お城でグルメ!

ドイツの古城ホテルでグルメな食事を。

トリエステ

2025年03月13日 | 旅行

トリエステはイタリアの北東部、アドリア海とスロベニア国の間の細長いイタリア国土にある港湾都市です。古い歴史がある町なので、興味がある人はGoogleってみるといいでしょう。

  

トリエステ 1 & 2

  

トリエステ 3 & 4

 

トリエステ 5 

私たちはここで8日間過ごします。

  

我々のアパートメントからの景色 (昼 と 夜)

劇場など、ローマ帝国時代の遺跡の他、大変に栄えた過去の名残の立派な目を見張るような建物がたくさんあります。

  

ローマの遺跡 1 & 2

  

トリエステ 6 & 7

  

トリエステ 8 ・ トリエステのイカ釣り漁船

さらに見事な広場もいくつかあるのです。そしてその間には中世の雰囲気を醸し出している小道が複雑に入り組んでいます。レストラン、バー、カフェ、アイスクリーム屋が軒を連ねる通りを外国人を含む大勢の観光客がそぞろ歩きをしています。男性も女性もほぼみんな半ズボンか3/4ズボンや短いスカートをはき、上半身はTシャツやタンクトップ。中にはファッション性に富んだ夏ドレス(?)を身に着けた女性もいます。日差しは強いのですが、涼しい風が心地よいのです。

  

トリエステの駅 ・ トリエステの郵便局

ところで、この町には「ハリーのピッコロ」という名前のミシュラン一つ星を持つレストランがあるのです。それでトリエステ滞在中に夕食を食べに行こうと思っていました。が、山歩きをした後で少しだけ良い服装をして夜出かけるのが煩わしくて、プランBを採用することにしました。つまり、同じ経営の「ハリーのビストロ」で昼食をとったのです。

  

ハリーのレストラン ・ レストランのテーブルからの景色

この街で一番有名な広場に張り出した屋外のテーブルにつきました。飲み物は白ワインとノンアコールのビールとミネラルウォーターです。

最初に出てきたパンはあまり食べずに、翌朝の朝食にするために持って帰りました。

  

テーブルセッティング ・ パン

妻の前菜は胡麻マヨネーズで食べさせるマグロのタルタルステーキとウイキョウのサラダです。皿にはオレンジのかけらものっており、オレンジの風味をスプレーで振りかけました。少し味が薄めですが新鮮なマグロが美味です。

  

マグロのタルタルステーキ ・ ホタテ貝のたたきのカルパッチョ

私の前菜はホタテ貝のたたきを使ったカルパッチョで、その下にいろいろあります。パン切れ、オリーヴ、ケイパー、赤タマネギ、オレガノ、ラディッシュ。この料理が特に美味しいのです。パン切れはパリパリで、他の食材と一緒に口に入れると不思議な食感です。

妻はメインディッシュとして本日のおすすめのスパゲッティを注文しました。乾いた魚卵を細かく削って上にかけているサルデーニャ風だそうです。ベースはトマト味ですが、複雑な味に仕上げています。

  

スパゲッティ ・ 味噌漬け魚

私も本日のおすすめ料理にしました。味噌に漬けていた何かの魚を焼いて、味噌ソースをかけています。以前スペインで体験したように味噌をそのまま使うのではなく、味噌の風味を残したままいろいろ工夫しています。

思ったよりも量が少なかったのでデザートも頼みました。妻はティラミス、私はパンナコッタです。

  

ティラミス ・ パンナコッタ

「ビストロ = 小レストラン」にもかかわらず、ちゃんと英語ができるスタッフが居ます。メインディッシュが終わった後、テーブルにこぼれたパンくずを取り除いてくれます。ナプキンを椅子に置いてトイレに行って帰ると、ナプキンを畳み直してテーブルに置いてくれています。これらは結構良いレストランの特徴ですね。

値段はもちろん “普通の“ ビストロよりずっと高いのですが、妻も私も大満足でした。ミシュラン一つ星を持つ「ハリーのピッコロ」の方はもっと美味しいのでしょうが、次の機会にします。

