このブログのタイトルは「言わなければよかったのに日記」です。深沢七郎さんの本のタイトルのパクリです。球磨弁で言うと「言わんばよかったて 日記」でしょうか。「のに」があるから、ちょっとニュアンスが違うのかもしれません。
ふだんの生活で「云わんばよかった」という反省はあんまりありません。歳おってからは(いちおう)言葉には気を使いながら喋っているつもりなので、「云わんばよかった」ということは激減したと思っています。
ところが若いころは、学校教員で目の前に子どもがいたときは、しょっちゅう「云わんばよかった発言」をしていたと思います。そのときの私の目の前にいた子どもたち、ごめんなさい。ただ、言い訳だけさせてもらうと、“よかれ”と思って言っていた言葉です。「なんばしょっとやー」「さっさ、せんか」「そぎゃんた、ヒマいらんどが」・・・ほとんどが否定形の言葉です。しかし、否定した言葉に励ましの意味合いが含まれていたと思っています。「なんばしょっとやー」→(一生けん命するともっとできるだろうに)というようにです。
ところが、いまの時代は100%outです。許されない言葉遣いになると思います。ある意味、世の中が優しくなっています。少し首をかしげるところもありますが、世の流れは“人にやさしく”です。
怖いのは、せからしかで、もう黙ってうっちょこい、なんも云わんほうがよか、と本音を抜きに人と語ったり接したりすることです。表面だけで接する人が増えることです。「云わんばよか」こともありますが、「云うた方がよか」こともあるはずです。
これからは、けっこう気を使いながら「云わんばよかったて日記」を書き綴っていこうと思っています。(笑)やおいかん、時代の到来です。トランプさんが羨ましい!!
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