バイト上がりの公園通り、まだ時間は早朝、土曜日ということもあって出勤するサラリーマンや学生はあまり見当たらず、いるのは犬の散歩をする人とルンペンくらい。
寒くなってはきたが、風景は温かい。
こういうのっていいよね☆
などとぬるいことを考えながらちんたら自転車を漕いでいると、刹那、黒い影が頬をかすめた。
一瞬何が起こったのか把握することが出来ずバランスを崩し足をついてしまった。
事態を確認するため自転車から降りその場に留まった俺の頭のすぐ上を間髪いれず黒い奴がはためいていった。
なるほど、やっぱりカラスか。
子育ての時期に入ったカラスが巣の近くを通るものに見境なく襲い掛かることは知っていた。
10年以上前の少年だった時分、学校の近くのポプラの木に巣食ったカラスに友達が次々と襲われたことがあった。
皆怯えて外を満足に歩くことが出来なくなってしまっていたのだが、遂にある日、俺の親友まで奴らにやられたんだ。
俺はもう我慢ならなくなり、ホッケーマスクにパーカー重ね着、手にはバットというフル武装で奴等の巣に逆に襲い掛かっていった。
その後のことは正直よく覚えていないが、一つ確かなのはそれからカラスが俺の友達には手を出さなくなってということだ。
そして今、例えどんなに下らないものでも、一切全てのものに因果は付きまとうらしい。
かつてカラスをバットで滅多打ちにした少年が、冴えないコンビニバイトとして散歩人とルンペンしかいない早朝の公園通りで再びカラスの襲撃を受けることになろうとは。
カルマ特別委員会っていうのは眉唾でもBOSSの語呂合わせの為の造語でもなく、まぎれもなく実在するらしい。
体内テンションが少年兵だった頃のそれにもどっていくのが分かった。
いいだろう。
これも俺のカルマだというのなら、俺はそれを克服するまでだ。
俺は止めた自転車をガシャンと蹴り飛ばし、深呼吸をひとつした。そして
「鳥ぃっ!おもしれえよ、かかってこい!ぶっ殺してやる!」
早朝の公園通りに俺の怒号がこだました。
犬が咆えまくり、ルンペンが死んだ目を少しだけこちらに向けまたすぐにうつむいた。
カラスはというともうやる気満々らしい。
俺の周りを威嚇しながら飛び回っている。そうこなくっちゃな。
俺は滑空する奴を見据え、脇をしめ、拳をギュッと握り、前後に大きめにスタンスをとった足のかかとだけで軽くステップを踏んだ。
あの日と違い武器はない。
徒手空拳のみの戦い、とは言っても野生の動物に対して人間を相手に想定されたコンビネーションなんてものは通用しない。刃牙で読んだから知っている。
狙いはひとつ、カウンターしかない。
それも打った後のことなんて全く考えない特別にデカイとびきりの一発だ。
奴が旋回を止め俺のほうへ一直線に向かってきた。
狙いは・・・目か!
俺の目をえぐり出して喰う気だな。
いいだろう。くれてやる。ただしこの拳骨を、な!
