みなさん、いつもながらお久しぶりです、こんにちは。さとうけいぞうです。
実はぼくは今月公私とも大変忙しいのですが、長らく映画が公開されるのを期待していた「20世紀少年」が今月末か来月アタマに上映が終わってしまうらしい、という話を聞いたので、秋分の日に無理矢理有楽町まで観に行ってきました。今日はそのことをぜひ書こうと思うのであります。
「20世紀少年」は、けっこう以前からぼくはこのブログでも取り上げていたのですが、知っている人には説明がまったくいらない漫画界の奇才・浦沢直樹氏原作の超々大ヒット漫画ですね、もともと。(世界中でたしか2000万部売れたとか?)
で、実写映画化されるという話がニュースになったとき、原作を読んでいた人にとっては、物凄い驚きだったんじゃないでしょうか、少なくとも私はそうでした。あれだけ複雑なストーリーで、あれだけ特撮(表現が古いな~)が必要とされるものを映画化って、ほんとうですか??という心境でした。
(くわしくは以前の20世紀少年についての けいぞうブログ参照→http://blog.goo.ne.jp/keizzo-blog/e/617c3b08137e4d1e801705bcb4e2d3e5)
そして8/30についに封切られたわけですが、ぼくはその少し前から「20世紀少年」およびその継続作「21世紀少年」合わせて全24冊を再読破しました。
いやーっ、2回読んでやっと意味がわかりましたね。何を作者・浦沢直樹が言いたかったのか、自分なりにわかりました。1回目は、すごく面白かったのですが、複雑なストーリーゆえ、ある部分疑問が残ってしまい、消化不良だったからです。
で、再読破して感じたのが、これは通常であればマンガで表現するものではなく、SF小説として書くものかな、いやSF小説よりももっと一般小説のように人の心理に踏み込んだものを伝えるような作品だな、と理解したのです。(でも今は色んな漫画があるでしょうから、浦沢さんも漫画でもってそういう作品を描きたかったのでしょう。)
そして、公開されたらぜひいっしょに行こう!と約束していた漫画家志望の友人(通称)ゆでタマゴ氏と共に行ってまいりました。(タマゴさん、いつもどうもありがとうございます。以前のタマゴさん登場の けいぞうブログは→http://blog.goo.ne.jp/keizzo-blog/e/afed0e1b7c3cf698b8e7c91ddf693abf)
でもって、大変きれいな日劇PLEXのやや前方の席に座り、ついに上映が始まった。(以下、ストーリーに関しては、大きな意味でネタバレはナシで書きます。ちょっときわどいですが。)
約2時間20分の上映の中、最初の2時間ほどは、疾走感あふれる展開で、少なくとも原作を読んでいるものにとっては、これほどリアルに実写化してくれたか!と感慨に浸らせてくれるほどよく作ってあった。原作以上にストーリー展開もわかりやすかったと思うのだが。(ただし原作を読んでいない人にはもしかしたら、展開が早すぎただろうか?)
特に配役がいい。これほど原作キャラクターによく似たキャスティング、役づくりをよくしてくれた。
特にオッチョ(豊川悦司)、ユキジ(常盤貴子)、ヨシツネ(香川照之)あたりは最高である。MVPは間違いなく常盤貴子。原作を知らない人には申し訳ないが、こんなにユキジ役にはまっているとは。けいぞう、すっかり常盤貴子に役者としてもオンナとしても惚れてしまった。すいません。
ちなみにもっともはまっていないのが、主人公ケンヂ役の唐沢寿明である。ちょっとカッコ良すぎ。
路線的には、織田裕二がボケ役でやるか、内藤剛志がはまり役だろう。(興行的には織田裕二か。)
(なお影のMVPは子ども時代のヤン坊マー坊。いいのかあんなそっくりで。CGで作ったんじゃないだろうな。)
内容的には、登場するカルト教団が、はっきり言って原作以上に1990年代のオウム真理教を明らかに彷佛させる作りとなってしまっている。実写化されたゆえにそういう印象を与えるのだろう。
オウム真理教の一連の事件から10年以上たっているので、今この作品を見ると、感情的なリアリティーはさほど強くない。90年代だったら、逆に生々しくて実写映画化は無理かもしれない。ただしオウム事件とは関係なく、エンターテイメントとして見たら、やはり展開的に引き付けられる。
問題はラスト20分。ネタバレになるので、あまり言えないが、原作でも映画作品中でも最も大切な「○○○○○○事件」が、なぜ・・・・あー、これ以上書けない!
