11月28日(土)慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団第134回定期演奏
会。一日はまたたく間に流れ、あっという間に終わった。11月19日(土)から8回
の、苦しくも充実した練習にOBの一員として参加したが、とうとう本番も終わっ
てしまい、今は「あ~あ、もう終わってしまったのか。(残念だな~)」と虚脱状
態を迎えている。
14時40分から「タンホイザー」とアンコールのステージ練習。立ち位置を確認し、
「最後の」通し練習。ブル先生の指揮を見ながら--そこにはブル先生しか目に入
らない。--歌っていると、とくにこの1ヵ月半あまりか、さまざまな想いが込み
上げ、先生の姿がにじんできた。(「バカヤロー、笑わせる者が笑っていて、他人
を笑わせられるか。歌う者が泣いていて、歌で他人を泣かせられるか」と、学生時
代の自分の声が聞こえてきた。本番では泣かないぞ~!)
15時40分から夕食の弁当をとる。味なんか分からない。OBは会場の隅で前半だけ
聴けることになった。
17:00 開演
17:03 「塾歌」が始まる。最近は1番と3番(?)を歌う。学生指揮者竹内さんの
指揮は伊藤栄一先生仕込みの見やすい棒、気持ち早めのインテンポでよかった。
<柳河風物詩>(客席にて)
17:08 「柳河風物詩」畑中先生の前説「ワグネルを振って50年、定演は一回も休
むこともなく・・・・・・(拍手)」白秋と柳河について「レクチャー」があった。
17:13 平野先生の朗読が始まる。オンステ31人。畑中先生87歳!それにしてもよ
く手があがり、動く。(--指揮者は、小澤征爾さんにように、加齢とともに手が
動かなくなるものなのに。)四連の演奏に較べるとさらに熟成した味わいがあっ
た。
<私はカメレオン>(客席にて)
17:30 学生指揮者竹内敏郎さんの「私はカメレオン」を初めて聴いた。オンステ
36人。技術的には、最近の高校生にも歌える歌だろうが、詩(歌詩)が意外と深
く、いろいろな声も駆使し、大人っぽく歌えたんではないかしらん。なかなかよか
った。
<エレミア哀歌>
聴きたかったが、ステージ裏で準備、待機のため、かなわなかった。無念!
minorerさんの「総評」をお待ちしよう。
<タンホイザー>(ステージにて)
18:35 「タンホイザー」。オンステは110人か。この合唱、Topはとくにペース配
分が難しい。「フィナーレ」に備えて最初の「入場行進曲」をセーブするとそのま
ま不完全燃焼で終わってしまうこともある。しかし、今回は本番に突入すると、先
生方も合唱も「アドレナリン」が出たのか(--普段客席では分からないが、ブル
先生のお顔も本当に紅潮していた。)、まさしく「一人ひとり」が120%の「気持
ち」と「声」を出し切った演奏ではなかったろうか。最後のフェルマータが終わる
や一斉にブラボーが飛んできた。おそらくCDにもDVDにもこの熱気と臨場感は
入り切らず、会場に来られた方々のみが共有し、思い出として残ることだろう。や
はり会場で聴いてみたい想いも半分残った。
19:15 畑中先生のアンコール「鳩笛の唄」。ブル先生がマイクをとる。「音楽学
校同期の中田(喜直)くんが以前「亡き友を偲ぶ」いい歌ができたよと言ってきま
した。音楽学校の同級生で残っているのはもう私・・・・・・。長い間・・・・・・、演奏する
ことができなかった(温めてきた)曲をお送りします」--ブル先生が絶句するシ
ーンを初めて見た。先生が振り返るや、私も気を取り直し、最後の力を振り絞っ
た。
(それにしても私は1ステージでグッタリ。昔は5ステージの2日間なんて信じられ
ない。)
昭和女子大人見記念講堂
12時40分 会場へ OBは13時集合だが、もうかなり集まっていた
13時からロビーでの体操・発声練習
13:45佐藤正浩先生のステージ練習風景
14:30畑中先生「柳河風物詩」のステージ練習
会場で「柳河」を聴きながら、プログラムの「卒業生メッセージ」を読んでいたら
なぜかしらん涙がポロポロとあふれ出した
会場ロビー 16:15
ステージストーム「丘の上」 最前列は4年生 1年間の苦労が報われるひと時
お疲れさん!でした (反省点も引き継ぎしてくださいネ~)
当日のプログラム
最後に三島由紀夫の「家計簿日記」風に
参加費(会場費、チケット代等) ¥20,000-
ブレザー代 ¥27,300-
レセプション代 ¥3,000-
(明日へ続く)
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昨日の海賊録音を2度に亘って聴き返しました
聴くたびに昨日の満ち足りた想いが蘇ってきて
この上もない幸福感に浸っております
エレミア哀歌は初めて客観的に聴きました
こんな難しい曲を、よくも35年前に演奏できたものです
そしてそれを再演してくださった佐藤さんにも敬意を表します
(1回の音取りで通したのは驚愕です)
実は第2朗唱を1音下げたことについては
完全に忘れておりました
(竹内さんに指摘されるまで)
第3朗唱は、僕達は半音上げたGes Durで
演奏しました(楽譜はG Durで記譜しましたが)
これは木下先生と話し合った上でGes Durの方が
深みがあるという判断によるものです
そんなこと・こんなことが頭の中に浮かんできて
感慨ひとしおでした
とてもコメントには書ききれません
それほどまでに密度の濃いコンサートでした
みいただけましたでしょうか?
私も31年ぶりの「タンホイザー」。現役時の卒
業ステージ以上にさまざまな想いが頭を駆け巡
りました。
人見記念講堂は、想像していたよりも歌いやす
かったです。2013年には一緒にオンステしまし
ょう!
PS 現役もW大グリーといかずとも、<なんと
か>60人に増やしてもらいたいですね~。
「タンホイザー」は無論客席では聴いておりませんが、恐らくカラヤンのような、真似のできないほどきれいな演奏ではなく、フルトヴェングラー的な破綻をも恐れない、ホットな、その場にいた方に感動的なものだったのではないでしょうか。あのクレッシェンドは録音に入りきらないでしょう。(--もっとも合唱コンクールでは入賞しないでしょう(笑)。もしかすると、それこそがワグネリアンの誇りかもしれませんね~。)--岡本太郎は「(感動を与える)芸術はきれいであってはならない」といいました。