えたところ、
たちどころに効き目をあらわし病をおさめることができたということです。

リンドウの薬効は漢方薬の世界でもよく用いられ、
日本にも同様、その薬効にまつわる伝説があります。
あるいは リンドウの薬効にまつわるお話は、
日本にも伝えられていたのでしょうか。

修験道の開祖、役小角(えんのおづの)が、日光の山奥を歩いていると、
うさぎが一匹、雪の中から掘り起こしたリンドウを舐めているのに
出会います。そのうさぎは、あるじが病気なのでリンドウを求めに
やってきたのだと言い残すと、あっという間に走り去ってしまいました。

役小角はリンドウを持ち帰り、病人に飲ませてみると、
素晴らしい効き目をあらわしたため、
先のうさぎは日光の二荒(ふたら)の神様のお告げだったに違いないと
悟り以後、リンドウは日光の霊草となったというお話です。

そんなリンドウは、たくさんのお花が群れ咲くという事がなく、
一株だけがぽつんと孤独に咲いている姿が多いので、
「さびしい愛情」、「悲しんでいる時のあなたが好き」などの
花言葉が生まれてきたのでしょうか。

侘び寂びの解る、日本人らしいお花の愛で方かもしれません。

湿地を好み、かつては水田の周辺や水辺などで自生しているものが
見られましたが、開発などで減少しております。

釣り鐘型の花は、晴れたときのみ開きます。

フラワーショップで販売されているものは、
北海道から石川県に分布する「エゾリンドウ」の
栽培種であることが多い。

リンドウは、日本にも古来より自生しているリンドウ科、
リンドウ属の多年草。

最近はお花屋さんで生け花の材料として並んでいる姿の方が
ポピュラーになってしまいましたが、
里山や田畑の周辺が人の手でまだ丁寧に管理されていた頃には、
身近な場所で普通に自生している姿がよく見られました。

青紫色が印象的なリンドウのお花は、
開いた時が特に色鮮やかで美しいのですが、
お日様が当たらない曇や雨の日、そして夜になると、
眠るようにその花を閉じてしまいます。

そのうえ中には、閉じたままずっと開かない種類まで
あるのだそうです。

せっかく活けたリンドウのお花が開かなくて、
淋しい思いをした人も多いのでは?
リンドウは根が薬用となり、胃の生薬として漢方薬の調合にもよく
用いられています。

漢字で竜胆と書くのは、苦いことで有名な熊の胆よりさらに苦い、
龍の肝くらい苦い・・
という事からきているそうで、漢方薬の「りゅうたん」がなまって、
リンドウになったのだといいます。

真っ黒で本当に苦い熊の胆より更に苦い、
龍の肝を実際に舐めた人がいるとは思えませんが、
それぐらい本当に苦いのでしょうね。

良薬口に苦しとはまさにこの事です。
 
    

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ウィキペディア他より
加筆訂正の可能性ございます。
リンドウは林道を連想致しまして、懐かしいお花です。
子供の頃にいつ・何処で?・・・・

狗尾草(えのころぐさ)

2012年09月11日 07時12分01秒 | 花の神話と伝説
〈別名〉 「猫じゃらし」



〈花言葉〉 「遊び」「愛嬌」「童心」「無関心」
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エノコログサ(、学名:Setaria viridis[1])
イネ科エノコログサ属の植物
1年生草本
・稲(いね)科。
・学名 Setaria viridis(猫じゃらし = 狗尾草)
Setaria faberi (秋の狗尾草
(あきのえのころぐさ))
Setaria : エノコログサ属
viridis : 緑色の
faberi : 採集家「ファーベル」さんの
Setaria(セタリア)は、ラテン語の  
「seta(剛毛)」が語源。花穂を囲む剛毛から

「猫じゃらし」と「秋の狗尾草」のちがい。
「猫じゃらし」
花穂は、ほぼまっすぐに立つ。やや小さめ。
(ちょっと垂れ下がることもある)
7・8月頃に咲きます。
9月以降はだんだん枯れてきます。
「秋の狗尾草」
花穂は大きく、垂れ下がります。
9・10月頃に咲きます。
・花穂の垂れ具合という見分け方は難しいので
 咲いている(花穂がある)時期が
 真夏ならば「猫じゃらし」
 秋になってからは「秋の狗尾草」なのでしょう。

・道ばたや畑などでふつうに見かけます。
・夏から秋にかけて緑色の花穂をつけます。
子どもの頃、これでくすぐりっこをやりました。
・猫の首のところをじゃらすと喜ぶところから
「猫じゃらし」という名前になったとされております。
・「猫じゃらし」には「莠」という当て字もあります。
ブラシのように毛の長い穂の形が独特な雑草

名前の由来
・穂からでるブラシ状の毛が金色をしているのが名前の由来です。

・夏から秋にかけてつける花穂が、犬の尾に似ていることから、
 犬っころ草(いぬっころくさ)が転じてエノコログサという
 呼称になったとされ、漢字でも「狗(犬)の尾の草」と表記されます。

・ネコジャラシ(猫じゃらし)の俗称は、花穂を猫の視界で振ると、
 猫がじゃれつくことから
・猫じゃらしの名の通り、これを用いて猫をじゃらすことが出来ます


分布
全世界の温帯に分布します。
日本でも全土の日当たりのよい畑地、荒地に分布します

特徴
草丈は40-70cmになります。
茎は細く、基部は少し地表を這い、節から根を下ろします。
夏には茎が立ち上がって伸び、先端に穂をつけます。

葉は匍匐茎にも花茎にも多数ついており、最大20cm位、
イネ科としてはやや幅広く、細長い楕円形、薄く、
緑色でつやがありません。

茎を包む葉鞘と、葉身の境目につく葉舌は退化して、その部分に
毛だけが残ります。また、よく葉が裏表逆になっております。
葉の付け根でねじれて、裏側が上を向くもので、そのような葉では、
上を向いた裏側の方が濃い緑でつやがあり、
下を向いた表側の方が、裏のような様子になります。

花序は円柱形で、一面に花がつき、多数の毛が突き出すので、
外見はブラシ状になります。
イヌビエなどの穂から出る毛は、小穂を包む鱗片(穎)の
先端から伸びる芒であるが、エノコログサの場合、この毛は芒ではなく、
小穂の柄から生じる長い突起である。

小穂の構造
エノコログサの小穂は、果実が熟すると、
一個の種子(実際には果実)を鱗片が包んだものに見える。
小穂の中には花は1つしかない。
しかし、本来は2つの小花があるべきもので、
そのうち1つが退化したものと解釈されております。

穂の軸から出る、短い柄の先に、普通は1個の小穂がつく。
第一包穎は背が低くて横長で、表側の基部を包む。
第二包穎は第三穎と共向き合って小花を包んでいる。
その内側には護穎と内穎に包まれた花がある。
本来は、第三は消失した小花の護穎であったもので、
小花の消失とともに内穎もなくなったものです。

利用
現在は、一般的に食用としては認識されておりませんが、
粟の原種であるので食用に使えます。
若い葉と花穂は軽く火であぶり、
醤油などで味付けしたり(風味はポップコーンに酷似)、
天ぷらにしたりして食べられる。
ただし、終戦直後大量に食べて中毒を起こした学者がいる。
近代以前の農村では、酷い飢饉の際にカラスムギなどと共に
これを食用としたこともありました。
オオエノコロは粟の遺伝子が流入しているので食用に供しやすい。

