さいたま市の川合運輸株式会社 社長ブログ

輸送会社の社長ブログです。演奏会の楽器運搬や舞台装置の輸送などで、個人・団体の方々にもお世話になっています。

柴五郎

2013-01-31 | 書籍

ちょうど4年ほど前になります。経済的に激動の年となった2008年の暮れに経済雑誌のコラムで櫻井よしこ氏が、いまこそ政治家、お役人それに多くの読者にお手本として薦めたいと紹介していた本の一冊を正月に読み、相当な衝撃を受けました。

石光真人編著「ある明治人の記録(会津人柴五郎の遺書)」中公新書。

柴五郎は会津の上級武士の五男として生まれました。

会津藩主は大政奉還の後、祖宗以来の労苦を慰労され、皇国の維持をとの詔勅を賜りながら、その前日に会津討伐の密勅と錦旗が薩長にくだされます。

藩主が戦火を避けるために謹慎し、強硬論を抑えるものの会津討伐が迫るなか、城下の様子は一変します。

家の中も皆が寡黙になり、大人は小声で何事かを相談することが多くなりました。そんなある日に、10歳の少年だった五郎だけが、散策を名目に城下から郊外の山荘に連れて行かれ、その翌日に城下では討伐軍の侵入による騒乱がはじまりました。

騒ぎを聞き、山荘から燃えさかる城下に向かったものの、あまりの火の勢いにこれ以上近づけないことを悟った少年が、「口惜しさのあまり母上、母上と叫びながら、地をたたき、草をむしりて号泣す」。

翌日、山荘を訪れた親類の老人から、敵の城下侵入に際し、退去を拒否した祖母、母、姉妹が自刃し、頼まれて介錯し、家に火を放ったと事の次第を教えられます。
「幼き妹までがいさぎよく自刃して果てたるぞ」と聞き、眩暈してそのまま数時間気を失います。

それから2ヶ月の間、毎晩、一家団欒の夢を見、目が覚めるごとに愕然とする日々を送りました。

その後、城内に篭っていた父・兄とともに江戸へ俘虜として収容された後、移封された地が、冬には厳寒の作物もろくに育たない陸奥で悲惨なる飢餓を味わされたのです。

柴五郎はその後、下僕として働きながらも軍に入り、北清事変(義和団の乱)で活躍し、藩閥外ながら陸軍大将、軍事参議官にまでなりました。そして敗戦の年の12月、少年の時に自ら拾い集めた母・祖母・姉妹の遺骨とともに永眠されました。

この本は、柴五郎が晩年、葬り去られた歴史を、自らの菩提寺に納め、肉親を弔いながら自身も眠りにつく目的で筆記した書を、たまたま編者に文字の添削を依頼したことから世に出たのです。

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冬の下北半島

2013-01-30 | 鉄道

こんなに寒いのに、余計に・・。
これは現在ではなく、一昨年の1月初め。
休み明けに宮城県に所用があるため、週末から青森方面に行った時の画像です。前日から大雪でした。

下北半島の終着駅、大湊。到着してからしばらくは雲が晴れて穏やかな天気になったのです。

帰路、大湊線の車内から観た津軽海峡です。
割合天気がよさそうに見えますが、実は相当な強風なのです。これだけ海岸近くですから、列車は最徐行で通過してます。この列車以降は運休になりました。

途中駅での対向列車も遅れて、いよいよ先が見えなくなりました。
どうも案内が、後手後手で上り下りのどちらに向かうべきか、判断がつかず、二人の若い女性の駅員さんに、現状の見込みでいいですから、どちら方面に行くかの参考にしたいからと、情報を頼みました。二人でしばらく相談しながら、こちらに答えようとしたところで、後ろから突然年配の駅員さんが、大声で「全くわかりません!」。

どうも国鉄時代のままの人もまだいらっしゃるようです。

というわけで、乗り換えそこねてしまった野辺地駅では長時間足止め。ところが、現地の人は待合室のあまり効かないストーブを前にして、寒い中でも黙って皆さん静かに待っているのです。やはり東北の人はおとなしくて我慢強いのですね。

ところで、わざわざこんな季節に行ったのには訳があります。

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名刺

2013-01-29 | 川合運輸社長

名刺もさまざま。まさか「はじめまして。早速あなたのスマホに名刺を送ります。」などとはまだなってませんね。

商売にあわせてとても凝った名刺を作っている人もいます。
ある会社では、扱っている包装資材の素材を使用して薄いプラスチックの名刺を用意していました。

ところで自分の名刺の裏面に業務内容を入れてあります。が、どうもイマイチな。社内でもダメ出しされています。

最近に感心したのがある士業の人の名刺。

目立つとか変わっているとか、面白いなどという事ではなく、その名刺のウラ面の構成が、見ただけで、しっかりと、何を欲している人が依頼するべきか、スッと頭に入ってくるイメージなのです。ホームページなどもそういうデザインが必要なのでと思いますが、そのような名刺を持っている人であれば、よいアドバイスがもらえそうな気になりますね。

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千秋楽

2013-01-28 | 川合運輸社長

昨日は千秋楽。
横綱・日馬富士は見事、全勝優勝を果たしましたね。おめでとうございます!

物静かな感じの日馬富士ですが、横綱になってますます端正で凛々しくなりました。

土曜日の取り組みをテレビで見てましたが、取り組み前の緊張感はすごかったですね。
伊勢ヶ濱部屋の千秋楽打上式。
残念ながら私は行けなかったので、参加者から画像を借りてアップします。

さすがに横綱は祝賀にテレビ収録とひっぱりだこで大変お忙しそうだったとのことです。

後援会の皆さんの熱心な応援。話をお聞きしてとても感動しました。

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春の祭典100年

2013-01-27 | 演奏会

今日は東京フィルの定期演奏会。

冒頭は 小山清茂作曲・管弦楽のための木挽歌
山で生まれた民謡が、祭りで、そして町でも唄い継がれ、人々の精神に力強く生きていくというテーマの曲。とても聞きやすい良い曲です。

2曲目は、指揮の渡邊一正氏の今日は弾き振りのラヴェル・ピアノ協奏曲です。
コミカルなフレーズを持つ曲。2楽章の静かで美しい旋律の中で、とりわけ中間のフルートが奏でるところは郷愁を強く感じます。
ところで弾き振りというのは、通常の別に指揮者がいる場合と比べて、弾き振りする側と、オーケストラの人にとってはどんな感じなんでしょうか。興味があります。

メインはストラヴィンスキー・春の祭典。初演から今年でちょうど100年になるのです。
当時のスキャンダルという表現がいまいちピンとこない部分もありますが、今でも息が詰まるような変拍子の連続は確かに特異な曲ですね。
最初に聴いた時は、一体どこまで続くのかといった印象でしたが、最近は短く感じます。演奏時間は三十数分なのです。
ステージいっぱいの大編成。今日はひときわ迫力を感じる演奏です。
タムタムが効果的に使われていて、実際生の演奏を聴くと、忙しそうで自然と注目してしまいますね。
いずれにしてもこの曲。バレエとして見なくても、一度テーマを聞けば、必ずや「乙女のいけにえ」のことが脳裏によぎらざるを得ない・・。うーん、やはり問題作だ!

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