木のぼり男爵の生涯と意見

いい加減な映画鑑賞術と行き当たりばったりな読書によって導かれる雑多な世界。

2012 映画と読書と。その他もろもろ。

2012-12-31 23:24:16 | 日記


今年観て印象に残った映画。

別離(2011)
善き人(2008)
ぼくたちのムッシュ・ラザール(2011)
少年と自転車(2011)
ホビット 思いがけない冒険(2012)
007スカイフォール(2012)
ハッピー・ゴー・ラッキー (2007)
アベンジャーズ(2012)
ダークナイト ライジング(2012)
青春群像(1953)
ヘルプ~心がつなぐストーリー~(2011)
ル・アーヴルの靴みがき(2011)
アーティスト(2011)
マリリン 7日間の恋(2011)
フィツカラルド(1982)
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(2011)
メランコリア(2011)
灼熱の魂(2010)
サラの鍵(2010)
預言者(2009)
テイク・シェルター(2011)
ドライヴ(2011)


今年読んで印象に残った本。

すべての季節の男ーわが命つきるとも
ある作家の日記 ヴァージニア・ウルフ著作集8
オートバイ
密偵
2001年宇宙の旅
一人だけの軍隊
血と暴力の国
復讐には天使の優しさを
超男性ジャリ
エンリコ
公爵ロビーの大逃走
レターズ ミセスXとの友情
ヘッセ 魂の手紙
沈みゆく女
贋作王ダリ


やたらと聴いた曲
「BRAZIL」サントラ
「MY DELICIOUS SPAGHETTI WESTERN」
デビッド・ボウイ ザ・シングルス・コレクション1
「愛のエチュード」サントラ
Bing Crosby & Rosemary Clooney 「Fancy Meeting You Here」
MEL TORME 「SWINGS SHUBERT ALLEY」
CHESS
Hawaii 5-Oのテーマ曲
The Proclaimers I'm Gonna Be (500 Miles)
「黄金の腕」テーマ曲
Nina Simone Feeling Good


何度再生したことか。。。
David Armand -Don't Stop Me Now(Queen)


《007 スカイフォール》

2012-12-30 21:18:21 | 日記


『007 スカイフォール』(2012年)

文句なし。
実にめでたい上出来なボンド50周年記念作。
意気込みがビシバシ画面から伝わる力作。
底力出しきった気持ち良さ。

相変わらず、テンション高いオープニング。
これでもか、というアクションの連続。
危ないってば!
観ててハラハラするから、ほどほどにしといて欲しいっす。
屋根の上ってバイクで走れるもんなんだねぇ。
良い子はマネしないほうがいいぞ。

そしてボンドの枯れっぷり。
ただの酒飲み状態。
サソリを手に乗せてテキーラを飲む荒業。
のらくら生活でも、肝っ玉はアピール。
良い子は保護者に許可をとってからマネしましょう。

今回はロンドンをほどほどに破壊。
電車とか突っ込んでくると心臓に悪いけどねぇ。
訳あって、Mと逃避行。
そして、ボンドの故郷スコットランドまで登場。
寒々しい凄い景色。

そして、そして。
ハビエル、不気味すぎ!
ボンド史上、接近禁止命令出したい敵NO.1。
ボンドと向かい合って座るシーンは、ゾワーっとして、ひぃぃいいっ。
でも、ラストのMとのシーンは、結構良かった。
ああいうオチだとは思わん上に、異常さが際立ってベスト。

ハビエル扮するシルヴァとMとの過去。
ボンドとMとの関係。
それぞれが折り重なり、変化しつつ進む。
敵とボンドがそれぞれ先手を打とうと先回りする。
追って追われてが繰り返される怒涛の展開。

ボンドガール2人も申し分なく。
妖艶なベレニス・マーロウ。
セクシー&キュートなナオミ・ハリス。

Qが若返って、オタクっぽさが激増。
かつてないマニアぶりが楽しく、
ガジェットのレトロな遊び心が嬉しい。

このたび、初登場。
ベリー・ウェルカムなレイフ・ファインズ。

アデルの主題歌にのせて送るタイトルロールも絶好調。
かなり良い出来。
というか、これ以上何を望めって?!

