日時:7月7日
映画館:109シネマ広島
第1作目「レイダース/失われた聖櫃」を観たのは中学校の時だったから、今、ワタシが普段会話する人の半分くらいはまだ生まれてなかったことになる。自分も年を取ったわけだ。(そういう自分も大好きなマカロニ・ウエスタンや007シリーズの開始時は生まれてなかったのだが)
時代の変遷はオープニングでもいきなり実感させられる。最初の出てくるのはパラマウントのロゴではなく、ディズニーのシンデレラ城のロゴなのだ。
さて、時は1945年、ナチドイツ崩壊時にインディ・ジョーンズはトビー・ジョーンズの考古学者と一緒に2000年前の精密機械、アンティティキラ争奪戦に関わる。
ここで敵役となるナチ親衛隊の大佐役は嬉しいことにトーマス・クレッチマン。ドイツ版「スターリングラード」から「ヒトラー最後の12日間」「ワルキューレ」に至るまで21世紀にドイツ軍人役ならこの人である。ここ数年はでっぷりお腹が出てしまって、かっての精悍さがなくなったのは残念なところだが、インディを縛り首にしようとする非道さを発揮する。
砲弾飛び交う戦場で縛り首ってどっかで聞いたようなシチュエーションだなあ・・・。
いつものようにお気軽なアクションを展開し、20mm対空機関砲でドイツ兵をなぎ倒したおかげでアンティキティラはアメリカの手に。
さて、時は飛んでアポロ11号の3人の凱旋パレードで賑わう1969年、インディも70歳。大学の退官パーティのさなか、アンティキティラを狙う一団に襲撃される。インディ、アンティキティラをほぼ私物化しており、相変わらず手癖が悪い。
アンティキティラ自体は現実に実在しており、正確には「アンティキティラ島で発見された機械」と言われている。用途は天体の動きと暦を連動させた天文計算機だったらしい。
ただそれでは面白くないので、劇中ではさらに不可思議な機能が備わっている。実際のアンティキティラ島の機械になかなかの謎設定を付加するあたり、面白いプロットだと思う。
途中から今回のヒロインでトビー・ジョーンズの娘、ヘレナと一緒に、謎の一団(って顔ぶれからすぐにナチの残党と分かる)が追うアンティティキラの正体を探す探検の旅に出る。
トビー・ジョーンズと言えば、「ジュラシック・ワールド/炎の王国」の金持ちとか「キャプテン・アメリカ」の科学者とかどちらかと言えば敵側の人間って感じで、その娘となると何かと胡散臭い。
「いつもと一緒でいつもと違う」という続編ものの鉄則どおり、今回も「古代の人はなぜそんな面倒くさいことまでして隠した?」という謎解きがあり、インディシリーズお約束の「生き物いっぱい」のシーンもちゃんとある。
今回の敵役はマッツ・ミケルセン扮するフォン・ブラウン博士がモデルになったような数学者。劇中言及はされないが、たぶん欧州大戦の終了後、米軍のペーパークリップ作成でアメリカに連れてこられ、宇宙開発研究に従事していたという設定なのだろう。一学者に過ぎず、背後に強力な権力の裏付けがないので、これまでの悪役に比べるとちょっとパワー不足の感は否めないが、目的のスケールのデカさではシリーズ随一。ただの骨とう品泥棒ではない。
ただパワー不足なのは70歳になったインディも同様。「レイダース」のカーチェイスみたいな派手なアクションは、さすがに無理があるのでもはや展開されないし、得意技の鞭も1回しか振るわない。それに映画途中から体を張る役回りはヘレナに移る。
実はジョン・ウィリアムの音楽も同様。もちろんテーマ曲は健在だが、重いシーンでも肩の力を抜かせる軽妙なジョン・ウィリアム節が聞こえてこない。彼の音楽を聴くと「映画館で映画観た」って実感できたのに、今回はさみしい限り。
それに今回、ワクワクするような巨大メカが出てこない!