変異
エノコログサはさまざまな所に生え、
そのためもあってか種内変異が多い。
ハマエノコロ S. v. var. pachystachys (Fr. et Sav.)
海岸に生える型。
違いとしては、背が低く、比較的よく地表を這うこと、
茎や葉が短く硬いこと、それに、穂が短くほとんど楕円形で、
小穂が密で毛が長く、そのために穂の外見がかなり
異なる点が挙げられる。
ただし、内陸に入ると次第に普通の型に移行する。
ムラサキエノコロ S. v. f. purpurascens Maxim.
これは特に穂の剛毛が紫に染まるものである。
エノコログサ属
エノコログサ属(学名:Setaria)の特徴は、
先に述べたような小穂を円錐花序につけるものである。
また、小穂のつく枝に刺状の突起をもつ。
世界に約100種が知られる。
日本にある同属の種は7種ばかりあります。

エノコログサ Setaria viridis P. Beauv. アワ Setaria italica Beauv.
エノコログサ最大の変異である。
別種として扱われているが、エノコログサを元に作り出されたものと
考えられております。
エノコログサに比べると、高さは1mを越え、
花序の長さは20cmにもなります。
また、熟しても果実が簡単にはこぼれず、
これは収穫をたやすくしております。
かつては日本でも広く栽培されました。

①オオエノコロ Setaria x pycnocoma (Steud.)
Henrard ex Nakai アワとエノコログサとの雑種。
エノコログサに似るが、穂が一回り大きく、
また、エノコログサでは穂の軸の枝に小穂が一つずつつくのに対して、
その枝に複数の小穂がついて、円錐花序になる点が異なります。
畑地に時折見かけられます。

②アキノエノコログサ Setaria faberi Herrm.
エノコログサに最もよく似ておりますが、やや毛が多く、
穂が細長くて垂れることなどが外見上の相違点である。
小穂を見れば、エノコログサでは第二穎が小穂の長さと同じで、
小花が隠れるのに対して、この種では第二穎が短く、
小花が半分顔を出す。
そのため、この両者は別種とされている。

③ザラツキエノコロ Setaria. verticillata (L.) Beauv.
穂の剛毛に細かい逆棘があって、さわると非常にざらつくのが特徴です。
群生しているところでは、穂が互いに絡み合っているのが見られます。

④キンエノコロ Setaria glauca L. やや細い穂を出します。
穂は長さ3-10cmで直立し、茎や葉には毛がありません。
穂からでるブラシ状の毛が金色をしているのが名前の由来です。
北半球の温帯に広く分布し、日本でもほとんど全土に普通に見られます。

⑤コツブキンエノコロ Setaria pallide-fusca (Schumch.)
Stapf et C. E. Hubb. キンエノコロに似て、小穂が一回り小さい。

⑥イヌアワ Setaria chondrachne (Steud.) Honda
日本の本州から九州の木陰にはえる多年草で、
夏から秋にかけてまばらな円錐花序をつける。

⑦ササキビ Setaria palmifolia (Koenig) Stapf
木陰にはえる多年草で、葉が幅広く、多数の縦じわがあって、
ちょっとシュロの葉を思わせる。九州以南にあり、
広くアジアの熱帯域に分布する。やはりまばらな円錐花序をつける。

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ウィキ&その他から・・・
あまり種類などの細かい内容はどうしたものかと思いましたが豆知識に
なろうかと掲載致しました。
加筆等の可能性はございます。



露草

2012年09月11日 06時27分01秒 | 花の神話と伝説

〈別名〉「蛍草」「月草・着草・着き草(つきくさ)」「帽子花(ぼうしばな)」
    「青花(あおばな)」「鴨跖草(おうせきそう)」「移草(うつしぐさ)」
    「縹草(はなだぐさ)」



花言葉〉 「尊敬」「小夜曲(セレナーデ)」「なつかしい関係」
「敬われぬ愛」「恋の心変わり」「わずかな楽しみ」

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ツユクサ(露草、Commelina communis)
ツユクサ科ツユクサ属
一年生植物
英名は、デイフラワー
開花期・・・・6月~10月
原産地・・・・日本 東アジア 
花色・・・・・・藍
葉の形状・・線形
草丈・・・・30cm~80cm
花持ち・・・一日
原産地:日本、東アジア

花びらは、2枚に見えますが、じつは3枚。

青色の汁を採り、友禅染めの下絵描きに使う「青色紙」をつくります。 

日本全土、アジア全域、アメリカ東北部など世界中に広く分布します
畑の隅や道端で見かけることの多い雑草。

高さは15~50cmで直立することはなく、茎は地面を這う。
6~9月にかけて1.5~2cmほどの青い花をつけます。
花弁は3枚あり、上部の2枚は特徴的で青く大きいが、
下部の1枚は白くて小さく目立たちません。
雌しべが1本、雄しべが6本で成り立っております。

アサガオなどと同様、早朝に咲いた花は午後にはしぼみます。

名前の由来と別名
・朝咲いた花が昼しぼむことが朝露を連想させることから
「露草」と名付けられたという説があります。

・英名のDayflowerも「その日のうちにしぼむ花」という意味を持つ。
・「鴨跖草(つゆくさ、おうせきそう)」の字があてられることもあります。

・ツユクサは古くはつきくさと呼ばれており、上述した説以外に、
 この「つきくさ」が転じてツユクサになったという説もあります。
 「つきくさ」は月草とも着草とも表され、
 元々は花弁の青い色が「着」きやすいことから
 「着き草」と呼ばれていたものと言われておりますが、
 万葉集などの和歌集では「月草」の表記が多いようです。

・この他、その特徴的な花の形から、
 蛍草(ほたるぐさ)や帽子花(ぼうしばな)
 花の鮮やかな青色から青花(あおばな)などの別名があります。
・鴨跖草(おうせきそう)という生薬名でも呼ばれる。

利用
花の青い色素はアントシアニン系の化合物で、
着いても容易に退色するという性質を持ちます。

この性質を利用して、染め物の下絵を描くための絵具として
用いられました。ただしツユクサの花は小さいため、この用途には
栽培変種である大型のオオボウシバナ(アオバナ)が
用いられました。
オオボウシバナは観賞用としても栽培されることがあります。

花の季節に全草を採って乾燥させたものは鴨跖草(おうせきそう)と
呼ばれ、下痢止め、解熱などに用いる。

神話と伝説
前述にもございますが、こちらでは、青い花の汁について記します。

日本では、古来この花の汁で布を染めておりました。
花びらを軽く押しただけでも色が指先に残ります

またコップの水に露草の花をつけて絞ると美しい青色の水が出来
子供の頃 色水遊びをしました

別名「月草」は、「着き草」から転じた名前とも言われています
衣に色が着く草という意味です

水に消えてしまう性質を利用して現在も友禅の下書きに使い
本染めが済むと水で洗って下絵を消す技法をおこなっているそうです

ツユクサと文学と花
万葉集には月草(ツユクサの別名)を詠ったものが9首存在し、
古くから日本人に親しまれていた花の一つであると言えます。

朝咲いた花が昼しぼむことから、儚さの象徴として詠まれたものも多く、
俳句においては、露草、月草、蛍草などの名で、
秋の季語とされております。

夏から秋にかけて、地をおおうように伸ばした茎の節から根を出して広がり
茎先の二枚貝のような苞(ほう)の間から斜めに伸びた花柄の先に、
青い花が羽を広げるように咲きます。

午後になるとしぼむ澄んだ青色のユニークな形をした儚い花、
ツユクサ(露草)。

花の名は、露を帯びた草の意味で、朝露を受けて咲き始めることから
名づけられました。

花言葉「敬われぬ愛」は、朝日にあたると消えてしまう露のように
儚い思いを表しているでしょう。
ツユクサは古くから身近にある花で、別名が多く、
この別名から花言葉がつけられたのかもしれませんね。

万葉時代には色がつく花であることからツキクサ(着草)と呼ばれ、
恋歌では、人の心のうつろいやすさの象徴とされていたそうです。

花言葉「恋の心変わり」は、花の青い汁を衣に摺り付けて染めても、
着いた青い色が褪せやすいことからつけられています。
花言葉「小夜曲」は、夜の暗いうちから月光を浴びて咲くことから
呼ばれているツキクサ(月草)から連想してつけられたのでしょう。

