今年の夏は本当に暑い日々が続いた。昨日から急に涼しくなり、それをどこまで信じていいかわからないが、心身には快い。私事だが、今日で前期の期末試験と期末レポートの提出が終わった。つまり4月から続いた勉強と夏休みは教会での実習、そしてその後はこの期末の課題という、実質的な休みのない日々(前期は毎日授業があった)が終わった。特に7月25日からの教会での実習から今日までの毎日締め切りに追われ続けるような、絶えず緊張と睡眠不足なのだが、それも感じないくらいの頭がどういう状態になっているかわからないような張り詰めた心身の状態にピリオドが打たれた。その結果が笑顔で後期を迎えられれば言うことはないのだが。
上の写真は、この9月から新築開業したICU(国際基督教大学)の学生食堂の夜景を撮影したものである。メニューは少ないが、味はけっこうおいしく、さすが学食、値段が安い。そして何よりも建物の内外とも景観が良く、食事の際、座る位置によって椅子とテーブルの種類が別々で、照明の明るさもそれぞれで、ちょっとしたレストランかカフェテリアの雰囲気がある。9月に入って、僕が兄上と慕う年上の同級生とよく行ったので、そういえばそのときだけはホッとした時間を過ごすことができた。(東京神学大学の学生はICUの学食と図書館と売店を利用できる。 写真↓ ICU構内の森の中の道)
東京神学大学は神学専門の単科大学なので、一般の大学と色々な面で違うところがあり、人数が少ないのも、3年生以上は本当に神学関連のものだけを学んでいるのも、学食がないのもそうであるが、かつて一般的な総合大学で学んだ経験があるものとしては、こんなに在学生のほとんど全員がしっかり勉強に打ち込まないと、よっぽど要領の良い学生を除いては、勉強について行くことができないという現実に、最大の違いを感じる。もっともそれは僕自身のかつて行っていた大学が、象徴的な日本のマンモス私立大学であったからかもしれないが。今回は夏期実習の後の短い時間で試験等の準備をしたので、成績は二の次、単位だけはしっかり取ることを目指していたが、正直うまく行かなかった科目もあり、不安も残るがやるだけやったので、気持ちを切り替えて後期に臨みたい。
そんなわけでやることはすぐにも次のものが待っているが、とりあえずひと月半の闘いが終わったので、夕方早目にその兄上と打ち上げと称してそのICU学食に行き、しばし食事と歓談のときを持った。
学食をあとにして、帰寮するため、しばらくICUキャンパス内を歩いた。6時を過ぎた頃だったが、もう辺りは暗くなっていた。
ふと気がつくと、辺りのICUの森に虫の心地よい音が響いていた。虫の声が聞こえる。疾走したこの夏の間、気づいたことがなかった。蝉や蜩(ひぐらし)は鳴いていても。
ICUの学生たちも言っていた。
「これ虫じゃね?」
「ほんとだ。秋だー。」
そうだ。夏が終わったんだ。この走り続けた夏が終わったのだ。虫の音を聴くことなど考えもしなかった時間から、新しい季節に入ったんだ。三十を過ぎて新たな目標に進み、それがいつ見える形になるのか、しかし必ずそのときが来ることを信じて進み、早や十年近くになるが、それでも人生は進んでいる。
灼熱の日々はとりあえず過ぎ去ったが、新たに歩き出す、新しいステップが始まる。この季節を迎え、自分にとっては一つ歳をとるのもそうだ。この夏の成果が、これからの季節で実って行くのを願うものである。
(9/6撮影、朝明けの東京神学大学校舎)
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