高沢一基(かずもと)の陣中日記

板橋区議会議員・「高沢一基(かずもと)」のオフィシャル日記です。

一般質問で「介護現場への支援」と「自殺対策」を提案!

2020-09-24 16:57:26 | Weblog
板橋区議会での一般質問が終わりました。多くの提案に対して、答弁は「検討」ばかりでしたが、実現まで声を上げ続けます!

以下、質問通告と原稿を掲載しますので、よろしければ、ご覧下さい。

1介護崩壊をさせないために!
1)医療だけでなく介護事業者へも支援金給付を!
2)人手不足の介護現場で働く人に支援金給付を!
3)介護現場へ医師等を派遣して感染防止対策を!
4)福祉の現場を守るために、マスク等の備蓄を!

2自殺者をなくすために!
  1)情報共有カードの早期活用を!
2)全職員への自殺対策研修を!
3)組織横断的取組のために事務局強化と専門部署設置を!
   4)自殺のない社会づくり市区町村会への参加を!
5)コロナ禍での児童・生徒の見守りと一層の自殺防止対策を!

 まず始めに、新型コロナウイルス感染症の見通しがたたない中、医療・介護など福祉、教育や保育、流通・運輸、そして、社会機能を維持するために働いて下さっているあらゆる方々に対して、敬意を表するとともに、心より感謝申し上げます。

それでは、区政に関する一般質問を行います。
 始めに、「介護崩壊をさせないために!」との観点から、四点、質問いたします。

 板橋区内における新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数は、九月以降、一日数名から十名程で推移していますが、ワクチンや特効薬の出現を待たなければ、落ち着いた日常を取り戻すことはできません。現在、板橋区では、感染防止対策に鋭意取り組んでおられますが、区議会でも様々な議論がなされ、今までに四たびにわたる補正予算を可決・成立させました。これらの補正予算では、低所得世帯への各種経済的支援や、売上が大幅に減収している飲食店や小売店、そして中小企業への支援が行われています。また、新型コロナと戦う最前線の医療現場を支えるために、補正予算第一号では、PCR検査実施医療機関への支援・約二億四千万円、陽性患者入院医療機関支援・三億円、補正予算第四号では、入院病床整備支援・九千万円など、区内医療機関への支援がなされています。
 その一方、介護現場への支援は、フェイスシールドとマスクの配布がなされていますが、板橋区独自の財政的支援は行われていません。「医療崩壊」を防ぐことは、もちろん大切なことですが、区民の生活を守るためには、「介護崩壊」も防がなければなりません。
 介護現場では、以前から人手不足が続いていますが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、さらに人材の確保が厳しくなるとともに、事業者の経営も圧迫されています。板橋区内では、新型コロナの影響と思われる事業所閉鎖は今のところ見られていませんが、第四ブロックと呼ばれる板橋区・練馬区・豊島区・中野区・杉並区では、数事業所が影響を受けて閉鎖されたとのことです。このような状況の中、介護事業所へ業務継続支援金や緊急支援給付金などとして支給している区は、大田区の約二億四千万円をはじめ十三区、備品購入や事業所家賃への支援金を含めると二十三区中十六区で、独自の財政的支援を実施しています。
そこで、お伺いします。入所・通所・居宅の介護事業者が、新型コロナの影響を受けても事業を継続させ、介護を必要とする人々に応えられるよう、支援金などの財政的支援を求めますが、ご見解をお聞かせ下さい。

第二は、新型コロナの影響下でも、介護の現場で働いている人々を支援することについてです。国では第二次補正予算で、介護・障害分野の慰労金として、感染者や濃厚接触者と接した職員に最大二十万円の慰労金を支給する事業を都道府県を通して実施しています。また、荒川区では、独自施策として、濃厚接触者などに接した介護・障害福祉の現場で働く人に一人日額五千円の特別給付金を支給しています。さらに、練馬区では緊急事態宣言下で事業を継続した「介護・障害・こども分野」の従事者に一人二万円を支給しました。板橋区においても、介護従事者の離職を防ぎ、区内の介護を守るために、現場で働く人々へ独自の支援金を給付するべきと考えますが、ご見解をお聞かせください。