庭に入ったツユクサが今年も鉢の中で芽をだして、
油断すると夏の間に広がってしまいますが、
子供の頃の夏休みの思い出の「なつかしい関係」の花なので、
少し残しています。

流通時期:空き地などで夏から秋に花を見かけます。

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ウィキ・その他より
加筆等ございます。

白粉花

2012年09月07日 13時09分44秒 | 花の神話と伝説

〈別名〉「夕化粧」「白粉草」
<英名> 「フォー オクロック(午後4時)」「ペルーの驚異」


〈花言葉〉「あなたを想う」「内気」「臆病」「信じられない恋」
  「疑いの恋」「病気」「不思議な」「慎重」
仲秋 白粉草/おしろい/夕化粧/金化粧/銀化粧

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オシロイバナ(白粉花、学名:Mirabilis jalapa)
オシロイバナ科の多年草または一年草です。
・白粉花(おしろいばな)科。
・学名 Mirabilis jalapa
Mirabilis : オシロイバナ属
jalapa : ヤラッパ(メキシコの町名)
Mirabilis(ミラビリス)は、ラテン語の
「不思議な、素敵な」のことばが語源になっております。
・開花時期は、 6/25頃~10/ 末頃。
・メキシコ原産。江戸時代に渡来。
(ペルー原産、との説もあります。)
・ラッパ型の花。町中に野生化しております。
熟した黒く固い種をつぶすと白粉(おしろい)の
ような”白い粉”が出ててきます。
名前の由来はそこからきております。
名づけ親は江戸時代の博物学者、貝原益軒。
・ 黒いタネ(実)は、お寺の鐘の形です。
白い粉は蕎麦(そば)の実の粉に似ている。
・夕方頃に活動する昆虫に対しては、
花の多彩な色で引きつけ、
夜に活動する昆虫には、その香りで引きつけます。

花が美しいので観賞用に栽培されるほか、広く野生化されております。
南アメリカ原産で江戸時代始め頃に渡来し、一部は帰化しております。

特徴
・茎はよく枝分かれして灌木状となるが節がはっきりしております。
木質化はしない。全体にみずみずしい緑。
・花は赤、黄色、白や
絞り模様(同じ株で複数の色のものもある)などで、
内、白と黄の絞りは少ない。
・花は夕方開き、芳香があります。
このため和名としてはユウゲショウ(夕化粧)とも呼ばれますが、
この名はアカバナ科のものにも使われているので注意を要します。
英語ではFour o'clock、
中国語では洗澡花(風呂に入る時間から)
煮飯花(夕飯の時間から)などと呼ばれております。

夜間に開き花筒が長いので口吻の長い大型の
夜行性鱗翅目でなければ吸蜜は困難です。
日本のオシロイバナでは主にスズメガが吸蜜し、
送粉に関わっております。
オシロイバナは網状脈です。

花弁はなく、花弁に見えるのはがくで基部は緑色でふくらんでおります。
また花の根元にある緑色のがくのようなものは総苞です。
花が咲き終わった後、がくは基部を残して
脱落し果実(種子を1つ含む)ががくの基部に
包まれたまま熟して全体が黒い種子のようになります。
暖地では冬に地上部が枯れてもこの地下部が生き残り次の年に根から芽を出す。

名前の由来
・種子には粉状の胚乳があり、これからオシロイバナの名がつきました。
 根はいも状になり
 (トリゴネリンを含み毒性があるので食用にはできません)
・熟した黒く固い種をつぶすと白粉(おしろい)の
ような”白い粉”が出てきます。
名前の由来はそこからきており、
江戸時代の博物学者、貝原益軒に名付けられました。
黒いタネ(実)は、お寺の鐘の形です。
・夕方4時頃から花を咲かせることから、
 英名でフォーオクロックと呼ばれています。
・「marvel of Peru(ペルーの驚異)」は一株にさまざまな色を花を咲かせることから呼ばれております。
・夕方開花し、朝にはしぼんで落ちるので夕化粧とも呼ばれております。
利用
オシロイバナ属には観賞用に栽培されるもののほか、
アンデス山脈周辺でいもを食用にするもの
(maukaまたはchago、M. extensa)もある
・オシロイバナは夏の間は夕方から花が開き、
 朝には花を萎ませます。

・夏の昼間は花が萎んでおりますが、
 秋が深まってくると昼間でも花が咲いているのを
 見かけるようになります。
・花は芳香があり、とてもよい香りがします。
 オシロイバナは一見きれいな花びらに見えますが、
 花びらではなく萼(がく)です。
 オシロイバナには花びらはなく、
 萼が美しくなっています。
 ブーゲンビリアも同じ科で花びらはありません。
 ・庭に一度植えて育てると、こぼれ種で翌年も開花します
(ペルー原産、との説もあります)
・ラッパ型の花。町中に野生化しております。
・熟した黒く固い種をつぶすと白粉(おしろい)の
ような”白い粉”が出てきます。
黒いタネ(実)は、お寺の鐘の形です。
白い粉は蕎麦(そば)の実の粉に似ている。
・夕方頃に活動する昆虫に対しては、
花の多彩な色で引きつけ、
夜に活動する昆虫には、その香りで引きつけます。
・色は赤、白、黄。英語では、1本の草から
異なる花の色が咲くことから
「marvel of Peru(ペルーの驚異)」と言われております。
神話と伝説
・夏の夕暮れ、薄暗くなって花が開き明るくなることから
「夕化粧」というロマンチックな別名があります
 日本には、江戸時代に渡来されました

・イギリスでは、夕方咲くので「午後4時」
・フランスでは、「夜の美人」と呼ばれています

・同じ木の枝から違う色の花が咲き
 花の色が毎日変わることから「ペルーの不思議」と呼ばれています

・毎日、違う色の花が咲くので「私の恋は、疑う」の花言葉が
 生まれたのでしょう
9月20日の誕生花(白粉花)

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ウィキペディアその他より掲載しております。
必要に応じ、加筆、訂正致します。

犬蓼(いぬたで)

2012年09月07日 07時24分10秒 | 花の神話と伝説

〈別名〉「アカノマンマ」「アカマンマ」


 


〈花言葉〉「可愛らしい」「あなたのために役立ちたい」

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イヌタデ(犬蓼、Polygonum longisetum あるいは Persicaria longiseta)
 タデ科の一年草。
・蓼(たで)科。
・学名 Persicaria longiseta
Persicaria : イヌタデ属
longiseta : 長い刺毛の
Persicaria は、
「persica」(桃)に似ている、との意味。
(葉が桃に似ていることから・・・)
 山野に普通で、高さ約30センチメートル。
 葉の基部の鞘状の托葉が茎を囲む。
 夏から秋、葉腋と茎頂に紫紅色の小花が穂をなす。
 アカマンマ。アカノマンマ。「犬蓼の花」は秋の季語。
  
 秋、稲刈りの始まる頃に田んぼの畦などに普通に見かける植物です。
 そろそろ夏から秋へと季節が変わるこの時期には、
 紫紅色の花穂を出し始めています。

名前の由来
・アカマンマとは「赤飯」のこと。 
 赤い小さな果実を赤飯に見立て、アカマンマとも呼ばれる。
 名前はヤナギタデに対し、葉に辛味がなくて役に立たないために
「イヌタデ」と名付けられた
・その紫紅色の花穂のつぶつぶを赤い米粒に見立てた命名です。
 ままごと遊びの食卓ではめでたい赤飯の役割を果たすことの多い
植物です。
  ままごと遊びでは赤飯の役割を果たしますが、
  この植物とお米の関係はその見かけの類似性だけではありません。
  その経歴もお米と、そして人間との長い関わりを
見いだすことが出来ます。
・こんな冒険心旺盛な犬蓼ですが、付いた名前は「いぬたで」。
 この「犬」は役に立たないもの、価値のないものという意味を持つ言葉。
 犬蓼はつまり、「役に立たない蓼」という意味です。
・花言葉の「可愛らしい」は(花穂の様子から)

