高沢一基(かずもと)の陣中日記

板橋区議会議員・「高沢一基(かずもと)」のオフィシャル日記です。

「とまらない東上線」と「おとしよりの居場所づくり」で議論!

2021-11-25 17:45:31 | Weblog
板橋区議会本会議で区長へ質問しました!

ホームドア設置で区独自の補助金を検討すること、踏切侵入防止のため人員を配置すること、おとしよりの有償ボランティアを子育て支援に参加いただくこと、など前向きな答弁を得ることができました。

以下、質問原稿を掲載しますので、ご興味のある方はご覧ください。

只今より、民主クラブの区政に関する一般質問を行います。

 はじめに、「安全で快適な東武東上線を実現させるため」に、提案を交えつつ、質問いたします。

 第一は、ホームドアの設置促進についてです。
令和元年九月、東京都は「鉄道駅バリアフリーに関する優先整備の考え方」を示し、ホームドア設置のための補助事業について、それまで、乗降客数十万人以上の駅を対象にしていたものを、駅周辺の施設などの特性、急行通過駅や島式ホームなど駅そのものの特性を配慮して、十万人に拘らず整備する方針を発表しました。それを受けて、私は、昨年三月の予算審査特別委員会総括質問において、区内東上線各駅のホームドア設置促進を求めました。
区内の東上線各駅は、成増駅を除いて全て普通列車しか停車せず、各種ライナー・快速・急行・準急などの列車は通過します。また、中板橋駅・ときわ台駅・上板橋駅は島式ホームであり、東武練馬駅のようにホームが狭い駅もあります。こうした駅の特性がある中、本年二月には、下赤塚駅にて視覚障碍の男性がホームから転落して亡くなるという痛ましい事故も発生してしまいました。
東京都では、都内鉄道駅ホームドア整備率を、本年三月末現在のJR・私鉄の三十三・三パーセントから、四年後の令和七年までに六十パーセントへ、地下鉄は八十三・八パーセントを九年後の令和十二年までに百パーセントとすることを「未来の東京戦略」で目標としています。
そうした中、東武鉄道のホームドア整備計画を見ると、乗降客十万人以上の池袋駅・押上駅・北千住駅三階が現在整備済みで、小菅駅・五反野駅・梅島駅・西新井駅・竹ノ塚駅は整備事業が始まっています。しかし、板橋区内の東上線・下板橋駅から成増駅までは、「令和四年度以降の整備を検討」と示されるのみで、一駅も具体化していません。
そこで、お伺いします。東上線・区内各駅でのホームドア整備に関して、東武鉄道とどのような協議を行っているか、お示し下さい。
また、東京都では、本年五月から、鉄道各社の方々に委員をお願いして、「東京都におけるホームドア整備に関する検討会」を開催しています。その中で、整備促進にあたり、技術面・費用面・施工面の課題があると指摘されていますが、技術面・施工面は工夫の余地があったとしても、コロナ禍で鉄道事業者の経営環境が厳しい現状では、費用面の課題は大きなものであると思います。
ホームドアは、確かに鉄道事業者の財産となり、企業価値を高めるものです。しかし、痛ましい転落事故や自殺を防止して命を守ること、鉄道の運行を円滑に行い、利用する区民の経済性や利便性を高めるためには、板橋区としても、積極的にホームドア整備を進めるべきと考えます。
昨年の予算総括質問では、東京都の補助制度だけでなく、板橋区としての補助制度を求めました。その際、都市整備部長は、「区といたしましても、東京都や東武鉄道の動向を受けまして、補助制度の創設に向け関係部局で協議を行っているところでございます。東武鉄道のホームドア設置計画に合わせまして、必要な支援を行っていけるよう制度を調えてまいります」と答弁されました。区としての補助制度創設に向けた現在の協議状況をお聞かせ下さい。

第二は、遮断した踏切への侵入防止についてです。
踏切での事故を無くし、人命を守っていくためには、鉄道立体化や道路・歩道の立体化が一番の解決策であるのは、いうまでもありません。しかし、立体化には時間がかかるため、鉄道事業者は、遮断時間を短くする所謂「賢い踏切」や、遮断中の進入者をセンサーが感知して列車を停止させるシステムなどが導入されています。これらのシステムにより事故防止がなされていることは大切なことでありますが、その一方で、東上線の運行停止や遅延がたびたび起こっていることは、東上線利用者の実感といえます。
もちろん、人命最優先ですから、侵入センサーは必要でありますが、遮断中の踏切へ自転車や徒歩で無理な侵入をさせないために、それを制止する人員を、場所や時間を限って配置するべきと以前から求めて来ました。その後、本年三月には、東武東上線連続立体化調査特別委員会の提言の中に、「警察等の関係機関とも連携した人的配置を視野に入れて対策を協議すべき」と盛り込まれました。
また、昨年の予算総括質問の時には、東武鉄道への依頼や、警備会社への委託で侵入を抑止すべきと提案しました。土木部長は「ガードマン等による抑止も含めまして、踏切対策としても総合的な対策を考えなければなりません。このため、東武鉄道との対策協議会での話し合いや個別踏切対策検討調査の中で、有効な対策について検討を進めてまいりたい」と答弁されています。
警察や東武鉄道との協議について、現在の状況をお示し頂くとともに、板橋区として、侵入が多発する踏切で朝夕の混雑時だけでも人員配置を実施するべきと考えますが、ご見解をお聞かせ下さい。