見事な幕引きと幕開け。
と…引継ぎ。

今作を上回るのは大仕事。
次回、ボンド帰ってくるの大変だと思うぞ。

『007 スカイフォール』(2012年)
監督:サム・メンデス、脚本:ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、ジョン・ローガン、主題歌:アデル
出演:ダニエル・クレイグ、ハビエル・バルデム、ジュディ・デンチ、レイフ・ファインズ、
ナオミ・ハリス、ベン・ウィショー、ベレニス・マーロウ、アルバート・フィニー

《容疑者、ホアキン・フェニックス》

2012-12-29 01:40:06 | 日記


『容疑者、ホアキン・フェニックス』(2010年)

ホアキンが、俳優辞めてラッパーになる!宣言。
なぜ、ラッパー?
ギター片手にフォーク歌手になる!宣言なら分かるが…
しかも、なぜあのビジュアル?
反戦活動家にしか見えませんけど?

様々な謎につつまれた騒動の顛末を描く。
実際、ドキュメンタリーとして観ると結構よく出来てます。
が、この宣言自体が大ボラで、映画はモキュメンタリーとのこと。
それは、みんな怒るね。

おイタなシーンも多く、ホアキン、大丈夫?とマジで心配に。
引退宣言を後悔する彼に思わず同情。
ワガママぶりや傲慢さに失望。
アルバム製作が進まない焦りと憤りが痛々しい。
メディアに笑いものにされる姿が気の毒。

でも、全部ヤラせですって言われると。
そりゃ白けますぜ、大将。

観るに値する作品ではあるが、
志しがいいとは言えん映画。
素人が活躍するリアリティ番組に触発されて作ったらしいが。
結局は、これだからセレブは…で終わっちゃうな。
悲しいかな、自分で自分の首を絞める結果に。

サシャ・バロン・コーエンのキャラ映画は、
明らかにエンターテイメント作品だけど。
今回のホアキン作品は、自分達が楽しんでいるという印象。
あらあら、なうえに、あらら~なホアキン。

世間からのブーイングしきりなホアキンですが。
「ザ・マスター」(2012年)は楽しみですけどね。

『容疑者、ホアキン・フェニックス』(2010年) 
監督・脚本・製作・撮影:ケイシー・アフレック
製作・脚本・出演:ホアキン・フェニックス

《ダーリング》

2012-12-28 19:06:55 | 日記


『ダーリング』(1965年)

もっと楽しい映画かと…
ジュリー・クリスティ、素敵だけどファンになるほどでもないなぁ。。。
ローレンス・ハーヴェイとローランド・カラムが良かった。

モデルのダイアナは女優業にも挑戦、
大手企業のキャンペーンガールの座を手に入れる。
そして最後には、小国の子持ちの殿下の後妻にまでなる。
彼女の華麗な半生と男性遍歴を描く。

とはいえ、それほど華麗さは無く。
女優業だって、映画に出た程度。
のし上がるぞ!的なやる気があるようにも思えない。
行き当たりばったりな生き方にみえますが…

何がやりたいのか分からない。
何が欲しいのか分からない。
でも現状には、なんとなく満足出来ない。
自分を持て余すあまり、自分の居場所が分からなくなる。

男性遍歴といっても。
恋人と愛人の間で、フラフラ。
確信も持てなければ、踏ん切りもつかず。

あの頃が一番幸せだった─
気付いた時には、すでに遅し。
つき進んだ道は、
なんとなく満足出来ないなんて状態ではなく、
自分を不幸せにしただけだった。

皮肉なシンデレラストーリー。
辛らつなセリフも多く、かなりビビります。
華やかな60年代も、裏では楽しいばかりでは無かったか。
って、まぁ当たり前といえば当たり前。
中でも、パリの退廃的なパーティの集いに愕然。
思いがけない驚き。
シャブロル監督の「いとこ同志」のパーティシーンを思い出す。

