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リスペクト(FF12・オウガバトルサーガ生みの親 松野氏退社に寄せて)

2006年09月12日 13時25分23秒 | 雑記

古の昔、
力こそがすべてであり、
鋼の教えと闇を司る魔が支配する
ゼテギネアと呼ばれる時代があった━━


私がゲーム業界に入るキッカケになったのは、
1本のゲーム、ただそれだけでした。

「タクティクスオウガ」

今でもファンが存在するオウガバトルサーガの第7章です。

良くも悪くも若さを、稚さを持て余していた私の
情熱の矛先がゲーム制作に向いたのは、そのソフトが
示した道しるべに沿って行こうと思ったからです。

サブタイトルは「Let Us Cling Together」(手をとりあって)。

リンク先にも書いてありますが、
オウガバトルサーガは全8章から成る物語と、
言われています。

ここで、オウガバトルサーガを語る上で
欠かせない存在、QUEENについて触れます。

HIVに感染して亡くなってしまった伝説的な
メインヴォーカル、フレディー・マーキュリーが
所属していたQUEEN。

何年か前のドラマでは主題歌に、
CMでもしょっちゅう使われています。

キムタク主演の月9ドラマ「プライド」では
「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」が主題歌に。

KIRINが発売した清涼飲料水「NUDA」の
CMでは「ドント・ストップ・ミー・ナウ」が。

中世ヨーロッパを舞台に、馬上槍試合で騎士の道を
駆け上がる若者らを描いた活劇、
映画「ROCK YOU」の冒頭では、
試合を観に来た民が「ウィ・ウィル・ロック・ユー」に
合わせて手を叩いたり足踏みをしたりしています。

コチラのページ、お馴染みWikipediaでザッと見たところで
30作品以上にQUEENの曲が使われています。

さて、話を戻しましょう。

彼ら……QUEENの曲を聴いた、
当時大学生だった松野氏がインスパイアされて
オウガバトル・サーガを書き上げたという逸話が残っています。

最近になり、ミュージックステーションで
日本好きだったフレディーが来日ライブで披露した曲が
「手をとりあって」だったことを知りました。

もしかしたらCDに収録されていないのかも、しれません。

ゲーム化されているのは第5~7章まで。
そして最後を締めくくる8章はサブタイトルが
決まっていると聞きました。

その名は「In The Lap Of the Gods...」。
"In The Lap Of the Gods.../神々の業"と
記載しているサイトもありました。

上記の話は全て、憶測が憶測を呼んでいることなので
信憑性については怪しいです。
どこまでいっても。

非常に詳しくまとめてあるサイトをみつけましたので、
リンクを貼っておきます。
その詳しさに驚きました。

分かっていること、幾つかの公式発表があった中で
私が非常に嬉しかったことを挙げますと、
やはりオウガバトルサーガの版権を
スクエニが買ったという点でしょう。

元々クエストという会社で松野氏がつくったこのシリーズの
版権はスクエニに買われたことにより、松野氏自身の手によって
続編が制作される可能性が発生したわけです。

……そのように思われたわけですが……。

残念なことに、重要なことが一つ
最近明らかになりました。

松野氏がスクウェア・エニックスを退社していたのです。
これもコチラで載っていますが、驚くべきことに
退社時期は「去年の」8月。

(この点はまとめサイトにも記載されています。
しかもサイト作成者さんはメールでスクエニに
問い合わせたことも書いてあります)

つまり……FinalFantasyⅩⅡ(FF12)の
ツメに、松野氏は全く関わっていないのです!!

確かにオープニングではシナリオ原案(プロットだったかな?)で
松野氏の名前がクレジットされています。

ここからはネタバレになるので、
FF12をクリアーしていない方の中で
これからプレイするつもり(または予定)の方は
読まないで下さい。

安全のため、ドラッグしないと読めないようにしてあります。
(よくある文字色を背景色と同じにするアレです)

mixiの松野泰己のファン・コミュニティで
最も多かった意見はリヴァイアサンが撃沈した後が
らしくなくなった……というものでした。

その後、ガリフの里ジャハラに行くわけですが、
そこの入り口でガリフに話し掛けると非常に淡白なイベントで
中に通されます。

あれれ? 演出が薄いなあと思っていたら以後、
それくらいの濃度でしか演出が入らなくなってしまうんですね。

違和感を感じながらもプレイしていると、
おかしな事が増えてきます。

途中でジャッジ・ドレイスが退場したり(刺されて死亡)。
皇帝が死んだけど、その真相は明らかにならなかったり。
いわゆる「途中退場組」ですね。

ストーリーに密接に関わっている筈の死都ナブディスが
クリアーするには行かなくて良いエリアになっていたり。

そういったエリアが幾つも存在します。
ゼルテニアン洞窟、ナヴレウス湿原、色々ですね。

また召還獣も非常に使いづらい、極端に言えば
使いどころのない存在になってしまっていたり。

無理やり使おうとすれば、召還した状態でゲートクリスタルに触れて
「HPが減らない」という仕様バグを利用することになります。
(ファミ通で立ち読みした程度ですが)

幾つも種類のある武器・防具の意味合いが薄かったり、
受けるダメージが防具の持つ防御力によってのみ決まるので
レベルを上げても余り意味がなかったり……。

しまいに必ずストーリーに関わってくる……筈、
だった部分が曖昧になったまま終了したり。

ヴェインは、ナゼ兄を殺し王家を守ろうとしたのか。
そしてその結果、皇帝を暗殺したのはヴェインなのか。

ジャッジ・ザルガバースはヴェインの命に従いドレイスを殺すことまで
容認したというのに、バハムートが墜ちた後は突然イイ人になるし。

ヴェインの兄と絡んでくるはずだった、ジャッジ・ゼクトは
レダスだったわけだけど、ああなる予定だったのか。

また人の世に関わり「命令」していた、神に近い存在
「オキューリア」は繭を切り裂かなかった
アーシェの決断を何故許したのか。

ドクターシドの心の移り変わりもまた曖昧。

そして「流れないなー」と思ってたアンジェラ・アキの
「Kiss me good bye」はエンディングで使われました。
たぶん挿入歌の予定だったんじゃないかと……。

ロザリア、関わるかと思いきやアルシドが
ハーレム見せて帰っていくだけだし。
そんなわけないだろ!?

FF12のアルティマニアにインタビューで載ってないなと
思ってたのでおかしいと思ったんですけど、とっくの昔に
居なくなってたとは。トホホ。


結局、何が言いたいのかといいますと
私だけでなく現在、ちょうどゲーム業界で働いている人間に
多大な影響を与えた人が既にいなくなっていたということです。

もちろん、公式発表はされていませんし
何処かの会社に属してゲームを作っているかもしれません。

でもスクエニの役員(取締役かな?)まで昇りつめといて
大人の事情で退社、そこから他の会社で
ゲーム作りの現場ってのも考えにくいかな、
って思うんですよね。

まだFF12に関わってたころ、@ラジの番組で
「テレビ番組の制作とかやってみたいですよね」って
言ってたので尚更、そういう想像をしてしまいます。

と、いっても上記の言葉は番組MCの
水口哲也さん(スペースチャンネル5の人です)が
「ゲーム業界、いつ引退します?」とかって冗談まじりに
ネタを振ってみたところ返ってきた回答だったので
本気かどうかはイマイチ……。

小説でゼテギネアやイヴァリースを描くには、ちょっと
それに対する収益が違いすぎるので
スクエニは認めないと思いますし。

映像でも何でもいいので、新しい松野ワールドを見てみたいと
切望する、元志望者なのでした。 



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