犬蓼は、野草とはいいながら深山で見かけることはまずありません。
どんなところに暮らしているかというと、人里。
田んぼの畦や、家と家の間の空き地、路傍の荒れ地などを好んで
その住処としています。人間が住んでいる場所が大好きな植物なのです。

 犬蓼のルーツをたどると、
 そのご先祖は朝鮮半島、中国大陸へ行き着くそうです。

 昔々のその昔、犬蓼のご先祖様は人間とともに海を渡って日本にやっ
 てきた帰化植物だといわれています。

 人間とともにといっても、人間によって持ち込まれて来たというより、
 人間を利用して、海を渡ったというのが本当のところでしょう。
 今でもそうであるように、犬蓼のご先祖様も人里の環境に暮らすのが
 好きだったでしょうから、大陸から海を渡って日本にやってきた人や、
 作物の種子などに紛れ込んで、日本にやってきたと考えられます。


 「蓼食う虫も好き好き」という言葉がありますが、
 これは蓼の仲間の葉っぱは辛いので、そんな辛いものを好む虫も
 いるということで生まれた言葉です。

 「蓼食う虫も」と云っておきながら、そういう人間もこの辛味に
目を付けて食材として使いました。この「辛い蓼」が役に立つ蓼。
犬蓼は、辛くないので役に立たないといみです。
 海を渡ってやってきた犬蓼は 
 田んぼの脇で、大昔からなじみの稲と一緒に太陽の光を浴びて
おります。
 道ばたに普通に見られる雑草である。
雑草ではあるが、非常に美しく、画材などとして
使われることもあります。

茎の基部は横に這い、多く枝分かれして小さな集団を作ります。
茎の先はやや立ち、高さは20-50cm。葉は楕円形。
秋に茎の先端から穂を出し、花を密につけます。
花よりも、その後に見られる真っ赤な果実が目立ちます。
果実そのものは黒っぽい色ですが、
その外側に赤い萼をかぶっているので、このように見えます。

花・・・穂状花序に密につく。花弁は無く萼が5深裂

果実・・痩果は約2㎜で黒色
渡 来
農耕文化の渡来と共に古くから

近似種
ヤナギタデ(柳蓼)、ボントクタデ

植物に動物の名を冠するのは役に立たない事を意味するようだが、
この場合も辛くないのでイヌタデという。
別名のアカノマンマ、アカマンマは子供たちのおままごと遊びの
お赤飯に使われた事から。

種子で繁殖し春から夏にかけて長期に赤い穂をつけるが、
秋に紅色(まれに白色)の小花が密についた花穂がより鮮烈になり
人々に親しまれております。
蓼の穂を手に乗せてもむと黒い粒が出てくるが、これは種子。
花のように見えてもすてに実を結んでいるものがあるのが、
年中咲いている秘密かもしれない。
イヌタデ属は葉が互生、単葉で全縁、花弁は無く萼が5裂する。
北半球に100種、日本には30余種が生育し日本の秋を彩る。

露草も犬蓼もそっちこっちでみかける雑草ですが、
しみじみ眺めるととても可愛い草花です

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ウィキより・・・
この花に関する内容をとりあえず入れました。
整理・加筆等ございます。

鳳仙花

2012年09月07日 06時36分59秒 | 花の神話と伝説
〈別名〉「爪紅(つまべに)」「ツマクレナイ」「ホネヌキ」



〈花言葉〉「快活」「私に触れないで」「せっかち」「心を開く」「繊細」


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ホウセンカ(鳳仙花、学名:Impatiens balsamina)
ツリフネソウ科ツリフネソウ属
一年草
開花期・・・・6月~9月
原産地・・・・東南アジア インド 中国南部 マレー半島
花色・・・・・・白・桃・赤など、絞り
葉の形状・・互生 有柄
草丈・・・・20cm~70cm
花持ち・・・3日~4日
観賞用によく栽培されます。

特徴
茎は直立して葉は互生し、花は葉腋に2~3花ずつ付き、
左右相称で夏に咲く。
花弁とがくは各5枚で、下のがく片の後ろに距がある。
本来の花の色は赤だが、園芸品種の花には赤や白、ピンク、
紫のものがあり、また、赤や紫と白の絞り咲きもある。
現在の園芸種は、大半が椿咲きと呼ばれる八重咲きである。
また、距のないものもある。
本来は草丈が60cmくらいになるが、
近年草丈20~30cmの矮性種が好まれている。

性質
こぼれ種でもよく生えるほどの丈夫な植物で、
よほど日当たりや水はけが悪くない限り、
病虫害もほとんどなく育てやすい。
発芽温度は比較的高いので、
東京付近では4月下旬から5月に播種する。

勢い良く葉を伸ばし、その付け根に赤やピンク、
白色などのフリルのように波打った花を咲かせます。

名前や花言葉の由来

・中国語「「鳳仙華」の音読みで、
 鳳凰と仙人の2語が合わさり鳳仙花となりました

・花後の実に触れると種子がはじけるのが特徴で、
 英名 TOUCH-ME-NOT も花言葉も、ここからつけられました。

・ベティと言う女の子に花をなぞらえが
 Jumping Betty という愉快な英名もあります。

・漢字で「爪紅」と書く別名は、
 つぶした花びらで爪を淡紅色に染める遊びがあった
 ことに由来しています。

・「鳳仙花」は中国名で、花を鳳凰に見立てたもの。

・ギリシア神話に、この花の悲しい伝説があります。
オリンポスの宮殿で開かれた神々の宴の時に、 客へのプレゼント用に
用意していた黄金のリンゴが1個なくなりました。
そのとき給仕をしていた一人の女神に、盗みの疑いがかけられて
しまいました。女神は、オリンポスから追放されてしまうが、
本当は無実だったのです。 彼女は疑いをはらすため、血眼になって
地上で真犯人を探しましたが、とうとう力尽き、
哀れな最期をとげました。 その悔しさが、死んだあとでもなお続き、
自分の屍をホウセンカの花に変えたのだとされております。

・熟した実にほんの少し触わっただけで 勢いよくはじけて
 中の種を飛ばすのは、 「私は何も盗んでいない、無実である」と
 示していることの表れだということです。

 果実は果(さくか)で、熟すと果皮の内外の
 細胞の膨圧の差によって弾性の力を蓄積し、
 弾けて種を遠くに飛ばします。

 自然に弾ける寸前となった果実は指で触るなどの
 些細な刺激でも容易に弾けます。
・属名Impatiens(ラテン語で「我慢できない」の意)も
 このことによります。

・赤いものは昔から女の子が爪を染めるのに使ったため、
 ツマクレナイ、ツマベニ(爪紅)の名もあります。

・沖縄では「てぃんさぐ」と呼ばれ、民謡「てぃんさぐぬ花」で有名。

・韓国では、爪にホウセンカの汁を塗り、
 初雪まで色が残っていたら恋が実ると言う伝承がある。


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ウィキより抜粋  加筆・編集致します。







吾木香(われもこう)

2012年09月03日 15時05分40秒 | 花の神話と伝説

〈別名〉 「酸赭、山棗参、黄瓜香、豬人參、血箭草、馬軟棗、
      山紅棗根」



〈花言葉〉 「愛慕」「変化」「感謝」

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昔はどこにでもありましたが、最近は少なくなりました。
 遠くからは坊主頭のような花にしか見えませんが、
近寄ってよく見ると、花びらが4枚の花がたくさん集まっている
ことが分かります。
 「吾亦紅」は、文字通り、われもまた紅いという意味です。
 「吾木香」は国産の木香という意味で、
”木香”はインド産の香木だそうです。