不幸は一日にしてならず。

ダーリング(1965年) 
監督:ジョン・シュレシンジャー、脚本:フレデリック・ラファエル
出演:ジュリー・クリスティ、ダーク・ボガード、ローレンス・ハーヴェイ、ローランド・カラム

ちなみに、映画「ドミノ」(2005年)は、
ローレンス・ハーヴェイの娘ドミノ・ハーヴェイのお話。

《プレイヤー》

2012-12-26 14:30:36 | 日記


プレイヤー(2012年フランス)

ジャン・デュジャルダンとジル・ルルーシュ。
おっさん二人が悪ノリでお届けする浮気のお話。
ふたりして、裸で熱演、の頑張りを見せる。
共同監督も努めたとのこと、意気込みの表れか?

オムニバス形式で綴る懲りない浮気症の男ども。
ってオムニバスと知らず。
戸惑うこと、ひとしお。
ん?ジャンの様子が違うぞ…
過去なん?違う次元か?
ただのオムニバス。
何種類かの違う女好きを演じてるジャンなのでした。
そいう事は早く言ってよね。。。
いや、まぁ、言ってたんでしょうけど。

『アーチスト』のジャンと『この愛のために撃て』のジル主演というだけで、
観るの決めたので、他の情報を追求せず。
ある意味、即決。


中でも、浮気症を治すお手伝いをします、というエピソードが笑える。
セラピー形式(やっぱコントに向いてるんだな、セラピーって)の浮気卒業教室。
明らかに、直す気ないだろう、な男ども相手に頑張る先生。
それぞれやる気のない生徒ぶりが可笑しい。
やる気ある人は、それはそれで可笑しい。

このセラピー参加者のプチエピソードが2話あり。
(1話は久しぶりのギョーム・カネが演じてます)

ジャンが演じる、女好きなのに全然もてない男のエピソード。
何故って、話が面白くないから。
その場をうんざりさせる話しぶり。
このさい、女なら誰だっていいや!
トホホな展開。

ジルが女子大生に夢中になり、振り回されるエピソード。
今さら学生の輪には、入れん辛さ。
ジャンも学生役(マジで?マジで!)で登場。

おしどり夫婦が、浮気の話題から泥沼にはまるエピソード。
問いただしだしたら、後には引けず。
シリアスドラマ。
よくまとまってます。

オープニングとエンディングエピソードは、
ジャンとジルの生粋のプレイボーイ2人のお話。
夜遊びが止まらない親友どうしのふたり。
ついに、ラスベガスへ乗り込むことに。
そして、パーティー騒ぎのあとに、
本当の愛に気付くという…

物凄い大サービスなオチになってます。
ベガスでは、奇跡が起こるんですな。
この愛、気付くべくか、気付かざるべきか。
それが、問題だ。。。

全体的にラテン的なノリを感じさせる映画。
若干、ドギつい箇所もあるため要注意。
笑い飛ばせるお国がらが、羨ましいような、薄ら寒いような。。。


プレイヤー(2012年フランス)R15+ 
監督:ミシェル・アザナヴィシウス、フレッド・カヴァイエ他
出演:ジャン・デュジャルダン、ジル・ルルーシュ、ギョーム・カネ、サンドリーヌ・キベルラン


《少年と自転車》

2012-12-25 02:12:19 | 日記


少年と自転車(2011年)

いじけっちまった少年が、非行に走らないかヒヤヒヤもの。
ただ、一緒に住もうって言って欲しかった─
少年が本当の愛情を見つける物語。

父親に邪険にされた少年の心の痛み。
大人に対する不信感。
行き場の無い怒り。
週末だけ里親になってくれた女性。
いい人だけど、少年はなかなか愛情を示せない。
心を開いてくれない少年を、我慢強く温かく見守る彼女。

