カネログ~日々もくもく~

カネモク社員が日々感じたことを“もくもく”っと綴っていきます。
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「藪」「砂場」「更科」etc.そば屋“屋号”のルーツを探る

2010-06-04 | Weblog
そば屋の屋号といえば、皆さん何を思い浮かべますか? 藪、砂場、更科、こんなところでしょうか。でも、これらってチェーン店というわけではないはずなのに、なぜ同じ屋号の店が多いんだろう?『蕎麦屋の系図』(光文社新書)著者で、そば研究家の岩崎信也さんに聞いてみた。

「理由は2つあります。ひとつは、のれん分けで名前をもらう場合。もうひとつは勝手に名乗っているケースです」

えっ? そんなことして怒られないの?

「『藪』『砂場』『更科』はいずれも江戸から続く老舗屋号の御三家ですが、登録商標を取得しているのは『砂場』のみ。それ以外は勝手に名乗っても原則的には問題ないんです」

ああ、なるほど。じゃあ、ウチは藪系のそばだから『藪』にしようか、なんてノリで屋号を拝借するわけですね。

「いえ、そばの系統というよりは、歴史ある名前にあやかろうとか、インパクトをつけたいなどといった理由から命名されてきたようですよ。そもそも、『藪』は竹やぶに囲まれていたから、『砂場』は大坂城築城の際の砂利置き場だった新町砂場という地名から、『更科』は信州そばの産地更級から取ったのが始まり。屋号自体に深い意味はないんです。実際、よく見るとロゴなども統一されていないはず」

ちなみに、都内で江戸時代から今でも続いているのは、虎ノ門の「巴町砂場」、元麻布の「更科堀井」、南千住の「南千住砂場」の3店のみとのこと。なかでも、最も長い歴史を持つのれんが大坂(大阪)発祥の『砂場』なんだそうだ。

「当時のそば屋は外食の華。幕末にはそば屋組合加入店だけでも約3700軒ありました。同時に、2階の座敷では逢い引きが黙認されるなど、庶民にとってはいろんな意味でなくてはならない存在だったんです」

おお、逢い引きならば気もそぞろ。ゆっくりとそばを食べている場合ではない。あ、江戸っ子の早食いはここから来たのかもしれませんね。
(R25)

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