 

〔2019年7月〕〔2025年3月 加筆・修正〕

 

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サン ・ ジュスト城塞

2025年03月08日 | 旅行

サン・ジュスト城塞は、15世紀から17世紀にかけてイタリアの北東部にあるトリエストの市街地を望む丘陵に建造されました。

この丘陵は青銅器時代から紀元前1000年頃の鉄器時代に、ある種の砦として使われていたと考えられているそうです。そして紀元前2世紀には軍事拠点が設けられました。さらに1世紀前半には寺院が建てられ、2世紀にはバシリカ(古代ローマの建築様式のひとつ)が建造されました。

時は過ぎ、14世紀後半にトリエステはオーストリアに併合されました。そしてトリエステの街の自衛のために、この丘の上にサン・ジュスト城塞が建設されたのです。その後次々に増築が進み、17世紀の中頃完成しました。完成後18世紀中頃までオーストリア軍の指揮官の居城として使われていましたが、その後牢獄などとして使われることもあったとのことです。

  

城塞 1 & 2

  

城塞 3 ・ 城塞内の寺院

  

寺院の内部 1

  

寺院の内部 2 & 3

丘陵の地下は複数階ある広大な駐車場で、市街から城塞のある頂上までエレーベーターで行けます。そうでなければ、石畳みで急こう配の道をテクテク歩いて行くことになるのです。

午前中トリエステ市内を観光で歩き回った後、繁華街のビストロで昼食をとりました。妻も珍しくノンアルコールのビールを注文しました。昼間なので一品だけです。

 

アルコールフリーのビール(ドイツ産)

妻が注文したのはカルボナーラ・スパゲッティです。上に削りチーズを振りかけています。カルボナーラとはパスタ用ソースの一種で、「チーズ、黒コショウ、グアンチャーレもしくはパンチェッタ、鶏卵を用いる」 そうです。美味しくて、本来少食の妻がペロリと食べてしまいました。

  

カルボナーラ・スパゲッティ ・ ニョッキ と グーラッシュ

私のはニョッキとグーラッシュ (ハンガリー風シチュー) で、やはり上に削りチーズ。グーラッシュに微かなピリ辛風味があり、特に美味しいというのではないけれど、結構でした。

満足のいく昼食でしたが、炭水化物の一品料理にパンが出てきたのは奇妙でした。日本だとラーメンライスといったところでしょうか。

  

パン ・ エスプレッソ

食後にエスプレッソを飲みました。この店のは少し酸っぱくて私の好みではありません。

 

ティラミス・アイスクリーム

そして午後の市内散策の途中でアイスクリームを食べました。妻も私もティラミス・アイスクリームです。店の前の屋外に座ったのですが、ちょうど夕立の前兆の風が吹き始めて気温が下がってきたのです。もっと高い気温だったらさらに美味しく食べられたでしょう。

  

〔2019年7月〕〔2025年3月 加筆・修正〕

 

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ドロミーティのアッレゲ

2025年03月04日 | 旅行

ドロミテとも表記されるドロミーティはイタリア北東部にある山地で、東アルプス山脈の一部です。その真ん中あたりにアッレゲ湖という小さなせき止め湖があり、湖畔にある人口約1300人の町がアッレゲです。我々の夏休みの第一週目をアッレゲの南隣にあるマザレという、やはり湖畔の集落で過ごしました。

  

アッレゲ  マザレ

 

アパートメントからの景色

アッレゲはひっそりした田舎町だと思っていましたが、トレッキングや登山をして休暇を過ごす人で賑わっています。イタリア人はもとより他のヨーロッパ人、アメリカ人、東アジア人もたくさんいます。中でも意外だったのは、個人とグループ合わせて10人以上の日本人に会ったことです。なんでも、日本では最近それほど有名でない地方で山歩きをするツアーがあるそうですね。アッレゲからケーブルカーを乗り継いで山頂に行くと、そこはリフトが数基あって別の谷にも降りて行ける大スキー場です。我々が知らなかっただけで、特にスキーをする人には有名な町なのかもしれません。