傷ついた人間に手を差し伸べる事。
人に対する信頼を取り戻させるまで、どれほどの忍耐が必要なのか思い知らされる。

とにかく観てる間中、ハラハラし通し。
悪い展開になりませんように、と念じながら鑑賞。

決して根っからの悪い子ではなく、
本人もどうしていいか分からないだけだから。
もう一度チャンスを~。
幸せになれる機会を~。
監督~、頼むよ~。

ホント、心配させないで欲しい。

自転車を走らせて帰るところがある。
待ってる人が居る。

これって重要。
とくに子供にとっては、世界の全てになり得ること。

いつもながら、ダルデンヌ兄弟監督作には、
ハッとさせられる。

冷たくもあり、温かくもある独特の目線で人間を見つめる。
冷静に紡がれる映像は、登場人物に寄り添いつつも、決して同調はしない。
にも関わらず、そこにあるのは否定では無く、未来。
絶望してこそ始まることもある人生。
人生は続く、という真実。

少年と自転車(2011年)
監督・脚本:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
出演:セシル・ドゥ・フランス、トマス・ドレ、ジェレミー・レニエ

【マイクル・ワイマンの逆襲】

2012-12-23 20:12:41 | 日記


【マイクル・ワイマンの逆襲】 ボブ・クック

主人公のワイマンは五十六歳。
大学の名誉特別研究員であり、MI6で東ドイツの情報収集を担当。
さぞや切れ者に違いない…
哲学博士としてはパッとせず。
冷戦後の東ドイツ情報なんて誰も気にしてない状態。
とは言え、そう悪くない生活を送る日々。
そんな中、恋人が妊娠、第二の人生とやらが明るく見えてくる。
ところが。
政府の支出削減、大学の経費削減が重なり。
なんと、両方とも首!
という事で、人生最大の賭けに出るワイマン氏。
CIAやらKGBやらを巻き込む大混戦に。

ユーモアある文章が、なかなか楽しい。
スパイ同士の探りあいも、深刻さはあまり無く軽妙。
それぞれの情報局員のタイプも、いかにもそれっぽい。
相手を信用しなかったり、甘くみたり。
裏の裏やら裏の裏の裏やらを読もうとしたり。
おとな気ない人々が、見苦しく振舞う喜劇的要素満載。

どこか抜けてるが、自分の事しか考えてない登場人物。
当時の世相を背景に、それぞれの自己中ぶりが面白い。
辛らつな人間観察をコミカルに綴るので楽しめる。

“この男は本物のイタリア料理がどんなものかを知ってはいるが、忘れたほうが利益が上がる、と考えていた。”


「リチャード?お前の父親だ。おまえの小切手の過振りを始末している男だ」
「~いかに不快なことに思えようと、とにかく金のために働くという考えに方に慣れてもらわなければならないのだ」
「不快なことに思えるだけじゃあない、実際にそうなんだ。でもなんとかするよ」


他にも数冊出版してるらしいが、翻訳は無いみたい。
ワイマン氏のその後を描く続編もあるらしいが…
残念。



《ぼくたちのムッシュ・ラザール》《屋根裏部屋のマリアたち》

2012-12-22 20:35:28 | 日記


早稲田松竹、再び。
「ぼくたちのムッシュー・ラザール」と「屋根裏部屋のマリアたち」

「ぼくたちのムッシュー・ラザール」(2011年カナダ)

ものすごい、いい映画。
感動するとか、泣くとかいう動詞ではなく、
涙を流す、涙が流れる映画。

ある朝、教室で先生が首をつっていた。
というショッキングな発端から、
子供たち、親たち、学校の反応、対応が描かれる。
代わりに現れたアルジェリア出身のラザール先生。
彼もまた、悲劇を背負ってこのクラスにやってきたのだった。。。

ラザール先生が自分なりの方法で行う授業。
って11歳にバルザックは無理ですよ~。
若干、頓珍漢なラザール先生。

学校も親も心のケアは専門家任せ。
そりゃ、カウンセラーが居れば心強いさぁ。
でも、身近に居るからこそ通じる事も、分かり合える事も在るはず。
その事を、なかなか気付かない大人たち。

