経済記者山田くん

愛媛の経済に関する『話題のネタ』。時々『愛媛の企業検定』から出題。

話題のネタ帳04-宿食分離。

2009-12-07 | 愛媛の企業
 今日は、話題のネタ帳です。これを聞けば、愛媛や松山で起こっている経済現象の原因や背景がわかる。
 今回は観光業界で起こっている「宿食分離」という言葉を説明します。
 県外から道後に来ている観光客は従来、道後温泉街にある旅館やホテルで宿泊し、その宿で夕食を食べる、ということが一般的でした。「宿食分離」というのは、これが現在は、「宿」と「食」が別々になる傾向が強まっている、ということです。
 この背景には、個人旅行者が増加しているということがあります。団体で来た観光客は、ホテルの大広間で一度に食事を済ませます。しかし、個人旅行者は、大広間で食べる必要もなく、旅行代理店で申し込む際に、ホテル・旅館を出て、その土地の郷土料理を食べたい、と願うはずです。
 特に松山市は、道後温泉と飲食街が近くにあるという全国的にもまれな観光地です。それで、観光客は松山の中心部の飲食街に出て、食事をするという傾向が強まっています。観光産業全体からすると、観光客が移動して食事をするから、良いことなのでしょう。しかし、道後のホテル旅館業者からすると、売上が減少するから問題です。
 そこで、道後のホテル業者は近年、施設内のレストラン、そして料理を充実しています。道後の旅館業者が、こだわりメニュー・料理を、料理長を前面に出してアピールするというのは、そのためです。
 個人旅行者が増加する傾向は、今後も続くでしょう。そのために、道後の旅館・ホテル業者は次の一手を考えていくことでしょう。