  

ドロミーティの山々 1 & 2 

  

ドロミーティの山々 3 & 4 

  

ドロミーティの山々 5 & 6 

アッレゲを含むこの地域では、昨年秋の集中暴風雨のせいで木が倒れているところがあちこちに見られます。復旧作業を進めているようですが、いくつかのトレッキングコースが進入禁止になっています。もっとも、他にたくさんのコースがあるので困りませんが、、、、、、。

  

暴風雨の後 1 & 2  

歩いていて、時々エネルギー補給のために甘いものを口にします。極限まで疲れたときはホットチョコレートが効果抜群ですね。どこの山小屋でも本当にチョコレートを溶かして作っているのでドロドロで、それに砂糖を入れて飲むのです。

  

ホットチョコレート ・ クッキー

ドロミーティ名物のクッキーはビスケット生地の上に白チョコレートとクルミがのっています。チョコレートとクルミが混ざり合って良い味になるのです。

クルミと蜂蜜入りヨーグルトは良い組み合わせです。この辺りはクルミがたくさんとれるのかな?

  

クルミ と 蜂蜜入りヨーグルト ・ ラズベリー と ヴァニラアイスクリーム

温かいラズベリーのコンポートにヴァニラアイスクリームをのせて、黒蜜を少しかけています。

私たちが滞在しているのは自炊ができるアパートメントですが、たまには、ということで、ミシュランガイドに「値段の割に美味しい店」と記載されているレストランで食事をしました。イタリア人の団体客がいて、かなりの喧騒です。大声を出さないと妻と意思疎通ができない程です。

 

レストランの内部

そのイタリア人団体客に供されている日替わりメニューを我々も注文しました。サーヴィスが早いだろうし、使う食材が新鮮ではないかと思ったからです。

飲み物はミネラルウォーターと、妻は赤ワイン、私はアルコールフリーのビールです。このビール、私が自宅で飲んでいるドイツ産です。

  

飲み物 ・ パン

いろいろな種類のパンが出てきましたが、供される料理が多そうなのでパンは全然食べませんでした。

前菜はサラダのビュッフェなのですが、サラダ用生野菜各種の他に野菜などに色々と手を加えた、よく前菜として食べるイタリアの小料理もあります。これが種類豊富で美味しそうなのです。それで生野菜を取らずにこれだけを取りました。イタリアの味覚満載で旨い。

  

妻の前菜 ・ 私の前菜

プリモ・ピアットは3つの料理の中から選びます。

妻はベーコンとコショウ入りパスタにしました。茹で加減が大変よろしく、シンプルな料理ですがトマトが特に美味しいのです。

  

パスタ ・ ニョッキ

私はニョッキ (パスタの一種で、ジャガイモと小麦粉で作った団子) に鹿肉のラグー (煮込み) をかけた料理を選びました。少々冷めているのが残念ですが、ソースが少し甘く美味しい。

セコンド・ピアットも3つの中から選びます。妻はラム肉にしたかったのですが売り切れなので、七面鳥のグリルにしました。私も同じです。七面鳥の肉を薄く延ばして炭火焼きにしてそれにレモン汁をかけるだけの料理ですが、シンプルでさっぱりしていてたいへん結構。付け合わせのほうれん草は薄い塩味で、表面をオーブンで焼いたマッシュポテトは少しパサパサです。いち部のイタリア料理のようにクリームとオリーブ油がべっとりではなくて軽いのが良いですね。

  

七面鳥のグリル 

  

アップル・ストゥルーデル ・ スイカ

デザートは生暖かいヴァニラソース添えのアップル・ストゥルーデル (アップル・パイ?) です。私はオーストリアの山岳地方に行った時によく食べるのですが、この店のも同じく旨い。