渾身の一撃。
つま先から始まり、足首、膝、股関節、腰、肩、肘、手首に次々と伝達される加速を拳から一瞬にして放つ、まさにこれこそ渾身の一撃というものを生まれて初めて放った。
俺は数時間とも思える数秒を微動だにせず拳の先を見つめていた。
奴は、カラスは、俺の左前方でナスカの地上絵のように翼を広げ、死んでいた。
俺の渾身の右フックは確実にカラスの左側頭を捉え頭蓋を砕いたのだ。
カルマは克服されたのだ。
朝方カラスに襲われながらこんなことを考えておりました。
うそのようなほんとのはなしというのはうそ。
寒くなってはきたが、風景は温かい。
こういうのっていいよね☆
などとぬるいことを考えながらちんたら自転車を漕いでいると、刹那、黒い影が頬をかすめた。
一瞬何が起こったのか把握することが出来ずバランスを崩し足をついてしまった。
事態を確認するため自転車から降りその場に留まった俺の頭のすぐ上を間髪いれず黒い奴がはためいていった。
なるほど、やっぱりカラスか。
子育ての時期に入ったカラスが巣の近くを通るものに見境なく襲い掛かることは知っていた。
10年以上前の少年だった時分、学校の近くのポプラの木に巣食ったカラスに友達が次々と襲われたことがあった。
皆怯えて外を満足に歩くことが出来なくなってしまっていたのだが、遂にある日、俺の親友まで奴らにやられたんだ。
俺はもう我慢ならなくなり、ホッケーマスクにパーカー重ね着、手にはバットというフル武装で奴等の巣に逆に襲い掛かっていった。
その後のことは正直よく覚えていないが、一つ確かなのはそれからカラスが俺の友達には手を出さなくなってということだ。
そして今、例えどんなに下らないものでも、一切全てのものに因果は付きまとうらしい。
かつてカラスをバットで滅多打ちにした少年が、冴えないコンビニバイトとして散歩人とルンペンしかいない早朝の公園通りで再びカラスの襲撃を受けることになろうとは。
カルマ特別委員会っていうのは眉唾でもBOSSの語呂合わせの為の造語でもなく、まぎれもなく実在するらしい。
体内テンションが少年兵だった頃のそれにもどっていくのが分かった。
いいだろう。
これも俺のカルマだというのなら、俺はそれを克服するまでだ。
俺は止めた自転車をガシャンと蹴り飛ばし、深呼吸をひとつした。そして
「鳥ぃっ!おもしれえよ、かかってこい!ぶっ殺してやる!」
早朝の公園通りに俺の怒号がこだました。
犬が咆えまくり、ルンペンが死んだ目を少しだけこちらに向けまたすぐにうつむいた。
カラスはというともうやる気満々らしい。
俺の周りを威嚇しながら飛び回っている。そうこなくっちゃな。
俺は滑空する奴を見据え、脇をしめ、拳をギュッと握り、前後に大きめにスタンスをとった足のかかとだけで軽くステップを踏んだ。
あの日と違い武器はない。
徒手空拳のみの戦い、とは言っても野生の動物に対して人間を相手に想定されたコンビネーションなんてものは通用しない。刃牙で読んだから知っている。
狙いはひとつ、カウンターしかない。
それも打った後のことなんて全く考えない特別にデカイとびきりの一発だ。
奴が旋回を止め俺のほうへ一直線に向かってきた。
狙いは・・・目か!
俺の目をえぐり出して喰う気だな。
いいだろう。くれてやる。ただしこの拳骨を、な!
渾身の一撃。
つま先から始まり、足首、膝、股関節、腰、肩、肘、手首に次々と伝達される加速を拳から一瞬にして放つ、まさにこれこそ渾身の一撃というものを生まれて初めて放った。
俺は数時間とも思える数秒を微動だにせず拳の先を見つめていた。
奴は、カラスは、俺の左前方でナスカの地上絵のように翼を広げ、死んでいた。
俺の渾身の右フックは確実にカラスの左側頭を捉え頭蓋を砕いたのだ。
カルマは克服されたのだ。
朝方カラスに襲われながらこんなことを考えておりました。
うそのようなほんとのはなしというのはうそ。
俺も高校時代にチャリ漕いでたら、
頭をわしづかみにされたことがある!!
やっぱ対空動物戦はきついと思われます。
近くを通ると「スワーッ」と掠めてくるから怖い。
奴らは飛べるからか妙に人間を見下したような態度してるのが憎たらしい( ノ;゜皿゜)ノ
対空か・・・
やっぱり「→↓\P」か「↓タメ↑K」の技ひとつ持ってなけりゃきついかしら
>>ぴくぁ
こうは書いたけど、けっこうカラスは好きなんです。
けっこう精悍な顔してるよあいつ等。
あとゴミ食うところとかも良い