第三に、区長と東武鉄道社長とのトップ会談について、お伺いします。
区内の東武東上線で事故や自殺を防ぎ、人命を守るとともに、遅延や運行停止を減らして「とまらない東上線」を実現させるためには、鉄道連続立体化やホームドアの整備を進めることが必要不可欠です。これらの実現によって、安全面はもとより、区民や利用者の利便性・経済性の向上、そして、板橋区や地域の魅力向上に資すること大であります。
鉄道連続立体化については、大山駅付近が都市計画決定されて計画が進んでいますが、続く「ときわ台~上板橋駅区間」やその他区間については、まだまだ、時間がかかることが予想されます。
また、ホームドアの整備についても、先程述べた通り、全ての駅での設置は、こちらも同じく、まだまだ、見通せていません。いずれも、多額な経費がかかる事業であり、一朝一夕に実現できるものではありませんが、一歩ずつでも始めなければ先には進めません。
そこで、提案します。坂本区長には、鉄道立体化やホームドア設置について、東武鉄道社長とのトップ会談をぜひとも実施され、区民のため板橋区のために「安全で快適な東上線」を実現していただきたく、ご見解をお聞かせ下さい。

第四に、東武練馬駅前踏切の交通規制について、質問します。
東武練馬駅にある東上線第四十号踏切は、踏切を渡ろうとする歩行者と自動車や自転車が錯綜し、特に夕方は大変な混雑で危険な状態となっています。他会派の議員のみなさんも、その安全確保に取り組まれていますが、私もイオンスタイル板橋店で働くみなさんから要望を受けて、以前から、議会で質疑したり、所管課とも意見交換をして来ました。
そうした中、本年四月には、平日・土日祝日ともに、午後四時から午後八時まで自転車以外の車両通行止めとする方針が発表されました。その際に、板橋区が練馬区とともに発行した「お知らせ」には、交通規制の開始予定について「令和三年度中」と記されていますが、現在まだ、その動向が明らかにされていません。規制当局である東京都公安委員会に対して、年度内実施を改めて要望することを求めるとともに、地域の関係者へ現在の状況をお知らせ頂きたく、ご見解をお聞かせ下さい。

続いては、「おとしよりの居場所を確保するために」質問します。

コロナ禍により、町会や地域での行事が中止されるなど、多くのおとしよりが自宅にこもりがちとなっています。コロナ後を見据えた今こそ、おとしよりが外出をして気軽に滞在できる居場所づくりが必要であると考えます。
こうした中、本定例会において、「いこいの家条例を廃止する条例案」が、このあと上程される予定です。いこいの家は、現在、区内十三ヶ所に設置され、昭和四十九年から四十七年間、おとしよりに親しまれて来た施設であり、その廃止にさびしさを感じます。
しかし、板橋区では、廃止後の施設の四ヶ所を「介護予防優先施設」として、介護予防団体の活動の場とするとのことです。また、「介護予防活動団体支援事業」を実施し、介護予防スペースの拡充と介護予防団体の立ち上げ、継続的な活動支援を行うとのことです。
そこで、お伺いします。いこいの家廃止後の施設で行われる介護予防事業の特色について、お示し下さい。
また、多くのおとしよりに気軽にご参加頂くためには、様々なサークルが必要であると考えます。すでに多くの団体が活動していますが、その幅をさらに広げるために、多種多様な介護予防活動団体の立ち上げ支援を行って頂きたいと考えます。ご見解と今後の方針について、お聞かせ下さい。

次に、「井戸端お茶のみカフェ」を提案し、質問します。
カラオケや踊り、和歌や体操などの趣味のサークルへの支援も重要ですが、お茶を飲みながら会話するなどの気楽な場も必要であると考えます。いこいの家廃止後の九施設には、「小さな絵本館」を配置し、多世代が利用できるフリースペースを確保するとのことですが、おとしよりの憩いの場を十分に確保するために、介護予防スペース等の空室を活用するなど、区主催事業として、自由にお茶飲み話ができる「井戸端お茶のみカフェ」の実施を提案しますが、ご見解をお聞かせ下さい。

続いて、おとしよりによる子育て支援について、伺います。
令和元年八月、私が委員長を務めていた文教児童委員会で三重県名張市を視察しました。同市では、平成十七年度から各小学校区域に「まちの保健室」と呼ばれる健康づくり・地域福祉活動の拠点を設置していますが、その中のつつじが丘地区では、「おじゃまる広場」として、高齢者や障碍者が子育て支援にボランティアとして参加しています。また、子育て支援では、「なばり子育て支援員研修」を受講したおとしよりが積極的に活動されていました。
板橋区においても、子育て支援員研修を実施し、修了者は保育園での補助員やファミリーサポート支援員として活躍されていますが、これは「保育」の補助としての目的が強い事業といえます。確かに、「保育」の面も重要ではありますが、核家族化が進む今日、子供が高齢者と触れる機会をもつことも有意義ですし、子育てに悩む親御さんが先輩であるおとしよりと会話することも、子育ての不安解消に大きな効果があると考えます。さらに、おとしよりの側から見ますと、子供と接することにより元気をもらうだけではなく、子育て支援を行うことで有用感も得られて、介護予防としても大きな意義があるといえます。
そこで、子育て支援員研修に高齢者を対象としたコースを設けるなど、研修を受けたおとしよりが、子育て支援の場ともなっている区内各地の児童館にて、有償ボランティアとして、子育て支援にあたって頂くことを提案しますが、ご見解をお聞かせ下さい。

そして、最後に、急速に高齢化が進む今日、おとしよりに寄り添い、すべてのおとしよりが、居場所や活躍の場を持てるように努めていただきたく、要望します。コロナ後を見据えた高齢者施策の展開について、区長のご見解をお聞かせ下さい。

 以上をもちまして、私の区政に関する一般質問を終わります。坂本区長の前向きなご答弁に期待申し上げるとともに、議員各位のご清聴に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。