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東北魂

2011-04-10 16:27:00 | テレビ番組
Tohokudamashiiきょうも東日本大震災、とりわけ東北地方について。
個人的には、「東北地方」なんていう地理用語よりも、
「奥州」や「みちのく」という表記の方が素敵だと思う。


かつて平安貴族や歌人たちは、まだ見ぬ白川の関(以北)を想うとき、
茫々たる詩情が湧きあがった。
近世においても松尾芭蕉が、みちのくと呼ばれたこの地域に
旅情とロマンティシズムを刺激され、近世文学の代表作「おくのほそ道」を完成させた。


九州人である僕は、21世紀の今日でも、奥州を想うと遥かな気持ちになる。
奥州は、日本でもっともロマンティックなエリアなのだ。


今回、震災の取材に現地を訪れた海外のジャーナリストたちは、
異口同音に、被災民たちの秩序正しいビヘイヴィアを賞賛している。
英語でのスピーチだったから思い違いがあるかもしれないが、
イスラエルの記者はこうコメントしていた。

  彼らは家をなくし、家族を亡くし、職をなくし、何もかもなくした。
  けれど、ただ一つだけ、なくしてないものがあった。
  それは、人間の尊厳(the dignity of man)です。


十把一絡げにして日本人の我慢強さ、連帯感、生真面目さを褒められることに、
僕は面映ゆさを感じてしまう。
これらの美徳は、僕ら九州人などよりも奥州の人たち方が遙かに多量にもっている。
被災民は、日本(世界)で一番美しいマインドをもった人たちなんだ。


今朝、サンドウィッチマンが、TV でふるさと宮城を憂えていた。
伊達が着ていたティーシャツには、「東北魂」の文字がプリントされていた。
「東北魂」という語感は奥州の人たちには荒々しくそぐわないような気もするが、
表現はともかく、東北人特有の気根でこの難局を乗り越えてほしい。


むろん、安全地帯で惰眠を貪っている僕たちも協力を惜しまない。
一過性じゃなく、息の長い支援が必要だろう。
風化させないための取り組みも忘れてはいけない。