毎日更新!中谷比佐子のきもの365日 Part2

きものの話題を毎日書きます。

きものを通した文化論

2012年05月31日 | 日記
ここのところ朝夕はひんやりしていてきものを着る身には
とても有り難い毎日です
10回コースの「おおあさ自由学校」というセミナーが開催されていて
私は二番目の講師を昨夜務めて参りました

どういう方たちがお集まりになるのか
大麻の勉強をしたい方ばかりでしょうが
きものを通して日本の文化を語る私の話が参考になるのか
よく分かりません

一昨日はもっと大人の方を相手に
「日本の文化研究会」の講師を務めましたが
此方もビジネスばりばりに仕事をしている方たちで
きものから学んだ私の話がお役に立つのかどうかおぼつかない

でも
きものから見た政治経済文化は矢張り日本の歴史を語らないと
前に進みません

精神的に自由になり自然素材そして自給自足の道を探っている人たちも
矢張り日本の国の成り立ちを知らないと
日本の土や自然が理解できないと私は思います

今日本がぐちゃぐちゃになる一歩手前
日本の文化を伝える会が増えるのは大歓迎です

こういうときお人の目を休ませるために私は
柔らかい色のきものを着ることにしています
少なくとも2時間は一人の人の姿を見続けるのですから
目に優しい色を選ぶのも此方の心根

おにしぼ縮緬

2012年05月30日 | 日記
私はおにしぼ縮緬は冬のものだとばっかり決めつけていました
でもきょうは単衣のおにしぼ縮緬のきものを
喜々きています

人って決めていても決まらないそんな生き物なのだと思うのです
このおにしぼ縮緬を手元で視たとき
「澤ふたぎ」で染めた淡い浅黄の色がふっと目に浮かんだのです

「おにしぼにそんな淡い色は染められない」
といったんはその思いを打ち消したのですが
曙の繭から引いた糸で織ったおにしぼ縮緬が
その光沢ととろんとした味が何とも言えず

生地を手にしたままぼんやりとしていました
濃いい色に染めるのはこの光沢を損なうのではないかしら
別にきものを新しく持つ必要もないのに
生地から手が離れない
こういうことありませんか?

いざとなれば法事用の色にしてもいい
と沢ふたぎで染めることにしました

何とも言えない色に染まり法事用と片づけるのも忍びなく
裾に刈安の葉を小沢ユミさんに刺繍をしていただきましたsあく
一つ紋も胡粉で描いていざという時の紋付です

そして着て歩いているのですが
何とも着心地がいいのですね
とろっとした絹の重みが少し涼しい夜の風に向かいます

鬼しぼの単衣もいいものです

居敷当て

2012年05月29日 | 日記
江戸時代の衣替えでも今の季節にすると5月5日から「夏物」
とあります
この時代の夏物は「単衣」のことで
袷の裏をとってひとえにすると云うこともやっていたらしいのですね
其れもこれも自分の手で縫う事が出来たからですよね

そういえば私の母も忙しかったと思います
生きていれば100才を超えた明治生まれの女です
今頃になると父や家族のきものの袷をほどいて
布海苔で洗い板張りして庭に干していましたね
幼い私たちはその陰でかくれんぼをしたり
また乾いた布をぱりぱりと思い切りよくはいだり

姉や兄たちとは違った母子関係をつくっていたように思います
上質の物は悉皆屋や呉服屋さんが持っていったり
普段着る物は家で洗っていたという記憶があります

そういうとき耳に残った言葉に「居敷当て」というのがあります
ぱっと引きはいで布をたたむのですが
アイロンなどはいりませんぴしっとしわ一つありませんから
「その居敷当てはこちらに」

きものの裏、おしりに当たる部分に貼る布のこと

きものは直線縫いですから
丸いおしりのところの縫い目が裂けやすいし
布も広がりやすい当て布をして補修するという考え方
知恵ですね


足袋の失敗

2012年05月28日 | 日記
何泊かの旅行の旅行のとき
足袋をなんぞもっていくかが問題になります
日本国内ですといざというときには呉服屋さんに駆け込めば何とかなります
しかし海外だとそうはいきません

同じホテルに逗留する場合は洗うことが出来ますが
1泊ずつだと日数分持っていかないと間に合いませんね
ところが有り難いことにアジア以外の所では
足袋はあまり汚れません乾燥しているからでしょうか
それに室内でも草履を履きっぱなしですからね
そして夜洗っておくと次の朝は乾いています

と言うことはお肌は乾燥に気を付けねばと言うことでしょうか

国内では三泊くらいですと三足持っていけばいいわけですね
お寺など建物に上がる場合は
ビニールカバーを上から付ける事をおすすめします
ぴかぴかに磨いている所って思った以上に少ないですね

大失敗は左足だけの足袋を持っていったときでした
靴下と違い左右がはっきりしているのでこんな困ったことはありません
道中付けている右足の足袋をその日すぐ洗い
ホテルのタオルにくるんでしっかりと絞って絞って
換気扇の傍に干しました

それ以来足袋は必ず左右かさねてしまうことにしています








しつこいけどもまた足袋

2012年05月27日 | 日記
一昨日この「きものはてな」に局長さんから
うれしいコメントをいただきました
「局長さんありがとう」

つくばの宇宙センターに見学に行かれたら
宇宙船の中では足袋の形のスニーカーを履くようになっていたとの報告
ほらね!
その方が足に力が入るという理由だったそうですよ

足袋の形再認識ですね
今日はお休みで「足袋」をまとめて洗っています
かかと、つま先は石鹸を付けた後ブラシでごしごしこすって
ぬるま湯で石鹸をおとしきゅっつとしぼってぱっぱと布を伸ばす

昔はね
足袋をひっくり返すと親指と人際指の先に糸がついていて
その糸は物干し竿に通すようにできていたのですね
庭には物干し竿に足袋が行儀よくつるされていつ景色
よく見ました
もちろん我が家も男足袋女足袋が干してありましたね

今はもう糸はついていません
物干し竿を使いませんからね時代は変わりゆきます

私は今足袋裏を絹にしています
向島の「めうがや」さんにお願いしているのですが
普通の足袋より少し値が上がりますけどね

冬用には内側にネルをつけたり
また半足袋を作ってよほど寒いときはそれをつけています
足袋は着物姿のかなめでもありますね