「せんせい、トイレ」
「先生はトイレではありません」
ぴしゃりと言い放つ。
しかし、それが俺の逆鱗に触れた。というより扇情した。
「あ?・・・おらぁ・・・おらぁ・・・!!」
席を立ち、おらぁと何度も言いながらずかずかと先生に歩み寄る。
クラスメイトは皆教科書に没頭するふりをしながらイエスや仏陀に祈っていた。
馬鹿共が。
今からこの俺がお前らが本当は一番望んでいることをやってのけてやるよ。
「トイレじゃないだと?・・・おらぁ」
先生は常にスラックスタイプのスーツに身を包み教鞭を振るい、どこか凛とした空気をまとっている。
多少事務的過ぎないこともないが、若いのに立派な先生だと思う。本当に。
・・・だが所詮若い女だ。
シャープな銀縁眼鏡の奥にある瞳は恐怖を隠せないでいる。恐怖しているんだ。この俺に。
でもそういうのを必死に押し殺して自分の役目を果たそうとするんだな。この先生って人は。
「カメムシくん、席に戻りなさい」
おいおい震えてるよ。声が。
「しっこしたいつってんだろーが。おらぁ」
「・・・分かりました。早くトイレに行ってきなさい。貴方一人の為にこれ以上授業を中断するわけにはいきません」
おっほーほほhohoho・・・!
彼女の感情とは一体何処に!?
なんて整理整頓された言動態度。
そう、いつもぴかぴかに磨かれてるアレに似ていると思うんだよ。
「いや、トイレは行く必要ないんす・・・よ!」
どん!カシャーン!
タイル張りの教室の床に押し倒すのはちょっとかわいそうに思えたんだけど、倒れた拍子に先生の眼鏡が落ちたんだよ。
すると彼女の裸眼はもう恐怖一色になってしまってるんだ。
そんなの見せられたらかわいそうとかぶっ飛んじゃうよね。かちゃかちゃ・・・ジ~~~
「先生がごちゃごちゃうるさいから俺もう我慢できそうにないですわ」
ぼろん。
先生はぎょっとして口をぱくぱくさせている。
「やめておねがいそれだけは」とかなんとか言っているように聞こえたけど、だからなんすかって感じっすわ。
「せんせい、あんたはトイレだ」
<終>
(以下蛇足と思ってカットした部分です)
ジョンジョロジョロジョロジョロジョロジョロ・・・・・・・・
先生どうしたんすか。じょろじょろ
どうして全部顔で受け止めてるんすか。じょろじょろ
もしかして飲んでるんすか。じょろじょろ
気持ち悪いっすね。じょろじょろ
じょろじょろじょろじょろ・・・・・っぴっぴっぴっ
「あ~あ、お漏らししちゃったじゃないですか。恥ずかしいなぁもう」
未だ先生はほくほくと湯気をたたせながらの放心状態だ。だらしない。
「先生、あんた一体なんなんですか?」
「私は・・・」
「私は、トイレ・・・です」
<終>
(以下さらに蛇足と思いカットした部分です)
YEAAAHHHHHHHH!!!!!!
