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キューバ不参加? WBC・2

2005-12-15 18:38:08 | 野球
昨日、話題にしたばかりのWBC。
昨日の今日で、米政府がキューバの参加を認めないという中々洒落た(もちろん皮肉)ことを言い出したそうです。
キューバの参加認めず 野球のWBCで米政府

アメリカ政府はキューバに対し、経済制裁を加えているわけですから、キューバを相手にした商取引には個別の許可が必要だそう。が、その許可をしなかったのだとか。
MLB側は「政府の決定は遺憾だ」として折衝を続けるそうですが、一度決定が下ったのならば、覆すのは難しいでしょうね。

世界でも屈指の野球大国と言われているキューバが不参加ということになるなら、野球の世界一を決めるという看板に傷がつくことになり、WBCとしても大きな痛手でしょう。また「政治の介入で操作された」大会というような認識を受けてしまうのも競技全体に大きなマイナスイメージを与えかねません。これでは五輪復帰も夢のまた夢というところでしょうか(ちなみに普及が実現しない限り、野球を競技とすることは負担になるだけというIOCの主張には賛同しており、私は早急な五輪復帰については反対的な立場です)。

正直アメリカ政府が悪いのかというと、そうとも言えません。商業的な色彩が強いということは、開催する意味のないイベントという風に認識できるわけであり、そうであるならば、キューバを儲けさせるだけじゃないかと考えるのは自然でしょうから。

結局、統括団体が国際組織的に認められた組織ではなく、単独の国の組織という弊害が諸に出てしまった感があります。

参加に否定的な立場の人達には格好の口実ができたことになります。
それでなくとも色々疑問が出ているというのに、そこに加えて政治的介入があったとなると、嫌気が差す人は多いのではないでしょうか。

打開策は、残念ながらなさそうです。
理想は中立的かつ国際的な機関に開催権を譲り、そこが別ルートで主催にこぎつけるというやり方でしょうけれど、野球にはFIFAやIRBのように大きな大会を開催できるだけの統括団体はありません。
MLBが主導権を握っている限り、キューバ問題にはカタがつきそうにないですので、別の国が主導権を握るというのもいかがなものか。自分達のことしか考えないだろうことは日米で変わりがあるとも思えませんので、NPBが主導権をとったとしてもあまり大差はないでしょう(むしろ悪くなる気がします)。他の国の機構についてはそもそもどの程度の力があるのかすら分かりません。

この白けムードのまま、延期、という可能性もあながち否定できません。
ただ、アタフタとしたままスタートして大失敗するよりかは、一度延期して改めて方法論を考えてみるのも一つの手なのかも。
こういう大会については、拙速は巧遅に劣る気がします。


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