切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

《 ロシアによるウクライナへの侵略という暴挙 》 ⑪  2022.3.16

2022-03-16 23:52:35 | 社会
◆ プーチン大統領に勝ち目はあるのか・・・ジェノサイドは?



 ロシアがウクライナに侵略戦争を仕掛けてから3週間経った。国境沿いの中小都市ではかなり悲惨な状態になりつつあり、実質上壊滅した都市もあると報道されている。すでにそういったところでは「ジェノサイド」つまり一般市民皆殺し、という状況が発生しつつある。旧ソ連邦時代に西側諸国との抗争に備えて、各建物には地下シェルターがあるというのでそこに避難して、なんとか生き延びてる人もいると思われるが、それでも生きていくために必要な水と食料が決定的に不足しているという。

 同時にロシア軍にとって最大の目標地である首都キエフに対して、主として3方向から陸軍部隊が10数㎞から20 km あたりにまで迫っている。しかしウクライナ軍の予想以上の反撃によって、ロシア軍もかなり損害を出し疲弊しつつあり、態勢の立て直しを余儀なくされている。このような状況になってくると、焦りの色を濃くしているプーチン大統領は首都に対して無差別攻撃を指示する可能性が大きくなってきていると思われる。
 つまり首都キエフの無差別全面攻撃であり、首都壊滅を狙うということだ。そこには軍人も民間人も関係がない。このような攻撃は首都に接近しつつある陸軍の戦車部隊だけではなく、遠く離れたロシア本国から中距離のミサイル攻撃をすれば、相当な破壊は可能だろう。その一方ロシアは経済的な脆弱さを持ち合わせており、近代的な最新兵器をそう簡単には使えないという弱点を持っている。そのために精度の低いミサイルで攻撃せざるを得ないという側面がある。



 となればプーチン大統領としては一刻も早く、ウクライナのゼレンスキー大統領が交渉の場でロシア側の要求を飲むように仕向けることが重要な課題となる。そのために有効なのが当然のことながら、「戦術核兵器」ということになる。所謂中距離射程の小型核兵器ミサイルであり、これをどのように使うかで動きも変わってくるかもしれない。欧米の研究所が予想しているのは、直接キエフに打ち込むのではなく、ロシアの沿岸地域の海上に発射してその爆破の威力を見せつけて脅す、というやり方が一つだ。もう一つは直接ウクライナの平原地帯に打ち込んで恐怖心を煽り、一気にウクライナを落とすというやり方だ。後者についてはその後のリスクも非常に大きく、事と次第によってはウクライナ以外の西ヨーロッパ諸国やロシア本国への放射能の影響も大きな可能性が出てくる。
 更にこのような方法を使うことによって、場合によってはロシアが取り返しのつかない立場に追い込まれることも十分に考え得る。すでに核ミサイルを使うか使わないか以前の問題として、ロシアそのものが今や「北朝鮮化」しつつあるという分析が、かなり浸透し始めている。北朝鮮は国交の面ではごくわずかの国しかなく、事実上1ヶ国で孤立無援に近い状態にある。一人の独裁者が国民の生活をないがしろにして、核兵器開発に莫大な資金を投入してアメリカを振り向かせようと懸命になっているのだ。ロシアそのものがこのような状態になるのではないかと予想する研究者は多い。

◆ その一方新たな動きも様々な場面で顕在化してきている。

 つい先日ロシア国営放送のニュース番組の中で、女性キャスターがニュース原稿を読み上げている時にその背後で、戦争反対ロシア国民は騙されている、と記された大きな紙を持った女性が画面に映り、彼女はそれを読み上げながら訴えた。しばらくして放送画面は他のものに切り替えられたが、 SNS で共有されあっという間に全世界に広がった。無論その女性は警察に拘束され罰金刑が言い渡されている。おそらくこの罰金だけでは済まないことになるだろうと思われる。それにしても極めて勇気のある行動であり、この放送局の場にいたメンバーたちは全員がこのことを承知の上で実行したものと考えられている。この行動は世界中で大きく賞賛されている。
 またロシア国内で侵略戦争反対の具体的な示威活動を行っている人々が、次々に拘束されその数は15000人に及ぶという。こうしてロシア国内での動きも、様々な方法で撮影され国外に流されている。