第三は、介護現場の感染防止に対する支援についてです。北区では、特別養護老人ホームなどに結核研究所から派遣を受けている医師などを巡回させ、施設の実情に即した個別の感染防止対策の相談を受けています。介護事業所は、入所や通所の施設だけでなく、利用者の自宅で身の回りの世話をする居宅の生活援助もあります。施設に対するだけでなく、生活援助の事業所に対しても、感染症の専門的知識を有している医師などによる助言は、感染防止だけでなく介護従事者の不安軽減に、大きな効果があると考えます。幅広い介護現場へ感染防止の相談や指導ができる医師などの派遣を求めますが、ご見解をお聞かせください。

第四は、マスクやフェイスシールドなど衛生用品の備蓄についてです。先の非常事態宣言下では、医療機関でもマスクやフェイスシールド、さらにガウンなどが不足し、それらを再利用したり、手作りの品が届けられたりしました。秋篠宮皇嗣殿下をはじめ宮家の皇族方がガウンを手作りされ、医療機関へご寄付されたことも、ありがたく、記憶に新しい所です。また、介護現場でも、マスクなどの調達が思うようにならず、不足する事態が出現しました。現在は、こうした衛生用品の流通は確保されていますが、さらなる感染拡大の波が押し寄せた場合に不安が残ります。衛生用品の備蓄は、国の予算で東京都も行っていますが、もしも区内の医療・介護・保育・障碍者などの福祉機関で不足した場合に、速やかに支給するために、板橋区として、マスクなどの衛生用品の備蓄を進めるべきと考えます。また、世田谷区では、高齢者や障碍者などの社会福祉施設に対して、「感染防護物品備蓄のための支援金」を給付しています。区としての備蓄場所で課題がある場合は、福祉機関での備蓄を促すのも一つの方法といえます。そこで、伺います。区内福祉機関のための衛生用品備蓄を進めることを求めますが、ご見解をお聞かせ下さい。


 続いては、「自殺者をなくすために!」という観点から、五点、質問いたします。

 板橋区では、自殺対策基本法の改正を受けて、地域自殺対策計画として「板橋区いのちを支える地域づくり計画2022」を本年三月に策定しました。本計画では、特に「生活困窮者・無職者・失業者」「地域とつながりが持ちづらい中高年男性」を「重点対象者」として支援に取り組むことが示されています。自殺の原因は様々なことが絡み合っていると考えますが、健康や経済に関する問題が多いと警察では分析しています。本年四月七日から五月にかけて、新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言が発令され、現在においても健康面・経済面の不安が広がっています。本年八月の自殺者数の速報値は、全国で一千八百四十九名にのぼり、昨年同月比で二百四十六名も増加しています。さらに、自殺者は男性が多いですが、女性の比率が急増しています。また、昨年一年間では二万百六十九名、今年は八月までで既に一万三千百十二名もの方々が、自殺しています。新型コロナウイルス感染症という新たな不安定要因が発生している今日、さらなる自殺対策が必要であると考えます。
 そこで、第一として、区の計画に示された「複数窓口間の情報共有カード」について、お伺いします。これは、「相談者が複数の窓口で相談をする場合、つらい悩みを繰り返し話さなくて済み、必要な窓口に確実につながり、さらに紹介者がつながったことを確認するために、相談者の同意を得た上で利用できる」ものと計画に記されています。相談者の心情に寄り添うだけでなく、窓口横断的な取り組みが期待されます。現在は、まだ検討段階ということですが、その検討状況をお示し頂くとともに、早期の実施を求めますが、ご見解をお聞かせください。

 第二は、区役所全職員への自殺防止対策に関する研修についてです。板橋区では、平成二十五年から区職員に対する自殺防止対策のゲートキーパー研修を実施しているとのことですが、福祉事務所や本庁舎の窓口職員に対する研修は、八回延べ六百八十名に対して実施されています。また、過去三年の実績として、新任研修で計四百十七名、係長研修で計百八十八名に対して、ゲートキーパー研修を実施したとのことです。一方、自殺対策に先進的に取り組む足立区では、庁内全職員のゲートキーパー研修受講を目指して、積極的に取り組んでいます。昨年度の実績では、初級向け研修が百五十五名、中級が百七十四名、上級が二百二十五名と、多くの職員が研修しており、平成二十四年度からは入庁三年目の職員全員が初級研修、係長昇任者は中級を全員受講し、今までに延べ約四千名以上もの職員がゲートキーパー研修を受講しているとのことです。悩みを持ち相談に訪れる区民の変化にいち早く気づき、自殺を防止するためには、職員一丸となって危機意識を共有する必要があると考えます。そこで、板橋区においても、全職員のゲートキーパー研修受講を目指して、積極的に推進するべきと考えますが、ご見解と今後の方針をお聞かせ下さい。

