公安委員会から免許証の更新案内のはがきが来た。前回めでたくゴールド免許になったので、5年ぶりの更新である。5年間はしゃがず目立たず交通法規を守ったおかげで、今回もゴールド免許での更新となる。
岩手県には盛岡、県北、県南、沿岸と4つ免許センターがある。県南免許センターというのを調べると、胆沢郡金ヶ崎町にあることが分かった。金ヶ崎町までは片道80kmもある。じゃあ沿岸免許センターはというと、釜石市なので片道50kmである。私の住む市からはどの免許センターも遠いようだ。
最寄りの警察署での更新もできると書いてあるが、写真を持参しろとか、即日交付はできないとか、いろいろメンドーそうなので、やはり免許センターでやろうと思い、釜石市にある沿岸免許センターに行くことにした。更新案内には免許センターの地図は載ってないので、県警のHPから地図をDLし、印刷した。
講習の時間の関係で、受付時間は午前9時から10時と午後の1時から2時の2回だけとのこと。朝早く家を出るのは通勤の渋滞に合いそうなので、午後の受付を選び家を出た。私の車には10年前のナビが入っているので道路情報は全くあてにならないが、公共施設の場所はそれほど変わっていないだろうと、ナビに従った。
釜石市までは三陸道を使えば40分ほどだったがインターを下りてから、釜石駅を通り過ぎ、どんどん海の方へナビに案内された。DLした地図では釜石駅の手前だったはずだからおかしい、と気づいた。釜石市も東日本大震災で大きな被害を被ったので、免許センターも移転したようだ。
釜石駅まで戻り、地図を取り出して目標となるレストランを探した。免許センターは釜石警察署の隣にあったが、どちらも震災後に建てられたようで真新しい建物だった。
11時30分に着いたので中をのぞいてみると誰もいなかった。窓口もすべて閉まっており、やはり1時にならないと何もできないようだ。書類を先にもらって記入だけでもしておけば時間の節約になるかと思ったが、机の上には書類さえ置いてない。仕方がないので、近くのショッピングモールに行き昼食を済ませる。
1時になって、免許センターに戻ると受付が始まっていた。受付をしたのは10人くらいだろうか。氏名を記入し、収入証紙を買うと、視力検査に行くよう言われた。
視力検査をするのは、受付をした窓口のある部屋の一角で、観光地にある双眼鏡のような機械をのぞくだけだ。私の前に並んでいた人は、私より高齢者で係の女性が丁寧にやり方を説明した後に、右、上、左とか答えているのだが、違っているらしい。
メガネを何度もかけ直すが、だんだん焦ってきたのか、メガネが汗で曇ってきたらしく、ますます見えなくなり、パニクってとうとう「少しこちらで休んでください」と言われて列から外されてしまった。
私の番になった。私はひどい近眼と乱視で16歳の時から眼鏡使用の限定付きだったが、年とともに老眼が進むと近眼と相殺されるのか、だんだん視力が良くなってきた。そして、5年前の更新では0.8が裸眼で見えたようで、眼鏡限定に「小特車と原付を除く」というのがついた。
5年の間にさらに老眼が進んだのか、ほぼ右目はメガネがなくても遠くの細かい字が見えるようになった。そこで、今回の検査でもメガネをかけないでやってみることにした。最初は両目で測定したが、示される環はすべてはっきり見えた。
次に片目ずつ調べられたが、左目では少しぼやけて見えたので、2,3回間違えたようだ。「じゃあ、次は深視力検査を行います」と係の女性がいい、「真ん中の線が並んだ時ボタンを押してください」とのぞく部分のそばにある緑のボタンを示した。
大型免許にはこの深視力検査に合格することが必要なのだが、私は以前からこの検査が苦手だった。誤差は2㎝以内で続けて3回正答しないと不合格となる。
検査が始まり、「今は手前にあります。はい今度は奥にあります。」と係の女性は言うのだが、どういうわけか動きが見えない。手前にあると言われた時は確かに太いように見えるので、3本の太さが同じに見えた時にボタンを押すと、「はい合格です、あと2回頑張ってください。」と言われたが、奥から手前に来る時がどうしても見えない。
適当に押してみるが、「ちょっと早いです」とか「遅かったです」と言われデタラメでは合格しそうにない。まぐれで2回までは正答するが、3回目がうまくいかない。私も焦ってパニクる寸前だったが、ふと手元を見るとメガネが置いてある。
「なんだ、裸眼でやっていたのか」と気づき、「メガネをかけてもいいですか」と尋ねると、「眼鏡限定がついてもいいですか」と聞かれた。不合格になるよりいいに決まっている。
メガネをかけてのぞいてみると、3本の線がはっきり、くっきり見え、立体感まである。つまり、裸眼では右目だけで見ていることになり、立体感がないために、奥行きがわからなかったのだ。検査を始めると、うそのように並んだ瞬間がわかる。3回連続正解して事なきを得た。
私の検査が終わると、再度先ほどの高齢者が呼ばれ検査を始めた。しかし、正解することはなかったようで、「メガネを再度作り直して出直してください」と門前払いとなった。可哀そうに、と同情を禁じえなかった。
視力検査が終わると、写真撮影があり、午後2時から講習があると告げられて解放された。2時までは30分以上あるので、車で昼寝をし、2時になって2階の講習室に行った。優良講習の受講生は7,8人だった。若い女性が講師だった。
