日本人は無宗派の人が多いと言われている。でも現実に身の回りにはいろいろな宗教に属する人が少なからず居る。今日はかねぴ~が過去に体験した宗教の恐ろしい話。
うちの兄は茨城県にある大学に通っていた。大学1年の時は下宿だったが、家主さんが気さくな方だったので、何度か遊びに行っていた。
ある時、兄が持っている一眼レフのカメラを借りに行った。水戸駅には昼過ぎに着いたので駅前はあまり人気(ひとけ)が無く、閑散としていた。改札口を出ると横から一人の女の人が近付いて来て、「すみません、少しお時間を頂けないでしょうか?」と言って来た。ああ、宗教の勧誘だな、とすぐに感付いたかねぴ~は、「急いでますので」と断わりながら足早に立ち去ろうとした。すると後ろから結構大柄な男の人が二人近付いて来て、有無を言わさず両脇を抱えて拉致しようとした。かねぴ~は「何をするんだ!」と大声を出したが、両脇の男の人は明らかに目が”いっちゃってる状態”とでも言おうか、正気ではない感じだった。ここで揉め事を起こして怪我をしてもつまらないので、しばらく大人しくしておこうと思った。
すると3人はかねぴ~を車に押し込み、駅から車で約30分くらいの所にある教団の建物に連行した。建物はかなり大きい神社みたいな感じだった。かねぴ~は「結構儲けてやがるなあ」などと不届きな事を考えながら建物の中に入った。中も調度品など豪奢な作りで、いったい何人の信者から莫大な献金を集めているんだろう、と呆れながら部屋に入った。
部屋には何人かの信者が壁に掛けてある筆書きの掛軸に向かってお経を唱えていた。掛軸は日蓮上人の書だと言う。なるほどここは日蓮宗系の新興宗教団体だったか、と思った。そういえば最近宗教団体の人間が博物館等に収められている掛軸を盗む事件が何度か有ったが、こういう使い道だったのか、などと悪い方に考えていた。強制的に連れて来られているんだから悪く取られて当然だろう。
やがてかねぴ~の廻りの人々が、この教団には1万人以上の人が信者になっている事や、皇族にもお忍びで通って来られる方がいらっしゃる事、教えによって多くの人が救われた事などをかわるがわる説いた。強制的に連れて来られたかねぴ~がまともにそんな話を聞き続けられる訳が無い。幸いトイレに行ったところ窓が大きかったので、そこから脱出した。
かねぴ~は他の人が宗教を信じる事は特に何とも思わない。他人の信条を妨げるつもりも無い。だからこそ、「全く宗教を信じる気が無い」かねぴ~の信条を妨げて欲しくないのだ。宗教を信じるのも、信じないのも個人の自由だから。身の危険が有ったから言えなかったが、本当はあの新興宗教を信じる人達に言ってやりたかった。
しかし、今考えても危なかった。逃げてなかったら一体どうなっていたんだろう。未だに考えただけでもぞっとする。
うちの兄は茨城県にある大学に通っていた。大学1年の時は下宿だったが、家主さんが気さくな方だったので、何度か遊びに行っていた。
ある時、兄が持っている一眼レフのカメラを借りに行った。水戸駅には昼過ぎに着いたので駅前はあまり人気(ひとけ)が無く、閑散としていた。改札口を出ると横から一人の女の人が近付いて来て、「すみません、少しお時間を頂けないでしょうか?」と言って来た。ああ、宗教の勧誘だな、とすぐに感付いたかねぴ~は、「急いでますので」と断わりながら足早に立ち去ろうとした。すると後ろから結構大柄な男の人が二人近付いて来て、有無を言わさず両脇を抱えて拉致しようとした。かねぴ~は「何をするんだ!」と大声を出したが、両脇の男の人は明らかに目が”いっちゃってる状態”とでも言おうか、正気ではない感じだった。ここで揉め事を起こして怪我をしてもつまらないので、しばらく大人しくしておこうと思った。
すると3人はかねぴ~を車に押し込み、駅から車で約30分くらいの所にある教団の建物に連行した。建物はかなり大きい神社みたいな感じだった。かねぴ~は「結構儲けてやがるなあ」などと不届きな事を考えながら建物の中に入った。中も調度品など豪奢な作りで、いったい何人の信者から莫大な献金を集めているんだろう、と呆れながら部屋に入った。
部屋には何人かの信者が壁に掛けてある筆書きの掛軸に向かってお経を唱えていた。掛軸は日蓮上人の書だと言う。なるほどここは日蓮宗系の新興宗教団体だったか、と思った。そういえば最近宗教団体の人間が博物館等に収められている掛軸を盗む事件が何度か有ったが、こういう使い道だったのか、などと悪い方に考えていた。強制的に連れて来られているんだから悪く取られて当然だろう。
やがてかねぴ~の廻りの人々が、この教団には1万人以上の人が信者になっている事や、皇族にもお忍びで通って来られる方がいらっしゃる事、教えによって多くの人が救われた事などをかわるがわる説いた。強制的に連れて来られたかねぴ~がまともにそんな話を聞き続けられる訳が無い。幸いトイレに行ったところ窓が大きかったので、そこから脱出した。
かねぴ~は他の人が宗教を信じる事は特に何とも思わない。他人の信条を妨げるつもりも無い。だからこそ、「全く宗教を信じる気が無い」かねぴ~の信条を妨げて欲しくないのだ。宗教を信じるのも、信じないのも個人の自由だから。身の危険が有ったから言えなかったが、本当はあの新興宗教を信じる人達に言ってやりたかった。
しかし、今考えても危なかった。逃げてなかったら一体どうなっていたんだろう。未だに考えただけでもぞっとする。