群馬大学(医学部)病院の北側にあるジャズ喫茶である。元々、前橋公園の近くにあったが、8年前に移ってきた。
木馬
入り口 このところ、親父がよく入り浸っている。ふらっと寄っているようだ。
店内は縦長である。店の奥の壁にALTEC A7が置かれている。
最近、テーブルの一部が片づけられ、その代わりに、A7を三角形の底辺とする頂点部にソファーが置かれた。ここがこの店の最適リスニングポジションである。
客がいない時はマスターがそこに座っているのだろう。僕達が行くとそこを空けてくれる。他のお客さんがいない時は、僕も一寸顔を出す。
普段の音量はそれほど大きくはない。 それらしい客が来ると、ジャズ喫茶らしい音量で掛けてくれる。家でそんな音量を出したら、即、退去を命ぜられそうな音量である。
音は豪快、音の固まりをふわーっと押し出す感じ。音離れが良い。 モノラルも悪くないナーと思ったのは、赤兵衛とここである。
ALTEC A7
マスターは心底、アルテックが、A7が好きなのである。アンチJBL派らしい。 これだけの空間と距離があるから、A7の良さが生きるのである。
再生装置は スピーカー アルテックA7(低域ユニットは515B?)
パワーアンプ マッキントッシュ240プリアンプ マッキントッシュC22LPプレーヤー LINN LP12カートリッジ シュアー V15Ⅲ 機種は古くからの付き合いであるオーディオ店主に任せたらしい。
アンプ類、LPプレーヤー
C22が不調のため、クイックシルバーが代役を務めていた (正確に言えば、親父が無理矢理、貸し出した物)
マッキンのC22は定番として、これと組んでいるのが、275ではなく240と言うのが珍しい。出力球はビーム管6L6GCと思われる。
カートリッジはV15Ⅲしか使わない。交換針の予備はかなり持っているらしい。
マスターは一見、取っつき憎いように見えるが・・・・ マスターはジャズに詳しい。その思い入れが、情熱が伝わって来るのである。
これまで、数多くのジャズミュージシャンを呼んでいる。オスカー・ピーターソン、MJQも来ている。
店の看板 since 1966
今年(12月)で満40周年となる。
ここでは、親父はジャズについては何も言わない。言えないのだ。
マスターも心得たもので、親父が行く度に珍しいLPを掛けてくれる。それが40年代のパーカーであったり、デジタル時代のLPであったりする。確かに時代を超えた音と言うのがあるようである。
LP収納棚
隠れ名盤200というマスター推薦のLP一覧表が整理されている。元々、壁一面にLPが詰まっていたが、最近になって、2千枚位に整理された。自分の頭に入っていて、客のリクエストに即座に応えられる数にしたそうだ。
棚にはまだ少し余裕があるように見えるが、今後、好きなLPを見つけた時のためのスペースだそうだ。 擦り切れたLPも、聴いているうちにスクラッチノイズが気にならなくなるから不思議である。ここでは、只、ジャズの熱気の渦に巻き込まれれば良いのである。
ビル・エバンス夫妻
こんな良いジャズ喫茶があるのだから、入り浸りの学生がいるのかと思ったが全然だと言う。
12枚綴り4千円のお得なコーヒー券もあるのだ。
趣味の多様化と言うか、本当に勿体ないと思う。
営業時間は正午から午後11時、定休日は日曜日である。 気になりながら、訊き忘れていることがある。木馬と言う店の名前の由来は何なのだろうか。
母の推論は、前橋公園内中央児童遊園の名物の遊具「木馬」ではないかと言っている。 早速、その由来を尋ねてみた。 その答えは
兄貴 2歳の頃
古くなったので撤去対象になったが、みんなの強い保存要望があって残ることになった。
今でも10円で乗れる。