かねぴ~主任の徒然記

今春、遂に昇進しかねぴ~「係長」になってしまいました。タイトル変更検討中。(笑) コメント・トラックバック大歓迎です。

ライブドア・フジテレビ買収へTOB実施か

2005年03月19日 | コラム
毎日情勢が変化して目が離せないライブドアによるニッポン放送株買収問題。まさに毎日更新なブログ向きな今回の件ですが、ライブドアがニッポン放送株の過半数を確保した事で落ち着くのかと思いきや、また大きな動きが有りました。ライブドアが今度はフジテレビを買収するとの憶測が流れ始めたのです。
ニッポン放送の所有するフジテレビ株は22.51%です。過半数には残り約30%の株式の買収が必要になります。ライブドアはLBO(レバレッジドバイアウト)と呼ばれる手法で、買収先企業の資産を担保にして買収資金調達する方法を取るそうです。外資系金融機関などからなる融資団からの買収資金は3000億円と言われています。正直単なるブラフの可能性が高いと思いますが、もし実現すれば日本では過去最大級の企業買収になりそうです。ニッポン放送買収資金としてMSCB(転換価格修正条項付き転換社債型新株予約権付き社債)で800億円もの資金を集めた直後なだけに、こんなにハイペースで買収を進めてライブドアが果たして合計3800億円の負債に耐えられるのか、という点が疑問です。
早ければニッポン放送株の新株発行予約権の司法判断の出る来週にもフジテレビ株のTOB(株式公開買い付け)を実施するそうです。今回ライブドアは外資系金融団から借り入れ債券・コマーシャルペーパー(CP)の発行で資金調達するようですが、要は私募債という事になります。本来優良企業が短期資金調達の為に発行する無担保短期手形であるコマーシャルペーパーをライブドアが発行するとなれば、割引率を上げて募集する事になるでしょう。更に買収に手間取った場合に資金を引き上げられるリスクが有りますし、買収成功後は多大な負債を抱えての船出になります。

フジテレビの日枝会長は今まで会社規模の小ささだけで「ライブドアの目的はニッポン放送の買収とフジテレビの議決権」狙いだと判断して決め付けていた事が対応が後手に回っている原因ではないでしょうか。フジテレビ側も株主配当を7倍にして高株価誘導を行うなどしていましたが、どうも遅きに失している感が否めません。
本来なら買収阻止の高株価誘導はライブドアによるニッポン放送株買収が始まった2月8日時点で手を打っていて然るべきところです。ニッポン放送株をTOBで36.47%確保しても、ニッポン放送のフジテレビに対する議決権が消滅するだけで、フジテレビが買収にさらされた場合には何ら助けになりません。ニッポン放送株の帰趨が決まった現在打てる防衛策は、フジテレビがライブドアの株式買収を行ういわゆる「パックマン・ディフェンス」しか無かったはずです。フジテレビは現在第三者割り当て増資用の資金を調達して持っているはずなので、やってやれない事は無いと思います。
いざ買収となった際に資産凍結や売却、放送免許の売却などの焦土作戦に出た場合、メディアとしての価値が取り返しのつかない程のダメージを受けることになるでしょう。失う物が大きいフジテレビの防衛策は限定され、失う物が少ないライブドアは攻めるのにあらゆる手段が使えると思います。
3月17日の日本民間放送連盟の記者会見で、敵対的買収の対抗策を検討する業界横断のプロジェクトチームを設置するという発表をしていましたが、買収の対抗策や電波法の改正を政府に働きかけるそうですが、今からそんな事をしていて間に合うのでしょうか?

今回の買収劇はライブドア側の水際立った手法が非常に目立ちます。欧米型の企業買収を日本に持ち込む事によって、我々に日本企業の旧態依然とした状況を教えてくれました。これをきっかけに日本の既存のマスコミが変革する事になれば、堀江社長は後世に英雄として名が残るのでしょうか?
もしそうだとしたら、我々は歴史的な事件を目の当たりにしている事になります。来週は果たしてどんな一週間になるのでしょうか?楽しみに待ちたいと思います。

ライブドア、フジテレビ買収狙い3000億円調達へ(アサヒコム)
ライブドア「フジ株TOB」の観測広まる 来週にも?(アサヒコム)

