エウレカセブン「第七の幸運をもたらす宿」

人気アニメ「エウレカセブン」を愛し、ツッこみ、ゲスの勘ぐりでエピソードを読み解くブログです(ひでぇ)。リンクフリー。

第2話「ブルースカイ・フィッシュ」Blue Sky Fish

2005-04-24 07:30:00 | 各話ガイド(第1クール)


ニルヴァーシュとエウレカを追う、塔州連邦空軍のKLF部隊。そこへホランド率いるゲッコーステイトも現れる。エウレカは、ゲッコーステイトのメンバーだったのだ。空で繰り広げられる、激しい攻防戦。彼女に一目ぼれしたレントンは、リフボードに乗って空を飛ぶ。そして、アミタドライヴを必死の思いでニルヴァーシュに装着。すると、機体は光に包まれ、強大な力を発揮するのだった。深まるアミタドライヴと、ニルヴァーシュの謎。そして、再会したホランドとサーストンの間では、レントンの知らない二人の過去が語られる。【公式あらすじ】



・・・冒頭の墓参り回想シーンが印象的。アクセルは夢を追ったアドロックの末路を嘆きますが、ダイアンはアドロックの残した言葉「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん」を強く信じており、いつかレントンにもその言葉が分かる日が来ると言います。

前回の終わりでバイクで崖から飛び出したレントン。普通に引力にひかれて落ちます。落ちますが、アドロック経の念仏を繰り返し唱えることで(ウソ)、レントンのテンションは高まり、彼の強い意志がボードにトラパーを強くひきつけ、ボードは光を放ち始め、見事空に飛び立つことができるのでした。これを祝福するかのように現れるスカイフィッシュの群れ。

ニルヴァーシュに合流するべく、KLF部隊との戦闘に突入したホランド機とマシュー機。トラパー密度がうすい空域では、LFOが操縦しにくいらしい。軍のKLFは重装甲・重火器ながら、ロングボードの恩恵で高いスピードを保持しているとのことで、二機は苦戦を強いられています。ホランドがCFSを発動させようとした瞬間、激しい戦闘のさなかに、生身でボード一つで飛ぶレントンの姿を見出します。

最悪だ最悪だともらすばかりで、幸せをねだって待っていたレントン。彼はエウレカに出会い、自ら勝ち取りにいく少年へと生まれ変わったのです。肉薄するKLFを無我のカットバックドロップターンで回避し、ニルヴァーシュに追いつきますが、交差したときの風圧で飛ばされ、ボードから足が離れて落下してしまします。
これを見たエウレカは交戦中にもかかわらずニルバーシュをターンさせ、ボードの推進力に背部のブースター出力を加え、全速力で落下するレントンを追いかけ、先回りに成功し、見事コックピット内にキャッチします。



エウレカに抱きつき、「君のおかげでカットバックドロップターンができたんだ(自覚してたのね)」「君ってサイコー!」「君がスキだ大好きだ」とまくしたて、「俺がこの機体と君を守ってやる! このアミタドライブで!」とポケットからアミタドライブを取り出しします。
「これのために(こんなとこまで?)」と訝るエウレカ。レントンはおかまいもせず、「これをつければ悟りは開け、この機体は真に目覚めるんだ!」「だから! ・・・アミタドラーイブ・・・セーット、オン!」とポーズをつけて(鼻水を散らしつつ)、ソケットに挿しっぱなしだった彼のコンパクドライブに、勝手にアミタドライブを装着しました。
取り付けられたアミタドライブの触手がうごめき、コンパクドライブが泡立ち、コックピット内にまばゆいばかりの光があふれ出しました。

光がおさまり、レントンはコンパクドライブに光の玉が浮かんでいるのに気づきます。光の玉はレントンの見つめるなか、「EUREKA」の文字へと変化します。「えうれか・・・」とその文字をつぶやくと、悲鳴を発して意識を失うエウレカ。レントンがびっくりしてエウレカの体をゆさぶると、コックピットの電源が落ち、ニルバーシュのアイカメラも光を失います。がっくりと頭を垂れ、ニルバーシュは姿勢を崩し、ボードジョイントも外れ、そのまま自由落下してしまいます。コックピットでレントンは機体のコントロールを取り戻そうと必死になりますが、何の反応もありません。チャンスとばかりにKLF小隊が接近し、ニルヴァーシュに向けてミサイルを発射しました。迫りくるミサイル。死に物狂いで操縦桿をガチャガチャさせても依然反応しない機体。「ちょっと待って!」「俺の人生、14年で終わっちゃうの!?」「ちょ、ちょっと待ってー!!!」「うわぁぁぁーーーー!!!!」

