
昨7日(木)に、2週間ぶりの桐友会活動を実施した。今回クルーは、C松岡・S藤波・3橋爪・2富安・B小泉で、一般ニュースでも報じられてる、ビッシリ繁茂する藻をかいくぐっての、漕艇実練であった。上記画像は、その活動状況であるが、時速約20キロの快速ライトパドルで進む我が桐友会艇の勇姿である。今回は、この時の状況に関し、技術的側面からいくつか気付いた点を、コメントする。艇は、ブレードが水中で水を押してるときと、ブレードを水から引き抜いた時の、双方で進むが、引き抜いてる時の方が20~30センチは多く進む。すなわち、引き抜いてる時に如何に多く艇を進めるさせるかに、レースの勝敗が掛かってくる。ブレードを引き抜く時の艇速にこそ、操艇のカギがある。と言うことは、折角ビギニングからミドルまで力強くブレード引いてきたのに、フイニッシュでヤレヤレと力弱めるか、あるいは漕法を間違えては、全く勿体ない。フイニッシュでいかに艇速を落とさずブレードを抜くか、それが即ちフアイナル・ホイップ(Final whip)である。大谷の163キロも、ここまで腕や上体を200キロ近いスピードで振ってきたとしても、球をリリースする時、スナップも効かさず緩くリリースしては到底163は出ない。ゴルフでもテニスでも事情は同じである。こうした事情を、S.Fairbairn は口を酸っぱくして解説してる。
”One should keep the legs and back at work right through the stroke and end it with a final whip to the oar.That gives pace to the boat. Whether one is throwing a weight ,jumping a high jump,or driving a golf-ball,it is the final kick of the muscles that has the most effect.So the oarsman throws the
boat away on her journey with this fnal whip of the oar.flicks the oar round the turn,and starts the hannds away"(S.Fairbairn"Rowing Notes" 1926,P28,1979淡青会事務局復刻版)
いかに艇速を落とさずフイニッシュするか、力強くフイニッシュするか、ここに操艇の要諦があるが、これはビギニングからミドルは多少緩くてよいと言うことではない。すなわち、キャッチからミドルまで力強く漕ぐが、その強さを全く弱めずにフイニッシュに繋げブレード抜くわけである。ここに、艇の構造上の、多少のテクニックが必要となる。テクニックと言うのは、ブレードが圧縮された水のかたまりを掴み、そのまま弱めずに、かつかたまりを崩さずに水平に引けばよいわけだが、これにキャッチとフイニッシュのブレードの上下運動が加わるから、力強い水平漕ぎを心がけても、崩れることが多いい。対策としては、キャッチでは多少ハンドルは引き揚げ気味になるが、ここからミドルにかけてはハンドルは引き下げ気味、そして今度はフイニッシュにかけては逆に多少引き上げる、手首を上に引き揚げる操作で可能となるいが、つまりいわばM字形というようなつもりで漕ぐと、丁度力強い水平漕ぎとなる。以上の視点から、当日桐友会クルーを観察するに、フアイナル・ホイップを意識的に実行してた点で、今回はよしとした。