経済記者山田くん

愛媛の経済に関する『話題のネタ』。時々『愛媛の企業検定』から出題。

話題のネタ帳17。孔子の言葉「五常の徳」

2010-04-29 | 愛媛の企業
 「五常の徳」という言葉を聞いた。

 中国の思想家で儒学の祖、孔子の教えを徳目として説明したものだそうだ。
 この教えを「中国のトップの人たちは皆、基本において自身の行動の指針にしている。非常に人としてのレベルが高い。こう考えると、遠くない将来、中国が世界の中心になると考えざるをえない」という。

 これまでに何度も中国へ行き、「トップレベルの人と会って話している」と、つくづくそう思うそうだ。

 この一方で中国の企業経営者は自動車業界では他国のデザインをそっくり真似た商品を発売したり、コンピュータの業界では海賊版の安いOSやアプリケーション・ソフトが中国国内で出回るなどなど報道によって聞かされるなど、とても「徳」があるように思えない。「それは本当のトップではない人たちの行い」だそうだ。

 中国を何度も訪れている経営者の話。

 「五常の徳」は「仁・義・礼・智・信」の五つの徳のことです。「仁」とは、思いやりの心もつこと。「義」とは、正しいおこないをすること。「礼」とは、豊かな心を示すこと。「智」とは、正しい判断をすること。「信」とは、周りの人から信頼されること。
 物事には全て、上、中、下がある。儒教の国、中国のトップで上のクラスの人は、この五常の徳を基本に置いて判断し行動している。中国の上クラスの人達は百年、二百年後を考えて戦略を練っている。

 日本人が忘れてしまっているものの一つが「五常の徳」であると思う。もう一度、この徳について考えていかねばならない時期に来ているのではないだろうか。

話題のネタ帳16。「宿食分離」は松山でも増えている。

2010-04-26 | 愛媛の企業
 観光業界には「宿食分離」という言葉があるそうだ。

 旅館では宿泊と食事が一体化しているけれど、宿泊はホテル、食事はその町で評判のレストランなど飲食店で食べるというのが「宿食分離」スタイル。
 個人旅行の拡大を背景に、松山・道後地区で徐々に、この宿泊分離が広がっているということらしい。

 ある観光業界関係者の話。

 道後の年間宿泊人数は、80数万人。この人たちの一部が、夕食は予約せず、宿泊だけを予約するようになっている。
 宿泊は道後のホテル・旅館で、夜は松山の二番町、三番町の中心繁華街のレストランに予約し食事し、さらに二次会も市内の繁華街の店に流れる。

 松山市は、中心部の繁華街と道後という観光宿泊地が非常に近くに存在している全国でも稀な都市。このため道後に来た観光客は、市内電車で十五分程度の松山の繁華街に繰り出し、夜の食事を楽しんでいる。

 道後の旅館としては、観光客が夜の宴会で消費してもらうところに旨みがある。コンパニオン業者も潤ってくる。これがないとなれば、売上に大きく影響してくる。このため、宿食分離という傾向は道後の旅館業者にとっては、あまり喜ばしい傾向ではない。

 さらに、この宿食分離が進行してくると、道後に泊まるはずの観光客が、中心部の都市型ホテルやビジネスホテルに泊まるということに繋がり、道後の客が、松山市内のホテルに流れるという現象になる。

 松山市全体でみると、観光客にとっては観光地と市内中心部が近いため、道後の温泉を堪能でき、しかも市内中心部の飲食店に行き、松山ならではの地元の味を食べることが出来る全国でも稀で、魅力的な観光都市と映る。