われもこう【吾木香・我毛香・吾亦紅】
バラ科の多年草。山野に自生し、
高さ60~90センチメートル。
晩夏、暗紅紫色の小花を球形の花序に密生。
果実も同色。
若葉は食用、根は止血・収斂しゅうれん剤。漢名、地楡。 広辞苑

若葉は茹でておひたしにして食べます。

薬効
根を乾燥したものは止血剤に使われます。

季語
秋。「吾木香」「我毛香」

英語ではGreat Burnet、Garden Burnet、
中国語では地楡(ディーユー、diyu)
日本列島、朝鮮半島、中国大陸、シベリアなどに分布しており、
アラスカでは帰化植物として自生しております。

特徴
草地に生える多年生草本。地下茎は太くて短い。
根出葉は長い柄があり、羽状複葉、小葉は細長い楕円形、
細かい鋸歯がある。
秋に茎を伸ばし、その先に穂状の可憐な花をつける。
穂は短く楕円形につまり、暗紅色に色づく。

語源
「ワレモコウ」の漢字表記には吾亦紅の他に我吾紅、吾木香、
我毛紅などがあります。
このようになったのは諸説がありますが、
一説によると、
「われもこうありたい」とはかない思いをこめて名づけられたという。
また、命名するときに、赤黒いこの花はなに色だろうか、と論議があり、
その時みなそれぞれに茶色、こげ茶、紫などと言い張った。
そのとき、選者に、どこからか「いや、私は断じて紅ですよ」と
言うのが聞こえた。
選者は「花が自分で言っているのだから間違いない、われも紅とする」で
「我亦紅」となったという説もある。

利用
根は地楡(ちゆ)という生薬でタンニンやサポニン多くを含み、
天日乾燥すれば収斂薬になり止血や火傷、湿疹の治療に用いられる。
漢方では清肺湯(せいはいとう)、槐角丸(かいかくがん)などに
配合されております。

同属別種の
オランダワレモコウ(サラダバーネット、学名S. minor Scop.)は
観賞用だけでなく若葉を食用とします。

花穂は、遠目で見ると、草の実のようですが小花が密集しており
花びらはなく、萼が花びらのように見えます。

俳諧では「秋の季語」とされております。

Sanguisorba(サングイソルバ)は、
ラテン語の「sanguis(血)
+ sorbere(吸収する)」が語源。
根にタンニンが多く、止血効果のある薬として
利用されることからつけられました。

・秋の高原で咲きます。
・暗赤色の丸い花穂が 丸いダンゴのようです。
 白い「長穂の白吾木香(ながぼのしろわれもこう)」
というのもあります。
・花は、花穂の上の方から下の方へ 順に開花します。
・秋の十五夜のお月見では、
薄(すすき)とともに欠かせないものとなっております。

名前の由来
いろんな漢字があてられております。
・「吾木香」
わが国(日本)の木香の意で、
根が木香に似ているから。
ここでいう「木香」とはインド原産の
菊科の根のことで、強い芳香があり
健胃剤、防虫剤としても使われます。
・「吾亦紅」
和歌、俳句などで一般に使われる。
われもまた紅い、との意味になっております。
・「割木瓜」
「木瓜(もこう)」は鳥の巣と卵を表した
漢民族の丸い模様のことで、
ワレモコウの小花の形が、割れ目を入れた
木瓜の模様に似ていることからと言われております。

根を乾燥させたものを、漢方では
「地楡(ちゆ)」と呼び、止血剤として使用されております。

栽培方法
株分け、実生で増やします。植え付けは極寒期を除く
11~3月、排水と風通しがよく、よく日の当たるやや湿り気のある
肥沃な所を好みます。開花期は7~11月、草丈50~150cmで、
日本各地の山野に自生し、切り花としても利用されます

「われもこう」とは「吾(日本の)モッコウ(木香)」という意味です。
根を乾燥させたものには芳香があり、薬用、防虫に用いられてきました

われもこう(吾亦紅、吾木香、我木香、我吾紅、我毛紅、我毛香、
ウマズイカ、ダンゴバナ)は
バラ科ーワレモコウ属に属する植物で日本各地と朝鮮半島から
中国、ロシア、ヨーロッパなどのユーラシア大陸に広く分布
している植物で、主に山地の草原や堤防などに生える多年草の
植物です

ワレモコウは秋の野草として有名で、生け花などに使われます。
秋の野草としては有名ですが、秋の七草には入っておらず、
万葉集にも載っておりません。

ワレモコウの根茎は生薬として使われ、生薬名を「地楡(ちゆ)」と
言います
ワレモコウの名前の由来として
平安時代に書かれた日本最古の百科事典と言われる
「和名抄(わみょうしょう)」に和名として「阿夜女太無(あやのたむ)」、
一名「衣比須弥(えびすね)」と記載されており、
同じく平安時代には「割れ木爪(帽額=モコウ)(われもこう)」と
呼ばれていましたが、時代が下るに従って「吾亦紅」「吾木香」「我吾紅」
「我毛紅」「割木瓜」「我毛香」と漢字が変更されました。

ワレモコウの漢名は「地楡(ちゆ)」と言います。

時代が下って江戸時代後期の書物の
「本草綱目啓蒙(ほんぞうこうもくけいもう)」には
「ワレモコウと呼ばれる植物は多々あり、「ジャコウソウ」「オケラ」
「カルカヤ」などがワレモコウと呼ばれる。」と書かれており、
上記の植物は芳香がある植物で、
ワレモコウの漢名の「吾木香」「我木香」が当てはまると思います。
(吾木香、我木香の木香はインド産の香木を指します。
吾木香、我木香の「吾」「我」は我が国「日本」を指していると言われ
我が国の木香と言う意味があります。)

ただ、ここで取り上げたワレモコウには芳香は無く、
何故この植物がワレモコウと呼ばれるかは謎であります。
(一説によると根の形が木香に似ているからの説もあります。)

特徴・形態
われもこうの特徴として全体が無毛で茎は直立しており
高さは30センチメートルから1メートルぐらいの長さになり、
茎は上部で枝分かれをして枝の先に花穂をつけます。

花は7月~10月にかけて茎の先が上部より順番に枝分かれをして
枝の先に花を咲かせます。
花序の長さは1センチ~2センチで、花穂は楕円形又は円筒状で、
花には花弁は無く、がく片4片は暗くて濃い紫紅色をしており、
雌しべが4本あり、雌しべはがく片より短いです。
以上が吾亦紅の特徴と言えます。

葉は互生して奇数羽状複葉です。
葉は長い葉柄で形は長楕円形か卵状楕円形をしており、
葉の長さは3センチから6センチぐらいで
葉の幅は1センチから2センチぐらいです。
葉の縁に鋸歯があり、
葉の数は7枚~13枚です。

根茎は横に伸びて硬く太くて湾曲しているか、横臥しております。
この根茎の形がインド産の香木に似ているので木香の文字が付いた
と言われます。

春先の出て間もない若い葉をおひたしにして食する事も出来ます。

参考・・・ワレモコウの類似した植物で
小花の吾亦紅(コバナノワレモコウ)や長穂の赤吾亦紅
(ナガボノアカワレモコウ)があり、
2種類共に花序は2センチ~5センチと細長く、
花が垂れるのが特徴と言えます。

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ウィキ・その他より
加筆・訂正の可能性あります。とりあえずの掲載です。