そして最後は第2章につなげるコマーシャリズムが思いっきり大胆に出ている。これぐらいはバラしてもいいかな。さすが日テレ作品。(ちょっと皮肉)
結論から言えば、碓かに面白かったが、しかし映画作品としては出来はよくない。また原作にはどうやっても追いついていない。
全24巻、読者を睡眠不足に陥らせる面白さ・かつ複雑なストーリーは、どこまで行っても映画化全3部作を持ってしても、描ききるのはやはり至難の業か。
でもね、よくやったよ。あれだけ人を興奮させる漫画を、あれだけリアルに映像化して、映画化したんだから。人生もっとドラマティックに生きてやる!と思わせてくれる作品だったから。
そして、今回1本の映画作品としては、どうかなと思うところもあるけど、あのリアルさと、全3作で完成させる作品として期待して観たら、「喝!」ではなくて「あっぱれ!」をあげてもいいんじゃないでしょうか。(ネ?大沢親分。)
だからぼくはやっぱり今作品にもスタンディングオベーションを贈りたい。
20世紀少年って、ストーリーは複雑で、かつメッセージも読み取りづらい作品なんだけど、やっぱり面白くて、作者が伝えたいこともシンプルなんだよね。ただどれだけの人がそのメッセージをわかるかどうか。賛否両論のそれでも大傑作の原作に対して、映画はあと2本でそのメッセージをどう伝えるのか、注目したい。(第2章は来年1/31公開。年末年始あたりに日テレで第1章をオンエアするのかな?)
なお、帰りにそのまま有楽町でうまい餃子を見晴しのいい店で食べながら、タマゴ氏と将来を語り合ったのがまた感動であったことをお伝えして、今日は終わろう。(終)
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実はぼくは今月公私とも大変忙しいのですが、長らく映画が公開されるのを期待していた「20世紀少年」が今月末か来月アタマに上映が終わってしまうらしい、という話を聞いたので、秋分の日に無理矢理有楽町まで観に行ってきました。今日はそのことをぜひ書こうと思うのであります。
「20世紀少年」は、けっこう以前からぼくはこのブログでも取り上げていたのですが、知っている人には説明がまったくいらない漫画界の奇才・浦沢直樹氏原作の超々大ヒット漫画ですね、もともと。(世界中でたしか2000万部売れたとか?)
で、実写映画化されるという話がニュースになったとき、原作を読んでいた人にとっては、物凄い驚きだったんじゃないでしょうか、少なくとも私はそうでした。あれだけ複雑なストーリーで、あれだけ特撮(表現が古いな~)が必要とされるものを映画化って、ほんとうですか??という心境でした。
(くわしくは以前の20世紀少年についての けいぞうブログ参照→http://blog.goo.ne.jp/keizzo-blog/e/617c3b08137e4d1e801705bcb4e2d3e5)
そして8/30についに封切られたわけですが、ぼくはその少し前から「20世紀少年」およびその継続作「21世紀少年」合わせて全24冊を再読破しました。
いやーっ、2回読んでやっと意味がわかりましたね。何を作者・浦沢直樹が言いたかったのか、自分なりにわかりました。1回目は、すごく面白かったのですが、複雑なストーリーゆえ、ある部分疑問が残ってしまい、消化不良だったからです。
で、再読破して感じたのが、これは通常であればマンガで表現するものではなく、SF小説として書くものかな、いやSF小説よりももっと一般小説のように人の心理に踏み込んだものを伝えるような作品だな、と理解したのです。(でも今は色んな漫画があるでしょうから、浦沢さんも漫画でもってそういう作品を描きたかったのでしょう。)
そして、公開されたらぜひいっしょに行こう!と約束していた漫画家志望の友人(通称)ゆでタマゴ氏と共に行ってまいりました。(タマゴさん、いつもどうもありがとうございます。以前のタマゴさん登場の けいぞうブログは→http://blog.goo.ne.jp/keizzo-blog/e/afed0e1b7c3cf698b8e7c91ddf693abf)
でもって、大変きれいな日劇PLEXのやや前方の席に座り、ついに上映が始まった。(以下、ストーリーに関しては、大きな意味でネタバレはナシで書きます。ちょっときわどいですが。)
約2時間20分の上映の中、最初の2時間ほどは、疾走感あふれる展開で、少なくとも原作を読んでいるものにとっては、これほどリアルに実写化してくれたか!と感慨に浸らせてくれるほどよく作ってあった。原作以上にストーリー展開もわかりやすかったと思うのだが。(ただし原作を読んでいない人にはもしかしたら、展開が早すぎただろうか?)