それに加えてスイカのデザートも出てきました。ドイツで食べるのより甘いのです。

谷がいくつも合流していて、遊べるところが多い割にあまり混んでいない。そして山頂に行くケーブルカーが近くにある。アッレゲはこれらの条件を満たす町です。

 

〔2019年7月〕〔2025年3月 加筆・修正〕

 

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ゲッツェンブルク城館

2025年02月28日 | 旅行

このお城の起源は15から16世紀にまでさかのぼります。その後何度も改築や増築を繰り返しましたが、非常に大規模な最後の工事は19世紀の後半になされました。現在フォン・ベルリヒンゲン家の所有で、アレクサンドラという男爵夫人と賃借り人の家族が住んでいるそうです。

  

城館の遠景 ・ 城館 1

   

城館 2 & 3

このお城がゲッツェンブルク城館と呼ばれるようになったのは比較的最近のことで、以前はヤンクストハウゼン城塞という名前でした。名前が変わった理由に、あの文豪、ヴォルフガング・フォン・ゲーテがからんでいるのです。

ゲーテは18世紀の後半にこのお城に滞在し、史実の人物であるゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンを題材にした「鉄の手のゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン」という戯曲を書きました。その戯曲はドイツ中の注目を集め、ゲーテの名を一躍有名にしたのです。その縁からヤンクストハウゼン町では1950年以来このお城で毎年夏のシーズンに演劇祭を催していて、このお城を「ゲッツェンブルク = ゲッツの城塞」と呼んでいます。

ところでこの地域ですが、すでに西暦2世紀には戦略的に重要な古代ローマの出城があり、辺境防壁を警備していました。この辺境防壁は今でもその一部が残っています。ヤンクストハウゼン町が古文書に初めて現れるのは11世紀の末で、中世から近代にかけて栄えていたらしく古い立派な建物や教会があります。20世紀の初頭には鉄道の駅が出来、水道管と電線が張り巡らされました。

  

旧市庁舎 ・ 「白いお城」

 

「赤いお城」

ゲッツェンブルク城館・ホテルでは「素晴らしきお城の夢」というプランを予約しました。このプランに含まれるのは、1泊、朝食ビュッフェ、アペリティフと4品のコースメニューです。

今は水がないお堀にかかる小さな橋を渡って登城するとそこは中庭なのですが、仮設の劇場が造られています。

  

城館の入り口 ・ 中庭の一部 (仮設劇場ではない)

夏の3か月間、ここで頻繁に演劇が披露されるそうです。演目はキャバレー、アイダ、魁傑ゾロ、ロビンフッドなどの有名なものの他、無名な (私が知らない) ものもたくさんあります。

お城は城塞の原型をかなり残している建造物で、階段と廊下が狭く内部が入り組んでいます。

 

ラウンジ

私の部屋も床がギシギシ鳴るし、家具が超古いのです。特に、錠前がオリジナルでしょうか、複雑で扱いが難しい。窓ガラスは原型でしょう。昔はガラス板を作る技術がなくて、瓶の底のようなガラスを組み合わせていました。天井が高くて寝台に天蓋が付いています。一方洗面室はたいへん現代的で、使い勝手は良いのですが少々違和感があります。私の部屋はゲーテが上述の戯曲を書くために長期滞在した部屋なのだそうです。そういえば、彼の肖像画がベットの横の壁にかけてあります。

  

私の部屋 ・ 錠前

  

窓ガラス ・ ベッド

 

ゲーテの肖像画

さて、夕食は騎士の間 (騎士の居城中の大広間) ではなく、増築したと思われる比較的新しい部屋です。予約したプランの4品メニューですが、プランと関係なく注文すると28ユーロ (約3500円) だそうです。廉価なのであまり期待は出来ないでしょう。

 

騎士の間

  

レストラン ・ テーブルセッティング

アペリティフはキール・ロワイヤルのカクテルにしました。もちろんアルコール分があり、頑張って飲んだら酔っ払ってしまいました。

  

