LITTLEWHEEL Modeler's Diary

モデルフィニッシャー北澤志朗が、カーモデル作りに明け暮れる日々の暮らしを赤裸々に綴ります。

イッコーのマセラティ・ボーラ

2006年01月13日 10時41分05秒 | キット入手
06年1発目のヤフオク落札品が届きました。

1/24のマセラティ・ボーラは、ニチモ、エーダイグリップ、クラウン、イッコーがありますが、キットの出来ではイッコーが一番、というのがもっぱらの評判。
数年前、「モデルカーズ」誌に私の企画で「ジュージアーロ・デザイン」の記事を寄稿した時、友人のTさん(トヨタデザイン・モデラーズクラブの会長さん)が作ったボーラの作例をお借りしたんですが、これがイッコーをベースに徹底的に作り込んだもので、実にいい風情だったんです。
その時からずっと、このキットが欲しくてねー。

オークション物件としては決して珍しくはないけど、出来の良さはつとに有名で、結構高い。
私の入札価格の心理的上限は、1/24プラの場合3000円なんですが、このキットの相場はどうやら4000円くらいのようなのです。
ところが今回、箱がかなりヤレてるって事で、何と800円スタート。幸運にも競り合い無しで落札出来ました。送料込み1400円弱という超お買得物件です。

スーパーカー・ブーム当時の製品ですから、かれこれ30年モノです。最近「千夜一夜」にも書きましたが、こういう年代モノは実際に手に取ると、ガッカリさせられる事がほとんどです。あまり過剰な期待は抱かないように自分をおさえつつ、キットの到着を待ちましたが…。

いやはや、驚きました。これはまさに「磨かざる玉」…いや「磨かなくても光ってる玉」かな?
まず外装。
フロントに横長のアウトレットがあるので、シリーズ2をキット化しているようです。
メリハリの効いたプロポーション、サイコーです。フロントからドアへのうねるショルダーラインと、平板なリア周りの微妙なバランス。シャープなスジ彫り、細いウィンドウ・サッシ。スカットルのエアインテーク(多分コクピットのベンチレーション用)はちゃんと抜けています。
側面中央のサイドモールがツライチになっているのも実車通り。ココはボディのミゾを黒いモールが埋めているんですが、正しく表現されています。
サイドシルはシャシー側についています。
グリルやテールライトも意外なほど繊細で、修正の必要無し。

インテリアは、もちろん上げ底じゃなく、ちゃんとしています。シャシーとは別体のバスタブで、驚くべき事にドア内張り有り。マッ平らではありますが、ボディ裏丸見えが当たり前だった時代のキットとしては、これは驚くべき事です。
後方にはエンジン・ベイもくっついていますが、さすがにエンジンは非常にアッサリしています。実車はカバーがかかっててエンジンは見えないハズ。
インパネやハンドルもかなりシッカリしていて、そのままで大丈夫です。
シャシーは当然モーターライズですが、ホイール/タイヤともにかなり良い出来。

キットの箱には「精密に再現された精悍なボディとコクピット」「モーターライズまたはディスプレイとしても迫力満点」と自信満々なコメントが書いてありますが、確かに当時としては看板に偽り無し、でしょうコレは。
全体的なキットの出来のレベルは、実際に作ってみないと断言出来ないけど、パッと見の感触では、オオタキの1/24の高級な方のシリーズ(現アリイ・メルセデス450SLCや丸目トランザム等)に近い出来の良さ。
クラウンのボーラも持っていて、あれもそう悪くはない出来なんですが、イッコーの前では色褪せて見えるなあ。

ところで、箱の側面には、同じシリーズでフェラーリBB、ランボルギーニ・シルエット、ランボルギーニ・イオタ、ベルトーネ・レインボーが書いてあります。
そう言えば、ヤフオクでアリイのシルエット(現行の旧LSとは別物)を見かけた事がありますし、フェラーリの版権料が高騰する以前、アリイからはBBも出ていて、コレがなかなかプロポーションが良い、と聞いたことがあります。
もしかして、アリイはイッコーの金型を持っているのか?
だったら是非是非、再販して欲しいぞ。

…というわけで、06年のオークション・ライフのスタートに相応しい、いい買い物でした。





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