kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ラストキング・オブ・スコットランド

2007年05月12日 | 洋画(良かった、面白かった、気に入った)
日時:5月11日
映画館:サロンシネマ
パンフレット:A4版600円(フォレスト・ウィテカーのインタビューが欲しかったところ。)

『「あみん」と言えば、「待つわ」じゃなくて「食人大統領」だよね。』と名言を残したのは、私の友人です。

いずれにせよ、映画の世界でアミンとと言えば「食人大統領アミン」「エンテベの勝利」「特攻サンダーボルト作戦」だろう。(どれもメジャーじゃないね。)そんなアミン大統領を正面から捉えようというのだから、製作陣も度胸がある。

ドラマはアフリアウガンダに医師として赴任した青年(架空の人物)がアミン大統領のカリスマ性に魅せられるうちに、主治医に任ぜられ、あれよあれよと栄光と転落の半生を送るというお話。この関係がヒトラーとシュペーアの関係を彷彿とさせる。

この魅せられていく過程がなかなか良く出来ていて、権力者に気に入られた若者の青さと過ちを巧みに描いている。ワタシもあの歳くらいだったら、舞い上がっただろう。年をくった今なら、間違いなく最初から疑ってかかるだろうが、その挙句、良くて国外追放だろうね。(笑)

その一方で、この青年医師自体もアフリカを未開の地としてナメてかかっていて、根底にある「オレ様は文明人」なんだという驕りが見え隠れし、結果として手痛いしっぺ返しをくう。(そもそも彼は社会的な使命感からではなく、単に変化を求めてアフリカに来たのだから。)この人物造形がなかなかうまい。

実物のアミンの顔を知っているので、フォレスト・ウィテカーはちょっと見はちょっとコワイウィテカー程度にしか見えないが、言動が異常で、そのあたりの演技のヤバさはさすがだと思う。

絵的には、ウガンダのロケーションは大地や空の色をストレートに表現していて、なかなか感じがいい。アミンといえば残酷描写とばかりに、後半はR-15な描写も続出。

残念なのはラスト。ちょっと史実を脚色しすぎていて、エンテベ空港事件を事前に知っていると「やりすぎ感」と「食い足りなさ」が残ってしまう。

ところで、アミンつながりじゃないが、「007 死ぬのは奴らだ」を再映画化するとしたら、ミスター・ビッグはやはりウィテカーなのかな。

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