    *    *    *

大破壊が起こったような戦場跡。爆心地を中心に十重二十重(とえはたえ)とめくれあがったような地形。無数の塩柱。散乱するKLFの残骸。敵もいなくなり、変わり果てたこの風景を見て、マシューは呆れ、ストナーは熱心に写真をおさめます。ホランドはエウレカのもとに行き、優しい笑顔で彼女に無事かと声をかけます。続けて、「アミタドライブに内蔵されていた悟りプログラムが、お前の、ニルヴァーシュの力をここまで解放させるとは・・・」と感想をもらします。
「違うわ」エウレカは答えました。「この力を解放させたのは、アミタドライブでも悟りプログラムでもないってニルヴァーシュは言っている」「本当に力を解放させたのは、このコのチカラなんだって」

ガレージ・サーストンに発掘屋のおじさんがクルマで駆けつけます。しかし、ガレージはミサイルによって破壊しつくされていました。アクセルが無事なのを見て、安堵する発掘屋。そこにニルヴァーシュが飛来し、着地しました。「レントン!」と叫び走り寄るアクセル。コックピットから出てきたエウレカに「レントンは、無事なのか!?」と叫びます。

上空を飛行する戦闘艦「イズモ」。そのブリッジでは艦長のユルゲンスが、次なる攻撃をかけようとしていました。それを制止しようとするドミニク。しかしユルゲンスは、KLF2個小隊を失って手ぶらでは本隊に合流できない、と聞きません。ドミニクは権限を行使して、情報部のデータベースを開示するのと引き換えに、艦載の高速艇を一機徴発し、イズモ艦から離れます。ドミニクの去ったイズモ艦では、彼が去り際に開示した情報部のデータベースをもとに、ベルフォレスト空港に未確認の船舶がいることをつきとめ、そこに急行する決定がなされます。



発掘屋のおじさんは、ガレージの瓦礫の山にビークルモードのニルバーシュを隠し、軍に見つかるまえにずらかれと、レントンとアクセルにアドバイスして去ります。レントンはニルヴァーシュの傍らで、幸せそうな顔で眠りこくっていました。無茶をしたレントンを褒めるアクセルのことを不思議に思うエウレカ。アクセルは、エウレカが子供をもてば理解できるようになるだろうといいます。そこにホランドがボードで現れました。ボードから降りて、そのままアクセルに「ご無沙汰してます」と頭を下げるホランド。「まさか・・・再びお目にかかる日が来ると思いませんでした」

「どのツラ下げてきやがったんだ、えぇ? ・・・ホランド」アクセルはホランドに厳しい態度をとります。「そうやって毎回お前はワシの生活をムチャクチャにしていく。とんだ疫病神だ」アクセルは、かつて「二度と顔を出さない」と約束したホランドが、ニルヴァーシュとともにこの地にやってきたことから、ホランドの気持ちを察しているようでした。「・・・決心したのか?」と思わせぶりな発言をします。「こうなっちまった以上、わしらがどうなろうと、それなりの責任は取るしかあるまい」「だが、わしはレントンだけはに普通の幸せを与えてやりたいんじゃ」

レントンに普通の幸せを与えてやりたいと口にしたアクセルに、ホランドの態度が変わります。普通の生活をレントンにおくらせたいと言いながら、アミタドライブを隠し持っていたアクセル自身こそ、そんなことを信じてはいなかったのだと。
口論の途中から目覚めていたレントン。そばにいたエウレカに、なぜ父親があんなものを作っていたのか、なぜ祖父がそれを隠していたのか、なぜこんなことに巻き込まれたのか分からないともらします。そして、これから何をしたらいいのか分からないとも・・・。そんなレントンに、ホランドが歩み寄り、「(これからどうするか)決めるのはおまえ自身だ」と声をかけます。「目の前にある波を、生かすも殺すもお前次第」と、たとえを交えてレントンに今チャンスが開かれていることを気づかせます。
あこがれのホランドをはじめて目の前にするレントン。「ほ、本物だ・・・」