お互いに個性を認めだしたラザール先生と子供たち。
そんな中、仲良しだった生徒シモンとアリスはギクシャクしだす。。。

死、暴力、不公平。理由と責任。
そして憤り。

子供たち、先生たち、親たち。
それぞれの思いや考えが少しずつ明らかになっていく様子。

現在の教育現場の息苦しさ。
あれもこれも禁止された先生たち。
教師に子供を触れさせない親たち。
(先生の為でもある、と言い張るんだろうけど。)
いつから、ここまで信用出来なくなってしまったのやら。
これほどまでに信頼されていない状態でも、親たちの要求は高い。

真面目な人ほど悩み、ノイローゼになりやすいのにね。

狭量な醜さ。
信頼の上に成り立つ温かい触れあい。


丁寧に丁寧に描く監督の手腕も素晴らしいが。
子役が恐ろしくいい。
そして、ラザール先生のなんとも味わい深い人間味。

思い出すだに、涙が出てくる映画。

ぼくたちのムッシュ・ラザール(2011年カナダ)
監督・脚色:フィリップ・ファラルドー、原作戯曲:エヴリン・ドゥ・ラ・シェネリエール
出演:フェラグ、ソフィー・ネリッセ、エミリアン・ネロン


「屋根裏部屋のマリアたち」(2010年仏)


1960年代、パリ。
裕福なシュベール家の6階には、陽気なスペイン人メイド達が住んでいた。

シュベール家の主ジャン=ルイとメイド達の交流をユーモラスに描く。

規則正しい味気ない生活をしていたオッさんが。
美人メイドにときめき。
突然、スペイン人に親身になりだす。
その境遇に心を痛め。
やたら協力体制に。
そいでもって、ついにはその陽気さが感染。
人生を楽しみだし、生きる意味を見出す。

別に悪くは無いんですが、
そういう流れにしますか~、な展開。
あらあら~な着地地点。

ものすごい好意的な作品。
そして前向き。
過激描写もなく、まぁ普通に楽しめる映画。

なんとなく物足りなさを感じる、
もう一歩踏み込んでもよかったかもね~な内容。
欲を言えば、編集にリズムなり、切れ味なりが欲しいところ。

屋根裏部屋のマリアたち(2010年仏)
監督フィリップ・ル・ゲ、出演:ファブリス・ルキーニ、サンドリーヌ・キベルラン、ナタリア・ベルベケ、


《ホビット 思いがけない冒険》

2012-12-21 00:07:13 | 日記


ホビット 思いがけない冒険(2012年)

思いがけない“大”冒険。
いやまさに、大!冒険。

またしても前置きは長いが(必要なのは重々、承知)、後半のアクションが凄い。
思わず年甲斐も無く、大興奮。
相変わらずの映像の壮大な美しさ、ガラドリエルの美しさ。
そして、まさかのドワーフのかっこよさ。
だって、ドワーフよ?!
あのドワーフよ!
(確認の為、もう一回。あのドワーフよ!)
カッコ良さなんて、これっぱかしも期待してませんがな。
やられた~

しかも今回驚いたのは、ゴラムのシーン。
愛嬌有るがな!!
いや、もちろん不気味な愛嬌です。
でも、まさか笑えるほどとは!

そして更なる驚き。
トロールがイイっ。
それも凄く。
セリフが可笑しい。
ハッキリ言って楽しいんですけど、このシーン…

マーティン・フリーマンも得意なタイプの役柄だけあって違和感無し。
ひとりホビット状態ですが、いい雰囲気。
(久しぶりのフロドも嬉しかったなぁ~。)

ガンダルフの存在が映画を引き締めてます。
さすがの存在感だぜぃと感服。
もちろん、魔法使いラダガストもとても良かった。
というか、本物みたいだった…

ゴブリンの洞窟の奥行きとカメラワークの素晴らしさ。
このシーンだけでも観る価値あり、な仕上がり。
アクションが盛りだくさんなのはもちろんの事。
なんせ、楽しい!
アドベンチャーとは、まさにこうあって欲しいと思う展開と映像。
アトラクション並みの興奮。

これだけ詰め込まれて、これだけ出来が良いと、
映画界にはかなりの刺激に。
というか、これを超えるのは大変だよぉぉぉ。

ビルボの成長も盛り込まれ、すでに泣ける。
ドワーフのメリーポピンズ顔負けの食器の片付け方。
原作でもそうなんですかね?