キール・ロワイヤル ・ クリームバター と パン

さっそくクリームバターとパンを持ってきた給仕のおじさんは40年の経験があるそうで、張り切っています。でも少しガチャガチャしていてしゃべりすぎです。

コースはフラーデン (パン、菓子などの切れ端) が入ったコンソメスープで始まりました。ウェイターのおじさん、本当に職歴40年なのかな? まだアペリティフを飲んでいるのにスープを持ってきました。スープは旨味がなくて塩辛い。

  

コンソメスープ ・ ミックスサラダ

次はコースメニューの一品としてどうかな? と思うのですが、ミックスサラダです。葉っぱがたくさん、ニンジンと大根の千切りが少しで、たっぷり過ぎるドレッシングとバルサミコ酢がかかっています。そのドレッシングがどぎつくて酸っぱいのです。その上量が多くて全部食べるのに苦労しました。

メインの料理は3種類から選べるようになっていたので、私は「肉汁ソースをかけて茶色に炒めた玉葱をのせたステーキのシュペッツレ添え」にしました。シュペッツレとはこの地方の食べ物で、小さく切って塩茹でしたヌードルです。肉は私の好み通りに良く焼いてもらったので少し硬いけれども美味です。肉汁ソースが私には少し濃すぎるようです。シュペッツレと炒め玉葱はなかなか結構です。

  

主菜 ・ デザート

前菜のスープは早すぎたのにデザートが出て来るのが大変に遅い。その上デザートはパンナ・コッタであるとメニューには書いているのに、供されたのは明らかにブリュレでした。パンナ・コッタは卵を使用せず、生クリームと牛乳、そして砂糖を加えたものをゼラチンで固めているのに対して、ブリュレは生クリームに卵黄と砂糖を加えて作ります。さらに、上にのせた砂糖を焦がしてカラメルにするのが特徴です。ブルーベリーとイチゴはさわやか。

昨夜と同じ部屋で朝食です。コーヒーがポットに入れてあってテーブルに置きっぱなしにしているので冷めています。同じようなシステムのレストランは時々ありますが、コーヒーがこれほど冷めているのはまれです。もっとも、カプチーノやエスプレッソを頼むと熱いのを持ってきます。私が朝食によく食べるフルーツサラダがないのが残念です。

 

私の朝食

人口1800人の町も含めて中世の歴史をじっくり感じられる面白い城館ホテルです。ただ、飲食に関してはあまり期待しないほうがいいかもしれません。

 

〔2019年7月〕〔2025年2月 加筆・修正〕

 

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バンベルク宮殿

2025年02月25日 | 旅行

レーゲンスブルクに講演に行く途中でバンベルクに一泊しました。旧市街がユネスコの世界遺産になっている町です。

  

バンベルク 1 & 2

 

バンベルク 3

こんにちバンベルクで「宮殿」と呼ばれる建物は、18世紀の後半に大学病院として建てられました。当時としてはヨーロッパでもっとも現代的な病院だったそうです。その後教育病院としての役割を終えて、19世紀前半に市民病院になりました。そして20世紀の後半、別の場所に新しい市民病院が出来たときから5年間、今度はホテルとして再利用されるようになるまで、この建物は全く利用されていませんでした。ホテルが開業して建物の改装が進むにつれてだんだんと客室の数が増えていき、今では184の客室とスイート、10 のセミナールーム、レストラン、カフェ、リラクゼーション施設、そしてバロック風の礼拝堂がある、この町で最大のホテルです。

   

宮殿の正面 ・ 中庭

  

玄関 と 噴水 ・ 礼拝堂

ホテルの内部には昔病院だった痕跡があちこちに見て取れます。例えば、廊下は広くて殺風景。ただ、こんにちの病院に比べて各部屋への入り口が狭いですね。昔のベッドは小さかったのかな?

