住民投票条例は否決されました。議会の民主主義への見識が問われます

2012-08-28 17:16:39 | 秋水園リサイクルセンター
リサイクルセンターの建設の是非を問う住民投票条例案
採決の結果、自民、公明、みんなの党の反対多数で否決されました。

議案にはたくさんの施設を建設すべきとの意見が市長から添付されていました。
もちろん、行政が準備してきたものだから建設する理由は幾らでもあるでしょう
確かに議会でも議決されました。
しかし、その行政の計画とそれを認めた議会の議決に問題があると提起されたものを、否決するのはいかがなものかと思います。
以下、私が行った 条例案への賛成討論です。

―討論―

質疑を受けて、私が討論で、改めて明確にすべきと考えたのは、
第一に、本件が地方自治法に認められた“住民の権利の行使である”
ということです。
その住民の権利を認めるか認めないのかが問われているのです。

地方自治法は、住民が直接選挙で選出する首長と議会に、
一方には税金の使い方の決定権を認め、
もう一方に、その使い方のチェックを課しています。

この一方の議会に託した、税金の使い方へのチェックとその結論に、住民が納得いかないとき、
地方自治法は、住民に異議を唱える権利を認めています。
理由は問うていません。
法の求めるところは、有効と認められた署名数が有権者の50分の1以上必要ということのみです。
本請求は、法定署名数2487筆を大きく超える5775筆です。
従って、常設型住民投票条例の制定、市民参加のシステム化を一期目の公約とされた市長なら、事業への立場はどうであれ、住民投票を実施すべきです。

第二に、我々議会が、住民の付託に充分応えていたならば、
こうした事態は起こらなかったということです。

H21年度設置された市民検討会議の13人中8人の委員が(秋津の住民も含め)
「所管が検討会議を同意への手続きだと考えたのならそれは違う」
と、当時の議長と議会特別委員長に、徹底した議論を求めていました。

これを受け、議会の前期特別委員会や今期環境建設委員会において、
施設建設が本当に必要か、
運営コストはどうなる
軽微な改善方法もあるのでは
などと議論されてきたのはご承知のとおりです。

議会の全ての議員が、諸手を挙げて賛成しているわけではありません。
むしろ全員が何らかの問題を感じていたのではないでしょうか。
だからこそ、今年3月議会で、
現時点での予算執行は時期尚早であり、
議会がもっと議論すべきだとして、
リサイクルセンター関連予算削除の修正提案が議論されたのです。
この修正案が、自民党、公明党により否決され、
この結論に住民が異議を唱えているのです。

議会が、住民の付託に応える責任を果たさなかったことこそ、
本条例制定の動機となっていることを、
我々、議会人は肝に命じなければなりません。
住民からのイエローカード若しくはレッドカードが
議会に突きつけられたと認識すべきであり、
議会は本条例を成立させるべきです。

最後に、言及すべきは、
住民投票の実施に4千万円ものお金をかけるのは無駄である
との議論についてです。
本請求は、幾度も申し述べた通り、住民の権利の行使です。
権利を行使するお金が無駄使いであるとの議論を容認するわけにはいきません。

市長や議会の側こそ、こうした事態を引き起こしたことに
責任を感じるべきであります。
本条例案による住民投票実施の費用は、
民主主義を実行する正当な支出であるということを強く主張しなければなりません。

お金がかかることを理由に本条例に反対するなどもってのほかであり、
民主主義と住民参加への攻撃であります。
市長は、本事業を周辺住民が望んできたと意見書の最後に述べています。
しかし、その実態は本条例制定を求める運動に、
多くの市民とともに秋津町の住民が参加したことで明らかではないでしょうか。

日本共産党は、二元代表制の下で猶、
議会が認めたリサイクルセンター建設を、
住民が、自分たちの求めた結論では無いと判断し、
異議を唱える権利を認めた地方自治法第74条を行使していることに対し、
市長も、議会も真摯にこれを受け止めて、
住民投票を実施することを求め、
賛成の討論といたします。

―以上―

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1 コメント

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説得力ある賛成討論ですね (廻田K)
2012-09-01 19:28:20
傍聴にはいけませんでしたが、ブログをもつ各会派市議会議員の討論を見ました。福田さんの賛成討論が圧巻ですね。さすが共産党だと思わせる論戦。ご苦労様でした。
これからは西口、道路問題含め、ハコモノに熱中する市政全体の問題点を市民全体に広げていく必要を痛感します。これからのご活躍期待しています。
廻田k
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