木のぼり男爵の生涯と意見

いい加減な映画鑑賞術と行き当たりばったりな読書によって導かれる雑多な世界。

《散歩する惑星》

2012-12-20 15:13:45 | 日記


散歩する惑星(2000年スウェーデン/フランス)

CM界の巨匠の長編映画だけあって、シーンそのものを楽しむ作品。

とは言え、実際に笑える箇所は少ないな~。
ニヤっとする程度の笑いが多い。
むしろシーンを文章で説明した方が可笑しい。

登場人物を把握しにくい。
一回観ただけでは、繋がっていない人物も居る。
出演者は素人さんが多いが、間(ま)とかは良い。
でも、あまりキュートじゃないので嬉しくない。

監督曰く、観客を驚かせたいとのこと。
確かに、驚く場面は多いが。。。
時にフェリーニ監督作が感じさせる、いやらしさ。
失礼しちゃうな~という侮辱された感が起こりそうな感覚。
これ見よがし過ぎるというか、なんというか。
アルトマン監督作にも感じる、一種の下品さ。
映像自体には驚くが、監督自身の下卑た決断に嫌な感じになる。

コーラスシーンとネズミのシーンには笑ったけど。
なんとなく監督は人間好きじゃないんじゃないかという思いを抱かせる作風。
ラストにも物足りなさを感じる。
物語として、大きな何かが必要だと思うが。
世界観だけあって、高揚感が無いのは実に寂しい。

セットは素晴らしく味わい深いし。
音楽も良いのだが。

やはりスウェーディッシュ・ラブ・ストーリー(1970年)が最高作か。。。

散歩する惑星(2000年スウェーデン/フランス)SANGER FRAN ANDRA VANINGEN  SONGS FROM THE SECOND FLOOR
監督・脚本:ロイ・アンダーソン

ちなみに日本版のチラシデザインは素晴らしい。

《スリーピング ビューティー/禁断の悦び》

2012-12-20 13:05:41 | 日記


スリーピング ビューティー/禁断の悦び(2011年)

ジェーン・カンピオン プレゼンツ。
という事で気になったので鑑賞。

女子大生が様々なバイトをする内にたどり着く究極のバイト。
睡眠薬で爆睡して、ベッドに裸で横になってればいいというもの。

どんな子がこんなバイトをするのか?という事は描いてくれてますが。
全体的には、何が言いたいのかよく分からない映画。

バイトをいくつもかけ持ちでこなし。
ナンパされるために夜のクラブに出かけ。
(というか、これはバイトなのか?趣味なのか?)
学費や家賃が必要な上に、どうやら母親にも頼られてる様子。
結果として、より高い時給のバイトを探しだす。
裸で給仕。。。
ランパブですか?
だったら、映画の感じ変わってたろうね。。。
高級感溢れるお屋敷で、秘密のディナー。
なので、ホントに給仕です。
食後はまったり状態ですけど。

電車代すらケチる主人公ですが、この高時給バイトで金銭感覚が若干狂う。
そして、更に高時給なバイトを提示され・・・

本人は眠ってるけど、お客の願望を観客は見せられる訳なので、大変です。
起こしたくなるような、ならないような。。。
イビキかかない体質でよかったね。

異性関係にダラシないのは、
好きな人が病んでしまったからか?
その前からダラシないのかは謎。
色々とどうでもよくなってしまったらしい事は分かるが。
お金の為とは言え、人によって出来る事と出来ない事は違うし。
恐怖もそれぞれ違う。
さすがに寝ている間に何が起こっているか知りたくなるが…


愛情に飢えている上に、周りに死を寄せ付けてしまうらしく。
それが続くと、さすがに本人もつらかろう。
とは思うが。
あんま同情する気にはなれない感じ。
かなり微妙だな。
主演のエミリー・ブラウニングが特に好演というほどの事でもないし。
彼女に淫靡な雰囲気が無いのが、プラスなのかマイナスなのかもよく分からん。

説明的だったり説明しなかったり、見せる部分と見せないところのバランスが妙な感じ。
女の妄想と男の妄想のズレを描いているのかも知れんが。
妄想と欲望のギャップを描いてるのか。
どうもハッキリしないけど。
昨今、妄想業界が盛況なのは確か。


拝啓 エミリー・ブラウニング様
ゾーラ・バーチ路線でゆくつもりか~い?


スリーピング ビューティー/禁断の悦び(2011年)
監督:ジュリア・リー、ジェーン・カンピオンPRESENTS
出演:エミリー・ブラウニング、レイチェル・ブレイク、ユエン・レスリー