木のぼり男爵の生涯と意見

いい加減な映画鑑賞術と行き当たりばったりな読書によって導かれる雑多な世界。

《ダーリング》

2012-12-28 19:06:55 | 日記


『ダーリング』(1965年)

もっと楽しい映画かと…
ジュリー・クリスティ、素敵だけどファンになるほどでもないなぁ。。。
ローレンス・ハーヴェイとローランド・カラムが良かった。

モデルのダイアナは女優業にも挑戦、
大手企業のキャンペーンガールの座を手に入れる。
そして最後には、小国の子持ちの殿下の後妻にまでなる。
彼女の華麗な半生と男性遍歴を描く。

とはいえ、それほど華麗さは無く。
女優業だって、映画に出た程度。
のし上がるぞ!的なやる気があるようにも思えない。
行き当たりばったりな生き方にみえますが…

何がやりたいのか分からない。
何が欲しいのか分からない。
でも現状には、なんとなく満足出来ない。
自分を持て余すあまり、自分の居場所が分からなくなる。

男性遍歴といっても。
恋人と愛人の間で、フラフラ。
確信も持てなければ、踏ん切りもつかず。

あの頃が一番幸せだった─
気付いた時には、すでに遅し。
つき進んだ道は、
なんとなく満足出来ないなんて状態ではなく、
自分を不幸せにしただけだった。

皮肉なシンデレラストーリー。
辛らつなセリフも多く、かなりビビります。
華やかな60年代も、裏では楽しいばかりでは無かったか。
って、まぁ当たり前といえば当たり前。
中でも、パリの退廃的なパーティの集いに愕然。
思いがけない驚き。
シャブロル監督の「いとこ同志」のパーティシーンを思い出す。

不幸は一日にしてならず。

ダーリング(1965年) 
監督:ジョン・シュレシンジャー、脚本:フレデリック・ラファエル
出演:ジュリー・クリスティ、ダーク・ボガード、ローレンス・ハーヴェイ、ローランド・カラム

ちなみに、映画「ドミノ」(2005年)は、
ローレンス・ハーヴェイの娘ドミノ・ハーヴェイのお話。