レントン、アクセル、ダイアナの3人が写っている写真を瓦礫の見つけるホランド。しばらく写真を見つめてから、振り返ってレントンに向かっていいます。「答えなら、もうでてるんだろ?」「お前は波を信じた。でなければ、カットバック・ドロップターンなんてできやしない」
ホランドは続けます。「結果的に、お前は世界を信じたんだ。そして、世界が応えてくれた」「昔俺の師匠が言っていた。『ねだるな、勝ち取れ。さすれば与えられん』」
ホランドの口から父親の口ぐせを聞いてハッとするレントン。
「お前の本当に信じているものはなんだ。お前はニルヴァーシュの中で、何を信じたんだ」ホランドの問いかけに、あのときのことを振り返るレントン。

     *     *     *

・・・ミサイルが直撃しようとしたそのとき。コンパクドライブに「EUREKA」の文字が輝き、エウレカが後ろからレントンを抱きしめていいました。「大丈夫。・・・私を信じて」
レントンはそのとき思い出したのです。ダイアンと別れるときにも、コンパクドライブにその文字が浮かび上がっていたことを。レントンは自分が何を信じるべきかをハッキリと悟りました。
墜落したかに見えたニルヴァーシュですが、内から発するエネルギーが球体となり機体を包み、さらには虹色の波動を周囲の空間へと放出しました。そこに降り注ぐミサイル。
イズモ艦のレーダーにはニルヴァーシュが撃墜されたように表示されましたが、実際はそうではなかったのです。いち早く異変を察知したホランドが、マシュー機に退避
するよう命じました。「・・・来るぞ! 『セブンスウェル』が・・・!!」

ミサイルの爆発で生じた黒煙が光の球体に吸い込まれていったかと思うと、次の瞬間、光の球体が爆発的に膨れ上がり、激しい勢いで地表を削っていきます。それとともに、七色の光輪をともなった極太の光の柱がたちのぼりました。そして、さらなる爆発的なエネルギーが解放されます。
「何事だ!?」驚きに包まれるイズモ艦のブリッジ。「撃墜地点より、未確認の粒子現出! トラパー領域、急速拡大!」ドミニクは通信士の報告を聞きレーダーを見つめます。そこには、異常なエネルギー分布が映し出されていました。「まさか・・・これが・・・セブンスウェル現象だというのか・・・!」



ニルヴァーシュが引き起こした、この大規模な現象は、遠くはなれた地点からも観測することができました。よく見ようと、学校の屋上に集まった全校生徒。みな、あまりの光景に無言でこれを見つめています。アクセルも同じ光景を、ガレージ跡で目にしていました。「これは我々を破滅させ、死を導く光だ。しかし・・・なんと美しい」

その双眸を輝かせ、ニルヴァーシュが動き出しました。赤いオーラを噴き出しながら、KLFを次々と破壊していきます。手でつかみ裂き、蹴りで切り裂き、ボードで真っ二つ。その凄まじい戦闘力は、ストナーの表現通りに、まさしく鬼神そのものです。瞬く間にKLF小隊を全滅させたニルヴァーシュは、地面に降り立ち、空を仰ぎ見ました。そのコクピットでは、レントンとエウレカが意識を失っていました。

     *     *     *

ホランドの問いかけに、レントンはあのときエウレカを助けたいと思ったことと、その思いを信じろとニルヴァーシュに言われたような気がしたことを思い出します。信じることで、その証明になると思ったその気持ちを・・・。レントンの説明に、「証明したいんなら、一緒に来い」と彼を誘います。「それを彼女も望んでいる」レントンはエウレカが自分のことを見つめているのに気づきました。

そのとき、突然サイレンが鳴り始めました。外出禁止令です。ガレージの上空をイズモ艦が横切りました。その行き先はベルフォレスト空港です。「思ったより早かった!」ホランドは叫んで、無線を使いにニルヴァーシュへ走ります。あとには、レントンとエウレカの二人。「ねえ、いっしょに行こう」エウレカはレントンの手を両手でにぎり、そういいました。「キミじゃないと、ダメみたいなの」その言葉を聞いて、アクセルの代わりにアミタドライブを守ろう、もう一度エウレカを信じようと、レントンはその手を握り返しました。



