私達夫婦二人だけの乗客を乗せて午前1時過ぎ路線バスは走り出した。
昨夜乗り換えた町ホニングヴォーグに来るとバスの運転手は「俺はこれから休憩に入る」と言ってバスを降りようとする。「待ってくれ!私達はどうすれば良いのか」と聞くと「明日朝、別の運転手が来るので、それまでバスの中で寝ていては」と言う。
こちらはてっきりバスは徹夜運転するものと思い込んでいたのでホテルなどの予約はしていない。夜中の2時ころでもありどうしようもないので、お言葉に甘えバスの後部座席で横になった。
夏とは言え北極圏の夜は寒い。ザックから防寒着を取り出してしばらくの時間バスの中でまどろんだ。あちこち海外旅行をしてきたが、バスの中で寝たのはこれが初めてで最後だ。
もっとも、アイルランドのダブリンからフェリーでウエルズの小さな港に着いたときに、真夜中で周辺が真っ暗でホテルを探すことが出来ずスーパーの駐車場に入りレンタカーで夜を明かしたことが一回あるが。
<写真:ノールカップにある”あゆみちゃん”のモニュメント>