川の果ての更に果てに

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クラブと国家代表

2006-09-03 22:20:23 | その他スポーツ
バスケットの世界選手権、優勝はスペインでした。
ガソルがいないので厳しいのかなと思っておりましたが、完勝でしたね。

で、プロバスケなんてのはNBAをごくごくたまに見るくらいで三日連続で見るなんてのが今回の世界選手権の準決勝以降が初めて。中々メンタルな部分がダイレクトに結果に繋がっているのが伝わってきて面白くはあったのですが。
一方で色々問題もあったようで…
“愚痴”に含まれた大きな問題(スポーツナビ)
○コートチェンジに伴ってベンチの位置などが変わらない、など運営面にも問題があったそうであり、また…
○NBAが選手を貸すことに消極的だった…
ということもあるようです。まあ、日本も田臥勇太がいなかったりしたわけですしね(もっとも、各国がNBAプレーヤーを自由に召集できたとしたら結局差は変わらないのではという気もしないではないですが[笑])。

選手を呼ぶ呼ばないという問題はWBCの時にもありましたかね。
というか、こういうクラブと代表チームの関係というのはどの競技であってもあるんでしょうけれどね。

例えばサッカーでもフランスのレイモン・ドメネックが少し前までクロード・マケレレの召集をめぐって彼が所属しているチェルシーのフロント+モウリーニョ監督とすったもんだの喧嘩をやっておりました。で、これが野球やバスケであればクラブが勝つのでしょうけれど、サッカーの場合は「拒否すればクラブで二試合の出場停止」という規則があるので、これを盾にチェルシーを脅して代表が勝ったわけです。
まあ、マケレレは一応W杯後に代表引退をしたようなのですが、はっきりと「自分は代表引退をすると言ったんだから、もう呼ばないでくれ」と継続して訴えるまでもいかなかったようで、こういうことになったようですが。まあ、「俺はフランス代表としてはもう絶対にプレーしたくないんだ」とは普通は言えないですけどね。
今回無理矢理召集してドメネックが批判されていますが、ただ、野球のWBCではっきりした態度を取らずに結局参加しなかった松井秀喜が概ね批判されていた(私はそれでいいと思っていましたけどね)のを見ると、どっちに転んでも結局批判されることになるのではという気もします。

個人的にはフェルナンド・レドンドとかエリック・カントナとか代表を拒絶した選手が好きということもあって、是が非とも選手は代表に行かなければならない、とまでは思わないですね。行きたくないならそれはそれでいいじゃないかと。
以前、WBCの時にも触れましたけれど、ある意味代表に参加するのはサービス残業(ま、名誉とか一応の付加価値はついてきますが)みたいなものですし、色々打算を働かせて、残業したくないという人間は残業しなくていいだろうと思うわけです。トップアスリートとしていられる時間は長くないわけですし、体の中に残されたエネルギーをお金のために(クラブ)使うか、名誉のため(代表)に使うかくらいの選択肢はその本人が持っていればいいと思いますね。

代表がどうあるべきか、クラブがどうあるべきか、というのではなく、結局双方を形成しているのは個人としての選手である以上、個人の好きなようにやらせればいいと思うんですけれどね。名誉のために参加したでも別にいいし、恩義ある会長がクラブに専念してくれと言うから代表を辞退したでも別にいい。一年間に60試合までしか出ないという条件を立ててその範疇で巧いことやる(サッカーに関して言えば試合数が増えて過密日程になることに対する一番の策は一選手の年間出場試合の上限を何試合と決めて、それ以上のプレーは禁止させるのがいいんじゃないかと思いますけどね)のも自由。
そのあたりの選択も人間らしくてある意味面白いじゃないかと思います。

そういう観点からすると、強制的に連れてこさせるようなFIFAの規則は正直行き過ぎですね。ま、NBAやMLBのようにクラブが極端に強いというのがあれですけれど。出場停止よりは選手の年俸に応じた罰金でも課すあたりで妥当なんじゃないかなという気が。その金額の何割かをその国のサッカー協会に割り当てれば、それはそれでその選手のおかげで潤う部分もあるということで、最低限選手の顔も立つということで(国によっては金の使い道などでまた揉めるのでしょうけれど…)。

ところで、ドメネックはこうした問題の解決策として…
○代表に召集されている間は代表が給料を払う
○替りに代表選手の移籍金については半分はその選手の所属しているサッカー協会が手にする。何故なら、選手は代表選手であることによってプライオリティがつくのであり、その付加価値分を代表に還元するはむしろ当然だからである
というようなことを提案しているのだそう。まあ、ドメネックだけでなく、別の論者が似たようなことを言っていた気もしますけれど。

ただま、冷静に考えると「それはおかしいだろ」ってなると思うんですけどね。
もちろんドメネックの言うように、代表の試合で活躍して価値があがる選手というのは確かにいますね。で、まあ、その選手の移籍金の高騰は代表のおかげであるというのもあながち間違いではないです。
しかし、では逆にワールドカップの舞台などで大きく期待を裏切り、評価を急落させた選手についてはどうなるのかってことですよね。これは代表の責任といえるはずですが、だからといってこの時に移籍金減少分の負担を協会はすべきだという意見は今のところ皆無。というか、この場合でも協会が移籍金の半額をもっていくとなると、クラブは泣きっ面に蜂ということになるわけで。これではますます選手を出さないということになるのではという気がするんですけれどね。
結局、代表の活動もまたクラブの営業になるわけで、その間に生じたケガのリスクはやはり代表が負ってそれでトントンにする。
現在くらいの形が一番いいのではという気がするわけで。

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2 コメント

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Unknown (コージ)
2006-09-03 23:42:12
こんばんは。

バスケは、昔、見たのですが、今では選手が分からないので、さっぱりです。



クラブと代表の綱引きって、欧州の強国だとしょっちゅうありますよね。日本では、中田とトルシエが初めてだったのかな・・・FIFAの規定自体、改善が必要だと思うのですけどね。それとクラブでも選手は出すぎ!



私が昔考えたのは、3試合出場したら完全に1試合休業を与えなければならない(数字は、調整必要)ってのがいいと思うのです。そうするとサブの選手も含め、クラブとしてトータル的に強いチームってのが分かると思うのです。



また、選手の立場になったら、ずっとベンチって状況が改善されると思いますしね。





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>コージ様 (川の果て)
2006-09-04 03:34:57
私は海外も日本も全然分からなかったのですが、中々面白いとは思いました。ただ、結構点差がつく試合が多くて残念な部分もありましたが。



試合数が多すぎるとは言っても現実的には試合が減ることはないでしょうし、そうすると選手の側を守る規定が必要な気がします。野球の投手だと酷使に関して球数制限とかそういうのがありますしね。
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