今回のインディ、目新しいところがほとんど感じられない。いずこも見たような設定とシーンばかりだし、クライマックスのくだりはTVの「ミステリーゾーン(トワイライトゾーン)」で全く同じ話があったほどだ。
しかし、よく考えてみたら元々「レイダース」のコンセプト自体がスピルバーグとルーカスの「昔、ラジオや映画館で楽しんだクリフハンガーものを現代に甦らせよう」だったわけだから、長年映画ファンをやっていると仕方ないのかも知れない。
物足りない部分もあるが、前作「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」よりは面白かったし、クライマックスの大仕掛けと伏線は個人的には好みだ。(まあどうやって帰れたのかは目をつむろう)
なので評価は
★★★☆☆(0.5★くらいはプラスしてもいい)
ところで、本作の重要なテーマは「時間の経過」である。
そこには70歳すぎでもまだまだ頑張れるというインディの姿もあるだろうし、その一方で裏メニューは「強い意志を持てば25年でも我慢できる」なのだろう(ちょっと違う)
映画館:109シネマ広島
第1作目「レイダース/失われた聖櫃」を観たのは中学校の時だったから、今、ワタシが普段会話する人の半分くらいはまだ生まれてなかったことになる。自分も年を取ったわけだ。(そういう自分も大好きなマカロニ・ウエスタンや007シリーズの開始時は生まれてなかったのだが)
時代の変遷はオープニングでもいきなり実感させられる。最初の出てくるのはパラマウントのロゴではなく、ディズニーのシンデレラ城のロゴなのだ。
さて、時は1945年、ナチドイツ崩壊時にインディ・ジョーンズはトビー・ジョーンズの考古学者と一緒に2000年前の精密機械、アンティティキラ争奪戦に関わる。
ここで敵役となるナチ親衛隊の大佐役は嬉しいことにトーマス・クレッチマン。ドイツ版「スターリングラード」から「ヒトラー最後の12日間」「ワルキューレ」に至るまで21世紀にドイツ軍人役ならこの人である。ここ数年はでっぷりお腹が出てしまって、かっての精悍さがなくなったのは残念なところだが、インディを縛り首にしようとする非道さを発揮する。
砲弾飛び交う戦場で縛り首ってどっかで聞いたようなシチュエーションだなあ・・・。
いつものようにお気軽なアクションを展開し、20mm対空機関砲でドイツ兵をなぎ倒したおかげでアンティキティラはアメリカの手に。
さて、時は飛んでアポロ11号の3人の凱旋パレードで賑わう1969年、インディも70歳。大学の退官パーティのさなか、アンティキティラを狙う一団に襲撃される。インディ、アンティキティラをほぼ私物化しており、相変わらず手癖が悪い。
アンティキティラ自体は現実に実在しており、正確には「アンティキティラ島で発見された機械」と言われている。用途は天体の動きと暦を連動させた天文計算機だったらしい。
ただそれでは面白くないので、劇中ではさらに不可思議な機能が備わっている。実際のアンティキティラ島の機械になかなかの謎設定を付加するあたり、面白いプロットだと思う。
途中から今回のヒロインでトビー・ジョーンズの娘、ヘレナと一緒に、謎の一団(って顔ぶれからすぐにナチの残党と分かる)が追うアンティティキラの正体を探す探検の旅に出る。
トビー・ジョーンズと言えば、「ジュラシック・ワールド/炎の王国」の金持ちとか「キャプテン・アメリカ」の科学者とかどちらかと言えば敵側の人間って感じで、その娘となると何かと胡散臭い。
「いつもと一緒でいつもと違う」という続編ものの鉄則どおり、今回も「古代の人はなぜそんな面倒くさいことまでして隠した?」という謎解きがあり、インディシリーズお約束の「生き物いっぱい」のシーンもちゃんとある。
今回の敵役はマッツ・ミケルセン扮するフォン・ブラウン博士がモデルになったような数学者。劇中言及はされないが、たぶん欧州大戦の終了後、米軍のペーパークリップ作成でアメリカに連れてこられ、宇宙開発研究に従事していたという設定なのだろう。一学者に過ぎず、背後に強力な権力の裏付けがないので、これまでの悪役に比べるとちょっとパワー不足の感は否めないが、目的のスケールのデカさではシリーズ随一。ただの骨とう品泥棒ではない。
ただパワー不足なのは70歳になったインディも同様。「レイダース」のカーチェイスみたいな派手なアクションは、さすがに無理があるのでもはや展開されないし、得意技の鞭も1回しか振るわない。それに映画途中から体を張る役回りはヘレナに移る。
実はジョン・ウィリアムの音楽も同様。もちろんテーマ曲は健在だが、重いシーンでも肩の力を抜かせる軽妙なジョン・ウィリアム節が聞こえてこない。彼の音楽を聴くと「映画館で映画観た」って実感できたのに、今回はさみしい限り。
それに今回、ワクワクするような巨大メカが出てこない!
今回のインディ、目新しいところがほとんど感じられない。いずこも見たような設定とシーンばかりだし、クライマックスのくだりはTVの「ミステリーゾーン(トワイライトゾーン)」で全く同じ話があったほどだ。
しかし、よく考えてみたら元々「レイダース」のコンセプト自体がスピルバーグとルーカスの「昔、ラジオや映画館で楽しんだクリフハンガーものを現代に甦らせよう」だったわけだから、長年映画ファンをやっていると仕方ないのかも知れない。
物足りない部分もあるが、前作「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」よりは面白かったし、クライマックスの大仕掛けと伏線は個人的には好みだ。(まあどうやって帰れたのかは目をつむろう)
なので評価は
★★★☆☆(0.5★くらいはプラスしてもいい)
ところで、本作の重要なテーマは「時間の経過」である。
そこには70歳すぎでもまだまだ頑張れるというインディの姿もあるだろうし、その一方で裏メニューは「強い意志を持てば25年でも我慢できる」なのだろう(ちょっと違う)
題名:インディ・ジョーンズと運命のダイヤル 原題:Indiana Jones and Dial of Distiny 監督:ジェームズ・マンゴールド 出演:ハリソン・フォード、フィービー・ウォーラー=ブリッジ、マッツ・ミケルセン、アントニオ・バンデラス |