経済記者山田くん

愛媛の経済に関する『話題のネタ』。時々『愛媛の企業検定』から出題。

話題のネタ帳08。儲ける中堅スーパー。

2009-12-28 | 愛媛の企業
今回も「話題のネタ帳」です。
 小売業に関係している取材先の経営者が、東京へ出張した際に見に行った中堅スーパーの実例。その経営者は「郊外の中堅スーパーで凄く集客している業者があった。その立地は五百㍍圏内に大・中型スーパーが数店舗乱立している。しかし、そのスーパーは、周辺の顧客をがっちりと掴んでいる」と切り出した。
 一般的に中堅スーパーは大型スーパーに客を取られ、追々細りで倒産に追い込まれるのだろう、という常識を覆し、さらに物はやりようなのだ、ということを改めて思い知らされた。
 小売業に携わる経営者の話。
 ある東京の中堅スーパーでは例えば、賞味期限が近くなった商品を『○○日の賞味期限が近いので、価格を半額にします』と表示して販売している。そんな商品があちこちにある。そこに主婦達がごった返している。
 ここで考えて欲しい。何故、主婦は集まるのか。
 今日食べるものなら、別に賞味期限が近くても問題ないからと考えるのが普通だろう。それはそうだと思う。それだけではない。こうした半額の表示によって顧客はこの店について、どう考えるか。そこが、大切なところ。主婦は、この店を『正直な店』と感じるだろう。特売の商品だけでなく、全ての商品について安心できると思うだろう。そこが重要なんだ。
 この店のやり方は、それだけではない。単に店で置いていた賞味期限の近づいた商品を半額で売るだけなら儲からない。ここからが、凄いところ。卸業者と交渉することで利益を生み出している。卸業者と、どう交渉するのか。業者の倉庫に残っている賞味期限の近い商品を安く買う。そして店ですばやく売る。
 これらの考え方で大切なのは消費者の立場に立つこと。

話題のネタ帳07。なぜなぜ五回。

2009-12-21 | 愛媛の企業
 今回も話題のネタ帳。少し続きすぎ。
 今回のテーマは「なぜなぜ五回」です。この言葉は、トヨタのグループ会社すべてに浸透している言葉で、入社試験の面接、トヨタの会議など様々な場面で登場します。もちろん、愛媛県内のトヨタ車の販売会社が、入社試験に臨む大学生に対いしても行っています。
 「なぜなぜ五回」は例えば、こういうことです。
 面接試験の場で、面接官が大学生に「なぜ、当社に入りたいと思ったのですか」
大学生「企業の規模が大きいからです」
面接官「大きい会社は他にも愛媛県内にありますが、なぜ当社なのですか」
大学生「愛媛県内全域に店舗があるからです」
面接官「店舗が沢山ある会社に、なぜ入りたいのですか」
という具合に、トヨタの面接官は「なぜ」を五回続けます。
 すると何がわかるのか。
 大学生は面接試験に際し、予め面接の練習をしています。しかし、面接官が何度も「なぜ」と聞いていくと、本当に考えていることが出てくるからだそうです。
 また、トヨタの社内会議の場合では、考えが深まったり、足りない部分が表面化するからだそうです。


話題のネタ帳06。アリの法則。

2009-12-13 | 愛媛の企業
今日も、話題のネタ帳です。
今回は、「無意識のなかに存在する法則」のなかから一つ。
「アリの法則」というものを紹介します。
 アメリカの科学者が、アリをよく観察すると三種類に分かれる、というのです。先方隊がいて、それを伝える伝令隊がいて、本隊が物を運ぶ。その本隊に、所属しているアリの6割は普通に一生懸命に物を運ぶそうです。しかし、残りの内2割は「わっせ、わっせ」と囃すだけ。そして、残りの2割のアリは「全く何にもしない」。
 そして、この実験には続きがあって、普通によく働く6割のだけを集めて、仕事をさせると、これがまた、6割、2割、2割に分かれたそうです。逆に、何もしないアリ2割を集めて仕事を与えると、これまた6、2、2に分かれるのだそうです。

で、これはあくまでアリの実験で「アリの法則」なのですが、人間も同じ傾向になるのだそうです。

話題のネタ帳05。五常の徳。

2009-12-09 | 愛媛の企業
 取材で様々な経営者と会って、話を聞かせてもらっています。
 今日は、中国を何度も訪れている経営者の話です。先日、「五常の徳」について説明してもらったので「話題のネタ帳」として紹介します。
 ある経営者の話。
 「五常の徳」は「仁・義・礼・智・信」の五つの徳のことです。「仁」とは、思いやりの心もつこと。「義」とは、正しいおこないをすること。「礼」とは、豊かな心を示すこと。「智」とは、正しい判断をすること。「信」とは、周りの人から信頼されること。
 物事には全て、上、中、下がある。儒教の国、中国のトップで上のクラスの人は、この五常の徳を基本に置いて判断し行動している。中国の上クラスの人達は百年、二百年後を考えて戦略を練っている。

話題のネタ帳04-宿食分離。

2009-12-07 | 愛媛の企業
 今日は、話題のネタ帳です。これを聞けば、愛媛や松山で起こっている経済現象の原因や背景がわかる。
 今回は観光業界で起こっている「宿食分離」という言葉を説明します。
 県外から道後に来ている観光客は従来、道後温泉街にある旅館やホテルで宿泊し、その宿で夕食を食べる、ということが一般的でした。「宿食分離」というのは、これが現在は、「宿」と「食」が別々になる傾向が強まっている、ということです。
 この背景には、個人旅行者が増加しているということがあります。団体で来た観光客は、ホテルの大広間で一度に食事を済ませます。しかし、個人旅行者は、大広間で食べる必要もなく、旅行代理店で申し込む際に、ホテル・旅館を出て、その土地の郷土料理を食べたい、と願うはずです。
 特に松山市は、道後温泉と飲食街が近くにあるという全国的にもまれな観光地です。それで、観光客は松山の中心部の飲食街に出て、食事をするという傾向が強まっています。観光産業全体からすると、観光客が移動して食事をするから、良いことなのでしょう。しかし、道後のホテル旅館業者からすると、売上が減少するから問題です。
 そこで、道後のホテル業者は近年、施設内のレストラン、そして料理を充実しています。道後の旅館業者が、こだわりメニュー・料理を、料理長を前面に出してアピールするというのは、そのためです。
 個人旅行者が増加する傾向は、今後も続くでしょう。そのために、道後の旅館・ホテル業者は次の一手を考えていくことでしょう。