~ゆるゆると自分に甘い生活~

ざっくり生きててあわわな毎日。でも残りの人生シッカリ楽しむ。

「流星ワゴン」と「ボックス」。

2011-06-09 13:15:51 | 
「ボックス(上下)」 百田尚樹:著

現役高校生がボクシングに打ち込む姿がメインで描かれてる青春小説。
ひ弱でか細くインドアで勉強一筋“木樽優紀”と、おちゃらけで楽天家の天才ボクサー“鏑矢義平”の真の友情がなんか嬉しい。
ボクシングがスポーツであるとか無いとかの疑問を打ち消しながら、闘争本能とか自身で気付く事の無い才能とかリミッターとか、そういうヒトの能力について随所で教えてくれている。

臆病者である事にイヤ気をさした“優紀”が親友“鏑矢”に憧れてボクシングを始める。
天才の自覚を持つ鏑矢は練習を流してるのに対して、優紀は人一倍の忍耐力で努力を重ねる。
結局、努力が実を結んだのか、元々能力を有していたのかは分からないが優紀は鏑矢の強敵に成長する。
そして、もう一人のライバルも交えて、3人の複雑な想いがボクシングを通して交わっていく。

まさに青春小説で、「カラフル」や「リズム」を書いた森絵都を連想した。
ハードなスポーツを題材にしてるのに爽やかだった。


「流星ワゴン」 重松清:著 

「本の雑誌」年間ベスト1になった作品。

家族との関係がウマくいかない主人公“カズ”が、人生を終わらせても良いなって思っている時に突然目の前に現れた“オデッセイ”。
車には“橋本さん”とその息子“健太”。
でもその親子は5年前に亡くなっている存在だった。
オデッセイに載せられて毎夜“たいせつな場所”にタイムスリップする、そんなお話し。

たぶん“岐路”と思われる所に行けるのに、結局何も変えられない。
もどかしい“カズ”を現実には危篤状態に居るハズの若い頃の父親が助けてくれる。
父親の不器用な愛情表現を息子として実感し、また友情も感じ、不思議な感情を抱えながらオデッセイの旅が続く。
みんな、もっと言葉にすれば良かったね、って思う。

それぞれの立場のそれぞれの愛情表現をジンワリと感じる事ができた。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 北大の学祭。 | トップ | 試写会「小川の辺」。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。