水引

2012年09月03日 14時29分46秒 | 花の神話と伝説

〈別名〉 「水引草(みずひきそう・みずひきぐさ)」
 漢名  「金線華」「毛蓼」




〈花言葉〉 「飾らない 性格」「ささやかな歓び」「小さな歓び」
      「感謝の気持ち」「慶事」「祭礼」「祝い事」


季語 仲秋
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・蓼(たで)科。
・学名 Antenoron filiforme
Antenoron : ミズヒキ属
filiforme : 糸状の

・ヒマラヤから中国の高山帯の草地に群生.
・開花時期は、 8/ 5頃~10/10頃。
・日陰に生えます。
・葉っぱはときおり変わった斑入り(ふいり)のものがあります。
→ 斑入りの葉っぱ
・通常、葉の表面に暗紅色の斑があります。
・多年草。
・山野の陰地に自生
・茎は高さ約60センチメートル。
・水の豊かな場所に、咲く花です。

原産地  北米
渡 来  明治時代「日本全国」

名前の由来
・夏秋の頃、赤色の小花をまばらに穂状につけ、
 それを水引に見たてられました。
・上から見ると赤く見え、下から見ると白く
見える花を、紅白の水引に見立てられました。
・真紅の小花をつけた枝は、祝儀袋の水引そっくりなことから
 呼ばれるようになりました。
・下側は白いので水引にたとえて名付けられたということです。

花茎は高さは5~20センチで葉がなく、
円筒状あるいは卵状の総状花序に明るいピンク色の花をつけます。
花弁は4枚で、5本のおしべを持つ.
2本の花柱は花後も残って成長し、
先がかぎ状になって果実の先端から突出する.
葉は長円形で、表面に黒い斑が入る.高さは約1米位.

枝はごく細く、あちこちから茎を出して伸びます。
花の大きさは米粒半分位で、近寄らないと詳しく見えません。
花はまばらにつきます。
花びらはなく、がく片は4枚、おしべは5本です。

花後もよく見ると、実は先に引っかかりが出ており、
これが動物や衣服などにくっついて遠方に運ばれ落ちます。
赤い小さな花が連なって咲いています。

赤く鮮やかな花を、細い茎の上に点々と咲かせる花。
夏は赤い花が似合いますが、この花に関してのみ言えば、まるで熱さを
感じさせないのです。

6月後半から咲いて夏に終わっても、
9月後半からまた盛んに咲いてきます。
金や銀の水引草もあります。
白い花のものを「銀水引」、
紅白まじりのものを「御所水引」とも云われております。

そっと、控え目に咲く秋の花 ”水引草”は蓼科の宿根草。

四枚の花弁と五本の雄蕊小さな花が懸命に開いているのは
とても美しく、愛らしい。


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鶏頭

2012年08月31日 16時55分08秒 | 花の神話と伝説

〈別名〉 「鶏冠花(けいかんか)」「韓藍(からあい)」「セロシア」




〈花言葉〉「色褪せない恋」「情愛」「気取り」「気取りや」「警戒」「感情的」
     「乙女の真心」「調和」「野性美」「少女の純潔」「奇妙」
     (鶏冠鶏頭)→ 「おしゃれ」 (槍鶏頭) →「個性」

 
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ケイトウ (鶏頭、学名:Celosia argentea) は
ヒユ科の一年生植物。
・日本には万葉時代
にはすでに渡来しておりました。”古株”
・原産地 熱帯アジア・亜熱帯地方原産
・状態 一年草

狭義には
C. argentea f. cristata(シノニムC. argentea var. cristata)をいうが、
本記事では特に断らない限りC. argentea をケイトウということに致します。
学名は燃焼という意味のギリシャ語に由来します。
ケイトウの花が燃え盛る炎を彷彿とさせるのが根拠と思われます。

夏から秋にかけ、赤・桃色・黄色などの花穂ができる。
その形状がニワトリの鶏冠(とさか)に似ていることからこの名がつきました。
花期は6月から9月頃。

・開花時期は、 8/10頃~12/10頃。

原産地はアジア、アフリカの熱帯地方と推定され、
日本には奈良時代に中国を経由して渡来しました。
かつては韓藍(カラアイ)と呼ばれておりました。

花の色は赤や黄色を基調としますが、橙、紫、ピンクなど
さまざまな色の園芸品種があります。
栽培にあたっては移植を嫌うので直蒔き致します。

種は嫌光性で、日光の当る場所では発芽しません。
アルカリ性の土壌を好み、栽培は簡単

花穂の形状の異なる羽毛ケイトウ、久留米ケイトウ、
トサカケイトウなどの系統があります。

花と葉はアフリカと東南アジアで食用とされております。

日本でも食用植物として栽培されていた時期があります。
朝鮮では穂粒を豚の餌にしております。
根や茎は干した後にいぶしてネズミ除けに用いられております。


名前の由来

・和名は、赤いベルベットのフリルがオンドリの
 赤いトサカによく似ていることから「ケイトウ(鶏頭)」です。

・中国では「ケイカン(鶏冠)」、
 
・ちなみにイギリス・フランス・ドイツなどでも同じように
 "おんどりのトサカ”です。
これは植物学者リンネが与えた学名「トサカ種のケイトウ」が
そのまま一般名になったからといわれております。

・英語でも「cocks-comb」(鶏のとさか)なので
この花に対するイメージは世界共通なのかもしれません。

・学名は燃焼という意味のギリシャ語に由来する。
 ケイトウの花が燃え盛る炎を彷彿とさせるのが根拠のようです。

・属名の 『セロシア「ケロシアとも」(Celosia)』は
 ギリシャ語の『ケロス「keleos」(燃えた・焦げた)』という意で、
 燃えるような真っ赤な花色からといわれております。


ケイトウは古い時代に中国から朝鮮半島を経て日本に渡来しました。
日本では古くから独自に品種改良が進んで、
世界の園芸品種の大部分が日本で作出されてきました。

・花色は緋赤・濃黄・オレンジ・ピンク・紅紫・斑入りなどと多く、
 高温多湿の日本の気候によく適応します。

・真夏から秋にかけて長期間花を咲かせる派手やかな花です。

・花のように見える部分は茎が変化したもので、
 実際の花はとても小さく目立たずその下に密生しています。

・花形は花冠の形によって変わり、花冠が大きく花序が扁平なトサカ系、
 先が槍のように尖るチャイルジー系、球状になる久留米系、
 羽毛状になるプルモーサ系など、
 花が丸くなって咲くものや、槍のように
とがるものなど、多彩です。

・昔は草染めの原料として利用されておりました。

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ウィキその他参考 加筆の可能性ございます。

鶏頭の花は子供の頃にお庭に咲いておりました。
所謂 いつもあたりまえのようにそこに在った花の一つなのです。
どちらかといえば改良された鶏頭よりもオーソドックスな鶏頭に
昔ながらの鶏頭が好きなのです。

秋明菊

2012年08月31日 15時23分42秒 | 花の神話と伝説

〈別名〉「秋牡丹」「しめ菊」「紫衣菊」「加賀菊」「越前菊」
 「貴船菊」「唐菊」「高麗菊」「秋芍薬」
《英名》「ジャパニーズ・アネモネ」 




〈花言葉〉「忍耐」「薄れゆく愛」「多感なとき」
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・学名:Anemone hupehensis var. japonica)
・金鳳花(きんぽうげ)科。キンポウゲ科の植物の一種。
・名前にキクが付きますが、キクの仲間ではなく
 アネモネの仲間です。
・中国原産。かなり昔、日本に渡来。帰化植物
・漢名は「秋牡丹」。
・ Anemone : イチリンソウ属
hupehensis : 中国の湖北省産の
japonica : 日本のAnemone(アネモネ)

・生態
 多年草で開花期は秋、
 高く伸びた花茎の上に大柄な花をつける。
 花は多数の赤紫色の花弁状の萼片が目立ち、
 本物の花弁はありません。
・花色は赤紫色ですが、近年、他種との交配品種が市販されるようになり、
 弁数が少ない品種や白色の品種が多く栽培されて名称の
 混乱が見られます。
・花色:白、桃
草丈:50~80cm
冬になると地上部分が枯れる宿根草花
・白とピンクの一重または八重咲き種があります。