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15 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
男の熱き攻防 (シジミ)
2005-03-20 08:30:33
なんだか、世の中男が軟弱><;とかいわれていますが(一部)こういう世界で男たちが熱く戦っているというのは、見ごたえがありますよね。不謹慎かもしれませんが、萌でございます^^;



りんくさせていただいてよろしいでしょうか?m--m

LBO研究 (LBOとは)
2005-03-20 09:07:20
LBOによる負債は、買収対象企業(担保を掛けられた企業)が負います。

今回のケースで云えば、借金を背負うのは、フジテレビです。

結局........ (ごまちゃん)
2005-03-20 09:30:03
TBありがとうございました。

結局この一件で誰が一番トクをするのか?!

新たに記事を書いてみましたので

それをTBさせてくださいね。
↑は、なんだ! (シジミ)
2005-03-20 11:30:52


あれ?コメントが中途半端ですよう

続きをば・・・



世の中の男が軟弱といわれる昨今、この日枝会長と堀江社長の男の戦いはしばらくぶりに「男の世界」なるものをみせてくれておるようなきがしますね。



かねぴ~主任のblogリンクさせてください。

お願いしますm--m



という内容のコメントが・・・

中途半端に終わってる。。。

これはダイジョウブかしら・・・

ありがとうございました (かねぴ~主任)
2005-03-20 11:55:59
>シジミさん

コメント有難うございました。最初のは文字化けしてしまったようですが、今度は大丈夫です。

リンク大歓迎です!ありがとうございます。こちらからもリンクさせて頂きますね。

堀江社長と日枝会長の対決、確かに男の戦いといった感じですね。ただ今後の事を考えると早めに提携交渉に持って行った方がお互いの為だと思うんですが。



>LBOとはさん

初めまして。コメント有難うございました。

おっしゃる通りです。買収成功した場合は「堀江体制」のフジテレビは多額の負債を抱える事になりますね。私の文章力不足です。すみません。

アメリカではエンロンとかナビスコで使われた手法で、買収成功後に破綻する例が多くて社会問題になった手法です。

堀江社長のメディア革新論はある程度理解出来るんですが、今回の件は単なるマネーゲームにしか見えないのは私だけでしょうか。



これからもよろしくお願いします。



>ごまちゃんさん

TB・コメントありがとうございました。

今回の件は今のところリーマンの一人勝ちでしょうね。

欧米のやり方を日本に持ち込む度に外資系企業が利益を持って行くという構図を何とかしないといけないですね。今のままではライブドアは「外資の手先」としか思えません。



今後もよろしくお願いします。

どこまでホント! (chiki)
2005-03-20 17:30:33
TBありがとうございます。

最近の報道にちょっと疑心中。堀江社長はビジネスしたいのか、経営権が欲しいのか、どちらを重視しているのだろうか。前者であれば業務提携が落としどころ、後者であればLBOまで突っ走るかも。

Unknown (negosiex)
2005-03-20 20:39:04
TBありがとうございます。

この先どうなるんですかねぇ~新しい風?をもたらし旧体制に立ち向かう堀江社長の姿はカッコいいんのですが…
日本企業も鎖国を止めないと (おかにゃん)
2005-03-20 22:31:54
TBありがとうございました。

日本企業のほとんどは,「日本では敵対的買収はあり得ない」と考えて,のほほーんと一部上場とかしていたのでしょうね。

ライブドアの件の是非はともかく,これを機に各企業ともちゃんと策を講じないと,いずれ外資系企業にほとんど乗っ取られてしまうでしょう。

ありがとうございました (かねぴ~主任)
2005-03-21 20:35:15
>chikiさん

はじめまして。コメント・TB有難うございました。

おそらく最初はニッポン放送の株を過半数確保すればフジサンケイグループ側が折れて提携ってなると思ってたのではないでしょうか?

それがTOB成功という「想定外」の事態が起きて、フジテレビ本体に手を出さざるを得なくなったと思っています。

意外と堀江社長にとってポニーキャニオン株売却などの焦土戦術も「想定外」だったかもと思えて来ました。



今後もよろしくお願いします。

はじめまして (kei)
2005-03-21 22:28:23
TBありがとうございました。

今週は東京高裁の判断も出そうですし、色々な意味で今後の展開に影響を及ぼすポイントの週になりそうですね。引き続き注目していきたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。

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