特に配役がいい。これほど原作キャラクターによく似たキャスティング、役づくりをよくしてくれた。
特にオッチョ(豊川悦司)、ユキジ(常盤貴子)、ヨシツネ(香川照之)あたりは最高である。MVPは間違いなく常盤貴子。原作を知らない人には申し訳ないが、こんなにユキジ役にはまっているとは。けいぞう、すっかり常盤貴子に役者としてもオンナとしても惚れてしまった。すいません。
ちなみにもっともはまっていないのが、主人公ケンヂ役の唐沢寿明である。ちょっとカッコ良すぎ。
路線的には、織田裕二がボケ役でやるか、内藤剛志がはまり役だろう。(興行的には織田裕二か。)
(なお影のMVPは子ども時代のヤン坊マー坊。いいのかあんなそっくりで。CGで作ったんじゃないだろうな。)
内容的には、登場するカルト教団が、はっきり言って原作以上に1990年代のオウム真理教を明らかに彷佛させる作りとなってしまっている。実写化されたゆえにそういう印象を与えるのだろう。
オウム真理教の一連の事件から10年以上たっているので、今この作品を見ると、感情的なリアリティーはさほど強くない。90年代だったら、逆に生々しくて実写映画化は無理かもしれない。ただしオウム事件とは関係なく、エンターテイメントとして見たら、やはり展開的に引き付けられる。
問題はラスト20分。ネタバレになるので、あまり言えないが、原作でも映画作品中でも最も大切な「○○○○○○事件」が、なぜ・・・・あー、これ以上書けない!
そして最後は第2章につなげるコマーシャリズムが思いっきり大胆に出ている。これぐらいはバラしてもいいかな。さすが日テレ作品。(ちょっと皮肉)
結論から言えば、碓かに面白かったが、しかし映画作品としては出来はよくない。また原作にはどうやっても追いついていない。
全24巻、読者を睡眠不足に陥らせる面白さ・かつ複雑なストーリーは、どこまで行っても映画化全3部作を持ってしても、描ききるのはやはり至難の業か。
でもね、よくやったよ。あれだけ人を興奮させる漫画を、あれだけリアルに映像化して、映画化したんだから。人生もっとドラマティックに生きてやる!と思わせてくれる作品だったから。
そして、今回1本の映画作品としては、どうかなと思うところもあるけど、あのリアルさと、全3作で完成させる作品として期待して観たら、「喝!」ではなくて「あっぱれ!」をあげてもいいんじゃないでしょうか。(ネ?大沢親分。)
だからぼくはやっぱり今作品にもスタンディングオベーションを贈りたい。
20世紀少年って、ストーリーは複雑で、かつメッセージも読み取りづらい作品なんだけど、やっぱり面白くて、作者が伝えたいこともシンプルなんだよね。ただどれだけの人がそのメッセージをわかるかどうか。賛否両論のそれでも大傑作の原作に対して、映画はあと2本でそのメッセージをどう伝えるのか、注目したい。(第2章は来年1/31公開。年末年始あたりに日テレで第1章をオンエアするのかな?)
なお、帰りにそのまま有楽町でうまい餃子を見晴しのいい店で食べながら、タマゴ氏と将来を語り合ったのがまた感動であったことをお伝えして、今日は終わろう。(終)
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