カネログ~日々もくもく~

カネモク社員が日々感じたことを“もくもく”っと綴っていきます。
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ブルーチーズのカビはなぜ食べられるのか?

2010-05-31 | Weblog
じめじめし始めると、気になってくる「カビ」の存在。楽しみにしていた食べ物にカビが生えて、泣く泣くゴミ箱行きに…なんて経験がある人も多いのでは?

ただ、日常では厄介者扱いされる「カビ」であっても、アオカビが生えた「ブルーチーズ」はフレンチやイタリアンの人気者。そもそもブルーチーズのカビは、なぜ食べられるのだろうか? 国立科学博物館植物研究部菌類・藻類研究グループの細矢剛さんに聞いてみた。

「世界三大ブルーチーズの一つといわれる『ロックフォールチーズ』は、ペニシリウム・ロックフォルティというアオカビの一種によって熟成されています。食用となっているこのカビは、毒性がないので人間に害はありません」

【ロックフォール (Roquefort) は、ブルーチーズと呼ばれるアオカビで熟成されるチーズの代表格。 また、フランス最古のチーズといわれている。
フランス南部ミディ=ピレネー地域圏アヴェロン県のロックフォール=シュール=スールゾン村の地下に広がる洞窟に、コムギとオオムギの粉で作ったパンを設置して採取、繁殖させたアオカビの一種 Penicillium roqueforti により熟成させたヒツジの乳によるチーズ。
伝説的には数千年前、この村内のコンバルー山北側斜面に形成された巨大な洞窟で、羊飼いがたまたま置き忘れたチーズに青カビ菌が付着してこのチーズが出来たとも言われるが、確かなところはわからない。現在もこの洞窟で採取されたアオカビを使い、またこの洞窟を利用した熟成庫で熟成させたものでないと、ロックフォールとして販売出来ないアペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ(AOC、原産地統制呼称)指定を受けている。】

ということは、同じアオカビでも“食べられるアオカビ”と“食べられないアオカビ”があるってことですか?

「そうです。一口にアオカビといっても約300種類はあり、毒性があるものもないものもあります。『アオカビだから食べられる』『アカカビだから食べられない』といった分け方はできないんです」

なるほど。では、ほかにはどんなカビが食べられるんでしょう?

「コウジカビの一種は味噌や甘酒に使われ、ベニコウジカビは“豆腐よう”を作るのに使われます。イギリスでは、フザリウムというカビを培養し、抽出したタンパク質を加工した食品が売られていますよ」

そんなに食べられるカビがあるのなら、自宅に生えちゃったカビのなかにも食べられるものもあるのでは?

「ペニシリウム・ロックフォルティは自然環境でもよく発生するカビの一種で、特に冷蔵庫のような冷暗所を好みます。チーズを冷蔵庫に入れておけばブルーチーズ化する可能性はありますね。でも正しい作り方でなければ、食べない方がよいでしょう」

現在食用に使われるカビのほとんどは改良・培養されているもので、自然発生するカビは“体に害はないが味が悪い”ものを含め「食べられないカビ」が圧倒的に多いそう。なかには自然界最強の発がん性物質を作ってしまう種類もあるので、くれぐれも試したりはしないでくださいね!
(R25)

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