 第三に、事務局機能の強化と専門部署の設置について、お伺いします。
 自殺を防ぎ自殺者をなくしていくことは、一朝一夕にできることではありません。しかし、防止対策をしっかりと実施して行けば自殺者を減らせることは、平成十八年に議員立法で自殺対策基本法を制定した以降の自殺者数の減少、先進的取組を行っている自治体の状況を見れば理解できます。先程も申し述べたように自殺の原因は多様であり、それらを察知して支援して行くためには、区のあらゆる部署の連携が不可欠です。例えば、経済的な不安については、福祉事務所だけでなく、多重債務などの相談にのる消費者センターや、現在は健康面などを除く「コロナ対策案内電話センター」などがありますが、これらの窓口に自殺防止対策を所管する予防対策課の積極的な関与は見られません。こうした様々な窓口や部署の組織横断的な取り組みを進めるためには、所管課の機能強化が必要です。区の自殺対策計画にも「事務局機能の強化」がうたわれていますが、その検討状況と今後の方針についてお示し下さい。
 また、私は、平成二十七年第二回定例会以降、たびたび「自殺防止対策に関する専門部署の設置」を要望していますが、残念ながら実現に至っていません。足立区では平成二十二年から「こころといのち支援係」を「保健予防課」内に設置し、現在も「こころとからだの健康づくり課」に「こころといのち支援係」を置いています。その結果、足立区の自殺者は減少しており、専門部署設置の効果は明白です。新型コロナの影響も考え、自殺防止対策の専門部署の設置を改めて求めますが、区長のご決断をお伺い致します。

 また、第四として、「自殺のない社会づくり市区町村会」について質問致します。
この市区町村会は、自治体間で自殺防止対策に関する情報交換や他機関との連携、国への要望活動などを行っています。私は平成二十七年第二回定例会の一般質問で同会への参加を提案しました。当時は二百八十七の自治体が参加していましたが、本年八月現在では、三百三十二の自治体に増えました。特別区では足立区や練馬区など十三区が参加していますが、板橋区は、いまだ参加していません。この市区町村会に参加することは、先進事例の情報交換などだけでなく、板橋区が自殺対策に力を入れて取り組んでいることを区民へ広く伝えることにもなり、大きな効果があると考えます。平成二十七年の一般質問に対しては、「参加している自治体の情報なども収集しながら、今後の研究課題とさせていただきたい」と答弁されています。現在の研究状況をお示し頂くとともに、再度、同会への参加を求めますが、ご見解をお聞かせ下さい。

 最後に、区立小中学校における自殺防止対策について、質問致します。
 板橋区では、児童・生徒の自殺防止対策として、命の尊さを教える教育に様々な場面で取り組んでおられます。また、悩みを一人だけのものにさせない為、スクールカウンセラーによる全員面接や「いじめアンケート」の実施、また、電話やメール、SNSの「ライン」などで相談できるよう、それらの連絡先をまとめたチラシを配布しており、こうした取り組みを評価致します。
 そのような中、本年は新型コロナウイルス感染症の影響で、三月から五月にかけて学校休業となり、子供達の環境も著しく変化致しました。休校中の児童・生徒は、自宅学習が増加しただけでなく、クラブ活動や友達との交友も制限され、感染症への不安とともに大きな影響を受けました。また、授業再開後は、授業時間を確保するために、各小中学校では、一日の時限数や土曜授業を増やしているとのことで、子供達の負担が増えているとも聞いています。また、修学旅行などの宿泊行事や運動会・学芸会などの学校行事も中止され、子供達の楽しみも減少しています。
そこで伺います。新型コロナウイルス感染症による区立小中学校の児童・生徒の変化に対して、教育長は、どのようなご認識をお持ちでしょうか。また、子供達の不安や負担を軽減させるための取り組みについて、お聞かせ下さい。さらに、令和元年度からは、「SOSの出し方に関する教育」を小中学校で実施し、卒業までに一回は全員受講する計画が進められているとのことですが、この教育も含め、子供の自殺を防ぐために教育委員会の一層の取り組みを求めますが、ご所見をお聞かせください。

 以上をもちまして、私の区政に関する一般質問を終わります。坂本区長及び中川教育長の前向きなご答弁に期待するとともに、議員各位のご清聴に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。


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