  

階段 ・ 廊下

私の部屋はデラックス・ダブルなので広く、天井も高くて良い部屋です。でも暑い日なのにクーラーがなくて扇風機だけだし、使い込んだバスローブのひもがボロボロなのです。

  

私の部屋 1 & 2

ロビーに入り口があるレストランに夕食に行くと、人でごった返していて騒がしい。聞くと、会社ジーメンスのセミナーの参加者だそうです。かなり大勢いてバイキング形式で夕食をとっているようで、酒も入っています。驚いたのは、半分くらいがアジアの人々なのです。中華系ですがどこの国民かは分かりませんし、ドイツの会社で働いているのか、わざわざドイツに来たのかも分かりません。人数が多いので、おそらくセミナーのためにドイツに来たのでしょう。そういえば、ジーメンスは戦前から中国と関係が深かったですね。

  

レストランの入り口 ・ 内部 (朝食時)

予約していたテーブルについて、先ずはノンアルコールのヴァイツェンビールです。パンと自家製ゴマバターが出てきました。ゴマバターといってもバターに黒ゴマを混ぜているだけで、ゴマを噛めばその風味が少しします。

  

私のテーブル ・ パン と ゴマバター

前菜に、新鮮な香辛料入りアスパラガス・ラグー(フランス風のシチュー)で満たしたパイを注文しました。ネギは薬味のつもりかな。この国では珍しく、たくさんの生ネギを散らしています。メニューには「緑色と白色のアスパラガス」と書いてあるのに、使っているのは白アスパラだけでした。緑色もあったら美的によかったのに、、、。そしてラグーですが、きめが粗くて味も薄くてあまり美味ではありません。

  

アスパラガス・ラグーパイ ・ アスパラ料理 

6月はアスパラガスの旬なので、メインディッシュもアスパラ料理にしました。この地方で産出された白アスパラガス (250g) で、何を付けるかを、生ハムと茹でハム、サーモン (160g)、ウィーン風シュニッツェル、子牛の背肉のステーキ (160g) の中から自分で選べます。私はウィーン風シュニッツェルにしました。牛肉を薄くたたいて衣をつけて揚げた料理です。このアスパラガス。悪くはないのですが、シーズン中に私の自宅近くに幾つも立つアスパラ専門屋台で買うそれの方が美味しいような気がします。ハノーファー近郊はアスパラガスの生産で有名なのです。

ドイツ人はアスパラが大好きで、専用の湯で鍋があるほどです。人気のあるソースはホランデーゼといいますが、原料はバターとレモン果汁と卵黄で、塩と少量の黒コショウまたはカイエンペッパーで風味付けをします。

このレストランではホランデーゼ又は溶かしたバターを選べるようになっていて、私は、かなりカロリー値か高いにも関わらず、ホランデーゼにしました。本来美味しいソースなのに味があまりしません。スーパーで売っている出来合いのソースをそのまま出したのでは、、、と疑ってしまいます。同じ皿上のポテトは結構旨いのですが、ウィーン風シュニッツェルに絶望感を覚えました。というのは、衣の油をよく切っていないのか、アスパラの茹で湯が浸透したのか、衣がベチャベチャなのです。ああ、日本のトンカツの衣のパリパリ感がなつかしい。「ウィーナー・シュニッツェル」ではなくて”ウィーン風”シュニッツェルなので子牛の肉ではないのでしょう。やわらかくないし味自体も良くありません。

食事が不満足だった上に周りがうるさいので、そそくさと部屋に戻りました。部屋で、エスプレッソを作る器械を使って食後のコーヒーを飲んだのです。

  

エスプレッソ ・ 朝食

朝食も同じレストランだったのですが、もうセミナーが始まっている時間だったので普通の泊り客だけしかいなくて静かでした。外はいい天気で、ホテルの玄関の前の噴水を眺めながらの朝食。パンの種類が少なかったようですが、私がふつう食べるものは全部ありました。

このホテルはウェルカム・ホテルチェーンに組み込まれていて、ビジネスホテル風の接客をしているようです。歴史を意識した格調の高さがなくてレストランのレベルも低く、私はある程度期待していたのですが裏切られたような気がします。残念。

 

〔2019年6月〕〔2025年2月 加筆・修正〕

 

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