銀の匙かげん

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愛と追憶の日々   夕べの星

2009-07-02 | 映画
ちょっと渇き気味な時には、激情ものでなく、じんわり遠赤効果があるドラマがよい。そんなサイズの話がお得意な ジェームズ・L・ブルックス。身近な台詞や、後になって「ふふふっ」とくる笑い、チャーミングな登場人物など、良質なビタミン剤なのです。


愛と追憶の日々  1983年
原題 TERMS OF ENDEARMENT XXX
監督・製作・脚本:ジェームズ・L・ブルックス
原作:ラリー・マクマートリー
撮影:アンジェイ・バートコウィアク
音楽:マイケル・ゴア
編集:リチャード・マークス

デブラ・ウィンガー
シャーリー・マクレーン
ジャック・ニコルソン
ジェフ・ダニエルズ
ジョン・リスゴ
★★★★☆
ジェームズ・L・ブルックスの初監督作品。
未亡人のオーロラ(シャーリー・マクレーン )と娘エマ(デブラ・ウィンガー)、二人は互いに反発しながらも、深い絆で結ばれている友達のような親子。
過干渉で気取り屋、それでいてお堅いオーロラ。母親の反対を押し切り結婚し、三人の子供を産み育てるエマ。隣人の元宇宙飛行士ギャレット(ジャック・ニコルソン)との交流。そしてエマの病気・・・

癖のあるキャラクターを演じると、がぜん持ち味を発揮するシャーリー・マクレーンとジャック・ニコルソン。
ウイットに富んだ二人のやりとりは、気持ちを柔らかくしてくれる。

澄ましてて寂しがり、そして天真爛漫なオーロラは、シャーリー・マクレーンそのもの?
ユーモアのセンスと覚悟のある人。
何より役を楽しんでますから、観てるこちらも弾んでくる。

ジャック・ニコルソン
自分の中に未だ残ってるイメージは「イージー・ライダー」「ファイブ・イージー・ピーセス」「カッコーの巣の上で」など、ニューシネマとかニューウェーブ(ニューという死語)などと呼ばれてた?ころの気味悪系の異端児。
それが、ジェームズ・L・ブルックスの手にかかると、愛すべき叔父様になり、いつも話題をさらっていく、おいしいキャラクターにしてもらえる。
異端児がいまだ生き残っているのですから、存在たるや(おなかの出っ張りも、額の広がりも)格好よく重要なのです。役も役者本人も。

かわいそうなのは、エマの夫役のジェフ・ダニエルズ。役でも演技でも損ばかり。
得難い個性なのに陽が当たらない。それでもこのデビューの印象が強く評価が高かったのか?「イカとクジラ」「めぐりあう時間たち」でも晴れ晴れしない作家や教授役で活躍。

身近な話ではあるが ちょっと夢のある設定。しかも悪人が出てこないのが、ジェームズ・L・ブルックスの魅力。
「ブロードキャスト・ニュース」「恋愛小説家」「スパングリッシュ」など。積み重ねて楽しみたい映画です。

続編の「夕べの星」1996年
原題: THE EVENING STAR

監督・脚本 ロバート・ハーリング
シャーリー・マクレーン
ビル・パクストン
ジュリエット・ルイス
ミランダ・リチャードソン
★★★★★
オーロラと孫、彼女を取り巻く友人たちのその後を描いた作品。
シャーリー・マクレーンおばさん健在。
ここでも、ジャック・ニコルソンがいいとこどりです。
前作にもましてよく出来てる、気持のよい2作品です。

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