概要
文献上では「花壇綱目」に「秋明菊」の名前で記載が成れていて、
日本に定着していたことが窺えます。

本州、四国、九州などに分布しておりますが、
中国から古く渡来・野生化した「史前帰化植物」と見られております。

中国では明代末の「本草綱目」には記載はなく「三才図会」に
「秋牡丹」の名前で記載されるようになりました。
「秋牡丹」の呼称は貝原益軒も「大和本草」で使用されております。
以後日本の園芸書には「秋明菊」「秋牡丹」で紹介されることが多くなり、
「しめ菊」「紫衣菊」「加賀菊」「越前菊」「貴船菊」「唐菊」「高麗菊」
「秋芍薬」などの多様な別名で呼ばれることになりました。

名前の由来
・秋に菊に似た花を咲かせるところから
この名前に。
・濃いピンク色の花は別名で
「貴船菊(きぶねぎく)」。
京都の貴船地方に多いことによる。
・清楚な美しさがヨーロッパで人気。
 日本の Anemone(アネモネ) は、ギリシャ語の「風」が語源。
 「風の花」の意味のようです。

ヨーロッパではタイワンシュウメイギクとの
交雑品種も出回っているそうです。
シュウメイギクは清楚な美しさがとても魅力です。
茶花や山野草として栽培されるが洋風の雰囲気にも合います。

シュウメイギク(秋明菊)の育て方 
寒さに強く育てやすいが、乾きすぎないところがよいので、
西日が当たらないところ、
例えば西側に庭木があるような場所が適する
というのが一般的な育て方です。
栽培難易度:(ふつう)

シュウメイギクと
ネパール原産のアネモネ・ビティフォリア〔A. vitifolia〕を
掛け合わせて作られた
園芸品種アネモネ・ヒブリダ〔A. ×hybrida〕も、
シュウメイギクとして普及しています。

栽培されているのはこちらの方が主流のような気がします。
主にヨーロッパで育種されました。
本来のシュウメイギクより草丈が高く1.5mほどになります。
花色は白、濃~淡ピンク、紅などがあります。
代表的な品種に
レディ・ギルモー、モン・ローズ、プロフュージョン
などがあります。

和風の庭園に似合い、茶花としても利用されます。
園芸品種は和洋あまり制限なく幅広いシーンでマッチします。

【庭植えで楽しむ】
 庭植えでの花期は9-10月。 
乾燥に弱いので、場所は午後から日陰になるような
適度に湿りけのあるところが適する。
植え付けは秋または春。
根が深く伸びるので腐葉土などを加え、
十分に深耕して植え付ける。
別に元肥としてマグアンプKを一握り混合しておく。
 春から初夏の生育期には1-2回追肥をすると大株に育つ。
また、害虫対策には株元にオルトラン粒剤をまき、
病気対策にはダコニールなどウドンコ病に効くものを
月1回くらいの割合で与えるとよい。

【鉢植えで楽しむ】
6号鉢以上の鉢が育てやすい。  
鉢底にゴロ土を入れて排水を良くし、有機質の多い市販の培養土に
元肥えとしてマグアンプKを大さじ1杯くらい混合してから、
根をよく広げて植える。
蕾(つぼみ)が伸び出したら支柱を立ててやると良い。
夏の水切れは葉焼けをおこすので注意する。

【切り花を楽しむ】
 水揚げを上手にすれば次々と開花し長く楽しめる。
水揚げは切り口を焼くと良い。
深めに水の入る容器で、こまめに切り戻すのがコツのようだ。
シュウメイギク(秋明菊)はジャパニーズアネモネとも言われ
、キク科ではなくアネモネと同じキンポウゲ科。
もともとは中国原産のシュウメイギクですが、
古い時代に中国から渡来し日本で野生化した多年草です。

その名の通り、花の少なくなる秋にキクに似た爽やかな紅紫色
または白色の花を咲かせます。


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ウィキ他 を参考に致しました。加筆等あります。

ある種の芙蓉のような柔らかさ 楚楚として優雅で可憐
そんなイメージを抱きます。

落花生

2012年08月28日 23時55分15秒 | 花の神話と伝説

〈別名〉「地豆」「南京豆」」「唐人豆(とうじんまめ)」
    「異人豆(いじんまめ)」「花生」「土豆」「ピーナッツ」





<花言葉> 「仲良し」「楽しみ」

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ラッカセイ(落花生 Arachis hypogaea)は、
マメ科ラッカセイ属の一年草。
別名はナンキンマメ(南京豆)
方言名は地豆(ぢまめ、ジーマーミ)唐人豆(とうじんまめ)
異人豆(いじんまめ)など。
中国語は花生。福建語・台湾語は土豆。英語名のピーナッツ、
peanutは日本では食用とする種子を指す場合が多い。
ground nutともいわれいております。

特徴
南米原産で東アジアを経由して、
江戸時代に日本に持ち込まれました。
日本では主に食用として栽培されております。
草丈は25-50cm。夏に黄色の花を咲かせます。
受粉後、数日経つと子房柄(子房と花托との間の部分)が伸びて
地中に潜り込み、子房の部分が膨らんで結実します。

名前の由来
地中で実を作ることからラッカセイの名前が付けられました。

栽培史
ラッカセイの原産地が南アメリカ大陸であることは確実です。
最も古い出土品は、紀元前850年ころの
ペルーリマ近郊の遺跡から見つかっております。その後、
メキシコには紀元前3世紀までに伝わっておりました。
南アメリカ以外の世界にラッカセイの栽培が広がったのは16世紀。
日本で最初に栽培されたのは神奈川県の大磯町。
西アフリカ-ブラジル間の奴隷貿易を維持するために
ラッカセイが用いられ、そのまま西アフリカ、南アフリカに
栽培地が広がっていきました。
ほぼ同時期にスペインへ伝わったラッカセイは南ヨーロッパ、
北アフリカへと渡り、さらにインドネシア、フィリピンへの
持ち込みもほぼ同時期になります。
現在の大栽培地インドへは19世紀と比較的導入が遅く、
日本には東アジア経由で1706年にラッカセイが伝来し、
南京豆と呼ばれるに至りました。
現在の栽培種はこの南京豆ではなく、
明治維新以降に導入された品種です。

利用方法
食べる時は、殻のまま炒るか殻からむいたものを炒めます。
もしくは炒った後にバター(またはパーム油など)を絡めます。
また、殻のまま塩茹でに致します。
中国では八角などの香辛料を加えて塩茹でする方法や、
油で揚げてから塩をまぶす方法も一般的です。

加熱したピーナッツの外側に砂糖をまぶしたり、
小麦粉の衣を付けて揚げたような豆菓子やチョコレート菓子などの
加工品も一般的です。
千葉県の名産品には「落花生の甘納豆」が存在します。
他には、砕いて団子の中に入れる餡にしたり、
揚げせんべいに加えられたりします。

油脂含有分が高く、ピーナッツ油が製造されまたサラダ油、
マーガリン、ピーナッツバターの原料にもなります。

甘辛く味つけた味噌で炒ったラッカセイをあえた惣菜を
「味噌ピー」と呼びます。
味噌ピーはラッカセイの主産地である千葉
茨城(およびそれらの地域からの出身者が多い東京)では
ポピュラーな惣菜で、スーパーの惣菜コーナーなどでも
売られております。
沖縄県ではジーマーミ(地豆)とも呼び、
これを使ったジーマーミ豆腐というのもあります。
ごま豆腐に似た食感のものです。

