『マイラ -むかし、マイラは男だった-』(1970年)
映画史上、語り継がれるワースト映画の一本。
あれ~?楽しいぞうぅぅ。。。
そう、趣味は悪いが!それなりに楽しめる作品。
人によっては、かなり楽しめる作品。
クラシック映画が大好きな映画評論家のマイロン。
こっそりコペンハーゲンで性転換手術を受ける。
ダイナマイト美女マイラへと華麗に変身!
って変身し過ぎだよ、マイロ~ン!
ちなみに。
言っときますけど、
マイロン役は実際に映画評論家のレックス・リード。
マイロンとマイラ。
2人、一組、2人で一人なハチャメチャな物語が始まる。
シャーリー・テンプルの歌う“いつもS・M・I・L・E”にあわせて、
街なかでも踊っちゃうマイロンとマイラ。
言っときますけど、マイラ役はラクエル・ウェルチ。
ウェルチ姉さんのお美しいこと!
しかも、ありとあらゆる衣装で登場。
中でも、白衣脱いだら、アメリカ国旗ビキニ!は秀逸。
伯父のバック・ローナーを叩き潰しにハリウッドへ。
マイラは彼の経営する妙な演劇学校に乗り込む。
不慮の事故で亡くなったマイロンの妻だと名乗るマイラ。
あの手この手で財産を要求。
渡してなるものかと、のらくらかわす伯父。
だったら、ここで講師として働きます!と伯父に宣戦布告。
言っときますけど、伯父役はジョン・ヒューストン。
「マルタの鷹」「黄金」「アフリカの女王」の大監督。
奇妙な演劇学校で、やりたい放題なマイラ。
そんな彼女には、ちょっと気になる生徒がふたり。
ハンサムなラスティとその恋人メアリー・アン。
言っときますけど、メアリー・アン役はファラ・フォーセット。
かッ、可愛い~。マジで可愛いぞ。
芸能エージェントの女社長レティシア・バン・アレンが登場。
所属する男優全員と関係を持つという豪傑!?
“見た目は悪くないけど、ベッドではどうなの?”
“そっちも得意です”
最初の生け贄役は、
言っときますけど、トム・セレック。
デビュー当時の若々しさ。
そして、声を大にして言っときますけど、
レティシア役は元祖ヴァンプ女優のメイ・ウェスト。
18歳で‘ベイビー・ヴァンプ’を生み出し。
舞台、映画で活躍、脚本も執筆、歌だって歌うマルチな才能。
コカ・コーラボトルの流線型にインスピレーションを与えたという、
迫力ボディの持ち主。
実は、身長は155センチと小柄。 なんなの、この迫力…
1893年生まれ。ハリウッド・レジェンドのひとり。
演劇学校では、
狙った獲物ラスティを、呼び出してはいたぶるマイラ。
性悪過ぎるぜ、マイラ!
‘男らしさ’にこだわるラスティ。
‘男の尊厳’を嘲笑するマイラ。
ついに、マイラはラスティに襲い掛かる。
お、襲い…?この表現で合ってます。
まさに、‘ひゃっほー’なマイラ。
そして次なる獲物は…メアリー・アン。
そんな時、伯父に雇われた弁護士が現れ、
マイロンの死亡証明書が存在しないと通告。
告白の時がやってきたのだった…
友人の歯科精神分析医?に
“一丁、ぶちかましてやれ。”と激励されるマイラ。
早速、机上に駆け上がり、パンてぃを脱ぐ彼女であった…
ワイルドだぜぃ、マイラ~。
スッキリしたマイラの次なる目標は?
メアリー・アンとの関係を進めること!
ラスティを襲っておきながら、そ知らぬふり。
(どんだけ性格悪いの~?マイラ~)
メアリー・アンを(下心あって)優しくいたわるマイラだったが。。。
随所に挿入される数々の映像が、楽しい。
30年代~40年代のクラシック映画が中心。
ディートリッヒ、ローレル&ハーディ、リチャード・ウィドマーク、モンローなど。
これだけでも、おつりがくるぐらいだぞ。
特にクラシック映画ファンにとっては。
さらに、使用される曲の面白さ。
“リンゴの味が甘いかどうかは、かじってみなきゃわからない~”
と意味深な歌詞。
メイ・ウェストが歌う、“味わいなさい 全ての果実を~”や、
“気をつけて、私は手ごわい女だから~”など。
これがまた、かっこいいんだな。見事な歌いっぷり。
グレン・ミラーの名曲チャタヌーガ・チュー・チュー。
‘きらきらぼし’を使うシーンにも注目。このセンス、あっぱれ。
言っときますけど、監督・脚本はマイク・サーン。
そうあの『ジョアンナ』の監督。
ジュヌヴィエーヴ・ウエイトも歯医者の患者役でチラリ出演。
さらに原作はベストセラー「マイラ・ブレッキンリッジ」
言っときますけど、
作者はゴア元副大統領のいとこ、ゴア・ヴィダル。
ついでに言っときますけど、
メイ・ウェストの衣装はイデス・ヘッド。
アカデミー衣裳デザイン賞8回受賞。
ノミネートは35回…ひいいぃいい働きもの~
性の混乱と、誘惑、欲望。
全てが吹っ切れてる映画。
奇想天外なのもうなづけるオチになってます。
そうそう、言っときますけど、
ウェルチ姉さんとファラ・フォーセットが
ベッドで寄り添って眠ってるシーンは、
お宝ですな。。。
『マイラ -むかし、マイラは男だった-』(1970年)
監督・脚本:マイク・サーン、原作:ゴア・ヴィダル、脚本:デヴィッド・ガイラー、音楽:ジョン・フィリップス
出演:ラクエル・ウェルチ、メイ・ウェスト、レックス・リード、ファラ・フォーセット、
ジョン・ヒューストン、ロジャー・ハーレン、トム・セレック、ジュヌヴィエーヴ・ウエイト、
カルヴィン・ロックハート