牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

1月9日(水) 「健康な教会へのかぎ②」 リック・ウォレン著

2013-01-09 07:42:35 | 日記

 著者の提唱は、本のタイトル通り「目的によって主導される教会」(英語の題はThe Purpose Driven Church・訳者はそれを「健康な教会へのかぎ」と訳している)である。

 第2部のタイトルは「目的主導の教会とは」。 
 本からの引用。「目的以上に大切なものはない。すべては「なぜこの教会は存在するのか」と問うことから始まる。教会の存在理由を理解するまでは、働きの土台も動機も方向もない。教会の開拓に関わる時、第一の務めは教会の目的を明確にすることである。教会の誕生時にきちっと土台を据えておくほうが、何年もたってから土台を据え替えるよりもはるかに簡単である。、、、、、サドルバックの教会員になろうとする人には、教会がどこを目指しているかを把握して欲しいと思う。だから、教会員になる前に、教会の目的を細部まで説明する。教会員になろうとする人は必ず「教会員クラス」で学び、サドルバック教会の目的実現のために献身することを含む「教会員の誓約」に署名することになっている。、、、、教会の目的を理解していない人を教会員にすれば問題を招く。新会員、特に他教会からの転入者は、教会についてある種の期待と先入観を持っている場合が多い。最初に真正面から取り扱わなければ、これがやがて問題と争いの火種になる。」

 「目的主導の教会を形成するためには、四つの重要な段階を通る必要がある。第一は、教会の目的を明確にし、第二はそれを教会員全員に繰り返し伝えることである。第三には、その目的を中心に教会を組織し、最後に、教会の目的を活動のあらゆる面に適用しなければならない。」

 「目的を明確にする」の章から引用。「 私は、すべての教会は何に献身しているかによって定義されると思う。だから「大いなる戒め(マタイの福音書22章37節~40節)と大いなる委託(大宣教命令・マタイの福音書28章19節、20節)への大いなる献身が、大いなる教会を生み出す」と信じる。これがサドルバック教会のモットーである。 」

 大いなる戒めとは、神を愛し、自分を愛するように隣人を愛することで、大いなる委託とは、行って弟子を作り、バプテスマ(水の洗礼)を授け、教えることである。


 著者は教会の目的を5つあげている。
 目的その1:心を尽くして主を愛すること    この目的を具体化したものが「礼拝」である。
 目的その2:自分のように隣人を愛すること   このことを具体化したものが「奉仕」の働きである。
 目的その3:行って弟子を作ること       私たちはこれを「伝道」と呼ぶ。
 目的その4:バプテスマを授けること      私たちはクリスチャンとして、「信じる」だけでなく、「帰属する」ために召されている。
 目的その5:従うように教えること       この目的を表す言葉として、「弟子訓練」という言葉が用いられる。
 五つの目的を最も明確に示しているのは、使徒の働き2章のエルサレム教会である。彼らは互いに教え、交わり、礼拝し、奉仕し、伝道した。今日の教会もこれと同じで、徳を養い、励まし、あがめ、整え、伝道するために存在する。

 サドルバック教会では、キリストの教会の目的を要約する五つのキーワードを用いている。
 崇拝=礼拝の中で神の臨在を喜ぶ。
 宣教=伝道により神のことばを伝達する。
 加盟=神の家族の交わりの中へ迎える。
 成熟=弟子訓練により神の民を教育する。
 奉仕=仕えることにより神の愛を証しする。
 五つの目的を示すこれらの言葉は、目的宣言文の中に織り交ぜられている。
 
 サドルバック教会の目的宣言文= 人々をイエスに導いて彼の家族に加盟させ、彼らをキリストに似た者として成熟させ、教会における奉仕とこの世における宣教のために整えることにより、神の御名を崇拝する。


 書いてあることが完璧すぎて何も削り加えることがないような気がする。埼玉の牧会でも本書などを参考にしてある意味このようなことを試みたのだが、途中から教会の体質を変えることや他教会から移って来た人々をまとめることは想像以上に難しかった。今度は著者の言う通り、最初から教会の目的を明確にして、文書化して、教会をスタートしたいと思っている。


 続いて本からの引用。「神の目的を実行に移すためのプロセスは四段階ある。まず人々を迎え入れ、建て上げ、訓練し、そして遣わす。人々を教会に加盟させ、成熟を目指して建て上げ、奉仕のために訓練し、宣教のために遣わすことにより主を崇拝する。これがサドルバック教会のすべてである。、、、、、、教会の目的を明確にすることの重要性は、強調しすぎることはない。それは単なる目標ではなく、実際にそこに向かうべきものである。あなたの会衆の存在理由である。明確な目的宣言文は、あなたが行うすべてのための方向、活力、境界線、原動力を生み出す。目的主導の教会は、21世紀が直面するあらゆる変化に対処し得る教会となるだろう。」