ンデンデキ外伝

僕の話をしよう。

宇宙の始まり 後編

2006年04月10日 13時16分18秒 | Weblog
「おい、あの疵。ありゃなんだ?」

相棒の言葉はぬらぬらと光るつららのように俺の耳に侵入してきた。
すぐさま踊り子の腕を見た。
腕に散在するちびた煙草くらいの長さの傷痕。
本当は気づいてた。見なかったことにした。
ステージに無粋な入れ水をするような気がしたから、触れたくなかった。
そこに相棒の無遠慮・無容赦なこの言葉である。
いや、奴は知っていたのか。
俺が一番何を求めているのかを。

一気にカオスの中にブン投げられた気分だった。
隠微で滑稽な猫娘のストリップ・ショウに、
まるでバッドトリップのように強制的に流れ込んでくる過去現在未来主観客観ぶっ飛ばしの情報洪水。
なんだこりゃ。これは、宇宙?
多分勃起もしていなかった。
でも、嫌いじゃない。嫌な気分でもない。
ストリップ小屋で俺は何をやっているんだ。
無粋極まりない。
それとも、これもストリップなのか。

気づけばポラロイドタイムになっていた。
「とりあえず二枚。バックとMで。」とか聞こえる。
撮影の合間にステージからダンサーがこっちを見つめてきた。
そしておもむろに俺達に話しかけてきた。

「・・・オリエンタルラジオ意識してるの?」

俺達のなりのことであろう。
眼鏡男と短髪・髭のコンビだからってことだろうが、お互いピンでは絶対言われないことだ。
俺はヘラヘラしながら「ちがいますよぅ」みたいなことを言った(ていうか局所どアップで素の会話はきつい。こっちは素人ですから)。
隣ではあっちゃんが苦笑していた。カッコE。
まぁこれもいつか、俺達の武勇伝となるのだろう。
踊り子の疵によってもたらされたカオスが踊り子自身の言葉によって洗い流された気がした。

さて、山あり谷あり、遂に最後のダンサーの番となった。
どれどれ、最後は・・・なんてこった。滅茶苦茶ツボじゃねぇか。
ランジェリーにロングブーツ(ここが奴のツボ)、ご丁寧に小道具の椅子まで用意してやがる。
それに透き通るような白い肌。
乳房には青い血管まで薄っすら見えるほどだ(俺のツボ)。

最後のショウ、俺達は何の含みもなしに燃えた。
ダンサーも今日最後の一本であろう。
挑発的なステージングは素直にエロかった。
自慰にふけりだすと綺麗な顔には縦じわが刻まれていた。
肌は汗でじっとりと濡れだしていた。
大きく形のいい胸は自らの手によって滅茶苦茶に揉み潰されていた。
遂に洩れた獣じみた嬌声を俺は聞き逃さなかった。

祭りの遅れは死んでも取り戻す。
それが俺のモットーだ。
だから、ポラロイドまで撮ってしまったのだ。
しかも二枚も!さらに、ダンサーにウェッサーイの・・・まぁこれはいいか。
俺はニコニコだった。
どこまでもだらしなくニコニコだった。
よぉ兄弟、おめぇ滅茶苦茶クールだったじゃねぇか。
すげぇよ。
とにかくいい日だった。あの後飲んだビールもクールだった。
なぁ、そうだろう?







いや、終もなにも日記なのだけれども。
なんだろう。
例えばこれがピンサロ行きました!とかだったら公開日記なんかには絶対に書かなかったはずだ。
そういうのと違ってあんまり後ろめたくないというか。
まぁ、多少は後ろめたいのだけれども。
年齢的に全く問題ないし。
勿論エロいにはエロいのだけれども。
それよりも感動が大きかったからだろうな。
伝えたいんだよ。この感動を。
でも、エロいものを素直にエロと見ずに色々グダグダ考えることが本当に正しいことなのだろうか。
どこまでもだらしなく、一部だけは硬直させて、見るのが一番クリーンなのではないだろうか。

というわけでこの年齢にしてストリップにはまりそうな僕がいます。やばいです。

4月5日、ストリップデビュー。
しかし、次の日ウンコ漏らす。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

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