忘れん坊

ある朝のこと。

いつものように、愛猫との別れを惜しみつつ、

元気に出勤しました。

そんな平和な通勤途中に、なぜか突然、
「何かとても大切なものを忘れたような気がする！」
という不安が胸を掠めました。

起床してからの一連の行動を慎重に振り返ってみたところ…

「あれ、もしかして！？」

いや、まさかね、そんなことはあるまいよ。
だって、今までそれを忘れたことなんて、一度もなかったではないか。
そうだよね、ありえないよね。
でも一応、確認しておけば。
じゃあ、そうしてみようかね。

そうっと手鏡を覗いてみたら…

あぁっ！！
思わず叫びそうになった私。

やっぱり、お化粧するの忘れてた！！！

なんということでしょう。

日焼け止めすら塗らずに、出てきてしまったのでありました。
帽子を被っていたことが、せめてもの救いです。

何もせずに公衆の面前に出てしまった、という事実よりも、
日ごろの習慣を忘れた、という現実。

あまりのショックに打ちひしがれながらも、
ただただ、自分自身に驚き呆れた朝でありました。

大丈夫か、私？
しっかりしたまえ。
究極の忘れん坊です。


ホリエ