千葉の幕張にある免許センターでの講習の際の混雑が脳裏に浮かびおかしかった。岩手は人が少ない、というのをコロナ騒動でも実感したが、それは当たり前のことだが生活のすべてに及んでいる。
講習では、まずあおり運転について話があり、次に岩手県の交通事故に関する話だった。岩手県では9月末日までに20人死亡事故があり、7割は高齢者がらみで、車両相互の事故が多いとのことだった。後半はDVD視聴で、交通事故で我が子をなくした母親の話だった。
私の孫も小6の時に夜間に道路を横断中事故に遭い、一緒に渡った中学生は死亡して孫は軽傷を負った。その知らせを受けた時のショックをまざまざと思いだした。自分もハンドルを握るものとしての責任を痛感し、運転する時には左右に目を配り、歩行者がいないか、横断者がいないか細心の注意を払っている。
私が車を運転する際に気を付けていることは、いつでも停まれるスピードと前車との間隔を保つこと。そしてわき道から出ようとする車や、交差点以外で右折しようとしている車には必ずパッシングして譲るようにしていることである。
岩手は信号がとても少ないので、国道などでは流れが速く、朝夕は車が切れ目なく連なることが多いが、わき道から出る車に譲る車はほとんどいない。だから、大きな通りに出るのは本当に時間がかかる。右折の際にもたった1台通して上げれば後ろの車が待たずに流れるのに、停まらない。
これは歩行者も同じで、横断歩道がないところでは時間によってはほとんど渡れないで待たされる。無理して渡ると事故に遭う。ささやかだが、必ず譲ることで事故を減らすことに役立ってほしいと思っている。
最近高齢者向けにサポカー割というのがある。私の車にはオートクルーズは付いているのだが、古いので前の車に近づくと減速するという機能は付いていない。来年の春には車検なので、その機会にこの衝突回避ブレーキ付きの車に乗り換えられればと願っている。
次の免許更新時には高齢者講習も義務付けられるので、何とか一日でも長く安全に運転を続けられるよう、サポカーにするのも選択肢の一つかと考えている。
余計なことを考えているうちに30分の講習は終わり、1階で免許証を受け取った。大型には眼鏡限定が付いたが、普通車やバイクは裸眼でも運転できることになった。フルフェースのヘルメットの脱着に、メガネは面倒なので少しは楽になるというものだ。
私は、今までに一度うっかり失効をやってしまい、免許証を再発行してもらった。高校1年の時に自動二輪の免許を取得したので、本当の取得年は昭和43年(1968年)で今年で53年も運転している。何回か事故ったこともあるが、命を落とさなかったのは感謝である。あと何年で免許を返納することになるのだろう、などと考えながら帰途に就いた。
キムさんの免許取得をトレースして大型まで
取ったのですが、大型二種についてはかみさんから待ったが掛かって保留になっています。
将来タクシーの運転手をやるなら大型二種
を取ってもいいとは思うのですが。
大型二種を取るとしたら、キムさんのように合宿免許に行ってみたい気がしますので
来年の4月以降になると思います。その前に住民税対策をしなければ・・・
コメントありがとうございました。コロナ禍もようやく収束の兆しが見え始めましたね。たかぴいさんの職場でも、対応が大変だったろうとお察しいたします。
19年に退職した職場の仲間が、「コロナの前にやめておいて良かった~」、としみじみ言ってました。仕事の質がコロナ前とコロナ後ではっきり差ができましたね。
それはさておき、二種の免許は授業料が高いですからコスパを考えると、奥様の待ったも理解できます。私はバスの運転手になる、という目的がありましたので、役に立ちましたが、タクシー業は普通二種でもいいですし、勤めてから会社の金で取るというのもアリだと思います。
合宿で取るというのは、おススメです。
キムさんが免許更新について書かれていたので、以前から気になっていた私の免許更新時期平成35年って、令和何年と調べたら5年でした。来年とばかり思っていましたが、再来年という事で、確認が出来て良かったです。
私も大型免許の更新を行うときに行う棒2本が前後して、中心棒と合わせて3本が一致する深視力検査が大の苦手です。
前回の検査の際も、画面上で行う検査ではさっぱり判らず、検査員の女性がアナログ式の棒が前後する機器で再検査をしてくれて事なきを得ました。
これからも大型自動車に乗ることは無いのですが、せっかく取得した免許は出来るだけ維持したいと思っています。
コメントをありがとうございました。
平成ー令和と年号が変わると本当に計算が面倒ですね。でも、令和の時はこの問題を考慮したみたいで、平成31年が令和元年、平成32年が令和2年、と1桁目が同じになっています。
だから平成35年は令和5年とすぐわかります。免許の更新が5年になると、本当に不安になりますね。私は、ブログにも書いたように、うっかり失効をしたことがありますので、2度としたくないと思ってヒヤヒヤです。
>検査員の女性がアナログ式の棒が前後する機器で再検査をしてくれて事なきを得ました。
深視力検査をアナログでやり直してくれるなんて、ずいぶん親切ですね。教習所ではアナログ式でしたが、今回はデジタル?だったので、裸眼では全然動きがわかりませんでした。
大型二輪も、事故が増えるとそのうち高齢者だけ実技試験が課されるかもしれませんね。体力がなくなりFZXを起こせないと思うので、マジそうならないことを祈ります(笑)。