【今週のみどころ、ツっこみどころ】
●アドロックの墓の形。まんまコーラリアン雲に見えるんですが。槍みたいなのが刺さってるのは、コーラリアンに戦いを挑んだ者、という意味か(世間的に)? もしくは、コーラリアン雲から違う世界へ飛び立っていった様子をあらわしているのか?
●ボードで飛べるなら、崖の手前でバイクを止めてから飛び出せばいいと思いました。演出ですね。そうですね。しっかり感動しましたとも。
●「あーい、きゃーん、ふらーい!」・・・って、ホントに言ってるし。いいのか(苦笑)!?
●飛び立つスカイフィッシュの群れに1匹だけピンクのやつがまぎれてます。ここでボンバー撃てば大量ボーナス得点がはいりそう・・・。
●ストナーがカメラを構えていましたが、ちゃんとレントンのカットバックドロップターンを撮れたのか、すんごく気になります。いつかray=outに載せてほしい。
●ニルヴァーシュのレーダーで「危険」と認識されたレントン(笑)。想定外の未確認ターゲットだから警告表示されたとは思うんですが(笑)。
●落としたボードがいつの間にか手元に戻っているいる件。きっとセブンスウェルが落ち着いたあとで、探して回収したんだ。
●実は出会いがしら(収容されてすぐ)に「俺はきみのことが好きなんだ!」とあっさり告げている件。2回も繰り返してるし。エウレカも「好き?」と聞き返してるあたり、ちゃんと聞き取ったようですが、この時点では「好き」という感情を知らなかったみたいで、きょとんとしています。ともあれ、これがレントンの初告白。鼻水出てるけど。
●ニルヴァーシュの2-DINタイプスロットのアップ。しっかりと「魂魄」の文字が!
●迫り来るミサイルを見て、ナイトストライカーを連想してしまった人もいるのでは。





【初登場人物】
●発掘屋のおじさん(前回は電話の声だけ)
●レーダー手(石ノ森章太郎チック)

あとは第1回と同じメンバーだけで話が進んでいきます。



 【伏線とか】
●CFS。コンパク・フィードバック・システムか。ロングボード装備KLFのスピードに対抗すべく、ホランドが発動させかけた。コンパクドライブが赤い輝きを放ち始め、なんだかヤバげなモード。乱入してきたレントンのせいでおあずけ。マシューが「そりゃムチャだぜ!」とさわぐあたり、限界を超えてLFOを稼動させるハイリスク・ハイリターンのハイパー化のようなものか。
●スカイフィッシュの群れがレントンについていくのを見て、ホランドは何かを感じた様子。レントンの強い感情にひかれてスカイフィッシュが追従している印象を受けるが、後のエピソードから考察すれば、スカイフィッシュに選ばれたこと自体、ホランドが彼を特別視した理由なのかもしれない。
●「セブンスウェル」現象。今回はこれに尽きます。七つの光輪をともなって立ち上る膨大な光の柱。大きくえぐれた地形、後に残った無数の塩柱。何だかわからないけど、何だかスゴイぞ・・・みたいな(笑)。
●マシューに姫と呼ばれたエウレカ。それが揶揄なのか、本当にどこぞの王族の娘なのかは、現時点では何ともいいようがないのであった(笑)。
●ホランドに「決心したのか?」というときのカットが、アミタドライブを装着したコンパクドライブ、そしてそれを見つめるエウレカ。この作品ではこういうカット一つとっても、物語の伏線につながるような感じがします。
●ホランドが看破したアクセルの心情。普通の幸せを与えたいといいながらアミタドライブを隠しもっていたのは、いつかレントンにアドロックが正しかったことを世間に向けて証明させる気持ちがあったからなのか。




【判明した事柄・世界観】
●スカイフィッシュ。なんかぱたぱた飛んでるやつ。ミステリー番組によく出てくる、超スピードで飛ぶ未知の生き物とは、遠い親戚にあたる(ウソ)。
●冒頭の墓参りシーンはアドロックが消えてから4年と少し経った時点。教科書にまで載っているというのに、すでに墓参りに訪れる人はいないらしい。
●セブンスウェル現象は、単純構造のライター(ジッポみたいな電子部品を内蔵してないタイプ)までおかしくしてしまうもよう。誰か説明してくれー!
●情報軍士官のドミニクはオブザーバーとして、ニルヴァーシュを追う空軍のイズモ艦に搭乗していた。



【まとめ・整理・考察とか】
●セブンスウェル現象は、その光の噴出で地形を大きく変えはしたものの、実際にKLFを全滅させたのは驚異的な戦闘力を見せたニルヴァーシュ。セブンスウェルに巻き込まれたホランド機とマシュー機は破壊されず、ニルヴァーシュの回収に成功している。
●アドロックが作ったアミタドライブを持つ(発現させる)には資格がいるらしい。選ばれた素質? それはアクセル、レントンであって、決してホランドではないというアクセル。最初にエウレカに渡してホランドに届けようとさせたクセに(笑)。まあ、他に託せる人がいなかったそうですから。