 西側諸国による経済制裁の影響が少しずつ表れており、スーパーなどから様々な商品が品切れ状態になりつつあることに、ロシア国民も異変を感じるケースが増えていると伝わる。このことが場合によっては大きなうねりとなり、プーチン大統領への圧力となって政権を崩壊させる動きにまでいたる可能性も、なきにしもあらずだ。現時点においてはあくまでもロシア政府発表で、プーチンの支持率は70%と言われているが、実際のところどうなんだろうかという感じがする。
 確かに年配者は旧ソ連時代の生活を懐かしみ、穏やかだったという思いからアメリカと対抗していた強いソ連というものへの郷愁があるのだろう。だがしかし、今や世界は大きく変わっている。特に中年層から若者にかけては、事の真実を少しずつ知る中でロシアという国がこのままであっていいのかどうか、考え始めてる人も恐らく多いのではないかと思われる。そういった意味ではロシアに対する経済制裁を、より一層強めることによって、国の経済が破綻するという事態にまで至る可能性が十分にあり、国民の間に様々な疑問が生まれ、それが政権への不信感となって高まっていくことになるだろう。



 周知の通り、ウクライナを攻めあぐねているロシアは、つまりプーチン大統領はシリアから傭兵を雇って戦場に投入することを始めている。怪我をしたらいくら、死亡したらいくら、とまるでアルバイト代のように価格を決めて雇っているのだ。シリアも非常に貧しい国であり、個々人については働く場もなかなかないような実態だから、多くの人々がこの戦争に参加してきている。
 同時にプーチン大統領は中国の習近平氏に対して、武器と食料の援助を申し出たと言う。この事実はロシアという国が、経済的に厳しい状態にあることを如実に示している。武器はもちろん最新鋭の戦闘機、ミサイルが中心となるだろうが、ロシアの最新鋭戦闘機は世界でも最高水準とも言われているにもかかわらず、中国に援助を仰ぐというのは、性能面でいくら優れた兵器を所有していても、実際に使うには燃料は必要だし弾薬も多く必要になる。整備にも時間と費用がかかる。そしてまた一定の兵器の数というものが重要になる。逆に考えれば高性能な兵器を開発し実戦配備していても、事実上稼働できるものは案外少ないのではないかと考えられる。
 習近平氏がどのように判断するかはまだ結論が出ていないが、少なくともこれまでの国連での姿勢を見る限り、どちらかといえばロシアのしていることに理解を示しているという面がある。そういった点からは何らかの援助はする可能性があるのかもしれない。

 ところがそんな時に、中国国内でも一目置かれる有名な大学教授である上海交通大学の 胡偉教授が 中国の立場を完全に否定する論文を発表した。すぐに当局によってネット上から削除されたもののあっという間にこの文書は世界中に広まったのだ。
 すでに日本でも全文が翻訳されてネット上で公開されている。



 「ロシアとウクライナの戦争の起こりうる結末と中国の選択」全文を読んでみたが、非常に冷静な立場から状況分析が行われており、ロシアがしていることの問題点や中国がそこにどのように関わっているかということの分析を通して、決して中国にとってみればいいことはひとつもなく、直ちにプーチン大統領とは手を切るべきだと結論付けている。この論文は世界中で大きな反響を呼んでいる。胡偉教授がかなり名のある人物であるだけに、その影響も大きい。しかし世界中にこの文章が広まっても、中国国内においては果たしてどうなんだろうか。またこの論文、教授を中国政府はどのように扱うのか。場合によっては中国の秩序を乱した罪で逮捕され、禁固15年が科せられる可能性だって考えられる。あくまでも胡偉教授は中国という国のために、そして世界から中国が大切に思われるようにといういわば一種の老婆心のようなところから発信してるような雰囲気の文章でもあった。

◆ 結局、プーチン大統領は持たないだろう・・・

 こうしてロシアによるウクライナ侵略、そしてキエフへの総攻撃開始は寸前のところまで来ているが、世界の動きも非常に活発になってきている。そんな中でプーチン大統領がいつまで自分の我というものを押し通すことができるというのだろうか。このところロシア政府の内部崩壊説があちこちで取り沙汰されている。まだまだ機は熟してはいないとは思えるが、たとえキエフを無差別総攻撃で陥落させたとしても、その先ウクライナを支配するだけの経済力というものが、今のロシアにはないと断言できる。仮にウクライナの臨時政府が他の場所にできたとしても、ロシアがウクライナ全土を支配して、ウクライナに傀儡政権を自立させるということは、形式的には行なったとしても、それを維持することはできないだろうと思う。必ずウクライナ人は祖国を取り戻し、傀儡政権はすぐに倒されることになるのは明らかだ。
 そういった意味では今進行中のウクライナ侵略戦争は結局、無差別に民間人を殺しただけで、ロシアが世界から孤立するという事実を作り出すだけで終わることになる。全く無益で無意味なプーチン大統領の一人芝居に終わる可能性が極めて高いのだ。


 (以下続く)  (画像はTVニュースより)

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