指輪物語は三巻目ぐらいで、恥ずかしながらドロップアウト。
映画バージョンのあの興奮が、原作ではあんまり感じられず。
なかなか続きを読む気が起こらない悲劇。
まぁ、そのうち、ね。。。

ドワーフ13人衆は、さすがに全員の区別はつかないものの。
かなり判別はつきます。
名前覚えるのは、ちょっと無理。。。いや、かなり無理。
これは特殊メイク賞ものでしょう。
ボトルキャップとかで立体化して欲しい気もする。
13人揃えて、飾りたいわぁ。
ボトルキャップじゃなくても、小さめのフィギュアで。
パソコンに腰掛けさせたり、木のフィギュアに引っ掛けたり出来るのが望ましい。

今回は、(交通費をケチった上に、3D料金もケチった為)
要するに近場で、サービス料金で観られる劇場にした結果
小さめなスクリーンで鑑賞。
ホント、ドワーフなめてました。
もっと大きいスクリーンでもう一度観るつもり満々。

全体的にロード~シリーズよりも、陽気度がアップ。
ユーモアが楽しく、ご機嫌な映画。
facebookで公開中のメイキングも、充実の仕上がり。
ゴラミー(ゴラム用タイツ着用)な姿で挨拶するアンディ・サーキスがナイス。
第二班の監督も担当する活躍ぶりが頼もしい。
キャストとスタッフでユーモア合戦か?
こんな楽しいメイキングめったに無いと思うが。
かなりの人数がめまぐるしく登場。
彼らの苦労と陽気さが胸に沁みる。
レゴラス状態のオーランドも登場。
こりゃあ続編への期待も高まるわ。
あとは、ファンタジーの醍醐味ドラゴンが楽しみ。

ホビット 思いがけない冒険(2012年米/ニュージーランド)
監督:ピーター・ジャクソン、原作:J・R・R・トールキン
出演:イアン・マッケラン、マーティン・フリーマン、リチャード・アーミティッジ





《散歩する惑星》

2012-12-20 15:13:45 | 日記


散歩する惑星(2000年スウェーデン/フランス)

CM界の巨匠の長編映画だけあって、シーンそのものを楽しむ作品。

とは言え、実際に笑える箇所は少ないな~。
ニヤっとする程度の笑いが多い。
むしろシーンを文章で説明した方が可笑しい。

登場人物を把握しにくい。
一回観ただけでは、繋がっていない人物も居る。
出演者は素人さんが多いが、間(ま)とかは良い。
でも、あまりキュートじゃないので嬉しくない。

監督曰く、観客を驚かせたいとのこと。
確かに、驚く場面は多いが。。。
時にフェリーニ監督作が感じさせる、いやらしさ。
失礼しちゃうな~という侮辱された感が起こりそうな感覚。
これ見よがし過ぎるというか、なんというか。
アルトマン監督作にも感じる、一種の下品さ。
映像自体には驚くが、監督自身の下卑た決断に嫌な感じになる。

コーラスシーンとネズミのシーンには笑ったけど。
なんとなく監督は人間好きじゃないんじゃないかという思いを抱かせる作風。
ラストにも物足りなさを感じる。
物語として、大きな何かが必要だと思うが。
世界観だけあって、高揚感が無いのは実に寂しい。

セットは素晴らしく味わい深いし。
音楽も良いのだが。

やはりスウェーディッシュ・ラブ・ストーリー(1970年)が最高作か。。。

散歩する惑星(2000年スウェーデン/フランス)SANGER FRAN ANDRA VANINGEN  SONGS FROM THE SECOND FLOOR
監督・脚本:ロイ・アンダーソン

ちなみに日本版のチラシデザインは素晴らしい。