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僕たちは一生子供だ

自分の中の子供は元気に遊んでいるのか知りたくなりました。
タイトルは僕が最も尊敬する友達の言葉です。

いじめの効用

2006-08-21 | Weblog

社会人として一人前にやっていけるかどうか、というのは、
毎日のように降りかかる“理不尽”を自分の中でどう処理するかに
かかっている、と思う。
仕事を理屈通りに運んですんなりとその仕事が成就するのなら、
理屈が分かっている人は誰でも仕事ができるということになる訳や
けど、現実は、始めに言ったように理屈からは外れていても、その
状況をクリアしないと前に進まない、ということが数多くあり、それ
を乗り越えられない人には仕事を前に進めることができない。

この理不尽を乗り越える力を養う有効な手段のひとつに、学生
時代の部活等で行なわれてきた、“正々堂々いじめ”がある。
正々堂々というのは、基本的に多数対少数ではなく、カミソリの
刃を送るなどの顔を見せない陰湿ないじめではなく、たとえば部
の伝統として誰もが認めるもので、いじめる人は嫌われ役を買っ
てでていて、実質はいじめであっても、建前上はしごきであるとい
うようなもの。
そして陰湿いじめと正々堂々いじめの何よりの違いは、それから
逃げられるか否かにある。陰湿ないじめは、自分が逃げてもどこ
までも追いかけてくるが、部活で行なわれるようないじめはイヤな
らその部活をやめればそこで終了、というところにちゃんとした逃げ
場があるのだ。


いじめには理屈なんかない。というか理屈に合っていればいじめ
ではないので、この正々堂々いじめに耐え抜いた人は、当然の
ごとく、理不尽に対しての抵抗力がつく訳で、社会に出る前の
若者を鍛える手法として、いじめは実によくできたシステムだ。
体育会系の部活で鍛えられた人が社会でもタフなのは、何も
体力だけではなく、このいじめによって鍛えられた、理不尽を乗
り越える能力に長けているからだと思う。

早稲田実業が夏の甲子園で初優勝した。高校野球にあまり
興味のなかった俺やけど、今回のこの早実の試合には感動
した。決勝再試合になるなど名勝負が多く、ピッチャーも一人
で何試合も投げぬくなど感動する要素が多かったからやろう。

でも、この早実も現代野球の例にもれず、なんでもベッカムも
使っていたという、400万円もする酸素吸入器を所有し、それ
で疲れを取っていたらしい。なんか釈然とせんけど、それは時代
の流れで仕方ないことやろう。

早実にいじめの伝統があったかどうかは知らない。
ただ、金に物を言わせて、理に合った器具を導入し、理屈に
合ったトレーニングだけをしてこの夏の大会に優勝したのであ
れば、少し寂しい気がする。