昨日の乗り鉄読書旅行・・・本当は誰もいない砂浜の木陰で海を眺めながらパラパラと本のページを捲っていたかったのですが,気まぐれ旅で何処でという目的が無かった為,車窓に海が見えたら降りてみるか・・・という意識でした。あと日帰りの各駅停車の旅なので熊野市駅が限界かなと思っていました。意外と山岳系路線で海は殆ど見えません。新鹿駅を過ぎたところで美しい砂浜が広がっている事に気がつく。
本音はここでした~ 悔し紛れに車窓から写真を1枚撮っておきました~
南紀の海はホントに綺麗でしたよ
戻ろうにも列車は凡そ2時間に1本程度しか来ません。似たような浜が有るかもと思い次の波田須駅で下車。逆にここは磯浜ですね。海辺に降りる雰囲気でもなかったです。駅に降り立ったのは私一人・・・乗る人も人の気配もなく潮騒と鶯の声がだけが聞こえる静かな駅でした。駅の目の前には紺碧の磯が広がります。海風が心地よい。
見渡せば何も無く・・・駅前には熊野古道の案内看板が有りシゲシゲ読んでいると世界遺産登録部分があると書いてあります。熊野古道って全体が世界遺産に登録されているわけでは無いんですね。歩いてみて致し方ない理由がわかったのですが。徐福の宮や弘法大師の足跡とされる御足跡水や鎌倉期にできた最も古い部類とされる世界遺産の石畳古道・・・等々面白そうな名前がいっぱい出てきます。いずれも片道2~3km程度でいつも歩いている距離考えれば楽勝と思い街歩き(集落歩き)兼ねて駅前通りを登る。
程なく自分の考えが甘かったことに気づく。歩きはじめて気がついたのですが波田須の駅は集落の一番崖下みたいなところに有り逆に集落の一番上を国道311号が走ります。典型的なリアス式海岸の崖貼りつき集落ですね。上の国道までどちらへ向かっても坂道の洗礼を受けることになります。しかも半端じゃない急坂。新緑や自然が美しくて気分は晴れ晴れですが体はウソつきません
当然駅前には店も何も無く,これが駅前の坂(目抜き通り)です。坂坂坂です。これも熊野古道の一部?
でも,景色はいいですね。途中振りかえれば美しい自然と集落群が見えます。
そして,熊野古道を登り切ると眼下には美しい風景が片道20分程度かな?かなり脚にきますね~情けない。実はそこからが世界遺産登録されている石畳が始まります。
下に1本大きな木が見えますが徐福神社です。云われは割愛させて頂きます
更にその下を紀勢線が走ります。
熊野古道は一部地元の方々の生活道路にもなっていて舗装されていたんですね。ウォーキングシューズの私には都合がよかったですけど。でも胸突き八丁のこの道を古(いにしえ)の人々は歩いたんですね~野鳥の声と葉擦れ音しかない・・・遠く潮騒のきこえる誰も歩いていない山の中の古道を気持ちよく徒歩破。道標もしっかりしています。時折見える磯の景色も素敵です。
切り立った崖をの中腹を歩きながら・・・東北関東大震災の岩手三陸地方を思う・・・集落にいて警報が鳴って現在地から5~10分で上まで逃げ切れるだろうか??〝この静かな美しい海が牙を剥く。。。 〟津波が来る寸前まで実感が湧かないのも無理もない。又高齢者が多ければ尚更だけど逃げ切れる急坂じゃないです。集落の方々は津波の一撃で全滅は免れない厳しい環境に暮らしているんですね。TVでは生き残れた方々の大切な経験談が語られています。とても大切な事なことです。でも,阪神大震災も含めて運悪く既に物言えぬ身となった被災者の方々の経験に一番大切な何かが隠れているような気がしましたね。沈黙の証言をどう解釈するのか?その辺の検証もされると防災に向けてもっと訴力が増すんじゃないかな??地形険しいリアスの集落を歩きながら何故か柄にも無く思いましたね。
さて,波田須神社の脇から石畳の道へ入ります。この日はとても暑かったんですが古道は昼間でもウッソウとした林道で涼しく気持ちいいですよ。最上段写真は登りの石畳です。ゴツゴツと並べられた苔むした路石ですが長い年月を経て出来あがったアンバランスのなかの微妙なバランスが古道を美しく見せているのかもしれません。
なかなかいい青春18切符の旅だったんじゃないかな。誰もいない古道を物思いに耽りながら歩くのもまた楽しいもんです。他も回りたかった場所あったのですが行き当たりバッタリ旅の悪いところ・・・探していると汽車を逃して帰れなくなる可能性有る為,後ろ髪引かれながら退散。家路の汽車の中では体力使い果たし殆ど爆睡で名古屋へ帰りました。。。f(^^; でも,この集落・・・誰とも出会わないというところが凄いですよね。駅に戻って汽車に乗車した客も私一人でした。しかし,海辺でマッタリが本来の目的だったのですが・・・何故そこだったのか・・・よくわかりませんが自分にとってのパワースポットだったのかもしれませんね。串本方面に向かえばもっと素敵な海も見る事が出来るかもしれません。
この特急に乗ってみたいですね~〝南紀〟ほぼ満席状態で私の乗る退避普通列車を追い抜いて行きました。