カネログ~日々もくもく~

カネモク社員が日々感じたことを“もくもく”っと綴っていきます。
あくまでも個人的お気楽ブログなので、どうぞあしからず!

58:91

2008-08-11 | Weblog
北京オリンピック “気になる話題2”

「完ぺき、理想の泳ぎ」。電光掲示板には58秒91。前人未到の世界新記録が輝いた。先にゴール板にタッチした選手はいない。北島康介選手(25)=日本コカ・コーラ=はタイムを確かめると、右手のこぶしを握り締めて力強く突き上げ、雄たけびを上げた。重圧をはね返しての連覇。タオルで顔を覆い、涙を流した。(時事通信)

北島『完ぺき。理想の泳ぎをしたと思う。4年前にできなかったことができ、進化を見せられたのがよかった。』

大きな水の抵抗をいかに抑え、効率よく力を使うかが問われる平泳ぎ。北島がその理想形としてつくり上げたのが、四輪駆動車(4WD)のように上半身と下半身を連動させた泳ぎだ。
 北島の持ち味は、下半身のバネを生かした強いキック。従来の腕のかき(プル)は、キックが生み出す推進力を殺さないよう素早く小さめに動かしていた。2冠に輝いたアテネ五輪後、キックに釣り合うプルを習得することで進化を目指した。
 

従来は伸ばした腕を肩幅ほどに開いて水をかいていたが、上半身の力が付き、その幅を1.5倍ほどに広げるように。大きな力でかく時間が長くなった。レース分析などを手掛ける日体大の岩原文彦助教は、自転車にたとえ「1回こいだ後は慣性で進んでいたのが、こぎ続けている状態になった」と違いを表現する。理想形の泳ぎは「後ろから見ると肩甲骨が横に張り出し、背中が大きく見える」(平井コーチ)。腕だけでなく、背中全体も使って水をとらえている証拠だ。


英スピード社の高性能水着も一役買っている。強い締め付けで体の体積や凹凸を小さくし、水の抵抗を減少。一かきの伸びが増し、余計な体力の消耗を抑えてレース後半に力を温存できるようになった。

北島にとって、アテネ五輪の2冠から4年、偉業を成し遂げ、やる気の出ない「後遺症」が続いた。
オフは表彰式などの行事に追われて十分に休めず、泳ぐ意欲もわいてこない。練習を再開しては風邪や故障で足踏み。泳ぐ前から疲れた顔をしていることもあった。「代表に選ばれればモチベーションが上がると思う」。そんな思いもむなしく、日本選手権の200メートルでは2005年3位、06年は4位と惨敗した。
 06年夏のパンパシフィック選手権前にはへんとう炎で入院。本番には間に合わせたが、絶好調のハンセンに太刀打ちできる状態ではなかった。200メートルでは、世界新記録(当時)を出した相手から2秒以上遅れてゴール。「隣で記録を出され、自分との差が明確になった」。宿敵に完敗したことで、くすぶっていた闘志に再び火が付いた。何かが吹っ切れたという。

それまで遊んでいた休日、マッサージのためにトレーナーの元を訪れるようになった。5歳から通う東京スイミングセンターで水泳仲間だった友人は「人が変わったようにストイックになった」と感じたという。
 それから「こつこつトレーニングを積んだ結果が出るようになった」(岩原さん)。08年4月に北京行きを決め、6月には100メートルで日本新、200メートルで世界記録を更新した。(北京時事)

そのハンセンは、「世界新を出すことは簡単なように見えるが、そうではない。それをやり遂げる選手には敬意を表すべきだ」とライバルを讃えた。

表彰式日の丸が中央に掲げられ、受け取った花を高く上げた北島、満面に笑みを浮かべた。

最新の画像もっと見る