50年前の黄八丈

私たちの年齢ですと黄八丈というのは
おとうさんの丹前という感覚なのですね
ですから黄八丈を着ると言うことには結構抵抗があるのもです

でもどういうわけか綾織りの珍しい黄八丈を
八丈島の取材に行ったとき購入してしまいました
それでも何だか着るチャンスがなく
365日きものを着ていたときは
家で家事をするときに着ていました

柔らかくて艶があり着心地も良いのですが
外に着ていく勇気がありませんでした
しかもその当時吉村真里さんというモデルさんが
外国のレセプションに黄八丈に黒衿を懸けたきものを着て出席している
と言う写真が新聞に載って大バッシングでした
「国辱」とまで言われてーー

そういう記事を読んだがためにますます黄八丈を着る事はありませんでした

家庭で着ているので汚れますし
何年か前洗い張りをしてそのままに

今や黄八丈は貴重品で高価
手仕事の紬としてもステキです
其れでまた仕立ててきていますが時代ですね
「良いきものですね」と褒められます

いまは「丹前」という言葉も死語ですものね
昔のおとうさんおしゃれですね今となるとーー

黄八丈こそすべて草木染めそして手織りと言う工程で
生産されている尊い紬ですね