 この一方で、道後の旅館にとっては業績に大きく影響してくる。
 どうすればよいのか。宿食分離の傾向は、今後も強まってくるだろう。
 対応策を考えなければならない。

ココだけの話15。店で売っているものは従業員

2010-04-24 | 愛媛の企業
店で売っているものは従業員

管理職は常に「会社の考え方を、いかに従業員に伝えるか」というテーマを持っている。ある取材先で雑談をしていると「従業員には『商品は従業員』であることを常に言っている」と話す人がいました。「サービス業は勿論、小売業でも同じですよね」。その言葉が強く印象に残った。
 ある管理職の話。
 ある銀行の店舗の話ですが、窓口によって並ぶお客の数が違うのです。どうしてだと思いますか。銀行だから、どこの支店でも、どこの窓口でも金利も、ローンも同じ。窓口の行員によって金利が安かったり、ということはないですよね。けれど、窓口によって並んでいる人の数が違う。
 それは、やはり行員の質なんでしょうね。ある支店の行員が、地元の銀行間でもちょって有名になって、他行の労務管理者が見に来る、ということを聞きました。
 こんな事も聞きました。
 デパートに行ったら、もちろん、商品で買うものを決めますよね。けれど、その店の店員2人が集まって喋っていたらどうしますか。もう、買うのをやめて別の店に行きませんか。お客さんによっては、もうこの店では絶対買わない、と思う人もいるかもしれません。
 デパートに並べているのは、商品ですが、そのれに加えて、女性定員の接客も買う上での重要なポイントになっている。
 サービス業は、目に見えない商品を売っているだけに、『商品は従業員』ということになりますが、小売業でも売っているのは従業員ということになます。
 こうしたことを従業員に話して、社員の質の向上を図っています。

話題のネタ帳14。低迷する住宅業界でも需要はある。

2010-04-21 | 愛媛の企業
 今回は、低迷する新築住宅でも需要はある、という話。

 県内の住宅業界は、全国的な新築住宅着工戸数の減少と同様に芳しくない。しかし「需要が縮小していても、売れる価格帯はある」そうだ。

 そうした底堅い需要を支えているのは30代後半から40代前半。「そうした年齢層が変える価格帯に設定すれば売れる」ということらしい。

 ある住宅業者の話。
 今は確かに、新築住宅の売行きは低いですよね。将来的にもリフォーム市場の方が上向くでしょう。しかし新築住宅の商品も販売してゆかねばならない。その際にどういう商品を売ってゆくか。
 今はやはり価格でしょうね。土地代を含めて3千万円台の商品を作りました。その時は動きが鈍かった。しかし、土地の広さを変えるなどして価格を2300万~2400万円台に設定し直すと、結構、好調に売れました。こうした状況をみると、価格ですね。
 以前の家選びは、総額で2500万円位に設定していた人が多かった。モデルルームやモデル住宅に来場し、色々な住宅設備を見ていくなかで、予定の金額を若干オーバーする、というのが一般的でした。
 それが今は、お客様は上限額を決めています。2400万円に決めていれば、そこから交渉に来ます。例えば「土地を含めて2300万円にしたいのですが、何とかなりませんかね」と相談に来る。昔とは全く違っています。
 こうした年齢層は、やはり30歳代後半から40歳代前半にかけての年齢層です。給与が伸び悩むなかで頭金、親から借りるお金、そして今までの生活の筆も落としたくない。すると住宅ローンの月々の返済額が決まる。生活水準を落としてまでは新築の家に住みたくない、という感覚なのでしょう。

 業界不況というのありますが、そのなかでも企業間の格差が出ている。その差は、アイデアで出てくるのでしょう。

話のネタ帳13。アイデア次第の出版業界。

2010-04-19 | 愛媛の企業
 経済記者は、本当に楽しい仕事だと思います。
 今日も、不振の文学作品の出版業界についての話を聞きました。

 文学作品もアイデアで売れ始める、という話です。

 不振の出版業界の中でも、他業界と同様に、アイデアで本もヒットする、という話を聞いた。アイデアと工夫。売れるかどうかは、このキーワードで決まるのだろう。

 ご存じの読者もいるだろうが、私自身を含めて初めて知った人にとって、何かの参考になればと思い、紹介します。

 紹介する二つの例は、新しい技術も道具も必要ない。それだけに感心する点が多い。

ひとつめは、 
 志賀直哉の「城の崎にて」や夏目漱石の「坊っちゃん」は、文学作品として有名だけれど、今は売れていない。これをある出版社が、色々な文学作品に工夫を加えてヒット商品にしたそうです。どのようにしたと思いますか。
 小説に出てくる場所を、その小説の中で、写真や文で紹介したんです。そして、本を置くジャンルも変えたのです。どこに変えたと思いますか。旅行のジャンルに置いたのです。
 小説の舞台を、旅行をしながら感じる。または、イメージしながら小説が読める。そんなことができるようにしたのです。

 ほかにもアイデアで売れ始めた本があります。シルバー向けの本は、色々あるますよね。その中でちょっとした工夫でとたんに売れ始めた本があるそうです。

 今度のアイデアは、なかなか思いつきませんよ。
でも、それ自体は簡単なことなんです。
 それは、普通の本は、白い紙に黒い文字ですよね。売れ始めた本は、黒をベースに白抜きの文字にしたのです。
 するとシルバー層にとって紙面が光らないから、本が読みやすくなるのです。それで売れ始めたのです。
 どちらも最新の技術が必要な訳ではないですよね。
 それに気づくかどうかです。