ブログをこれまで15ヶ月間書いてきて、楽しかったが、ときにつらくなった。
なぜつらくなったか、それは楽しいことが書けないときがあるからだ。
自分は将来牧師をめざしているが(こんなに年月がかかるとは思わなかったが)、もうひとつ、教会の中に対してではなく教会の外の世界に、広い世界に向けて必要なメッセージを伝えたい、そして社会にも貢献したいと思っている。それにはもちろん地域に根ざした、人々が安心する教会を建て上げていくことがまず第一だが。
それから広い世界に向けてメッセージや、自分でなければできないものを生み出していきたいと思っている。それにはまず始めに自分ができることは、文章を書くこと、そしてそれを世間に発信していくことだと思っている。
だから僕は文章を書くことは嫌いではない、むしろ好きなほうだ。しかしその文章が時間や体力とは別に書けなくなってしまうときがあるのだ。
これまでのブログ「さとうけいぞうのインディペンデント・ペレストロイカ」には、好き勝手書いてきた。しかし、なんとか楽しいこと、おもしろいことを書こうとすることに無理が出てきた。自分のキャラクター以上のものをいつの間にか、書いてしまったこともあった。まあそれはそれでエンターテイメントとして楽しくもあったが。
しかし人間には、つらい日々がある。
人の人生を取り扱う、人々を助けようとする牧師のような立場の人間であっても当然そういう日々はある。だからこれからは、ブログでは限界があるにせよ、無理をせず、なるべく素の言葉を、ありのままの気持ちを書いて行きたい。
えー、そんなん気持ち悪いよ。別に読みたくないよ、という方もいるかもしれない。それはそれでしょうがない。そんなことをあえて公のネット上に反映する義務も碓かに僕にはない。
しかし、自分が牧師と言う世間的には特殊な職業を志し、また社会に向けてメッセージや文化を発信していきたい志がある以上、自分と言う人間がどういう人間がさらけだしていきたいと思う。
しかしまずすべてはさらけだせない。それは自分も含め人間には人に言えない恥ずかしい部分があるからだ。
キリスト教ではそれを人間の本質・罪と言う。
でもその罪のゆるしを取り扱うのが牧師であるのだから、やはり自分の生の声をできうる限り発信していきたい。そしてこれを機に、本名等プロフィールを公開することにしました。PCでご覧の場合は左の自己紹介覧を、ケイタイの場合はプロフィールをご覧になってください。
それからこのブログのタイトル「約束の地をめざして ーI STILL HAVEN'T FOUND WHAT I'M LOOKING FOR」なのだが、この英語の部分は、わかる人にはわかると思うが、世界有数の人気ロックバンド、アイルランド出身の「U2」の1987年発表のグラミー賞受賞アルバム「ヨシュア・トゥリー」の中の大ヒット曲「I STILL HAVEN'T FOUND WHAT I'M LOOKING FOR」(邦題「終わりなき旅」)から拝借したものだ。
ちなみU2について、よくわからない方もいると思うが、ポピュラー音楽の世界では説明不要のスーパーロックバンドだと思ってくださったらいい。特にライブパフォーマンスは世界一だと評されている。
僕は今まで彼らを25年くらい聴いてきて、たった一度だけ彼らのライブを2006年12月4日にさいたまスーパーアリーナでこの目で目撃している。
それからコアなファンは知っていると思うが、U2はロックバンドでは数少ないキリスト教色を持ったバンドである。ヴォーカルのボノをはじめとしてメンバー4人のうち3人がクリスチャンだというロック界ではめずらしいバンドだ。
以前も書いたことがあるが、この「I STILL HAVEN'T FOUND WHAT I'M LOOKING FOR」(邦題「終わりなき旅」)の歌詞を一部抜粋すると 、
You broke the bonds あなたはかせを打ち砕き
You loosed the chains 鎖を解き放った
You carried the cross あなたが十字架を背負ったから
And my shame そして僕の恥さえも
And my shame あなたは背負った
You know I believe it 僕がそれを信じていることは
もちろんあなたは知っている
But I still haven't found しかし 僕はまだ見つけていない
What I'm looking for 自分が探し求めているものを
But I still haven't found まだ たどりついてはいない
What I'm looking for 本当に探し求めているものには
(対訳:佐藤計による意訳)
この曲は、U2だから売れたのだろうが、信じられないくらい宗教的な歌詞の歌である。
20年くらい前のヒット曲なのに、この曲がこんな歌詞だったとは僕も数年前まで気にしていなかった。
「しかし 僕はまだ見つけていない
自分が探し求めているものを
まだ たどりついてはいない
本当に探し求めているものには」
メンバーのほとんどがクリスチャンである彼らが、自分たちが持っている信仰を持ってしても、まだ完全な安らぎや充足感がないことを歌っている。これは保守派のキリスト教徒たちからは批判の的となったと聞く。
しかし、「この宗教・この教団・この政党・この会社にいたら、何の悩みもなく、バラ色なんですよ。」って言ったら、それこそ嘘じゃないですか。円○みたいな結果になってしまう。
僕は自分が持っている信仰自体には、疑いはない。今までいろいろな角度から自分自身と他者と、歴史そのものから検証されて揺り動かなかったものであり、自分にとってそれだけ聖書の記述と、神の存在は信頼に足るものだ。
ただ人間であるがゆえ、僕は弱い。
いつでも心の平安は得られるわけではない。神様、どうして!と叫ぶときがある。
かと思うと、人間業では考えられない奇跡的なことが起こることがある。まさに神の介入としか思えない出来事が起こることがある。
その不思議なバランスの中で、人生を生きていき、弱さを感じるときに神に祈る。そのとき、心にまた平安を与えられて生きて行く。
そしてぶつかっている壁、ーそれが仕事であったり、人間関係であったり、将来への不安であったり、生きる意味そのものであったり、失恋であったりしてもー
それを乗り越える力が与えられて行く。
そこでまた神を信じて生きる人生の碓かさが心に刻み込まれて行く。
この歌は、神(キリスト)を信じて生きることの碓かさを歌うとともに、人間ゆえの弱さ、生きることのむずかしさ、そしてそれをひとつひとつ乗り越えながら、神の約束したさらなる希望に向かって生きて行くことを歌ったのが、この曲だと言える。この曲の意味を知ってからは、それまでU2が好きなロックバンドの一つから、自分にとって特別なロックバンドに変わって行った。(気づくまでに20年以上かかったが。)
I still haven't found what I'm looking for.
僕はまだ探し求めているものを完全には手にしていない。
しかしその地図を手にして、約束の地に向かって歩いているのを感じながら、今、人生という旅を続けている。
これからもよろしくお願いします。
さとうけいぞう こと 佐藤 計
(参考図書:
「U2全曲解説」ビル・グラハム著 (株)シンコー・ミュージック 1995年発行
「U2 WALK ON: THE SPITUAL JOURNEY OF U2 魂の歌を求めて」スティーブ.ストックマン著 岳陽舎 2004年発行
「イマジン」スティーブ・ターナー著 いのちのことば社 2005年発行
「ロッキング・オン 2006年3月号」内 ボノ4万字インタヴュー(株)ロッキング・オン発行)
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