
『ジョージー・ガール』(1966年イギリス)
でたぁ~。
“幸せって何?映画”
近所の子供達にお遊戯を教えるジョージー。
少々ガサツで、かなり色気が無い彼女の親友メレデスはスリム美人。
メレデスは妊娠を機に、恋人ジョスと結婚するも。
妊婦姿にもベイビーにも、うんざり。
出産を待ちわびるジョスとジョージー(なんせ子供好きなもんで)にもイライラの日々。
そんな中、ジョスはジョージーの魅力に気づくのだが…
大人になれない大人、というよりも成長途中の若者たち。
それぞれ人生の次の段階に進もうとするも。
食い違ってきたり、気づいたり、挫けたりと様々。
元気いっぱいで面倒見の良いジョージー。
おしゃれが苦手で、恋愛は超オクテ。
大雑把具合、不器用さ加減がリアル。
ハンサムな王子様を夢見るも。
現実では、リッチなオジさんにお小遣いを貰ったり、
愛人にならないか?と契約書を見せられる始末。
パーティーでヤケになって歌を披露するも、
誰も喜ばず、盛り上がらず、褒められず、の痛~い感じ。
場違い含め、勘違いっぷり、トンチンカンぶりがハンパない。
そして、唯ひとり、感銘を受けるのが、金持ちのオジさん、て。
どういうこと?
ま、妻が病気がちで陰気なもんで。。。
生命力溢れるジョージーに夢中。
惚れ込んでもらえるのは満更でもないけど。
私の幸せって、この延長線上にしかないんか?
とスゴイ疑問を感じるジョージー。
メレデスの自己中ぶりも甚だしく。
世界は自分中心に回っている事を夢にも疑わない─
ま、確かに世界は美人で回ってる──って一理あるけど、さ。
注目される事、モテる事が当たり前で、それを大いに満喫していたメレデス。
妊娠、結婚で、それが当たり前ではなくなったとき。
出産後にまた男の眼をクギヅケに出来るのが嬉しくって仕方がない姿。
彼女にとって生きるって、こういう事な訳なので。
家庭を築くという向き不向きというよりも、今現在、家庭が欲しいかどうか?
─の周りじゅうを巻き込んだ学習法。
外見にばかり眼を取られて、メレデスとイチャついた結果、結婚するジョス。
彼女の血も涙もないヴィッチぶりに、ようやくジョージーの愛情深さに思い至る。
で、追い掛け回す。
は?
ある意味、超ポジティヴ・シンキング・ストーカー。
‘アイ・ラヴ・ユー’と連呼しながら、街中追い掛け回す姿。
仕舞いにゃ、服を脱ぎだすという求愛行動に発展。
人類の発展に真っ向勝負な心意気。
濃ゆ~いアラン・ベイツが大迫力で迫ってくるぞぅ~。
ナマハゲに泣く子供の気持ちが、分る!分るわぁ~!
って、このシーン、見所のひとつでっせ。
ジョージーと暮らし始めるも、赤子最優先な彼女。
まだまだ彼女の一番で居たいジョス。
ジョージーの愛情の配分の問題か?
ジョスが父親になるには、早すぎただけか?
見事にすれ違い、上手くいかなくなるふたり。
そして、結局、子供の為にお金持ちとの結婚を選ぶジョージー。
愛の無い結婚?
そもそも子供に愛情注ぎ過ぎて、他に注げる愛情なんて残ってないもんで。
幸せになるぞ!気合と期待でいっぱいな夫そっちのけで。
ベビーのほっぺにスリスリするジョージー。
………。。。
幸せってなに?
ジョージー役のリン・レッドグレーヴの野暮ったい動きの演技が、実にイイ感じ。
アラン・ベイツの若さ弾ける迫力が、見応えあり。
シャーロット・ランプリングのキュートさ!だけどヴィッチな堂々たる姿。
なんせ三人の若さが画面いっぱいに焼き付けられてる、お宝映画。
そしてジェームズ・メイソンの幸薄そうな顔が対照的。
好意ある強引さをここまで不気味に出来るのはメイソン氏ならでは。
誰得?とか考える自分が卑小な生き物に思えてくる一本。
『ジョージー・ガール』(1966年イギリス)
監督:シルヴィオ・ナリッツァーノ、原作・脚本:マーガレット・フォスター、脚本:ピーター・ニコルズ
出演:リン・レッドグレーヴ、ジェームズ・メイソン、アラン・ベイツ、シャーロット・ランプリング、
レイチェル・ケンプソン、ドロシー・アリソン