先生のその言葉に端を発し、クラスメイト全員が立ち上がった。
教科書やらノートやらがそこらじゅうを舞っている。
どうやら祈りは終わったらしい。
それにしてもおいおい、野獣教室かここは。
一方先生の方でもこのとき何かが化学反応を起こしたらしい。
焦点の合わない目とだらしなく開いた口は普段の凛とした女教師の面影を微塵も感じさせない。
と次の瞬間、先生はまるで認知症患者の如く前触れも無く狂気の叫びをあげた。
「あたしは・・・あたひはみなひゃまのトイレでひゅ!汚らしい肉便器でひゅ!おひっこぶっかけてぇぇぇあふひゃぁあああ・・・・」
いやぁ、自分でもまさか「せんせいトイレ」の一言からこんなことになるなんて思ってもみなかったよ。
本当にトイレに行きたかっただけなんだぜ。
それをあの女ときたら、ねぇ。
とにかく、俺からみんなに言えることは若者の闇には気をつけなさいってことだね。
<完>
「先生はトイレではありません」
ぴしゃりと言い放つ。
しかし、それが俺の逆鱗に触れた。というより扇情した。
「あ?・・・おらぁ・・・おらぁ・・・!!」
席を立ち、おらぁと何度も言いながらずかずかと先生に歩み寄る。
クラスメイトは皆教科書に没頭するふりをしながらイエスや仏陀に祈っていた。
馬鹿共が。
今からこの俺がお前らが本当は一番望んでいることをやってのけてやるよ。
「トイレじゃないだと?・・・おらぁ」
先生は常にスラックスタイプのスーツに身を包み教鞭を振るい、どこか凛とした空気をまとっている。
多少事務的過ぎないこともないが、若いのに立派な先生だと思う。本当に。
・・・だが所詮若い女だ。
シャープな銀縁眼鏡の奥にある瞳は恐怖を隠せないでいる。恐怖しているんだ。この俺に。
でもそういうのを必死に押し殺して自分の役目を果たそうとするんだな。この先生って人は。
「カメムシくん、席に戻りなさい」
おいおい震えてるよ。声が。
「しっこしたいつってんだろーが。おらぁ」
「・・・分かりました。早くトイレに行ってきなさい。貴方一人の為にこれ以上授業を中断するわけにはいきません」
おっほーほほhohoho・・・!
彼女の感情とは一体何処に!?
なんて整理整頓された言動態度。
そう、いつもぴかぴかに磨かれてるアレに似ていると思うんだよ。
「いや、トイレは行く必要ないんす・・・よ!」
どん!カシャーン!
タイル張りの教室の床に押し倒すのはちょっとかわいそうに思えたんだけど、倒れた拍子に先生の眼鏡が落ちたんだよ。
すると彼女の裸眼はもう恐怖一色になってしまってるんだ。
そんなの見せられたらかわいそうとかぶっ飛んじゃうよね。かちゃかちゃ・・・ジ~~~
「先生がごちゃごちゃうるさいから俺もう我慢できそうにないですわ」
ぼろん。
先生はぎょっとして口をぱくぱくさせている。
「やめておねがいそれだけは」とかなんとか言っているように聞こえたけど、だからなんすかって感じっすわ。
「せんせい、あんたはトイレだ」
<終>
(以下蛇足と思ってカットした部分です)
ジョンジョロジョロジョロジョロジョロジョロ・・・・・・・・
先生どうしたんすか。じょろじょろ
どうして全部顔で受け止めてるんすか。じょろじょろ
もしかして飲んでるんすか。じょろじょろ
気持ち悪いっすね。じょろじょろ
じょろじょろじょろじょろ・・・・・っぴっぴっぴっ
「あ~あ、お漏らししちゃったじゃないですか。恥ずかしいなぁもう」
未だ先生はほくほくと湯気をたたせながらの放心状態だ。だらしない。
「先生、あんた一体なんなんですか?」
「私は・・・」
「私は、トイレ・・・です」
<終>
(以下さらに蛇足と思いカットした部分です)
YEAAAHHHHHHHH!!!!!!
先生のその言葉に端を発し、クラスメイト全員が立ち上がった。
教科書やらノートやらがそこらじゅうを舞っている。
どうやら祈りは終わったらしい。
それにしてもおいおい、野獣教室かここは。
一方先生の方でもこのとき何かが化学反応を起こしたらしい。
焦点の合わない目とだらしなく開いた口は普段の凛とした女教師の面影を微塵も感じさせない。
と次の瞬間、先生はまるで認知症患者の如く前触れも無く狂気の叫びをあげた。
「あたしは・・・あたひはみなひゃまのトイレでひゅ!汚らしい肉便器でひゅ!おひっこぶっかけてぇぇぇあふひゃぁあああ・・・・」
いやぁ、自分でもまさか「せんせいトイレ」の一言からこんなことになるなんて思ってもみなかったよ。
本当にトイレに行きたかっただけなんだぜ。
それをあの女ときたら、ねぇ。
とにかく、俺からみんなに言えることは若者の闇には気をつけなさいってことだね。
<完>