ンデンデキ外伝

僕の話をしよう。

気に入らない

2007年02月26日 10時30分11秒 | 糞ぼやき関係
気に入らない。

あれだけ殴ったりひどい目に合わせてやったっていうのに何も言わず俺の傍から離れようとしない。

何も言わないというより言えない。

俺が暴力振るいまくったせいでもう口もきけないんだ。

でも目で訴えかけてきやがる。

もうすっかりぼろぼろになった俺が買ってやった服を着て。

以前俺と一緒に居た奴はこいつよりずっとましだった。

そいつも最後には飽きて捨てちまったんだけど。

はっきり言ってこいつを一度でも好きだと思ったことはない。

どうしてあの時よりどりみどりいる中でこいつを選んだのか自分でもよく分からない。

服を買ってやったことなんかもあるけど、それはあんまりこいつがみすぼらしかったから見かねてのことだ。

その服ってのも我ながら情けないものだった。

以前買ったやった赤い服も今の白い服も、俺としては冗談半分やけくそ半分でやったものなんだけど、こいつときたらもうニコニコしながらそれを着てるんだ。

第一、俺は頭の悪いやつってのが大嫌いだ。

こいつときたら教えたことはすぐ忘れちまうし、頓珍漢なことしか言わない。おまけに要領が悪いときたもんだ。

それに最近はすぐ息を切らせて苦しそうにしてる。

こっちに用があるというときに限ってぐったりしてやがるんだ。

言ってしまえばこいつの代わりなんていくらでもいる。

実際何度も別のやつに乗り換えようと思った。

周りもそれを勧めてくる。

人によってはいつでも自分の連れ自慢に躍起になってる。

そういった類の話に俺が参加できるはずもない。

そういう話を傍から聞くたび改めてこいつの無能ぶりを分からせられる。

別にそんなことはどうでもいいんだけどさ。

それにしても疲れた。

こいつも昨日の徹夜で俺に連れまわされて疲れてしまったのか、今は俺の隣で安心しきった顔で眠っている。

こいつも以前は徹夜のひとつやふたつは平気で付き合ってきたものだったんだけどな。

色々と変わってしまったけれど、こいつの安らかな寝顔は今も変わらないし、これからもきっと変わらない。



気に入らない。



やれやれ、どうやら俺はこいつから離れられそうにないらしい。

今日街へ行ってこいつを診てもらおうと思ってる。

そうだ。今度は黄色いドレスを着せてやろう。きっと似合うぞ。

良くなったらいくらでもお前のお喋りを聞いてやるから、だから、まだ行くな。

大丈夫。きっとauショップならなんとかしてくれるさ。

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