北海道・東北地方・千葉県の一部では節分の豆まきで殻付きの
落花生を用いる地域もあります。

ラッカセイ(ピーナッツ)の薄皮には、
レスベラトロールが含まれ、薄皮ごと食べるほうが
健康に良いと言われております。

落花生は早朝に咲いて、昼にはしぼんでしまいます。
受粉は自分の花粉が雌しべについて自家受粉する
1.落花生の花は、早朝に咲いて、昼にはしぼんでしまいます。
受粉は、自分の花粉がめしべについて自家受粉をおこないます

俳句の世界では、「落花生(らくくわせい) 」は、
とれたての実をいいます。

・秋の季語
・黄色い花は夏に咲きます。
 この花が終わったあと、花柄(子房柄)が 地面にもぐり、
 地面の下であのピーナッツの実ができる。
・はなの季語は「梅雨晴」で夏。

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ウィキより一部抜粋しました。加筆・訂正の可能性があります。
【落花生】のお花の時期は夏でした。
今は秋の季語を主体にしておりますので、
【落花生の花】は来年の夏に掲載することに致します。
内容的には資料不足のように思えます。
【落花生】の生産と輸入の内容ばかりが目立ち省きました。

2012年08月27日 22時37分09秒 | 花の神話と伝説
別 名  「 藍蓼(あいたで)」「蓼藍(たであい)」



〈花言葉〉「美しい装い」「あなた次第」
季 語 仲秋
    「蓼藍の花」

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・蓼(たで)科。
・学名
  Polygonum tinctorium
   Polygonum : タデ属
   tinctorium :染色用の、染料の
 Polygonum(ポリゴナム)は、ギリシャ語の
「polys(多い)+ gonu(節)」が語源になっております。

名前の由来
 茎の節がふくらんで関節のように見えることに由来します。

 仲間のイヌタデに似ており、葉を傷つけると藍色になることから。

・仲秋
・ 蓼藍の花
・タデ科の一年草。
・中国より伝わる。
・染料になる植物として古くから栽培されてきました。
・草丈は七十センチくらい。
・八月の終わりから十月にかけて、
・茎の頂点に紅色または白色の小花を穂状花序に多数つけます。

藍染の原料は茎と葉からとります。

藍染めに使うのは、葉っぱで、
花が咲く前が葉っぱがいちばんよく繁っておりますので、
これを刈り取って藍染めの原料にします。

・日本における藍
 日本では、タデアイというタデ科の植物から藍が作られております。
 藍染めは、古くから行われていたと思われますが、
 近世になって木綿が広がったことに伴って、全国で盛んにタデアイが
 栽培され、染められるようになりました。
 江戸時代には、阿波の国(現在の徳島県)が
 最大の生産地だったようです。

・インドシナ地方原産。
 奈良時代に中国から渡来。6世紀に中国から移入された一年草。

・根や葉っぱを発酵させて青(藍)色の染料(インディゴ) を取ります。
 ここから濃い青色のことを「インディゴブルー」(indigo blue)と
 呼ぶようになりました。
    
 ジーンズの染料になります。

・古くから布を藍色に染める材料として栽培されております。
 また、「浅黄色(浅葱色)(あさぎいろ)」と いう水色っぽい色も、
 この藍を染めた色の呼び名。

・「あい」は「青色」の略といわれております。
 (「あおいろ」→「あいろ」→「あい」)
・茎は良く分枝し、9-11月に枝先に穂状花序をだし、小さな白、
 紅色の花を多数つけます。花はピンク色。
 秋に咲きます。
 茎は秋深くなると赤くなります。

・弟子が師よりも優れることを
 「出藍の誉れ(しゅつらんのほまれ)」といわれておりますが、
 「青は藍よりいでて藍より青し」

藍染めの染料植物。
•茎は紫紅色で節が目立ち、上部で枝分かれをすることが多い。

•葉は茎を抱くようにつき6~9cm。葉の形は卵円形や披針形。
 互い違いに生える(互生)。
•日当たり良く水はけの良い土を好みます。
 茎先に穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出し、
 紅色の米粒のような小花をたくさんつけます。

•花の後には、黒褐色のそう果(果実の中に1つだけ種子があり開かない)を結ぶ。

•日本へは奈良時代(6世紀頃)に中国を経由して渡来しました。

•葉を藍染め原料として使うほか、葉を藍葉(ランヨウ)、
 果実は藍実(ランジツ)といい虫刺され・解熱・殺菌の薬草や
 料理などに用いられます。

•精製した青色色素の粉末は青黛(セイタイ)と呼ばれ、抗菌・抗ウィルス作用がある。
これは中国でインフルエンザやおたふく風邪に有効と言われておれのす。

•藍による染色は海外で"Japan Blue"とも呼ばれ愛好家が多い。

紀元前より世界各地で青色の染料として重用されていたが、
化学合成したインディゴ染料が発明されて以降は合成インディゴが
工業的にはよく用いられているため、染料用途で用いられることはあまりなくなりました。

特徴
外形はイヌタデによく似ておりますが、アイは葉を傷つけると傷口が藍色になります。
茎は高さ60-90cmになり、よく枝分かれします。
葉は幅の広い被針形(竹の葉のような先端が尖り基部のやや広い形)をしております。
一年生植物であり、原産地はインディゴの名の通りインドであるとされております。
葉は藍色色素の原料となる他、乾燥させて、解熱、殺菌の漢方薬としても用いられております。

利用
藍染めに利用されております。

藍染めは奈良時代から続く歴史があり、藍による染色を愛好する人もおります。

海外では“Japan Blue”、藍色を指して“Hiroshige Blue”と呼ばれることもあります。

染色には生葉染め、乾燥葉染め、すくも染めがありますが、生葉染めには、
最も古い方法である布に生葉をそのまま叩きつけて染める叩き染めか、
すり潰した汁で染める方法がありますが、濃く染まりません。
葉が新鮮なうちでなければ染色できません
(インジカンがインジゴに変化して利用できなくなるため)といった欠点があります。

乾燥葉染めは、アイ葉を乾燥させたものを用いる方法。
そのままでは色素が繊維に沈着しないので、還元反応を行って色素の沈着ができるようにしなければならない。生葉に比べて無駄なく染色でき、時期もあまり選ばない。

すくも染めは、乾燥したアイ葉を室のなかで数ヶ月かけて醗酵させてすくもを造り、
更にそれを搗き固めて藍玉を作り、これを利用する方法です。生産に高度な技術と
手間を必要とするため、現在では徳島以外で日本産のすくもを見ることはほぼありません。
染色には、藍玉(すくも)を水甕で醗酵させてから行います。
(醗酵すると水面にできる藍色の泡を「藍の華」と呼び、これが染色可能な合図になる)ので、夏の暑い時期が最適です。すくもの利点は、いつでも醗酵させて染色できること、
染料の保存が楽なこと、木綿にも濃く染められることなどが挙げられます。

藍染は、徳島平野で行われるものが有名です。

日本に存在するアイの品種は、小上粉(こじょうこ)(赤花、白花があり、最も栽培されております。)、小千本(こせんぼん)(青茎、赤茎があり、株が真っ直ぐに育つ)、百貫(ひゃっかん)(大量に収穫できる事からの名だが、品質は劣ると言われる)などがあります。

歴史
日本には6世紀頃中国から伝わり、藍色の染料を採る為に広く栽培されました。特に江戸時代に阿波で発達し、19世紀初めには藍玉の年産額15万-20万俵を誇っておりました。しかし、明治時代に入ると藍玉がインドから輸入され作付が激減し、またドイツで人工藍の工業化が成功して1904年ごろから盛んに輸入されるようになり、現在ではほとんど栽培されなくなっております。


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資料があまりありません。
染料の内容が目立ち【藍の花】については不足しております。
故に後に加筆となります。加筆致しました。H25/10/22